第5話『プレゼントタイム』
上条と美琴は相変わらず2人でソファに座っていた。
だがさすがにもう上条は美琴にもたれていない。それなのに美琴の顔はびっくりするくらい真っ赤だった。
だがさすがにもう上条は美琴にもたれていない。それなのに美琴の顔はびっくりするくらい真っ赤だった。
「………あぅ」
「??どうした御坂。また顔真っ赤だぞ。」
「??どうした御坂。また顔真っ赤だぞ。」
美琴は上条の手をにぎにぎしたことを思い出しため顔を赤くしているのだが上条にはもちろんわからない。
「い、いや気にしないで!」
「そうか?で、どこまで思い出したんだ?」
「あ、と……」
「そうか?で、どこまで思い出したんだ?」
「あ、と……」
当然『手を握ったところまで』、なんていうわけにはいかない。いや、恥ずかしくて言えない。
他にとっさに思いついたのは
他にとっさに思いついたのは
「その……アンタが、みんなにボコボコにされたとこまでよ。」
「ボコボコにって……何回目?」
「は?」
「いや俺昨日何回もボコボコにされたんだけど…………ごめん思い出したら涙出てきた。」
「ボコボコにって……何回目?」
「は?」
「いや俺昨日何回もボコボコにされたんだけど…………ごめん思い出したら涙出てきた。」
上条は涙を流した。結構マジだ。
「ちょっと泣かないでよね……ってそういやアンタさ、ほんとに女の子の知り合い多いのね。」
「ん……そうか?」
「そうよ!アンタ私のことは無視するのに他の女の子とは普通にしゃべってたし……」
「ん……そうか?」
「そうよ!アンタ私のことは無視するのに他の女の子とは普通にしゃべってたし……」
美琴は上条が自分を無視したことを思い出したため少し腹が立った。
あからさまに機嫌が悪くなる。
それを見た上条は笑って
あからさまに機嫌が悪くなる。
それを見た上条は笑って
「あー…ごめんごめん……そんな嫉妬すんなって。」
「ッッッッッッ!!??!??ゴ、ゴホゴホッ!!は、はぁ!?」
「ッッッッッッ!!??!??ゴ、ゴホゴホッ!!は、はぁ!?」
驚きと動揺のあまり美琴はむせてしまった。
上条から『嫉妬』という言葉が発せられたことにも驚きだがそれ以上に本当に嫉妬していたので動揺してしまったのだ。
さらに上条は続ける。
上条から『嫉妬』という言葉が発せられたことにも驚きだがそれ以上に本当に嫉妬していたので動揺してしまったのだ。
さらに上条は続ける。
「いや、だから俺が他の女の子と話してるの見て嫉妬してたんだろ?」
「そ、そそそそそそそそそそそそそそそそんなわけないじゃない!!私がアンタに嫉妬なんて……するわけないでしょ!?勘違いしないでよね!!!」
「そ、そそそそそそそそそそそそそそそそんなわけないじゃない!!私がアンタに嫉妬なんて……するわけないでしょ!?勘違いしないでよね!!!」
少しでも動揺を隠すために美琴は勢いよく立ち上がった。
美琴は想いっきり動揺して電気が漏れ始めている。
美琴は想いっきり動揺して電気が漏れ始めている。
「おい、そんなに隠さなくてもいいじゃないか、事実なんだろ?」
「い、いや違っ……」
「い、いや違っ……」
慌てて否定するもなぜか上条にすべてバレている。
