御坂美琴の幸せ生活
AM6:00『1日の始まり』
「ん……」
まだ少し寒さが残る季節、美琴はゆっくりと目を覚ました。
ベッド上でもぞもぞ動きながら目の前のものを抱きしめる力を強める。
寒くても大丈夫、なぜならば―――
「えへへ~……当麻あったか~い……」
いつも側に上条がいるから―――
御坂美琴20歳、ただいま婚約者上条当麻との幸せ同棲生活を満喫中。
そして美琴は上条の胸に顔を埋め上条の感触、匂い、暖かさを堪能する。
毎朝このためだけにこの時間に起きている。
AM6:30『美琴起床』
30分間たっぷり上条を堪能した後ようやくベッドから降りて洗面所に向かった。
顔を洗い、軽く髪を整え今度は台所へと足を進める。
今から朝食とお弁当を作らなくてならない。
「今日の朝は……和食にしよっと♪」
作らなくてはならない、と言ったが美琴にとって上条に料理を作ることは1つの楽しみだ。
上条を起こさないように静かに、それでも手際よく料理を進めていく。
そしてこの住まい、上条の寮ではない。
5LDKの超高級マンションの1室である。
AM7:00『上条起床』
「ほら当麻?朝よ起きて!!」
そう言いながら美琴は上条をゆすって起こそうとしていた。
しかし上条は「う~ん……」とだけ言って起きようとしない。
だが起きれないのも無理はない。最近仕事が忙しすぎてなかなか眠れていないのだ。
一向に起きようとしない上条だが、こんなときの為に美琴には必殺技があった。
『全くしょうがないわね……」
そして美琴は寝ている上条の耳元に近づいていき……
「ねえ起きて、もう朝食できてるわよ?あ・な・た♪」
それが聞こえたのか上条はすごいスピードで体を起こした。
「み、美琴!い、今なんて……?」
「え~?だから朝食できてるわよ?って言ったのよ。」
それだけ言って美琴は顔を赤くしている上条に背を向け台所へと戻る。
これが美琴の超必殺技である。
AM7:10『2人で朝食』
「「いただきます!!」
元気な声が部屋に響き渡った。
2人は向かい合って座っている。
「今日は和食か~、……うん美味い!さすが美琴の料理だ。」
「ほんと!?えへ、嬉しいな……」
美琴は上条に笑顔を見せる。
ちなみにこの会話、毎日している。
AM7:45『上条出社』
「最近毎日帰りが遅いけど体は大丈夫なの?」
美琴は玄関で靴を履こうとしている上条に向かって言った。
「ああ大丈夫さ、それに今日は久しぶりに早く帰れそうだな。」
「ほんと!?やったぁ!じゃあ夕飯は豪華に作っておくね!」
「ああ、よろしく頼むよ。」
美琴は無邪気に喜んだ。そんな美琴を見て上条も笑顔になる。
そして上条の職業だが会社員などではない。
統括理事会に勤めている。
高校卒業後わずか18歳という若さで理事会入りして早4年。今では若くして学園都市トップクラスの権力者である上、魔術サイドとの重要なパイプ役でもある。
そのため毎日超が何個もつくほど多忙なのだ。
靴も履き終わり今にも出て行こうとしている上条を美琴は引き止める。
まだやってもらってないことがある。
「あ、その……いつものしてほしいなぁ……って思ったり…」
美琴はもじもじとして顔を赤らめ上条を上目使いで見つめる。
そんな美琴に上条は近寄り、
「わかってますよ姫?ん―――」
チュ、と行ってきますのキスをした。
「それじゃ行ってきます!!」
そう言って上条は元気よく出て行った。
そんな上条を美琴はポーっと眺めていた。
「うん…いってらっしゃい……」
美琴は幸せだった。
このキスがあるからこそ夜まで上条に会わなくてもやっていける。
AM8:30『家事』
「え~と……次は洗濯ね。」
上条が出て行ったあとにはいろいろとやるべきことがある。
掃除、洗濯、大学のレポートもそろそろやらなくてはならない。
だが今はとりあえず洗濯、美琴は再び洗面所へと向かった。
が、
「きゃっ!」
なんと転んでしまった。普段ならありえないが上条が早く帰ってくることもあって幸せ妄想で頭がいっぱいになり足下がおろそかになってしまった。
幸い転んだ先には洗濯物の山があり、怪我はない。
「いたた……ってこれ当麻の洗濯物…えへ、こんなところでも助けられ……」
そこまで言って美琴の言葉は途切れた。
なぜならば、上条の洗濯物に頭から突っ込んだため上条に包まれている感じがしたからだ。
「……うにゅ…とーまの匂い……」
美琴は洗濯物まみれのまま動けなくなってしまった。
AM10:30『美琴大学へ』
「ち、遅刻、遅刻する~!!」
美琴は走っていた。
あの後美琴は30分も洗濯物に埋もれたままになっていた。
