とある魔術の禁書目録 自作ss保管庫

Part54

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とある右手の番外編(パラレルワールドストーリー)2


プロローグ

 to 美琴 from 上条

 sub ゴメン

 美琴。ホントにゴメン。なぜか
 判らないんだけど、急に補習を
 言い渡された。
 補習を受けなきゃならないよう
 なことはしてないはずなのに。
 2時間ぐらい遅れるから、先に
 買い物して部屋で待っててくれ。
 埋め合わせは必ずするから。ホ
 ントゴメンな。

 あの日のメール。
 私の大切な宝物……。
 もう、二度と会えないと分かっていても……やっぱり……会いたい。……って思っちゃう。

 別の世界から来た『上条当麻』さん。
 この世界のアイツとは比べものにならないくらい……。
 ううん……『くらい』じゃない……全然違う……。
 本当に優しかったし……本当に強い人……だった。

 あの出会い以来、アイツを見てもときめかない。
 どうしてもあの『上条さん』と比べてしまう。
 ズルい女だってのは分かってる。
 でも……知ってしまったら……誰だってそうなるよね。

「おーい、御坂ァー」

 アイツはあの日以来、私に良く声をかけてくるようになった。
 なぜかは分からないけれど……。
 でも、正直……嬉しくない。

「何だ、アンタか……。何か用?」

「あ……いや、別に用って程じゃ……」

「じゃあ、今度にしてくれる?……じゃね」

「あ……オイ?……行っちまいやがった……」

 足早にその場を離れる。
 アイツじゃダメ。
 アイツなんかじゃダメなんだ。
 私は知ってしまった。
 私の理想は、あの『上条当麻さん』なんだ。
 あの人じゃなきゃ、私はもう……。

 寮まで送って貰った時に、もう一度名前を呼んで欲しいとお願いした。
 だけどあの人は『それは出来ない』と言った。それは『しちゃいけないコト』だと言った。
 そう言われた時、心の奥が「ズキッ」と痛んだ……。
 今まで感じたことがない程の痛み。
 その瞬間に私は理解してしまった。
 私はこの人のことを好きになってしまった……。アイツの何倍も、何十倍も、何百倍も……。

 だから……アイツへの『予行演習』と称して……あの人に言った。

『アナタが好きです。上条当麻さんが大好きです』

 と……。
 多分、あの人は気付いてはいないだろうな……。
 私の本当の気持ちを……。

「会いたいよォ……上条さん……」

 この気持ちをどうしたらイイんだろう?
 私は……私は……どうしたらイイの?

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『何やってんだよ?御坂』

「えっ!?……あっ……あのッ……もしかして……上条さん?」

『変な呼び方すんなって……まぁ、オマエの世界のオレと間違わないようにするにはそうするしかないか……』

「まさか……会いに来てくれたの!?」

『まぁ……そんなところかな?』

「会いたかった……会いたかったよォ……うわぁぁぁあああん……」

 私は泣きながらあの人の胸に飛び込んだ。
 あの人は優しく抱き締めてくれた。

『御坂……』

「イヤッ……『美琴』って呼んでっ……。アナタにはそう呼んで欲しいの!」

 私の顔は涙でくしゃくしゃになっているだろう。
 でも、この人だからこんな顔でも見せられる。
 この人なら、優しく包み込んでくれる。
 だから、私はワガママになる。

「私はアナタが好きなの。この世界のアイツより私はアナタが好きッ!!!」

『御坂……』

「どうしてッ!?……どうして呼んでくれないのっ!?……どうして『美琴』って呼んでくれないの!?」

『それに気付かなきゃいけないんだよ……御坂……オマエは……』

「えっ!?……どういう……コト……?」

『……じゃあな……御坂……』

「待ってッ!!行かないでッ!!上条さんっ!!……お願いッ!!待ってよォ……」

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