さらに上条は畳み掛けるように
さらに上条は畳み掛けるように
「それに御坂、お前さっきから怒った顔してるけどさ。」
「何よ……」
「笑ったほうが絶対可愛いぞ?」
「何よ……」
「笑ったほうが絶対可愛いぞ?」
美琴は上条に背を向け無言で隣の部屋に続くドアへとむかった。
あまりに突然のことだったので上条は驚いているようだ。
あまりに突然のことだったので上条は驚いているようだ。
「おい、どこ行くんだよ。」
「お手洗い!」
「お手洗い!」
美琴はそれだけ言ってドアを勢いよく開け隣の部屋に入る。
ドアを閉めるのも思いっきり閉めようかと思ったがベッドで寝ている4人が起きては困るのでゆっくり閉める。
ドアがカチリと音をたててしっかり閉まることを確認した美琴は近くにあるソファに力が抜けたように座り込んだ。
ドアを閉めるのも思いっきり閉めようかと思ったがベッドで寝ている4人が起きては困るのでゆっくり閉める。
ドアがカチリと音をたててしっかり閉まることを確認した美琴は近くにあるソファに力が抜けたように座り込んだ。
そして今更だがベッドの置いてあるほうの部屋を簡単に説明すると、広さ約25畳の洋風の部屋にダブルベッドが1つ、ソファが大中小それぞれ2つづつ、テーブルが3つ設置してある。
このように即ソファに座り込んだ様子からわかるように美琴にお手洗いに行く気なんて全くなかった。
「可愛い……アイツから見て笑った私って可愛いんだ……」
もうにやにやが治まらない。治まるわけがない。治まるどころかさらににやにやしてしまう。
上条にかわいいと言ってもらえた事が嬉しくて仕方がない。
誰も見ていないのになんだか恥ずかしくなったので足をパタパタ動かし思わず顔を下に向けた。
上条にかわいいと言ってもらえた事が嬉しくて仕方がない。
誰も見ていないのになんだか恥ずかしくなったので足をパタパタ動かし思わず顔を下に向けた。
「ん?」
と、ソファの側には何本かの黒い棒みたいなものが散らばっていた。
「これは黒子の…鉄の矢?」
拾い上げてよく見てみる。
間違いない、いつも黒子が携帯している鉄の矢と全く同じものだ。
間違いない、いつも黒子が携帯している鉄の矢と全く同じものだ。
「?黒子が落としたのかな……他に何か…」
もっと何かあるかもと思い立ち上がり部屋を見渡してみる。
寝ている4人を起こさないよう静かに行動する。
寝ている4人を起こさないよう静かに行動する。
「あ……ここと…ここにも…」
また別に2本鉄の矢があった。1本はソファと離れた場所、もう1本は壁に刺さっていた。
刺さっているほうを触ってみてわかったが刺さり方があまいことからテレポートさせたのではなく投げて刺さったようだ。
刺さっているほうを触ってみてわかったが刺さり方があまいことからテレポートさせたのではなく投げて刺さったようだ。
(アイツと黒子が喧嘩?まあそれならありえるわよね。アイツがいつもと違うことと関係あるのかな……それにしても一晩で何が?アイツはまるで別人みたいだけど―――――)
『別人』、自分で考えたその単語から美琴はあることを連想した。
――もし今、隣の部屋にいる上条が偽物だったら?
