とある魔術の禁書目録 自作ss保管庫

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小ネタ 白い友人達の優しさ



「なァ」

「どうした、一方通行?」

ここは、上条の学生寮。これから始まる食事会の準備をしながら上条と一方通行は語り合っていた。


アレイスターとの戦いが終わり、学園都市は平和になった。その後、ちょっとしたきっかけで上条と一方通行はよく会うようになった。

そのきっかけとは戦いが終わってすぐの、とあるファミレスでの出会いだった。

居候シスターが戦後処理でイギリスに帰っていたので、金銭的に余裕の出来た上条は久しぶりにファミレスに来ていた。
メニューを真剣にみていた時、ふいに店員から声をかけられる。

「すいません。相席をお願い致します。」

「わかりま……し…………た??」

店員にそういいながら顔を上げた時、上条の時間は停止した。

目の前には白い恐怖の大王 一方通行がいた。

「よォ、三下ァ!」

「……………不幸だ。」

静まった空気の中、運ばれてきた料理をたべはじめると、ふいに一方通行が小さく溜息をはく。

「どうかしたか、一方通行。」
「なんでもねェよ。」
「気になるだろ?話せよ。」
「くッだらねェことだぞ?」
「どんな話でもこの沈黙よりマシだと上条さんはおもいます。」
「妹達のがうつッてンぞ。実はよォ………

一方通行の話を聞いて上条はとても驚いた。

彼の周りにはまともな料理が出来る人がいないらしい。そして将来、打ち止めや番外個体にはそうなってほしくないと心配しているようだ。

「おまえ、本当にあの一方通行か?」
「………そォだよ。わりィかよ。」
「うーん、簡単な料理なら上条さんでもおしえられるけど「本当かァ!」」

そんなこんなで一方通行に料理を教えることになった。それをきっかけによく遊ぶようになり、いまでは仲の良い友人となっていた。
今では2週間おき位に一方通行と料理をし、友人を呼んだりしてその食事会を楽しんでいた。


話は冒頭に戻る。

「アイツに愛の告白しねェの?」
「なんであのビリビリ中学生に告白しなきゃいけないのかが、上条さんにはわかりませんのことよ?」

一方通行がニヤリと笑う。

「誰、とはいッてねェなァ」
「ぐっ……嵌めやがったな!」
「テメェではまッただけだろォが!いやァ、そォかそォかァ、オリジナルかァ!やッぱりなァ!」
「上条さん的にはこの事は内密にお願いしたいのですが……。」
「安心しろォ、打ち止め位にしかいわねェよ」
「約1万人に筒抜けですことよ?」

上条と一方通行は楽しそうに談笑する。食事会といっても鍋にするつもりなので、準備はほぼ終っており、あとは始まるのを待つだけとなっていた。
一方通行は2人分の珈琲をいれながら上条を茶化す。

「で、何処に惚れたンだ?」
「まだこの話続ける気かよ!勘弁してください!」
「止めてもいいが土御門にも言うぜェ?」
「……はぁ、分かったよ。話せば良いんだろ!」
「珈琲出来たぜェ。ンで?何処に惚れたンだ?」
「サンキュー。しかし、惚れたところねぇ?う~ん、どこだろ?」
「さァァてとォォォ!!土御門くゥゥゥゥン!?」
「マテマテマテマテ、上条さんは本気だぞ!」
「はァ!?」
「気がついたらもう好きになっていたので、何処に惚れたかなんてわからないんですよ……。」

上条は考える。あの御坂美琴の何処に惚れたのだろう?
外見?性格?答えはでない。ただ、今となっては御坂美琴の全てを好きになっていた。

「なら何ンで告白しねェンだァ?」
「御坂はまだ中学生だからだよ。今は付き合うことは考えてない。」
「中学生だから何ンだッていうんだよ。」
「『中学生に手を出したすごい人』にはなりたくないと上条さんは思っているのですよ。」

その言葉の後、二人はしばらく沈黙する。

2~3分後、一方通行は話始める。

「オィ、テメェそれでいいンかよ?」
「……」
「そンな言い訳かまして、テメェは納得できンのかよ?」
「……。」
「何ンもしないまま、もし、超電磁砲に他の男が出来ても納得できンのかよ?」
「ッ!しかしだな……」
「テメェがいッてンのも自分が傷付きたくないだけだろォが!!」
「……でも」
「でもも何ンもねェだろ。」

一方通行は上条に近づいて椅子から立たせる。

「お、おい、一方通「よォし、三下ァ! 歯 ァ く い し ば れ ェ !!」」
一方通行の拳が上条の頬に当たる。手加減なしの拳に思わず尻餅をつく。

「~~~ッ!一方通行!テメェ!」
「さァて!三下ァ!テメェの幻想は壊れたかァ!」
「何だと?」
「中学生だからダメなンて言い訳にもなッてねェだろ!それでも超電磁砲に惚れてンだろ?」
「中学生?だからどうしたッてンだよ?」
「いつまでもうじうじしてねぇで、さッさと告白しちまえ!テメェが好きになったのは中学生でも超電磁砲でもねェ、御坂美琴ッていう一人の人間だろうが!」

また、しばしの沈黙。

今度は上条から話始めた。

「なぁ、一方通行?」
「おォ、どぉした?」
「ちょっと用事が出来たから留守番頼めるか?」
「あァ、いいぜェ。」
「……。ありがとな、一方通行。」

上条は身嗜みを整えながら玄関に向かう。

「三下ァ!」
「なんだ?」
「今日は材料を準備しすぎたからもう1人位増えても大丈夫だァ!」
「そうか、………もし玉砕したら骨は拾ってくれよ?」
「まかせとけぇ。その骨でスープの出汁をとッてやるぜェ。」

玄関から扉が閉まる音がする。


(ッたく、世話のやける奴らだァ。)

珈琲を一口ゆっくりと飲みながら思う。

全ての戦いが終わったあと、一方通行は妹達を守るために御坂美琴と和解することが出来た。

そして超電磁砲には、今日打ち止め、番外個体やシスターを預かってもらっている。

4人は知っていた。

御坂美琴は上条当麻に惚れていること

上条当麻は御坂美琴に惚れていること

4人は知っている

2人とも鈍感なために相手の気持ちに気付かないこと

2人とも素直になりきれないこと

一方通行は少し伸びをしてポケットから携帯を取り出して電話をする。

「こちらは成功だァ。そッはどうだった?」
『こちらも成功だよ。ってミサカはミサカは胸を張ってみる!』
「超電磁砲は今そこにいるのかァ?」
『さっきヒーローさんから電話が来て、いそいででてったよ。顔が真っ赤になってたからミサカビックリしたよ』
「シスターは大丈夫かァ?」
『わたしはとうまと短髪が幸せならそれでいいんだよ。ところで今晩のごはんはなにかな?』
「晩めしは鍋だァ。量もかなり多めに準備したから楽しみになァ!」

一方通行は携帯をしまうと冷めきってしまった珈琲をゆっくりと飲む。

まだ食事会には時間がある。

後もう数品料理を加えようかと考えていると、携帯にメールが届いた。

一方通行はメールを見た後、ニヤリと笑う。

「さァてと、今日は祝勝会だァ!」

そう呟きながら、今日の食事会に華を添えるためにまたキッチンへと向かっていった。

20**/**/** 16:41
from 上条
sub 会ってきた
本文

今日の食事会、1人追加でヨロシク








ありがとな、親友。

ーENDー


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