とある魔術の禁書目録 自作ss保管庫

17-30

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匿名ユーザー

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「アンタ(貴様)・・・」
(あれ?美琴が俺の事を『アンタ』って呼んでる・・・?つか、二人とも怒ってる??)
「「どういうことか説明して(しなさい)!!!」」
「はい?上条サンにはいったい二人がナニに対して怒ってるのか全くわからないんですが・・・」
「「とぼけるな!!」」

 二人は息ぴったりだ。どうやら美琴にも対カミジョー属性の素質はあったようだ・・・(デレているので普段は出ていないが)
「聞いてた話と違うんだけど?」
 帯電していく美琴
「貴様は・・・一体御坂さんに何を吹き込んだんだ?」
 前髪をかきあげておでこデラックスになる吹寄

(もしや不幸センサーが反応したのって・・・コッチ!!?)
 しかしさすが不幸なれしているだけのことはある上条は絶望に打ちひしがれながらもなんとかこの不幸を回避する方法を考える。

(そもそも二人は何に怒ってんの??『聞いてた話と違う』??『一体何を吹き込んだ』??さっぱりわからん・・・)

 二人がなぜ怒っているのかさっぱりな上条。それもそうだ。上条は二人が会うと喧嘩が始まると思い接触を避けた。
 そのため美琴にも吹寄の情報は与えてこなかった。なので美琴は上条のおびえる姿からしか吹寄の人格を予想することしかできない。
 するとどうなるか・・・

 美琴は『吹寄=自分の彼氏の敵』と認識する。
 吹寄にしても同級生からの情報で組み立てた美琴は『上条の言うことなら何でも信じる(彼氏を信頼している)彼女』

 となる。
 この互いの認識のズレと今回の会話が合わさるとどうなるか・・・結果は火を見るよりも明らか。
 目の前に広がる惨劇がそれだ。それに上条は今回基本的に悪いことなどしていない。
 ただただ『不幸』としか言いようの無い状態である。

(ええーっ!!どうすりゃいいんだよッ!!・・・でも怒った美琴もかわいいかも・・・) 

 こんな状態でもそんなことを考えられる上条。・・・不幸慣れしすぎである。

 そしてほぼこの不幸からの回避をあきらめた上条を不幸が迎える・・・



 一方、姫神を探している浜面と半蔵はというと……

「や、やっと見つけた……」
「な、長かった……」
「二人とも。お疲れ。」

 二人は息を乱しながらもやっと見つけたのだ。
 それは真夜達が離れて二十分後のことだった。

「なるほどな。半蔵が言ったとおり、姫神が影が薄くないと思えば簡単に見つかるなんてな」
「俺も驚いたぜ。自分で思いついた作戦だったけど、まさかこんなに簡単に見つかるなんて……」

 半蔵が思いついた作戦とは、姫神を影が薄くないと思えばすぐに見つかるのではないかと思い、姫神を影が薄くないと思い込んだのだ。
 浜面は半信半疑だったが、案の定その作戦がしてからたったの五分で見つかったのだ。

「結構疲れたな。この後はどうするんだ?」
「念のため。もう一時間。私を見つけて。」
「分かった。結構自信ついてきたしな」
「俺もだ。さっさと始めようぜ」

 二人がそういうと、姫神はまた姿を消した。
 そして、姫神が姿を消したのを確認すると二人は姫神を探し始め、存在感感知練習はまた始まった。
 また、二人がそんなにやる気なのかは先ほど見つけたときに自信がついたからである。



「凄いわね、あの2人……。かれこれ1時間はあの幻想殺しをボッコボコにしてるわよ……」
「さしもの上条氏も御坂氏と吹寄氏のタッグには太刀打ちできない、というより手出し出来ないんですね」
(むぎのもくるわもそうは言ってもかみじょうを助けないのはけっこうヒドイ。私もそうだけど)

 あれから時間はいくらか過ぎ、体育館では美琴と吹寄による当麻へのお仕置きが為されていた、1時間ほど。
 いつもの当麻はら美琴の雷撃を【幻想殺し】で打ち消しつつ、2人から逃げているのだがそれを出来ない理由があった。

「怯んでいた上条氏の腕を捻り上げて、その隙に何故か持っていた手錠で上条氏を後ろ手に拘束した御坂氏。さすがはレベル5といった所ですね」
「今の超電磁砲と私を同じ括りで見るのは止めて欲しいんだけど。レベル5が全員が全員、アレを同じに見られるのは心外よ」
「だいじょうぶ、むぎのに関しては今のみさかに引けを取らないから。もちろん褒められない意味で」

 滝壺の毒舌に反応した麦野が滝壺と睨み合いを始めたのを見て郭は思った、帰りたいと。
 実は体育館に居るのは上琴、吹寄、滝壺、麦野、郭のみで一緒だった青ピ、月夜、赤音はすでに下校している。

(白雪氏は土御門氏のお迎え、赤音氏は真夜氏と真昼氏の声が聞こえたとかで、青髪氏は白井氏に連れられて……。はぁ、帰れた3人が羨ましいです)

 滝壺、麦野、郭が残ってる理由、それは校外で特訓中の浜面、半蔵(おまけで姫神)が帰って来ないからでる。
 とはいえ滝壺も郭も制服に着替え、浜面と半蔵の制服と私物は持ち運んでいるので準備は万全である。
 すると滝壺の携帯が鳴ったので滝壺は麦野との睨み合いを中断して電話に出るが、その内容はとんでもないものだった。

『もしもし滝壺さん。姫神だけど。今日から球技大会当日まで。浜面と半蔵。2人と合宿するから。郭さんにもそう伝えて』
「…………わかった。ひめがみなら間違いなんて起きないだろうしはっとりと一緒ならより安全。球技大会の為の合宿だよね?」
『さすが滝壺さん。話が分かる。制服やカバンは明日。学校で渡してくれればいいから。じゃあまた明日』

 電話を終えた滝壺が郭に事情を話すと、最初は郭もビックリしていたが相手が姫神、しかも2人っきりじゃないと分かると受け入れた。
 合宿の理由、それは浜面と半蔵の姫神の存在感地が完璧ではなく少し他のことに意識が飛ぶだけで簡単に姫神を見失ってしまうから。
 ならばと姫神は同じ屋根の下で生活することで自分の存在を少しでも強く認識出来るようにと自分の部屋での合宿を提案、やる気の浜面と半蔵も了承したのである。

「じゃあ私たちも帰ろう。ここに居てもはまづらとはっとりは来ないから。くるわ、それにむぎの。どこかでご飯食べよう」
「それいいですね♪ たまには浜面氏と半蔵様が居ない所でお2人のことを話しながら食事というのも……麦野氏?」
「いやアンタらさ、自分の彼氏が他の女と同じ屋根の下で生活するってのに余裕過ぎじゃない?」
「むぎのは知らないだろうけどひめがみが相手なら浮気の心配は皆無。ひめがみはガード固いし、それにあの3人で修羅場なんて想像できないから」

 滝壺の言葉に郭も同意するように頷いているが、姫神の人間性を抜きにして自分達の恋人を信頼しているだけのことだったりする。
 麦野もそれを何となく察し、姫神襲撃という考えを捨てると滝壺、郭と一緒に体育館を後にするのだった。
 3人はあえて黙殺した、ツンツンの髪をもっさりアフロへと変えた当麻がおでこを腫れ上がらせながら正座させられ、美琴と吹寄に説教されているのを。
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