美琴は嫌な汗をかいた。
もし、万が一上条が偽物だった場合、ベッドで寝ていたことや間接キスなどさっきまでの幸せは一転し最悪の出来事となってしまう。
もし、万が一上条が偽物だった場合、ベッドで寝ていたことや間接キスなどさっきまでの幸せは一転し最悪の出来事となってしまう。
(い、いやそんなわけ……でもアイツの態度がいつもと違うのは事実…よね……)
しかしまだ上条が偽物と決まったわけではない。
どちらかといえば偽物であるほうが可能性的には低い。
どちらかといえば偽物であるほうが可能性的には低い。
「……そうだ続き思い出さなきゃ。えーと…黒子を席まで運んで…初春さん達に捕まって……それから……」
◇ ◆ ◇ ◆ ◇
佐天「御坂さ~ん、いい加減白状しましょうよ~!」
初春「そうですよ~!早めに素直に言っておいたほうが身のためですよ~!」
固法「それで御坂さん、やっぱり上条さんのこと好きなんでしょ?」
ここは美琴達のテーブル、美琴は只今絶賛尋問受け中だった。
尋問を受ける原因となったのはもちろん上条の手を握っていたところを見られたからである。
すでにかれこれ15分は尋問を受けており冷や汗がマジで止まらない。
尋問を受ける原因となったのはもちろん上条の手を握っていたところを見られたからである。
すでにかれこれ15分は尋問を受けており冷や汗がマジで止まらない。
美琴(初春さんと佐天さんはともかく固法先輩まで……ごまかせる気がしない…)
さらにこの3人だけでなく話にはあまり参加してこないが同じテーブルには婚后、湾内、泡浮、春上もいるわけで会話は聞かれている。
だから余計上条への本当の想いを言うわけにはいかない。
ちなみにこの丸テーブルには時計回りで美琴、佐天、初春、春上、婚后、湾内、泡浮、固法、黒子の順で囲って座っている。
だから余計上条への本当の想いを言うわけにはいかない。
ちなみにこの丸テーブルには時計回りで美琴、佐天、初春、春上、婚后、湾内、泡浮、固法、黒子の順で囲って座っている。
美琴「だ、だからあのバカとは何もないって……手を握ってたのは、その、場の流れというか……」
苦しすぎる言い訳だ。こんなのでごまかせるわけがない。
当然追求されるわけで友人sは皆にやにやしている。
当然追求されるわけで友人sは皆にやにやしている。
初春「じゃーなんであんなに嬉しそうに手を握ってたんですか?」
美琴「え!?そ、それは……」
佐天「上条さんのこと好きだからなんですよね?」
美琴「ち、違う!そんなことありえない……」
固法「認めれば上条さんとうまくいくように私たちも協力するんだけどなー。」
美琴「ほんとですか!?……ってそんな協力いりません!!別にアイツとうまくいきたくないですから!!」
最早バレバレなのだが美琴は粘りに粘った。
だがここで予想外の展開、同じテーブルの席に座って今まで話を聞いていた湾内が
だがここで予想外の展開、同じテーブルの席に座って今まで話を聞いていた湾内が
湾内「ではどうやって御坂さんと上条さんをうまく付き合わせることができるのでしょうかね…」
美琴「湾内さん!?何言ってんの!?」
婚后「敵は多いようですし早々に策を練らないといけませんわ。」
美琴「婚后さんまで…それに敵って……」
泡浮「何かきっかけがあればいいのですが……」
春上「じゃあ私がきっかけを作ってあげるのー。」
美琴「ちょ……だから違うって……」
湾内の後には婚后達も話に参加、もう反論のしようがない。
盛り上がる友人sと頭を抱え込む美琴と気絶したまま動かない黒子。
もう諦めて白状しようかと諦めかけところで急に会場内の照明が若干暗くなった。
盛り上がる友人sと頭を抱え込む美琴と気絶したまま動かない黒子。
もう諦めて白状しようかと諦めかけところで急に会場内の照明が若干暗くなった。
土御門「じゃーそろそろ雑談タイムを終わりにするぜよ!みんな一旦席に着いてくれだにゃー!!」
そう会場全体に呼びかけたのは土御門元春、美琴にとってこの呼びかけはこれ以上ないグッドタイミングだった。
スーツ姿の土御門の隣にはぼこぼこにされた傷が癒えていない上条も立っている。着ている学ランは汚れが目立ちよれよれだ。
スーツ姿の土御門の隣にはぼこぼこにされた傷が癒えていない上条も立っている。着ている学ランは汚れが目立ちよれよれだ。
泡浮「……上条さんぼろぼろですね。」
