とある魔術の禁書目録 自作ss保管庫

Part57

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とある右手の番外編(パラレルワールドストーリー)3*


「アンタ……誰?」

 御坂がオレに向かって聞いてくる。

「何言ってんだよッ!?……オレだよッ!!上条当麻だよッ!!!……ったく、何当たり前のことを聞いてくるんだよッ!?」

「アンタは上条当麻じゃないわ。少なくとも、私が知ってる上条当麻じゃない!!!」

「なっ!?……何だよッ……それッ!?」

「私が知ってる上条当麻なら、絶対に私を『ビリビリ女』なんて呼ばないわ」

「ヘッ!?」

「私が知ってる当麻なら、私を『美琴』って呼ぶもの」

「さっきから一体何なんだよッ!?……今日は朝から……何が何だか……訳の分からないことばっかりだ……」

「訳の分からないこと?」

「朝、授業中にウトウトしてたら、いきなり周りがユラユラ揺れだして、地震か!?と思って慌てて教室を飛び出そうとしたらクラスの奴らから笑われるわ。青ピの野郎は『宿題写させろ』ってウルセえし……」

「ふーん……」

「『そんなもんやってねェよ』って言ったのに、ノートを開いたらやってあるし……。持ってきた弁当は全然違うし、来週末まで言い渡されてたはずの補習は受けなくて済んでるし……。その上、ココを歩いてたら……いきなりオマエが抱きついて来やがるから……ホント……訳が分からねぇよ……」

「なるほどねぇ……」

「何が『なるほどねぇ……』なんだよ?」

「良くは分からないけれど……多分、アンタのその右手が関係してると思うわ」

「オレの右手が?」

「そっ。アンタの右手……【幻想殺し(イマジンブレーカー)】がこの騒動の原因だと思って間違いないでしょうね」

「何だよ……それ!?」

「説明するととんでもなく長くなるからしないけど、多分アンタはどこか別の世界から来た上条当麻で、コッチの世界の当麻と入れ替わっちゃったのよ」

「い……入れ替わったァ~?……どうして?……何でそんなコトになったんだ?」

「知らないわよ。でも……ほぼ正解みたいね。アンタの右手を見てれば……分かるわ」

「ヘッ!?」

 マヌケた声を出して、自分の右手を見たオレは、余計に訳が分からなくなった。
 右手だけが震えてやがる。しかも、震えている感覚がオレにはない。
 しばらく見ていたら、今度は汗までかき始めやがった。それも……滝のような汗を……。

「これ……一体……何がどうなってるって言うんだ?」

「だから、そこまでは分からないって言ってるでしょ?……聞きたきゃ、その右手に聞いてみたら?」

「ハァ?……何バカなこと言ってんだよッ!?右手が喋る訳ねェだろ!!」

「まぁ、そう考えるのが普通よね。(さすがにあのコトは話せない……か……)」

「当然だろっ!!」

「……それにしても……アンタ……ちょっとヒドくない?」

「ヒドいって……何がだよ!?」

「コッチも何にも知らないから、いきなり腕に抱きついちゃったのは悪いと思うけどさ……それ見て『何しやがるッ!?このビリビリ女がッ!!』って……アレってちょっとヒドくない?」