さらに上条が着ていた上着やYシャツを着るという行動にでた。
最初は少しだけ、とか考えていたがたっぷり1時間も着たままでいた。
さらにいつもなら別に遅刻してもかまわないが今日は違う。
重要な実験があるため遅刻すると単位を落としかねない。
そんなわけで美琴は大急ぎで大学へと走っていった。
PM1:00『喫茶店でお茶』
「全く……大学生にまでなって何で遅刻しそうになったのですの?」
「ご、ごめん……この埋め合わせはちゃんとするから……」
結果から言うと美琴はなんとか講義に間に合った。
もう間に合わないという時間になってしまったので黒子を電話で呼んで大学まで連れて来てもらったわけだ。
ちなみに2人は同じ大学に通っている。
そして今は2限目も終わり美琴と黒子は喫茶店で初春と佐天を待っていた。
この日4人全員が2限目までに講義が終わるということで久々に集合する予定だ。
最近は大学の友達と遊ぶことも多いがやはりこの3人とは特別な絆で結ばれているような気がする。
「埋め合わせはいいから理由を教えてくれませんかお姉様?まさかあの上条さんが関係しているのではないでしょうね?」
ギクッ!っと美琴は反応してしまった。
実際上条の洗濯物が原因なのだから関係していないと言えば嘘になる。
「え、そ、そんなことないわよ!?ちょっと支度に手間取っちゃってさ!今日は実験の日だったから!!」
かなり怪しい。
黒子はさらに聞き出そうとしたが
「おっ待たせしました~!」
「お、遅れてすみません!佐天さんも謝ってくださいよ!」
初春と佐天が登場。
美琴はほっと一息ついた。
PM1:10『4人で食事&雑談』
「それでアイツったら全然起きないのよ!」
美琴ただいま上条との生活を絶賛自慢中。
ちなみにこの話題をふったのは佐天だ。
黒子は興味がないといった表情で、初春と佐天は実に楽しそうに話しを聞いていた。
「それにしても御坂さんなんだかご機嫌ですね。何かあったんですか?」
「え?わかる?今日はアイツが久しぶりに早く帰ってくるのよ!それがもう嬉しくて嬉しくて……」
美琴は満面の笑みを見せる。未だにこのメンバーの時は上条のことを当麻ではなく『アイツ』と呼んでいる。
するとパフェを食べていた初春が
「あー、あの人も今日は早く終わるって言ってましたね。」
「でた……リア充発言……いいよね初春も彼氏いてさ!」
佐天はギロリと初春を睨む。
どうやら美琴はよくても同級生の初春に彼氏がいることは悔しいらしい。
「そういや初春の彼氏って上条さんと一緒に仕事してるのでしたわね。」
「いや佐天さんも白井さんも……あの人は別に彼氏ってわけじゃ……」
「いや彼氏でしょ、休みの日はいつも一緒にいるじゃん!いい加減認めなって!」
「そういえば初春さんって高校時代からずっと否定してるわね。」
初春は意外と素直ではなかった。
PM2:00『4人でショッピング』
大学生ともなると今まで以上に服がいる。
そういうわけで4人は服を買いに来ていた。
「初春!これなんかいいんじゃない?」
「いやそれはちょっと……子どもっぽくないですか?」
「初春には丁度いいじゃありませんの。」
4人でわいわいショッピング、こういうのは久しぶりなのでとても楽しい。
すると今度は標的が美琴に変わった。
「御坂さ~ん!これとかどうですか!?上条さん喜ぶんじゃないですか?」
そういう佐天が持っていたのはすけすけのネグリジェ、少しエロい。
にやにやする初春と佐天に対し美琴は
「……もう持ってる……」
目を合わさずにボソッと答えた。
その言葉に1番に驚いたのは黒子。
「お、お姉様!?今のお姉様がこんなの着たらとんでもない破壊力じゃありませんか!」
実際すごかった。これで上条は完全ノックアウト、鼻血を出して倒れた。
「み、御坂さん大胆……」
「じゃ、じゃあこれは!?これは持ってますか!?」
どこから持って来たのかはわからないが今度佐天は布面積の狭い水着を持っていた。
「さ、流石にそれは……」
持っていなかった。そんなもの着れるわけがないからだ。
というか着たくない。
しかし目の前の後輩2人はおかまい無しだ。
「じゃあ買っちゃいましょうよ!」
「か、買わないわよ!?そんなのどこで着るっていうのよ!」
海でもプールでも着られるわけがない、そう思っていたが……
「じゃあ室内で着ればいいじゃないですか、上条さん喜びますよ?」
初春は冗談でそう言った。
が、
「お姉様…?なんでそんなに凝視なさってるんですの?」
美琴は食い入るように佐天の持っている水着を見ていた。
これを着れば上条は喜んでくれる……?