美琴「はは…そうね……ってそれにほら!何か始まるみたいだし静かに待ってよ?それに黒子起こさなきゃ。ほら黒子起きて。」
そう言って美琴は隣の席でぐったりしている黒子の肩を掴んでゆさゆさと揺らす。
すると黒子は目が覚めたようでゆっくりと頭を上げた。
すると黒子は目が覚めたようでゆっくりと頭を上げた。
黒子「……ん?ここは?わたくしは一体?確かお姉様とテレポートして……」
だがまだ意識ははっきりしないようだ。
そんな黒子を見た美琴はあることに気づいた。
そんな黒子を見た美琴はあることに気づいた。
美琴(……ていうかもっと早く起こせば初春さん達にアイツとの関係を追求されなかったんじゃ?黒子はアイツと私の関係を良く思ってないし……しまったわね……)
残念ながら気づくのが遅かった。
佐天「……御坂さん逃げましたね?」
固法「まあいいじゃない。また後でゆっくり聞きましょ?」
とりあえずは話を変えることに成功、美琴は額の汗を拭いホッと一息ついた。
春上「??それで何が始まるのー?」
湾内「なんでしょうね……あ、スクリーンが降りてきましたけど…何か映像を流すのでしょうか…?」
美琴「ほんとだ……」
美琴達が舞台を見ると湾内の言う通り上からスクリーンが降りてきていた。
会場が大きいだけあってスクリーンもとびきり大きい。
会場が大きいだけあってスクリーンもとびきり大きい。
初春「何かうぇいがふぇもなわぁひゅんふぇすふぁね?」
佐天「初春……パフェ食べ終わってからしゃべってくんない?何言ってるか全然わかんない。ていうかいつの間に持ってきたのよ。」
美琴への尋問が一旦中断したためパフェをほうばる初春。
初春は『何か映画でも流すんですかね?』と言ったのだがわかるわけがない。
初春は『何か映画でも流すんですかね?』と言ったのだがわかるわけがない。
数分後、ほぼ全員が席に着いた。
さすがに人数が多いので全員が完璧に座る、というのは難しいようだ。
そして土御門は会場全体を一度見渡した後、
さすがに人数が多いので全員が完璧に座る、というのは難しいようだ。
そして土御門は会場全体を一度見渡した後、
土御門「えーそれではただいまより『上条当麻への帰還記念品贈呈』を行いたいと思うぜよ!!みんなプレゼントは用意してきたかにゃー?」
『おおー!』と声が上がり盛り上がる会場内、そしてパーティ開始の時と同じように大きな拍手が巻き起こった。帰還品記念贈呈と聞くと難しそうだがただ単に上条にプレゼントと渡す、ということだ。
だが美琴は会場内の他の人の反応とは真逆で焦った様子を見せていた。
だが美琴は会場内の他の人の反応とは真逆で焦った様子を見せていた。
美琴「何それ!?私そんなの聞いてないわよ!?」
佐天「あたしも聞いてないですね……誰か聞いてる?」
美琴と佐天以外の7人も首を横に振った。誰も知らされていないようだ。
ふと周りを見てみると皆カバンなどから上条に渡すであろう物を取り出したり準備したりしている。特に女子。
ふと周りを見てみると皆カバンなどから上条に渡すであろう物を取り出したり準備したりしている。特に女子。
美琴「ど、どうしよう……何も用意してない………」
さらに焦る美琴。
美琴「アイツは……ってあれ?」
ここでふと上条に方を見ると美琴の反応と同じように舞台上では上条が何やら焦っていた。
上条の声はマイクを通じて会場全体に聞こえる。ちなみにマイクというのは芸人とかが服とかにつけているようなタイプだ。
上条の声はマイクを通じて会場全体に聞こえる。ちなみにマイクというのは芸人とかが服とかにつけているようなタイプだ。
上条「お、おい土御門!記念品贈呈ってなんだ!?俺そんなの聞いてないぞ!?」
土御門「そりゃそうだ、上やんのことだからプレゼントっていうと断ると思って内緒にしといたんだにゃー。学園都市の連中には舞夏、それ以外のやつらには俺から伝えてたから上やんが知らないのは当たり前ぜよ?ま、所謂サプライズってやつだな。」
美琴「なッ!!」
今の土御門の言葉でわかった。
初春「どうやら舞夏さんが私たちには伝え忘れてたみたいですね……」
初春も気づいたようだがその通り、舞夏の伝え忘れだった。
プレゼントと言ったらサプライズ、良い考えだがそれが美琴には裏目にでた形となってしまった。
プレゼントと言ったらサプライズ、良い考えだがそれが美琴には裏目にでた形となってしまった。
美琴(つ、土御門め~!!ちゃんと伝えなさいよ!どーすんのよ何もなしって!)