「しょうがねェだろ?……オマエがコッチの世界でオレとどういう関係にあるかは知らないけど、オレが居る世界じゃオレとオマエは毎日ケンカ三昧だよ」

「えっ!?」

「向こうじゃオマエはオレの顔を見れば『勝負よ!!勝負!!!』って言って、電撃浴びせて来やがる。オレもいい加減ムカついてるから……言葉遣いも荒くなってるんだよ」

「へェ~……『御坂美琴とその世界を守る』って約束してるのに?」

「何だ……それ?」

「ハァ?……何言ってんのよッ!?……アステカの魔術師とアンタが、夏休み最後の日に……」

「……そんなコトあったっけ?……忘れちまったよ……」

「何ですってぇ~!?……アンタそれでもホントに上条当麻なのっ!?(バチバチバチバチッ)」

「なっ……何でそんなに怒ってんだよっ!?……第一オマエには関係ねぇじゃねぇか!?」

「アンタねぇ……それ本気で言ってるの?」

「当然だろ!?……そんな約束なんて……第一、オマエとした訳じゃないんだし……」

「信じられない……アンタ……ホントに上条当麻なの?」

「何回同じコトを聞くんだよッ!?それに、それってそんなに重要なことなのか?」

「ハァ……アンタって……昔の当麻よりヒドいわね……」

「えっ!?……どういうコトだよッ!?」

「コッチの当麻は、その約束を忘れるなんてコトはなかったわ。確かに、その約束を守ることは出来なかったけれど……」

「だったら、一緒じゃねェか?」

「何ですってぇ!?」

「結局、守れなかったんだろ?……それなら忘れてたって一緒じゃねェか?」

「本気で言ってんの?」

「ハァ……どうでもイイだろ?……そんなコト」

 オレがそう言った瞬間に、コッチの世界の御坂の目が『スッ』と細くなった。
 と思ったら……

『パッチィィィィイイイインッ!!!!!』

 平手が飛んできた。

「なっ……何しやがるッ!?」

「……これくらいで済んだことを感謝するコトね。……当麻がもし今のを聞いたら、殺されるかも知れないわよ。少なくとも、今の10倍じゃあ済まないわ」

「えっ!?」

「コッチの世界の上条当麻は、誰かとした約束を果たすために必死になってる。例え果たせなかったとしても、ギリギリまでそれを守ろうと必死になっていた。それだけは間違いないわ。約束を忘れるなんてことは決してない。アンタのようにね……」

「くっ……」

「アンタはこの世界の上条当麻の足元にも及ばない。いいえ、私と付き合う前の上条当麻の足元にさえ及ばないわ」

 全く抑揚のない声は、その奥に有無を言わせない迫力があった。
 オレを睨み付ける御坂の目を、オレは正視することが出来なかった。
 その目は、オレが見ていない何かを見据えているような気がして、その目から逃げることしか考えられなかった。
 その時オレは、自分が記憶だけじゃなく、何か大切なものを失ってしまっていることを教えられたような気がした。

「ご……ゴメン……」

「へェ……謝れるんだ?」

「どっ……どういう意味だよッ!?」

「そのままよ。今のアンタが謝れるなんて……思いもしなかったから……」

「じゃあ、どう思ってたんだよ?」

「うーん……拗ねる?」

「オイ……」

「じゃあ……イジける」

「あ……あのなぁ……」

「不幸だーって言う」

「……それは……言いそうになった……」

「アハハハハハハ……そこはやっぱり上条当麻なんだ」

「クッソー……」

「まぁイイわ。今日はちょっとだけ付き合ってあげる。聞きたい事もあるし、それにコッチの世界の雰囲気だけでも味わってみたら?」

「オイ……それより、オレとそのもう一人が元の世界に戻れるっていう保証があるのかよ?」

「ん~……多分、大丈夫でしょ?確証はないけど……無理なら無理で、当麻なら何とかするわよ」

「エエッ!?……なっ……何だよそれッ!?そんな簡単に……」

「信じてるもん」

「えっ!?」

「私は当麻を信じてる」

「……」

「何があっても当麻は帰ってくる。私の元に帰ってくるわ。そう約束したから」

「約束したって……そんな簡単に……そんな簡単に、言いきれるモノなのか?」

「そういう絆がもう……私たちの間にはあるのよ」

「……う……うう……」

「信じる。信じないはアンタの勝手よ……じゃ、行きましょうか?」

「行くってドコへだよ?」

「買い物よ……その後、アンタの部屋にいって……晩ご飯作ってあげる」

「なっ……何でそんなことを……」

「だって……私たち、恋人だもん」

「え゛え゛ッ!?……マジで?……オレと……御坂が……恋人ぉ~ッ!?」

「そうよ」

「そ、そんな……サラッと……」

「じゃあ、どう言えばいいのよ?」

「そ……それは……その……」

「ま……アンタたちがそういう関係なら、驚くのも無理ないと思うけど……」

「今のが一番ビックリした……」

「そんなに拗れてるんだ……そっちの世界の私たちって……」

「大体オマエ……じゃなくて……御坂のヤツが悪いんだよ……そんなにキライなら関わらなきゃイイのに……」

「ハァ……鈍感なのは一緒なのね……」

「ヘッ?」

「わざわざキライな奴に関わる訳ないじゃない。……アンタに振り向いて欲しいから、アンタに私だけを見て欲しいから、突っかかって行ってるのよ」

「……まさか……」

「……ハァ……ホンットに……筋金入りの鈍感だわ。……アンタの世界の私がどんな経験をしたかまでは分からないけれど、私はこの世界で当麻を一度失っているの」

「えっ!?……失っているって?」

「当麻は戦争を止めるために、この世界を救うために、私が差し伸べた救いの手を自分で断ち切ったのよ。そして……消息不明になった……」

「……戦争?……そんなコトが……」

「その時に思い知ったわ……。上条当麻の事がどれ程好きなのかってコトをね……」

「おっ……オレの事を……好きッ!?」

「アンタじゃないわよ」

「うっ……」

「この世界の上条当麻の事。……あの人をどれだけ自分が好きなのか……それまでは分かってなかった……。第22学区でボロボロのアンタを見た時以上に、思い知ったわよ。……でも、北極海で……あのゲコ太のストラップを見つけた時は……もう……アンタは死んじゃったかもって……」