「……ま、まさか買うつもりですの!?」
「え!?か、買うわけないじゃないこんなの!こんなの……」
そんなこんなで楽しいショッピングだった。
PM4:00『夕飯の食材』
3人と別れた美琴はスーパーに夕飯の食材を買いに来ていた。
「今日は豪華にするからあれとそれと……それからこれも……」
次々と食材や足りない調味料を買い物かごに入れていく。
『おお!ずっごいごちそうだな!それに美味そうだ。』
『でしょ?まあ食べてみて♪』
『どれ……美味い!いつもより美味い!何か特別な調味料でも使ってるのか?』
『そりゃ……当麻への愛がいっぱい入ってるわよ。///』
『み、美琴……』
『当麻……』
「そ、それで一気にあんなことやこんなことを……へ、へへ……」
妄想が暴走した。
店内ということも忘れ不気味な笑みを見せ笑い声を出す。
……その後不信に思った店員に声をかけられるまで5分はその状態が続いた。
PM6:30『上条帰宅』
「味は……よし!完璧!当麻喜んでくれるかな……」
晩ご飯は完璧に完成した。
あとは上条が帰ってくるのを待つだけだ。
美琴としては早く妄想のように上条といちゃいちゃ過ごしたい。
今か今かとリビングで待っていると……
「美琴ー?だだいまー!」
その声を聞いた美琴はダッシュで玄関へ向かった。
そして
「おかえりなさい!ねぇ、ご飯にする?お風呂にする?それとも~……わ・た・し?」
かわいらしく笑顔で王道のセリフを上条に向けて言いはなった。
これは美琴の上条に甘えたいという合図だ。これを聞いた上条はいつも抱きしめてくれる。
ちなみにお風呂はマジでわかしてある。
「それじゃあ……」
美琴は早く抱きしめてオーラを全力で出す。
そんな美琴を見て上条はほんの一瞬考えるそぶりを見せたのち
「―――美琴をもらおうかな。」
「へ?ん―――」
上条は持っていた鞄を横に置くと美琴の腕をひっぱり抱き寄せ強引にキスをした。
いつもの反応と違う、いつもなら“美琴をもらおうかな”など言わずに抱きしめて終わりだ。この不意打ちに美琴はなす術もなかった。
それも長い、30秒ほど経ってようやく上条のほうから離れた。
「ふえ…いきな―――」
だが休む暇もなく再び上条は美琴の唇を奪う。
上条は漏電対策のため右手で美琴の左手を握っている。それも恋人繋ぎだ。
もう美琴はどうしようもない。ただただ上条に身を任せる。
その後さらにもう1回キスをされそれを終えた上条は美琴から離れようとしたが……
「?美琴?」
美琴が上条から離れようとしなかった。左手は上条の右手を握ったまま、右手で上条にガッチリしがみついている。
思考がうまく働かない。それほど今の上条の行動には威力があった。
「全く……困ったお姫様だな…」
美琴は倒れかけていたので上条にしがみついていたがヒョイっとだっこされた。もちろんお姫様だっこだ。
そしてそのままリビングのソファーまで運ばれた。
その間も美琴は上条にしっかりしがみついていた。
PM7:00「夕食」
「ほら当麻!いっぱい食べてね♪」
復活した美琴は上条に手料理を振る舞っていた。
「おお!ほんとに豪華だな!」
テーブルの上に並べられた美琴特性の超豪華な料理。
朝言ったことをみごと有言実行してみせた。
「そりゃ朝約束したしね、それに当麻も仕事頑張ってるし私はこれくらいしないと!」
「美琴たん……上条さんは感動して泣いてしまいそうですよ……」
上条は目に涙を浮かべた。
ちなみに今の上条の収入はものすごいのでこれくらいの贅沢は家計に痛くも痒くもない。
「そんなことで泣かないの!ほら早く食べよ?」
「おう!」
2人は朝とは違い隣合って座る。