だがいつまでも焦っているわけにはいかないので何かないかと頭をフル回転させる。
上条に気がある女性陣は100%何か準備してあるわけであって美琴だけ渡せないとなると明らかに遅れをとることになる。
上条に気がある女性陣は100%何か準備してあるわけであって美琴だけ渡せないとなると明らかに遅れをとることになる。
また舞台上では
上条「そんなん受け取れねぇよ!みんなに悪いだろ!?」
土御門「上やん、この場合は受け取らないほうが悪いぞ、もうみんなプレゼントは持ってきてるんだからな。まあ一言でいうと空気読め。それではまずこの方からどうぞだにゃー!」
上条を無視して土御門はプレゼントタイムを開始した。
そして土御門の言葉と同時に舞台袖から出てきたのは赤いドレスの女性。美琴たちには見覚えがある。
そして土御門の言葉と同時に舞台袖から出てきたのは赤いドレスの女性。美琴たちには見覚えがある。
婚后「あの方は……最初にロビーで見た方ですわね。」
黒子「学園都市ではなく外部の方でしょうけど……やはり豪華なドレスですわよね―――」
土御門「はい!この方はイギリス国第二王女キャーリサ様だにゃー。」
美琴&友人s「な……」
土御門はすごく軽ーく紹介したが普通ならそんな軽ーく紹介していい人物のはずがない。
会場内からはやはりざわめきが聞こえる。
ちなみに言っておくがキャーリサにフラグは立っていない………はずだよ。多分。
会場内からはやはりざわめきが聞こえる。
ちなみに言っておくがキャーリサにフラグは立っていない………はずだよ。多分。
キャーリサ「みんなどーもだし。それで上条、めんどくさいからてっとり早くいくし。お前はイギリスのクーデターを鎮めること、第三次世界大戦を終結させるために限りない努力をしたし。」
上条「はぁ……」
少し困惑した様子の上条、そんな上条を見てキャーリサはニヤリと笑みを浮かべ左手で自分の顔を触り
キャーリサ「1ヶ月ほど前のことだが懐かしーな。クーデターでお前に思いっきり顔を殴られたのはいー思い出だし。」
上条「ッッッ!!?おい!なんでそれをここで言っちゃうんでせうか!?」
会場内は一気にヒートアップ、そりゃ一国のお姫様を殴ったと聞けば誰でも驚くものだ。
特に科学サイドの面々はほぼ全員といっていいほどみんな驚いており、一部からは激しいヤジが飛んでいる。
『とりあえず土下座するんや上やん!』とか『これは国際的大問題なのですよー!!』とかいろいろ聞こえてくる。
さらに一部からは上条めがけて物が飛んでいる。
特に科学サイドの面々はほぼ全員といっていいほどみんな驚いており、一部からは激しいヤジが飛んでいる。
『とりあえず土下座するんや上やん!』とか『これは国際的大問題なのですよー!!』とかいろいろ聞こえてくる。
さらに一部からは上条めがけて物が飛んでいる。
そして当然美琴グループも驚いているわけであって
泡浮「上条さんってもしかして暴力的なお方なんですか……?」
固法「よく捕まらなかったわね……普通なら国際的問題よ?」
婚后「王女様だから、というより女性に手を出すなんて何を考えていらっしゃるのでしょうね?御坂さん、あの方とお付き合いするのは止めたほうがいいと思いますけど?」
美琴「いやアイツにも何か事情が……って別に付き合いたいとか思ってないからね!?」
相変わらず過剰反応し否定する美琴。
そして上条は一気にヒール役になってしまった。少しかわいそうだ。
そして上条は一気にヒール役になってしまった。少しかわいそうだ。
上条「不幸だ……」
キャーリサ「まーそんな過去のことは別にいーとしてほら、これをありがたく受け取るがいいし。」
そう言ってキャーリサは自分の頭の上にあった『モノ』を手に取り上条に差し出した。