「……御坂……」

「泣いて……泣いて……泣きまくって……でも、それでも……アンタが生きてくれてたら……って……そう願わずにはいられなかった……」

「……それが……あの約束を……」

「そう……守れなかったってコト……。でもね……」

「えっ!?……でも?」

「その後しばらくして当麻は帰って来てくれて……、でも私は素直に自分の気持ちが言えなくて……そんな時、ちょっと変わった体験があってね……それまでは素直になれなかったんだけど、素直になろうと思って、変わろうと思ってたら……当麻が告白してくれたの……『好きだ』って……」

「おっ……オレがッ!?……オレが告白したって言うのかっ!?」

「だから……アンタじゃないってば」

「あっ……そうか……」

「そして、改めて約束して貰った……ううん、違う。二人で誓ったのよ。私と私の周りの世界を一緒に守るって。そして二人で幸せになるんだ。ってね」

「……そんな……約束を……」

「どう?羨ましいでしょ?」

「……ああ……そんな約束が出来るなんて……スゴいな……この世界のオレって……」

「エヘヘ……」

「何で、オマエが嬉しそうにするんだよ?」

「バカね……恋人の事を褒められて嬉しくない訳がないじゃない」

「……ウワッ……惚気かよッ……!?」

「悔しかったら、アンタたちもそういう関係を築いてみるコトね。……ホント、愉しいわよ」

「……そりゃそうだよな……毎日毎日、顔を合わせばケンカばかり……なんて……不幸……だよな……」

「ねェ……ひとつ聞いてイイ?」

「あ……何だ?」

「向こうの世界の私のコト……好きなの?」

「いっ……いきなり何をっ!?」

「ちょっと聞いてみたくなったからね。……ホントは何であの約束を忘れたの?って聞きたかったんだけど……」

「じゃあ、何で聞かなかったんだよ?」

「うーん……どうも、向こうの世界の私が原因してる気がしたから……」

「……う……」

「さっきケンカ三昧だって言ったでしょ?……そこが気になっちゃって……」

「当たり……かな……」

「えっ!?」

「忘れた理由……半分だけどな……」

「……そう……」

「……ある時にさ……ホントにしつっこくて……キレちまったんだよ……『そんなにオレの事がキライならもう関わるなっ!!』……ってさ……」

「……そうなんだ……」

「言った瞬間に『しまった』って思ったよ……でも……もう遅かった……」

「……」

「目に涙を一杯溜めて……何も言わずに逃げるように走っていくアイツの背中は……忘れられなかった……」

「……」

「だから……逃げちまった……」

「えっ!?」

「その背中を忘れるために……約束からも……アイツへの感情からも……全部……逃げたんだ……」

「……アンタ……」

「情けねぇよな……ホント……」

「……ホント……情け無いわね……」

「……言ってくれるぜ……」

「……アンタだけじゃないわ……向こうの世界の私もよ……」

「えっ!?」

「その後だって、突っかかって行ってるんでしょ?……向こうの私……」

「あ……ああ……しばらくしてからだけど……」

「甘えてるのよね……。今の私だから言える事だけど……」

「甘えてる?」

「そっ……アンタの優しさにね……」

「オレは優しくなんかないよ……」

「そうかな?……でも……良かったんじゃない?」

「えっ!?……何がだよ?」

「今ココで話せた事……そして、気がつけたじゃない……逃げてる事に……」

「あ……」

「逃げてる事を忘れてた……だったら、今ココから逃げなければイイ。そうは思わない?」

「今更……やり直せねぇよ……」

「そうかな?」

「そりゃそうだろ?……そんな格好悪い事……出来るかよ?」

「逃げ続けるよりはマシだと思うけど?」

「うっ……」

「まぁ、アンタがアンタの世界の私の事を何とも思ってないなら別だけど……」

「そ……それは……」

「ンフフ……脈アリ?」

「なっ……まっ……まあ……キライじゃ……ねえけど……/////」

「へェ~(ニヤニヤ)」

「ニヤニヤすんじゃねえッ!!」

「……でも……素直になれない……かな?」

「……違う……と思う。……傷つけちまったから……」

「……そうか……そうよね……」

「アイツの背中を思い出しちまうと……何にも言えなくなるんだよな……だから……」

「だから?」

「喧嘩腰になって……言葉も荒くなって……そんな繰り返しをしてる間に……全部、忘れちまってた……」

「……なるほどね……」

「……だから……もう……」

「それが、アンタ達が抜け出せない『いつもと同じ』日常って訳ね」

「ヘッ!?……何だそれ?」