「じゃあ…はい当麻!あ~ん♪」
「ん……うん美味い!!」
「そ、そ、そりゃ私の当麻への愛がいっぱい入ってるから!」
「なるほど!そりゃ美味いわけだ!!」
こうして夕食もいちゃいちゃしながら過ごす2人だった。
PM7:45「団欒」
後片付けも終わり2人でテレビを見ていた。
美琴は上条座椅子を堪能している。
上条は上条でもたれてくる美琴をしっかり抱きしめその感触を楽しんでいるようだ。
……テレビなど見ていないに等しい。
「そうだ、なんでいきなりキスしたのよ、びっくりしたじゃない。」
「え?嫌だった?」
「嫌じゃないけどさ……」
嫌なわけがない。嬉しいに決まっている。
美琴は顔を少し赤くした。
「それで何があったのよ。仕事がうまくいかなかったの?」
「いや仕事は順調なんだ、もうすぐ魔術サイドと科学サイドとで友好条約が締結できそうだしな。」
「じゃあなんなの?」
「それはだな……単純に美琴たんが可愛かったんです!」
そして上条はギュー、っと美琴を抱きしめる力を強めた。
「わわっ!か、可愛かったって……えへへ…」
PM8:00『引き続き団欒』
「それでね、今日は遅刻しかけて黒子に助けてもらったのよ。」
「そりゃ大変だったな……なんで遅刻しかけたんだ?」
「え…………あぅ…(言えない…)」
PM8:30『まだまだ団欒』
「友好条約だって言ってるのにシェリーとヴェントが喧嘩売るような発言してさ……しかも麦野さんに。」
「麦野に……そんなんでほんとに条約結べるの?」
「ああ、オルソラと絹旗がなんとか場を修めてくれたしな。ただローラがなかなか話しを進めようとしないから神裂が苦労してさ。」
「あははっ!」
PM8:40『ひたすら団欒』
「そしたら会議中だってのにキャーリサが他ごとをしだして……」
「ちょっと当麻……」
「なんだ?」
「さっきからなんで話に女の人しか出てこないのかしら?」
「!?ぐ、偶然だ!偶然!!」
「全く……当麻がそんなんだと私もどっか他の男のとこにいっちゃうわよ?」
「み、美琴ー!!?嘘だろ!?」
「ちょ、抱きしめる力強すぎ……(でもこれはこれでいいわね……)」
PM9:00『デートの計画中』
「じゃあ朝に映画行ってから遊園地に行くか?」
「う~ん……それもいいけどこっちの『ネコランド』も捨てがたいわね…あ、水族館も……」
「とりあえず映画は決定だよな?何見る?」
「え~と……(恋愛系を見ていい雰囲気に……それともアクションを見て後から語りあったほうがいい……?いやいやそれともホラー系を観て当麻にしがみつくって手も……)」
「……さっきからいろいろ悩みすぎだろ…」
PM10:30『上条風呂へ』
「じゃあ先に風呂もらうぞ。」
「うん、ゆっくり入ってきてね!」
美琴は上条が風呂に入って行くのを見届けるとすぐさまある行動にでる。
そして……
PM10:35『???』
上条は風呂場でまず体を洗おうとしてした。
すると……ガチャ…
「はい?……え」
「当麻~背中流してあげる!」
なんと美琴が風呂場に入ってきた。
それもバスタオル1枚で。
「ちょ、おま、前も言ったけど一緒に入るのはダメだって!」
そんなこと美琴は気にしない。
持っていたスポンジを泡立て上条を洗う体制に入っている。
「ほら観念しなさい!キスのお返しよ!!」
そう言って美琴は上条の背中を洗い始めた。
優しく丁寧に洗っていく。
上条の警戒が少し解けたところで少しいじわるをする。
「あ、前も洗ってあげよっか?」
「!!?」
上条は驚いた様子で美琴のほうを振り返った。だがその際に手が美琴のバスタオルに引っかかり……
「「あ」」
パサリ、とバスタオルは下に落ちた。