お姫様の頭の上にあるものといったらもう予想はつくだろう。
そしてそれは美琴からも見えているわけで
お姫様の頭の上にあるものといったらもう予想はつくだろう。
そしてそれは美琴からも見えているわけで
美琴「あれって……王冠!!?」
泡浮「王女様から直々に渡してもらえるなんてすごいですね……」
そう、キャーリサから上条に手渡されたのは目映く光り輝く王冠だった。
だが美琴の席から舞台までは地味に距離があり、王冠は小さいのでさすがにはっきりとは見えない―――――と思ったら舞台奥のどでかいスクリーンに王冠が映し出された。
だが美琴の席から舞台までは地味に距離があり、王冠は小さいのでさすがにはっきりとは見えない―――――と思ったら舞台奥のどでかいスクリーンに王冠が映し出された。
婚后「ふーん、あのスクリーンはプレゼントを映すためだったのですわね。」
初春「ていうかあの王冠絶対高いですよね。パフェがどれだけ食べられる値段なんですかねー。」
佐天「比較するものがパフェって……どんだけ頭お花畑なのよ。」
美琴達がそんな話をしている時上条は王冠を両手で持ったまま困っていた。
上条「いや流石にこれはもらえないっていうか……」
キャーリサ「心配しなくともそれはお前のために家臣に作らせたレプリカだし。ほら、早く頭の上にのせてみるがいい。」
上条「あーレプリカか……なんだびっくりした……こう……かな?」
上条はぎこちなく王冠を頭の上に乗せた。
黒いツンツン頭にうまいこと光り輝く王冠が乗っかっている。
するとキャーリサは再びニヤリと笑って
黒いツンツン頭にうまいこと光り輝く王冠が乗っかっている。
するとキャーリサは再びニヤリと笑って
キャーリサ「まーレプリカと言っても数百万はするけど。」
上条は驚いたのかビクッと体が動き王冠が落ちそうになった。
当然会場内の人々もその値段に驚く、今日はみんな驚いてばかりだ。
当然会場内の人々もその値段に驚く、今日はみんな驚いてばかりだ。
キャーリサ「では少年よ、大事に使うがいいし。」
キャーリサ上条に背を向け舞台上から去って自分の席へと戻って行った。
そして美琴はというと………
そして美琴はというと………
美琴「か、勝てない……あんなプレゼントに勝てるもんなんてないでしょ……」
頭を抱えて悩んでいた。半分戦意喪失である。
あんな数百万もするプレゼントを上回る物を短時間で用意できる気がしないのだ。
あんな数百万もするプレゼントを上回る物を短時間で用意できる気がしないのだ。
初春「御坂さん諦めちゃダメですよ!!何かないか考えましょうよ!!」
美琴「何かって言われても……」
美琴はさっきからずっとプレゼントのことを考えていたが全く思いついていなかった。
今更何か用意できるわけがないし特にこれといった持ち合わせもない。
今更何か用意できるわけがないし特にこれといった持ち合わせもない。
黒子「別に何も差し上げなくともいいではありませんの。お姉様のその気持ちで十分なのでは?」
美琴「いやでもせっかくアイツのパーティなんだし……」
佐天「う~ん……何か…何か…………………あ!!いいこと思いつきましたよ!!!」
美琴「いいこと……?何?佐天さん。」
美琴の隣の席でずっと考え込んでいた佐天が目を輝かせてこちらを向いてきた。
その目の輝きからなんだか少し嫌な予感がした。そして美琴のその予感は的中する。
その目の輝きからなんだか少し嫌な予感がした。そして美琴のその予感は的中する。
佐天「御坂さんさっき上条さんの手を握ってたじゃないですか。」
美琴「ま、まあね……でもあれは場の流れというか…」
佐天「じゃあ今度はキスとかしてあげたらどうですか?」
美琴「は?」
今佐天から何か妙な言葉が聞こえた気がする。
