明日、どうしよ…。流石に制服だと時間帯的にアレだし…。
って時間帯って何よ!ご飯食べてイルミネーション見てもまだ門限というか補導されるような時間じゃ…
ああもう、私何してんのよっ!アイツが相手なのに、そんなこと考えても…。
って時間帯って何よ!ご飯食べてイルミネーション見てもまだ門限というか補導されるような時間じゃ…
ああもう、私何してんのよっ!アイツが相手なのに、そんなこと考えても…。
「ふんふんふーん、たっだいまー!ですの♪」
「きゃあっ!?」
「きゃあっ!?」
思わず背筋を伸ばして、甲高い声を出す。
く、黒子か…
く、黒子か…
「お、お帰り黒子」
「何ですのお姉様、わたくしの帰宅で声を出すなんて珍しいですわよ」
「何ですのお姉様、わたくしの帰宅で声を出すなんて珍しいですわよ」
えと、なんとかして誤魔化さないと…
「い、いやちょっと考え事をね…」
ちょっ、誤魔化せてない私っ!
「考え事?それならわたくしも一緒に考えて差し上げましょうか」
「い、いや、もうちょっとで落ち着きそうだから…。ま、また詰まったらお願いするわ」
「そうですか。あ、そうそうシャワーの時間がもうすぐで終わるそうですがお姉様浴びられましたか?」
「い、いや、もうちょっとで落ち着きそうだから…。ま、また詰まったらお願いするわ」
「そうですか。あ、そうそうシャワーの時間がもうすぐで終わるそうですがお姉様浴びられましたか?」
え、シャワー?……あ、忘れてた。
「いや、まだよ」
「そうですか。では、一緒に行きませんこと?ちょうど殆ど人は少ないようですしお考えするにも宜しいかと」
「うん、そうするわ]
「そうですか。では、一緒に行きませんこと?ちょうど殆ど人は少ないようですしお考えするにも宜しいかと」
「うん、そうするわ]
ベッドから腰を持ち上げて、黒子の分のタオルも取って渡す。
「ありがとうございますですの。あ、あと、わたくしが言うのも何ですが」
「?」
「行動で思い悩んでるのなら、即決行動のお姉様らしくありませんわよ?」
「?」
「行動で思い悩んでるのなら、即決行動のお姉様らしくありませんわよ?」
そう言って黒子は「お先に」とも付け加えて、先に出て行った。
即決行動…いやまぁ、そっちのが私らしい、か?
柔軟材のお陰かタオルが柔らかい。仄かな香りが少し癒される。
即決行動…いやまぁ、そっちのが私らしい、か?
柔軟材のお陰かタオルが柔らかい。仄かな香りが少し癒される。
「ありがと、黒子」
本当に、こういう時はあの子が同僚、親友、パートナーで良かったと思う。
雑誌を布団の下に隠してから、私もシャワールームに向かった。
雑誌を布団の下に隠してから、私もシャワールームに向かった。
―――――――――
翌日。
私は目覚めて一番にした事と言えば―――送信履歴の確認だった。
上条当麻――ケータイでくらい名前、いいわよね――と一番上に載っていて安心した。
そして、液晶に映る日付時間を見て、昨日私はやったんだ、と喜んだ。
翌日。
私は目覚めて一番にした事と言えば―――送信履歴の確認だった。
上条当麻――ケータイでくらい名前、いいわよね――と一番上に載っていて安心した。
そして、液晶に映る日付時間を見て、昨日私はやったんだ、と喜んだ。
「あら、お姉様。もう起床とは珍しいですわね」
どきっ、として声のする方を見ると、当然ながら黒子がいた。
髪を梳かして、もう着替えている。
髪を梳かして、もう着替えている。
「おはよう黒子。もう行っちゃうの?」
「おはようございますですの。ええまぁ、固法先輩と今日は念入りに話し合わないとダメですし」
「ふーん、そっかぁ…」
「お姉様、黒子を愛して片時も離れたくないのは存分に承知しておりますが、これも宿命というもごふっ!?」
「おはようございますですの。ええまぁ、固法先輩と今日は念入りに話し合わないとダメですし」
「ふーん、そっかぁ…」
「お姉様、黒子を愛して片時も離れたくないのは存分に承知しておりますが、これも宿命というもごふっ!?」
最後が意味不明な感嘆詞になったのは私が枕を投げたからだ、黒子の。
途中で止めとかないとテレポートでこっちに飛んでくる可能性があるし。
途中で止めとかないとテレポートでこっちに飛んでくる可能性があるし。
「はいはい、言いたい事はよくわかってるって。張り切るのはいいけど、本っ当に無茶しちゃダメよ?」
「はひ… お姉様のそんな言葉が黒子の励みになりますの…」
「はひ… お姉様のそんな言葉が黒子の励みになりますの…」
突如、黒子のベッドの時計がピピピピピッと鳴り出した。
「げっ、も、もうこんな時間ですのっ!?ではお姉様失礼しますわ!」
「あ、うん。いってらっしゃい、気をつけて頑張ってね」
「あ、うん。いってらっしゃい、気をつけて頑張ってね」
「はい!」と言う黒子の声と扉の閉まる音が同時に聞こえた。
「――――さて、と」
とは言いつつも、まだ10時間近くはある。つか、会うのは夜だしっ!