が、
「ま、こんなこともあろうかと思って水着着てたんだけどね。」
確実にこういうことになると美琴はよんでいた。
そして上条はほっとしたような残念なような顔をしていた。が、
「っ!!?その水着なんだよ!!」
「!!な、何って…ただの水着じゃないの。……怒ってる?」
美琴の着ている水着に気づいたようだ。しかも何やら機嫌が悪くなっている。
実はこの水着、昼間に買い物をしたとき見ていたあの水着だ。
正直結構恥ずかしい。
「お前……そんなもん外で着ていいと思ってんのか!?」
「ッ!それなら大丈夫よ!当麻の前でしか着ないから♪」
「………」
上条は黙ってしまった。何か真剣に考えているようだ。
PM10:50『2人でお風呂』
「ん~気持ちいい~……」
そんなこんなで結局上条と美琴は2人で一緒にお風呂に入っていた。
お風呂の中でも美琴は上条の上に座っている。
ちなみのこのお風呂、足を思いっきりのばすことができる大きさだ。
「美琴……ちょっとくっつきすぎ…」
「え~嫌なの~?さっきバスタオルが落ちた時は残念そうな顔してたのに~?」
「うぇい!?し、紳士上条さんはそんなことありませんことよ!?」
上条の焦っている反応がおもしろい。
おもしろい上に心地いいので美琴はさらに上条にくっつく。
背中を上条の前にぴったりくっつけ顔は上条の顔の横に。
ちなみに今上条はタオルを腰にまいているだけ、美琴はビキニの水着だ。
「み、みこ、みこ、美琴、いろいろまずい、まずいから!」
まずいと言われればもっとしたくなる。
調子に乗った美琴はさらに攻める。
体を横にひねってから腕を上条の首にまわしさらにぴったりくっついた。
これにより美琴の大きな胸が上条に当たる。
(あ~いい気持ち、幸せ幸せ……)
そしてとどめとばかり上条の頬にキスをした。
朝のような口にキスは恥ずかしくても頬なら大丈夫だ。
この一連の行動、美琴としては上条に甘えたい一心(+多少のいたずら心)からの行動だったが……
「み、みこっ!………」
「あ、あれ?当麻?」
上条は動かなくなった。
どうやらのぼせたようだ。いろんな意味で。
PM11:00『お風呂の後の……』
「ねぇ大丈夫?」
「だ、大丈夫だ。多分……」
美琴はのぼせた上条を膝枕してうちわであおいでいた。
ちょっと悪いことをしたような気がする。
「ごめんね……もうあんなことしないから……」
美琴は少し涙目になった。
と、いきなり上条がむくりと起き上がった。
「え、もう大丈夫なの―――」
「美琴、俺は大丈夫だからそんな悲しそうな顔するなよ。」
上条は美琴を優しく抱きしめていた。
「……うん…」
「やっぱり美琴には笑顔が一番だしな、それと……」
上条は一旦言葉を切り美琴から離れた。そしてそこそこ真剣な表情で
「あの水着はまた着てください。」
「それが目的か!!」
PM11:30『就寝』
「明日は久々のデートだし少し早いけど寝るか。」
「うん、今日はいろいろあって疲れたし丁度いいわね。」
そして2人は寝室へと向かう。
着いた寝室には大きなダブルベッドが置かれている。
「よっと。ほら」
上条が先にベッドへあがり美琴を迎える。
「おやすみ、当麻。」
「おやすみ、美琴。」
その言葉の後に軽くキスをしてから美琴は上条に寄り添い、上条は美琴を抱きしめる。。
(明日も……今日みたいに幸せでありますように……)
美琴はそう祈って上条の胸の中で眠りについた。
これが今の御坂美琴の1日。それはとても、とても幸せな生活。
御坂美琴は上条当麻と一緒にいれることによって通常の何倍にも幸せになれる。
明日はデート、美琴の幸せな生活はまだまだ終わらない―――――