「さっき言ったでしょ?『ちょっと変わった体験』をしたって」

「あ、……そう言えば……」

「そこで教えて貰ったのよ。今言った『いつもと同じ』日常を超えるコトをね」

「いつもと同じ日常?」

「アンタたちが繰り返しているコトよ。振り返ってみれば分かるわ」

「……何言ってんだか、良く分かんねえんだけど……」

「今はまだ無理よ。じゃあ、行くわね」

「あ、ああ……」

「向こうの世界の私がアンタに突っかかっていったら、アンタはんどんな気持ちになるの?」

「どんな気持ちって……そりゃ、毎日毎日突っかかって来やがって……って、ムカつくに決まってるだろう?」

「それは『いつもと同じ気持ち』ってコトよね?」

「何だよ……それ?」

「だってそうでしょ?突っかかられたら、いつでもそういう気持ちになるんだから……」

「ああ、それで『いつもと同じ気持ち』なのか……」

「そういうコト。じゃあ次ね……」

「お、おう……」

「その『いつもと同じ気持ち』になったら、アンタは向こうの私にどう言うの?」

「どう言うって……そりゃ……『またかよ……いい加減にしろよ!』とか……『負け続けてるクセに』とか、結構乱暴なコト言ってるな……」

「つまりそういう関わりになっちゃってるってコトよね?」

「ああ、そうなるな……」

「だったらそれが、『いつもと同じ関わり』ってコトになるのよ」

「ああ……、なるほど」

「そうなると、結果は……どうなるの?」

「どうなるって……そりゃ……もうケンカになるに決まってるじゃねぇか……毎日がその繰り返し……えっ!?」

「分かった?……つまりそれが『いつもと同じ結果』って訳よね」

「ああ……」

「つまり、『いつもと同じ気持ち』で居ると、『いつもと同じ関わり』にしかならなくて、『いつもと同じ結果』しか生まない……ってコトを教えて貰ったのよ」

「へェ……面白いな……それ」

「でも……アンタは一度だけ、『いつもと違う関わり』をしてしまった。ある意味悪い方に……」

「あ……」

「『そんなにキライなら関わるな』って言っちゃった……。でもさ、それってその後の結果が分かってたら……言えたかしら?」

「結果が分かってたら……アイツがあんなに悲しむって分かってたら……言える訳ねぇよ……」

「つまり……ブレーキがかからなかった……ってコトよね。それって」

「あ……ああ……そうなるな……」

「じゃあ、どうすれば良いと思う?」

「どうすればって……うーん……」

「そこを見つけないといけないのよ……でもそれが一番難しい事でもあるんだけどね……」

「……うーん……無視するとか?……」

「電撃で攻撃されるわよ……」

「……そうか……うーん……ムカつかないようにする……とか?」

「出来ると思う?」

「無理だな……うーん……ダメだ……思いつかねぇ……」

「ねェ……本当はどうしたの?」

「えっ!?」

「アンタは本当は、どうしたいのよ?」

「どうしたいって……そりゃ、ケンカせずに済めば、それが一番イイに決まってるじゃないか?……怒ってる顔じゃなく、笑ってる顔なら……オレも変われるんだろうけど……」

「つまりアンタは、向こうの私に笑っていて欲しい。……ってコトよね」

「ああ、そうなるな……あっ、そうか!」

「えっ?……何?」

「だから、オレが御坂には笑っていて欲しいって思えばいいんだ。そうすれば、『いつもと同じ気持ち』が変わるから……」

「果たしてそう簡単にいくかしらね?」

「えっ!?……どういうコトだよ?」

「こういう話をすると、それが『解答』だって思いがちだけど……それって大きな間違いなのよ……」

「間違い……?」

「ただ単純に、今の『いつもと同じ気持ち』をひっくり返せばイイっていう訳じゃない。『いつもと同じ気持ち』から抜け出すためには、自分がどうしたいかを探さなきゃいけないの。でも……そこに気付かないのよ……」

「自分がどうしたいのかを……探す?」

「本当は自分がどうしたいのか……って言うのは、自分の本心につながる事だと思うの。でも……そこに到達するのはかなり難しいのよ……」

「難しいって?」

「私の時は、『素直になりたい。素直になって自分の想いを伝えたい』っていう想いがそれだったんだけど……それが、すぐに出てきたのはそれまで何度も失敗を繰り返してきたからなの……」

「何だよ……失敗って?」

「素直になろうっていつも思ってた。……でも、その度に『いつもと同じ気持ち』に巻き込まれちゃって……素直になれなかった。その経験を積み重ねていて、そこにこのことを教えて貰ったから、自分が本当にどうしたいのかとすぐにつなげる事が出来たのよ」