学校は当然冬休みだから時間が潰すモノはない。
……やっぱり外か。外しかないじゃない。
学校は当然冬休みだから時間が潰すモノはない。
……やっぱり外か。外しかないじゃない。
朝なら別に散歩で通るし、制服でいっか。
私はいつものように身支度して、ご飯も食べようと思いつつ寮を出た。
私はいつものように身支度して、ご飯も食べようと思いつつ寮を出た。
―――――――――
朝の天気は快晴だった。とはいえ、普通に寒い。
コートとマフラーをしてきてよかったとしみじみ思う。
はぁ、とすると、白い息が空中で広がり消えていく。
朝の天気は快晴だった。とはいえ、普通に寒い。
コートとマフラーをしてきてよかったとしみじみ思う。
はぁ、とすると、白い息が空中で広がり消えていく。
「雪、降るといいな」
「本当にまったくその通りっ」
「どわっ!?」
「本当にまったくその通りっ」
「どわっ!?」
ばしんっ!と思いっ切り背中をたたかれた。
勢いで2,3歩前に進んで、止まってから体を反転させる。
勢いで2,3歩前に進んで、止まってから体を反転させる。
「さ…佐天さんに初春さんっ」
「どうもー」
「おはようございます、御坂さん」
「どうしたの?朝早くから」
「2人とも朝早くから起きてしまって、やる事もないんでぶらり街中に来ましたー」
「さ、佐天さんが私を起こして"暇だー"って言ってたんじゃないですかっ!眠いんですよぅ、私…」
「どうもー」
「おはようございます、御坂さん」
「どうしたの?朝早くから」
「2人とも朝早くから起きてしまって、やる事もないんでぶらり街中に来ましたー」
「さ、佐天さんが私を起こして"暇だー"って言ってたんじゃないですかっ!眠いんですよぅ、私…」
そう言って初春さんは目を擦る。頭の花もなんとなく元気なさそうに見えた。
立ち止まって話しているのも寒いだけ、という事で街の中心部に歩いていく形で話す事にした。
その流れで、こっちもあっちも朝ご飯がまだという事が分かったので喫茶店に行く事になった。
その流れで、こっちもあっちも朝ご飯がまだという事が分かったので喫茶店に行く事になった。
「そういや御坂さん、今日明日と予定あるんですかー?」
佐天さんの急激な問い掛けに息を詰まらせて吐き出した。
自然にゴフッとミルクティーを少し吹き出したのは許して欲しい、溢してはいないし。
自然にゴフッとミルクティーを少し吹き出したのは許して欲しい、溢してはいないし。
「えっ、あ、え、えーっと………今日は、ちょっと…」
アイツ…男とデートだなんて言えないし…忙しい雰囲気だけ醸し出して……
「あ、デートですねっ!?」
うええええっ!!?
「ち、ちち違うわよ!友達とちょっと、遊ぶ約束を……」
「なーんだ、クリスマスイヴだしてっきり… 友達って白井さんじゃないんですか?」
「く、黒子はっ …ジャッジメントのお仕事で今日忙しいって…」
「なーんだ、クリスマスイヴだしてっきり… 友達って白井さんじゃないんですか?」
「く、黒子はっ …ジャッジメントのお仕事で今日忙しいって…」
そう言うと、佐天さんの視線がサンドイッチを黙々と食べてた初春さんに向けられた。
「あれ、初春はないのー?」
「今日はお昼からだって言ったじゃないですか。だから寝たかったのにぃー…」
「はいはい、ごめんってば。目覚めのティー美味しかったでしょ?」
「う、美味しかったですけど…」
「今日はお昼からだって言ったじゃないですか。だから寝たかったのにぃー…」
「はいはい、ごめんってば。目覚めのティー美味しかったでしょ?」
「う、美味しかったですけど…」
ああもうこの2人ラブラブだな、とかふと思ってしまった私が情けない。
私もレタスがはみ出したハムサンドに齧り付く。
私もレタスがはみ出したハムサンドに齧り付く。
その時、自分が制服で向こうが私服という事に気付いた。
あー…今日どうしよ…。
あー…今日どうしよ…。
「ね、ねえ初春さん、佐天さん」
そして、やはりそういうのに乏しい私は人の手を借りる事にした。やっぱり情けない。
「常盤台の友達から聞かれた事なんだけどさ」
と、前置きをしておいて。
「今日とか明日、デート…するなら、どんな格好がいいと思う?」
と、前置きをしておいて。
「今日とか明日、デート…するなら、どんな格好がいいと思う?」
"友達の話"だとすらすら言えるのか…私。
「んーそうですねぇ、とは言っても私らも相手なんかいた事ないですけど。
とりあえず女性のポイントとして、初春は男なら、ジーンズ?それともスカートのロング?ミニ?」
「な、なんで私が男前提で話す必要があるんですかっ!寧ろ佐天さんのが男らしいですよ!」
「えーなんでよ、私以上に女らしい人なんて…」
「いますよ、御坂さんとか」
とりあえず女性のポイントとして、初春は男なら、ジーンズ?それともスカートのロング?ミニ?」
「な、なんで私が男前提で話す必要があるんですかっ!寧ろ佐天さんのが男らしいですよ!」
「えーなんでよ、私以上に女らしい人なんて…」
「いますよ、御坂さんとか」
即答っ!?