美琴は隣の佐天から目を離しなんとなく舞台上の上条を見た。彼は苦笑いをして赤髪の神父からタバコを受け取ってうるところだった。きっとあれも帰還記念品なのだろう。
美琴は隣の佐天から目を離しなんとなく舞台上の上条を見た。彼は苦笑いをして赤髪の神父からタバコを受け取ってうるところだった。きっとあれも帰還記念品なのだろう。
そして美琴は上条を全体的に見るのではなく顔に集中させた。
髪、眉、目、鼻、の順に、そして口に目をやった瞬間美琴の顔は真っ赤になり佐天に目を戻した。
髪、眉、目、鼻、の順に、そして口に目をやった瞬間美琴の顔は真っ赤になり佐天に目を戻した。
美琴「えええええええええ!!?無理!こんな大勢の目の前でできるわけないじゃない!!そ、それになんで私があのバカにキスしなきゃいけないわけ!?」
黒子「そうですわ佐天さん!いくらなんでも悪ふざけがすぎるというものですわよ!?まだわたくしともキスをしたことはないというのに!!」
佐天「だって御坂さん上条さんのこと好きなんだからいいじゃないですか。それに口じゃなくて頬ですよ?」
佐天は黒子をスルーして話を進める。
美琴「違う!さっきからずっと言ってるけど違うから!!土御門の言ったこと間に受けちゃダメよ佐天さん!!!それに頬でも無理!!!」
言い終わった美琴はゼーハーと息を切らす。
パーティ会場なので会場内全体がうるさいため目立ってはいないが結構大きな声だった。
パーティ会場なので会場内全体がうるさいため目立ってはいないが結構大きな声だった。
初春「じゃあ御坂さんは上条さんが他の人に取られてもいいんですか?」
美琴「え!?」
初春「このまま何もしないと上条さんとられちゃいますよ?」
美琴「う……ってちょっと待った!別に私はアイツが取られてもなんとも思わないわよ!?」
固法「御坂さん……結構強情ね……」
固法は苦笑いをしている。
美琴はまだ認めなかったが『上条が別の人に取られる』という初春が言ったことは正しい。確かにこのままでは上条が他の女の人とくっついてしまうのは間違いない。
美琴はまだ認めなかったが『上条が別の人に取られる』という初春が言ったことは正しい。確かにこのままでは上条が他の女の人とくっついてしまうのは間違いない。
だがいくら口ではなく頬にキスといっても恥ずかしいことこの上ない。
美琴は顔を机に伏せ悩み始めた。友人sはその様子をジッと見ている。
美琴は顔を机に伏せ悩み始めた。友人sはその様子をジッと見ている。
美琴(キス……するの!?私がアイツに!?……そりゃしたくないことはないけど恥ずかしくてできるわけ…でも……取られるのは………もっとイヤ…でも……)
美琴は悩みに悩んだ。頭がオーバーヒートするくらい悩んだ。たぶん10分くらい悩んだと思う。
その間にも舞台上では次々に上条がプレゼント受け取っていた。
そして―――
その間にも舞台上では次々に上条がプレゼント受け取っていた。
そして―――
美琴(………他のモノ考えよ…)
美琴に人前でキスをするなんて勇気はなかった。顔を伏せたまま1つため息をついてから顔を上げる。
すると舞台上には五和とかいう二重まぶたの女子が立っていた。
すると舞台上には五和とかいう二重まぶたの女子が立っていた。
美琴(あの子の番か……ん?おかしいわね。何も持ってないみたいだけど何を渡す―――――)
美琴が舞台上を見つめていると急に会場内からは大きな歓声が沸き起こった。
『よくやったー!』という声や悲鳴に似た声、茶化す声やブーイングなど様々な声が聞こえてくる。
美琴達のデーブルでも皆驚いた様子で
『よくやったー!』という声や悲鳴に似た声、茶化す声やブーイングなど様々な声が聞こえてくる。
美琴達のデーブルでも皆驚いた様子で
美琴「な、な、な……」
婚后「…あの方……大胆ですわね…」