「へェ……」

「でも、今のアンタは……自分が本当にどうしたいのかが分からない……。さっきも聞いたけど答える事が出来なかった。だからまずそこを探す事から始めなきゃいけない……」

「あ……でも、御坂に笑っていて欲しいって……」

「それは自分がどうしたいのかってコトじゃなくって、相手にどうなって欲しいかってコトじゃない。それじゃあ、自分が本当にどうしたいのかってコトにはつながらないのよ」

「あっ……そうか……」

「『いつもと同じ気持ち』が『いつもと同じ関わり』を生み『いつもと同じ結果』になる。だから問題を解決するためには、この無限ループから抜け出せばいいって思っちゃうのよ」

「ああ……そうだな……」

「でもさ、どうやって抜け出せばいいのかってコトは、教えて貰ってない訳じゃない?」

「そうか……そうだよな……」

「間違えちゃいけないのは、解答が与えられた訳じゃないってコト。問題を解決するためには、自分自身で探さなきゃならないモノがあるってコトなのよ」

「……ハァ……オレには無理だよ……そんな難しいコト……」

「また逃げるの?」

「うっ……き……キツいな……オマエ……」

「ある意味、アンタの世界の私以上だと思うわよン♪」

「(カワイく言ってるように見えるけど……こ……怖えぇぇぇ……)」

「何か言った?」

「……いえ……何も言っていませんでせうよ……」

「ハァ……そういうとこは当麻ソックリね」

「……どういう意味だよ?」

「誤魔化そうとすると、その口調になるの。……気が付いてる?」

「(ギクッ!!!)」

「他の世界でもこれは変わんないのね……ハァ……苦労させられる訳だわ……」

「うう……不幸だ……」

「出たッ!」

「ぅ、うるせえ……」

「アハハハハハハ……じゃあ、話を元に戻しましょうか?」

「だから、オレには難しすぎて無理だって……」

「そうかもね……でも、手掛かりが全く無い訳じゃないのよ?」

「えっ……手掛かりって?」

「アンタは向こうの私に『笑っていて欲しい』っていう願いがある」

「あ……ああ……」

「じゃあ、その願いを現実のものにするためには……何をすればいいと思う?」

「え?……それは……」

「それを見つける事が出来たら、多分『いつもと同じ』ループから抜け出せると思うわ」

「そうか……そうだよな……」

「どしたの?」

「そうだよ……オレが傷つけてしまったアイツに……もう一度笑って欲しいとオレが思うなら……」

「……」

「オレは……オレは……」

「……」

「オレは……アイツに償わなきゃいけない……アイツを傷つけた事を償わなきゃいけないんだ……」

「……フフフ……」

「あ……何だよ?」

「少し……見えてきたみたいね」

「えっ……そう……なのかな?」

「そうやって一つずつ見つけていくの。そうすれば見つかるわ」

「そうか……やってみるもんだな……」

「フフフ……アンタが逃げなかったからよ……」

「えっ!?」

「逃げなかったから、見つけられたのよ。逃げてたら……見つけられなかったわ」

「あ……」

「まずは一歩……ね」

「ああ……そうだな……」

「あっ……アレ?……」

「どうかしたの?」

「開かねぇんだよ……おかしいな……」

「何やってんのよ?」

「カギが……開かない……」

「どれどれ……アレ?……形が……」

「ちょっと待て!?何でオマエがオレの部屋のカギを持ってるんだ?」

「だから言ったじゃない。恋人同士なんだから……当然でしょ?」

「あ……そうか……」

『ガチャッ』

「ハイ、どうぞ」

「……なんか……変な気分だな……えっ!?……ちょっと待てよッ……アレッ!?……居ない……」

「えっ!?……居ないって……誰が?」

「あ……うう……その……」

「ああ、銀髪シスターならここには居ないわよ」

「えっ!?……エエッ!?……何でそれを知ってるんだよッ!?」

「話して貰ったから……当麻に」

「そこまで……話してるのか?」

「まあね」

「ある意味……とんでもねぇヤツだな……コッチの世界のオレって……」

「……けど、別に何でも無かったんでしょ?」

「あ、……ああ……そりゃそうだけど……でも……」

「そりゃ、教えて貰った時はショックだったけど……」

「そうだろうな……アレ?……何か忘れてるような……」

「銀髪シスターなら……イギリスよ」

「エエッ!?……あっ、アイツ帰ったのか?」

