2年後を妄想してみた
「あーちくしょう…今年から大学受験かよ…」
髪がツンツンしていて背が約176cmと割と大きめの少年、上条当麻だ。
今日は高校の始業式で今始業式が終わって帰るところだ。
「まぁカミやん、よく留年しなかったにゃー」
「かみやんは毎回補習やったからなぁ。僕もかみやん見習って小萌先生の補習もっと受けといたほうがよかったわぁ」
「うるせーよ。俺は青髪と違ってロリコンじゃないから補習とかうれしくないんだっつーの」
「去年も一切ラブコメがなかったにゃー。今年こそはラブコメしたいぜい。とくに後輩狙いの」
「僕も今年こそがんばらなあかんなぁ」
「お前らなんでそんなに張り切ってるわけ??」
「今年の1年は常盤台から数名くるんだにゃー」
「お嬢様とか憧れるやろ、カミやん?」
「・・・」
常盤台といえばあのビリビリ…通称美琴がいるエリート中学だ。
前に『お前高校どうするんの?長点上機でも入るのか?』と聞いたら
『秘密よ~ん♪』と笑顔で言われた。
まさかなとは思うのだが…
「はは…まさかな、流石にそれはない。うん」
「カミやん、何一人でブツブツ言ってるん?」
「え?あ、なんでもない、そろそろ帰るか。」
廊下から下駄箱まで歩き、靴に履き替え学校を出た。
「おっ、カミやんあの子かわいくない?」
「ほんとだにゃー。でもあの子どっかで見たことあるような…」
「ん?」
目の前には、肩まである茶色い髪の美少女…御坂美琴が友達と話していた。
「ええええええ!?なんでアイツがこの学校に来てるの!?」
「???カミやんあの子と知り合いなん?」
「あー思い出したにゃー。あれは常盤台のレールガンと呼ばれた御坂美琴だにゃー」
「え!?あのLV5の!?むっちゃかわいいやん!!!」
あまりにも青髪が大きい声をだしてしまい、周りの視線がデルタフォースに集中する。
「ちょッ!馬鹿!声がでけぇよ!」
と一発、青髪にげんこつをぶちかます。
「痛ぁ!カミやん手加減なしやなぁ!」
「うっせぇ!だから大きい声だすな!」
軽い殴りあいが始まる前に声をかけられた。
「ちょっとそこのアンタ等。さっきからうるさいんだけど」
恐る恐る振り向くと、前髪から青白い光をだしてビリビリしている美琴がいた。
「おい!土御門、青髪、やばいから逃げるぞ!」
「「わかった(にゃー)」」
「ちょっと!アンタ待ちなさいよ!」
ものすごい勢いで校門から飛び出し3つに分かれた。
これは美琴が追っかけてきたときのための作戦である。
もちろん誰かがずっと追いかけられる運命になるのだが…
「くそ!結局俺が追われるのね…。あー!不幸だぁー!」
と叫ぶのはいいが、気がつけば目の前が行き止まりだ。
「はぁはぁ…ちくしょー!とことんついてねーなオイ!」
「はぁはぁ…行き止まりみたいね。なんでアンタは私を見た瞬間逃げるのよ?」
「それはお前がビリビリだしてるからだろ!」
「なによ!それってアンタ等が騒いでるのがいけないんでしょ!?」
「あーわかった!!もう上条さんは逃げも隠れもしません!煮るなり焼くなり好きにしてください!」
もう自棄になっている上条を見て少し頬が引きずる。
「ええ…じゃぁ、ちょっと付き合いなさい♪」
「え?何処に?っておいッ!」
袖を掴まれ引きずられる。
「何処にって…あれ」
「ん?あれって…昔食ったホットドックのとこか…まだ潰れてないのかよ」
向かっているのは昔、海原をだますために偽デートをしたときに
食べた1つ2000円もするホットドックの店だ。
「ホラ、行き先わかったんだからさっさと歩く」
「はぁ…不幸だ…」
「で?なんでお前はこんな高校に来たんだ?あむっ」
「え?えっと…パク」
結局またこのホットドックを食べることになるとは夢にも思わなかった上条である。
もちろんまた美琴のおごりだ。
「???」
「ええと…ね」
なんかすごくモジモジして顔が赤くなっている。
上条からみても素直にかわいいと思うくらいかわいらしい。
「な、なんとなくよ、なんとなく!あはは…」
「なんか無理があるな」
「…」
「はぁ…まぁ言いにくいなら言わなくていいぞ」
「・・・・・・…がよかったのよ」
小さい唇から言葉が漏れたが、声が小さいため聞きとることができなかった。
「ん?」
「アンタと一緒の高校がよかったのよ!」
恥ずかしさあまり、ついキツく叫んでしまった。
しばらく沈黙が訪れる。
「はぁ…なんというか、うれしいんだかうれしくないんだかわかんねぇな」
「…」
「まぁお前が後悔しないんだったら別にかまわねぇよ」
息を吸う。そして自分の気持ちを伝えようと決心する。
「後悔するわけ…ないじゃない、私はアンタと一緒にいたいんだから…」
「…こんな俺でもいいのか?」
「うん、むしろアンタじゃなきゃ嫌よ。それに中学の時『中学生だから駄目だ』っていったじゃない。私ずっと待ってたのよ」
確かに前、そう言って断った気がする。その時、美琴が泣いたのも覚えてる。
その時、とある銀髪の少女を連想した。この子だけは泣かしてはだめだと…
だから『高校になるまで待ってくれ』といった。
それを覚えてくれて、今までずっと待っててくれる1人の少女がいる。
自分を待ってくれた一人の少女がいる。
だから自分は…
「ありがとな、美琴。こんな俺を待ってくれて。」
「…」
「俺…こんなに思ってくれる人がいて幸せだ。美琴、俺と…付き合ってくれるか?」
「…うん、ずっと待ってた…私も、当麻のこと大好き」
2年の時を経て2人は結ばれた。
完