「いや、私なんて特に男らしい方だから…」
「そんな事ないですよー、で、話戻しますね?
友達がどんな人か分からないですけど、ロングヘアーならロングスカート、ショートならジーンズかミニスカ。
多分そんな感じでいいんじゃないですか?もちろん個人差はありますけど」
「えと、その人…はショートヘアの類かな?」
「そんな事ないですよー、で、話戻しますね?
友達がどんな人か分からないですけど、ロングヘアーならロングスカート、ショートならジーンズかミニスカ。
多分そんな感じでいいんじゃないですか?もちろん個人差はありますけど」
「えと、その人…はショートヘアの類かな?」
と言いつつ、自分の髪を触ってしまう。
つか、私的に佐天さんはジーンズ、初春さんはロングスカートが似合ってるから既に個人差じゃない、と思う。
ジーンズか…私に似合うのかしら…。
つか、私的に佐天さんはジーンズ、初春さんはロングスカートが似合ってるから既に個人差じゃない、と思う。
ジーンズか…私に似合うのかしら…。
「でも、自分なりのお洒落をしていったなら、彼氏は別に文句なんて言いやしませんよー」
「そうですよ、だからその友達にそう言ってあげるといいんじゃないですか?」
「う…あ、ありがと。そう言っておくわ」
「そうですよ、だからその友達にそう言ってあげるといいんじゃないですか?」
「う…あ、ありがと。そう言っておくわ」
思わずポケットからケータイを取り出してメールをする演技をする。
それを合図にしたかのように初春さんがトイレと言い出し、佐天さんもそれについてった。
それを合図にしたかのように初春さんがトイレと言い出し、佐天さんもそれについてった。
*
初春「佐天さんにやにやしすぎですよ」
佐天「ごめんごめん、これでも我慢してたんだよ?」
初春「あの"友達"って……御坂さんですよね」
佐天「多分、というか絶対そうだって。くぅーいいないいなぁ♪」
初春「ちょっ、せ、詮索禁止ですよ!そんなので御坂さんがショックでも受けたら…」
佐天「わ、わかってるって… あ、初春これから仕事だよねっ?」
初春「しませんよ」
佐天「何も言ってないじゃーん」
初春「どうせ監視カメラで御坂さんのデートを見てくれーとか言うんでしょう?嫌ですよ」
佐天「ちぇー。まぁそうだよね、わかったわかった」
初春「ちゃんと"友達"の話ですからね?」
佐天「わかったってば。佐天さんも初春以外にはそこまでいじめっ子じゃないですよってば」
初春「わ、私にも今後止めてくれると嬉しいんですけど……」
*
*
はぁー…頭の中で、ロングスカート・ミニスカ・ジーンズを履いた自分を想像して、死にたくなる。
普段から制服ってのもあるんだろうけど、ミニスカしか自分が思い描けない。
でも普通にミニスカ寒いし…、そこは妥協していいわよね?
ジーンズかぁ、あるにはあるけど……いやまさか履けないなんてことは、ない。うん。
初春「佐天さんにやにやしすぎですよ」
佐天「ごめんごめん、これでも我慢してたんだよ?」
初春「あの"友達"って……御坂さんですよね」
佐天「多分、というか絶対そうだって。くぅーいいないいなぁ♪」
初春「ちょっ、せ、詮索禁止ですよ!そんなので御坂さんがショックでも受けたら…」
佐天「わ、わかってるって… あ、初春これから仕事だよねっ?」
初春「しませんよ」
佐天「何も言ってないじゃーん」
初春「どうせ監視カメラで御坂さんのデートを見てくれーとか言うんでしょう?嫌ですよ」
佐天「ちぇー。まぁそうだよね、わかったわかった」
初春「ちゃんと"友達"の話ですからね?」
佐天「わかったってば。佐天さんも初春以外にはそこまでいじめっ子じゃないですよってば」
初春「わ、私にも今後止めてくれると嬉しいんですけど……」
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はぁー…頭の中で、ロングスカート・ミニスカ・ジーンズを履いた自分を想像して、死にたくなる。
普段から制服ってのもあるんだろうけど、ミニスカしか自分が思い描けない。
でも普通にミニスカ寒いし…、そこは妥協していいわよね?
ジーンズかぁ、あるにはあるけど……いやまさか履けないなんてことは、ない。うん。
流石に流れでも上の服は聞けないし…それだけにしよう、メールも返って来たって事で。
*
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