「帰った……と言うより、呼び戻されたってコトらしいわ」

「そうか……」

「寂しい?」

「そりゃあな……何だかんだ言っても一緒に住んでんだから……居ないと変な感じだよ……」

「そう……えっ!?……ちょっと待ってよ……ってコトは……今も一緒に住んでるの?」

「ああ……そうだけど?」

「そうか……じゃあ、向こうの世界じゃ一悶着起こってるかも知れないわね……」

「えっ!?」

「多分、当麻は向こうの私を連れて部屋に帰るだろうから……」

「ゲッ……マジかよッ!?」

「そうなったら……鉢合わせは……絶対よね……ハァ……」

「不幸だ……帰ったら御坂のビリビリと……インデックスの噛み付きが……」

「ん~……多分……大丈夫なんじゃないかな?」

「ヘッ?……何で?」

「当麻が何とかすると思うから……でもなぁ……」

「でも……なんだよ……」

「向こうの私やあのシスターにフラグを立てちゃうかも……?」

「フラグって何だよ?……土御門や青ピが良く言うけど……」

「ハァ……鈍感……なのは同じか……」

「へっ?」

「……アンタ、どうせ責任取ってないんでしょ?」

「せっ……責任って何だよ!?」

「助けた責任よ」

「助けた責任?」

「【絶対能力進化(レベル6シフト)】計画から、私と妹達(シスターズ)を助けたんでしょ?」

「ああ、それは……まあ……」

「助けた後……どうしたの?」

「助けた後って……そのままだけど……」

「ハァ……やっぱり……ね」

「……?」

「アンタ……助けられた側の気持ち……考えた事無いでしょ?……まぁ……当麻もそうだったけど……」

「助けられた側の気持ち?」

「そうよ……助けられた方は、どんな気持ちになると思う?」

「どんな気持ちって……そりゃ……良かったなぁ……って……」

「……単純……」

「……バカって言われた方が……気が楽だぞ……それ……」

「じゃあ……バカ……」

「わざわざ言うなっ!!!」

「本気で言ってるんだけどね……自分の命を助けてくれた相手なのよ……普通の感情で居られる訳がないでしょ?」

「えっ……そう……なのかな?」

「あ……アンタねぇ……」

「……?」

「自分に置き換えてみなさいよ………自分だったらどう思うかを考えなさい」

「オレだったら……ありがとう……」

「……本気で言ってんのか?……アンタは……(バチバチバチッ)」

「なっ……何をそんなに怒っておられるんでせう?」

「命を助けて貰ったんだから、どうにかしてその恩を返したいって思わないの?」

「そりゃあ、思うさ」

「でも、その恩を返そうとした相手が、『別にイイよ』って言って自分の事を無視し続けたらどう思う?」

「そんなヤツ、居るのか?」

「(プチッ)……アンタでしょうがッ!!!(バチバチバチバチバチバチッ)」

「わっ、わっ、わっ、やめて、やめて……上条さん家の家電製品が全部おシャカになっちゃう~……」

「……ったく……コイツはぁ……(バチッ…パチッ……)」

「ハァ、ハァ、ハァ、ハァ……不幸だ……」

「アンタねぇ……自分の命を助けて貰ったのよ。それってそんなに軽いコトじゃないコトくらい分からないの?自分じゃどうしようも無かった事を、その人が命を賭けて解決して助けてくれたのよ?それを何とも思わない人間が居る訳無いじゃない?何でそんなに簡単なコトが分からないのよッ!?」

「でも……それは、オレがそうしたかっただけで……。別に頼まれたわけでもないし、オレが勝手に首突っ込んだだけなんだし……」

「鈍感もココまで来ると……もう罪ね……」

「ヘッ!?」

「何でそんなに簡単に自己完結できるのよ?あり得ないわ……」

「オレは誰かが泣いてたら、その涙を拭ってやりたいと思うヤツだから……。誰かが助けを求めていたら、ソイツを助けてやりたいと思うヤツだから……」

「あのねぇ……どうして自分の事をそういう風に他人事みたいに言うのよ?」

「えッ!?」

「まるで自分が自分じゃないみたいな言い方をしてるのよ……それに気が付いてるの?」

「そ……そうかな?」

「まるで自分じゃない誰かに突き動かされているような感じ……なのよ……」

「そうだな……そうかも知れない……」

「え?……」

「オレの中に『もう一人の自分』みたいなのが棲んでて、ソイツが誰かの涙を見た途端、誰かが助けを呼んでる声を聞いた途端に出てくるんだよな……。そうなるともう……止まれなくなる……」

「……そう……なんだ……」

「……ああ……」

「でも……だからって、アンタが責任を取らずに済ませてイイってコトじゃない」

「えっ!?」

「今のアンタともう一人のアンタ……そのどちらもが『上条当麻』であることに代わりはないわ」

「そっ……それは……」

「例え、アンタにその自覚が無くても、アンタの中では二人でも、外から見たら、それは一人の『上条当麻』なのよ。だから、アンタはその事をもっと自覚しなきゃいけない」

「オレの中では二人だけど……外から見たら……一人……」

「とは言え、これ以上は言ってもムダね。……それにここから先はアンタ自身が見つけなきゃいけない。アンタ自身が気付かなきゃいけない問題だから」

「そんな……ココまで来て……後は自分でって言われても……」

「アンタの中の問題なのよ……他人がどうこう出来るコトじゃないわ」

「うっ……そ……それは……」

「さっき言った『いつもと同じ』ループと一緒。アンタが探さなきゃ、答えは見つからない。だってそれは……」

「俺自身の問題だから……だな……」

「そういうコト♪……じゃあ、これで難しい話はお終い」

「……ハァ……助かった……」

「晩ご飯作ったげる。……特別サービスよ。アンタは私の当麻じゃないんだから……」

「あ……アハハ……」

「何照れてんのよ?……じゃあ、私は支度するから、アンタはその間勉強でもしてなさい」

「え゛っ……そっ……そんな……」

「コッチの当麻はもう当たり前になってるわよ。補習や追試なんてもう受けてないんだから……」

「まっ……マジかよッ!?」

「当然♪……私がキッチリ教育したからね。当麻もそれに応えてくれたし……」

「なァ……さっき言ってた事も、コッチのオレは知ってるのか?」

「もちろんよ。二人で一緒にそういう経験を積み重ねてきたのよ。二人で頑張って、二人で成長してる……胸を張ってそう言えるわ」

「……羨ましいな……オレも……そんな風になれたら……」

「その為には『答え』を探さなきゃ……ね」

「……ああ……そうだな……『答え』か……」



「もうすぐ出来るわ……よ?……アレ?……寝ちゃってるじゃない……」

「くー、くー……」

「ホントにもう……でも……うん……疲れたのよね……」

「くー、くー……」

「フフッ……やっぱり寝顔は当麻と一緒ね……」

「くー……う……あ……み……か……ごめ……」

「えっ!?」

「ご……ん……さか……オレ……くそ……れない……」

(寝言……だけど……これって……)

「……れは……かだ……お……を……つけ……かせ……まった……」

(泣いてる……?)

「……えを……せ……て……った……うは……いた……い……くせ……たい……に……」

(何を言っているかは分からないけれど……)

「……して……れ……ゆ……てく……」

(誰かに謝ってる?)

「ご……ん……めん……ごめ……ゴメン……か……」

(まさか……向こうの……私?)

「う……うう……み……か……ご……め……」

(ちょっと……これ以上聞いちゃうのは……さすがに……)

「くーくー」

(仕方無いな……今日は……帰ろ……)

「くーくー……」



「んぁ……あ~……アレッ?……あっ……オレ、ねちまったのか?」

「ん?……アレッ?……御坂が……居ない……ん?」

「置き手紙……?」

『よく寝てたので起こさずに帰るね。
 夕飯は作ってあるから、適当に温めて食べなさい。
 外に出る時用に、私の合い鍵を置いていきます。
 但し、持って帰っちゃダメよ。

 今日は疲れただろうから、シッカリ休みなさい。
 それと、少しは元の世界に戻った時の事。
 考えないとダメよ。

 じゃあね。
          御坂 美琴』

「イイヤツだな……アイツ。……それに……この世界のオレも……あんなのと胸張って付き合ってるのか……スゲェよな……」

(戻った時の事……か……)

(オレは……どうすればイイんだろう……)

(オレは……アイツを……傷つける事しか……出来ない……)

(オレは……アイツを……泣かせる事しか……出来ない……)

(オレは……アイツを……守れない……)

(今更……やり直すなんて……そんな都合の良い事……出来る訳……ねぇよな……)

(でも……オレは……オレは……本当は……どうしたいのだろう?)

(オレは……アイツを……傷つける事しか……出来ない……)

(『……アンタ、どうせ責任取ってないんでしょ?』)

(責任……か……)

(『自分の命を助けてくれた相手なのよ……普通の感情で居られる訳がないでしょ?』)

(何だよ……それ……)

(『ここから先はアンタ自身が見つけなきゃいけない。アンタ自身が気付かなきゃいけない問題だから』)

(オレが見つけなきゃいけない……。オレが気付かなきゃいけない……問題……か……)

(それって……なんなんだろうな……)

(でも……もし……見つけられたら……オレは……変われるんだろうか?)

(変われたら……アイツの笑顔を……取り戻せるんだろうか……?)

(アイツの笑顔が……取り戻せるのなら……もう……アイツの泣き顔を……見ずに済むのなら……)

(どんなことがあっても……それを……見つけたい……見つけたいんだっ!!!)

(もう……絶対に……アイツを泣かせたくない……)

(あんな想いは……二度と……したくない……)

(御坂……オレは……何が出来るんだろうな?)

(オレは……オマエの……笑顔を……取り戻せるんだろうか……?)

(オレは……オレは……)

「……ハァ……これ以上は……無理だ……」

「ハァ……飯……食お……」

「しかし……御坂の手料理ねぇ……食えるのか?」

「……パクッ……モグモグ……う……美味い……美味いぞっ!!……コレッ!!!!!」

『ガツガツガツガツ……モグモグモグモグ……ガツガツガツガツ……モグモグモグモグ……ゴキュゴキュ……』

「プハァ……食った、食った……」

「コッチの世界のオレって……毎日こんなイイモン食ってんのか?」

「これで『不幸だ』なんて言いやがったら、タコ殴りの刑だな……うん」

(御坂……ありがとう……ちょっとだけ……勇気が出た)

(いつ帰れるか分からねぇけど……帰ったら……絶対に……アイツの笑顔を……取り戻すんだ!)

(その為なら……どんな事でも……耐えてやるさ……ああ……耐えてみせるぜ!!)

(コッチの二人にゃ……負けられねェもんな……)

「う~~~ッ……アッ……何か……吹っ切れそうな……気がしてきたぜ……」

「あ……そうだ……メール、メール」



「ん?……当麻……じゃないか……アイツから?」


 to 御坂 from 上条

 sub サンキューな

 御坂へ、飯美味かった。
 ありがとな。
 明日、カギを返したいんで、例
 の自動販売機の前で待ってる。
 時間は8時半頃な。遅れたらゴ
 メン。
 じゃあな。


「……あのバカ……」

「おっ……返信が来たな……」


 to 上条 from 御坂

 sub Re:サンキューな

 何で遅れる事が前提なの?
 遅れたら、電撃してあげるから、
 覚悟しときなさい。


「ヘッ……出来るもんならやってみろってんだ」

 翌朝、久しぶりのベッドを堪能したオレはシッカリ寝坊して、10分遅れで公園に着いたら、コッチの御坂に思いっ切り電撃を浴びせられる事になった……。

 不幸だ……。

「まったく……ホントに遅れてくるなんて……何考えてんのよ!?」

「……面目ない……」

「で、どうだった?私の電撃の味は……?」

「まさか……ホントに浴びせられるとは思わなかった……」

「あのねぇ……あれくらい、私の当麻なら平気で躱すわよ?」

「『私の当麻』って……オイオイ……」

「何よ?文句でもあるの?」

「い、いえ……何もないです……」

「もう……まぁイイわ……ハイ、これ」

「何だ?……これ……」

「この中には、私からアンタの世界の私へのメッセージが入ってるわ。アンタがどうしようも無くなった時に、これをアンタの世界の私に聴かせなさい」

「えっ!?」

「今のままなら、そういう時が来てしまいそうだから……。そうならない方が良いんだけどね……」

「どうしてそんなコトが分かるんだよッ!?」

「アンタが元の世界に戻った時、多分アンタの周りは当麻に変えられている。今の当麻はそれだけの『力』を持っているから」

「……『力』……?」

「人に影響を与える『力』を持ってるってコト。元々フラグ体質だし、向こうの私やあの銀髪シスターにフラグを立ててもおかしくないわ」

「どういうコトだよ?」

「アンタの世界の私や銀髪シスターが、当麻に惚れちゃうってコトよ。特にアンタの世界の私にとって、今の当麻は刺激が強すぎるわ」

「刺激が強すぎる?」

「完全に理想形だもん……今の当麻は……昔の私のね……」

「そ、……そうなんだ……」

「そんな当麻を知った後に、ヘタレのアンタが戻ってくるのよ。相手にされなくなったっておかしくないわ」

「ヘタレって……それはないんじゃないか?」

「そう見えちゃうってコトよ。まぁ……外れてもないだろうけど?」

「おい……」

「じゃあ……頑張りなさい……」

「な……何だよ?何か俺ともう会えないような言い方じゃないか?」

「もう、多分会う事はないわ」

「どういう……えっ!?」

「じゃあね……頑張ってね……」

「オイッ……アレッ!?……何だ……コレッ!?」

(何だっ!?……何がどうなってるんだよッ!?)

「あ……収まった……のか?」

(教室で寝ている時に感じた感覚と一緒だ……)

「ってコトは……戻ってきたのか?……オレ」

「本当に戻ってきたのかは分からないけど……それを確かめるには……部屋に戻るしかないだろうな……」

「何が起こるか分からないけど……とりあえず……行ってみますか?」

 そう言って、オレは自分の部屋へと足を向けた。

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「ん?……元に戻れたのか?」

「お帰り……当麻」

「あ……アレッ!?……美琴?」

「そっちも大変だったんじゃない?」

「ああ、ソコソコな……オマエこそ、どうだったんだよ?」

「うん……、それなりにね……」

「そっか……しかし……お騒がせな右手だぜ……まったく」

「ホントよ……お泊まり……一日損しちゃった……」

「あ……そうか……そうなるのか……」

「ね……今夜は……イイでしょ?」

「ああ、オレも一緒に居たい気分なんだよな……」

「エヘッ……嬉しい……」

「ただいま……美琴」

「うんっ!!!!!お帰りッ!!!!!……チュッ♪」


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