佐天「あー……先超されちゃいましたね…」
先を越された、つまりどういうことかというと
初春「頬にキスをするというプレゼントを他に考える人がいるとは……これはちょっと予想外ですね。」
初春の言葉通り五和が上条の頬にキスをしたのだ。舞台上では上条と五和が顔を真っ赤にしている。
さらに上条もまんざらイヤというわけではないようだ。
まあそんな様子を見せていたらどうなるかは明白なわけで……
さらに上条もまんざらイヤというわけではないようだ。
まあそんな様子を見せていたらどうなるかは明白なわけで……
上条「ん?………ぎゃあああああああああああああああああああああああ!!!!!!!!!!!!!!!!!!!!!!」
舞台袖、また舞台下から上条への集中砲火が始まった。魔術及び超能力の攻撃は『幻想殺し』で防げるが飛んでくる『モノ』は防げていない。
結構な確率で上条に命中している。
結構な確率で上条に命中している。
すると美琴はいきなり立ち上がった。
美琴「あー…いいプレゼント思いついたわ。」
黒子「な、何ですのお姉様!?あのような行動はお止めくださいまし!?」
美琴「大丈夫よ黒子。そんなことしないから。」
美琴は興奮した様子の黒子に優しく微笑んだ。
美琴「あの大バカに1発電撃キックを食らわしてくるだけだから。」
友人s「「「「「「「………………」」」」」」」
沈黙する美琴の友人s、唯一黒子だけは美琴を応援しているようだった。
そして美琴はものすごい怒りを胸に上条へプレゼントをする人たちの列へ並んだ。
上条へプレゼントを渡す人は舞台袖から出てきており、列は舞台裏に続く会場の前端のドアから伸びていた。
美琴はプレゼントを何にするか悩んでいたためかなり出遅れておりどうやら最後のようだ。
そのたえ上条の元へ到着するにはまだ時間がかかる。
そして美琴はものすごい怒りを胸に上条へプレゼントをする人たちの列へ並んだ。
上条へプレゼントを渡す人は舞台袖から出てきており、列は舞台裏に続く会場の前端のドアから伸びていた。
美琴はプレゼントを何にするか悩んでいたためかなり出遅れておりどうやら最後のようだ。
そのたえ上条の元へ到着するにはまだ時間がかかる。
美琴(思いっきり食らわしてやろう、うん。思いっきり……)
知らずと足に力が入る、そしてこの怒りが冷めないよう上条へ目をやる。
しかしその行動は逆に美琴の怒りを抑えることとなった。
しかしその行動は逆に美琴の怒りを抑えることとなった。
美琴「あ……」
美琴の目に映ったのは嬉しそうな様子の上条と巫女姿の少女、確か上条のクラスメイトの1人で姫神という人だ。
スクリーンには『マック無料券』が映し出された。王冠に比べたら遥かに劣るように思えるが上条は本当に嬉しそうだ。
スクリーンには『マック無料券』が映し出された。王冠に比べたら遥かに劣るように思えるが上条は本当に嬉しそうだ。
そんな上条の笑顔ををみた美琴からは怒りが完全に消え失せ恋する乙女モードに突入。
美琴(……やっぱりキックは止めよ…私もアイツに喜んでもらえる物を上げたいし……でも何もないのよねー……)
当然電撃キックなどでは上条が喜ぶはずがない。むしろ嫌わねかねない。
何かないか、適当に右ポケットの中を探ってみる。だが当然上条にプレゼントできる物など何も入っていない。
何かないか、適当に右ポケットの中を探ってみる。だが当然上条にプレゼントできる物など何も入っていない。
続いて左ポケット、やはり何もない――――――――
美琴「ん?何かある……?」
いや、あった。何もないと思われた左ポケットだが指先が何か硬いものに触れたのだ。
美琴はそれを取り出して見てみる。
美琴はそれを取り出して見てみる。
美琴「何が入って………あ!これは……そうだこれをアイツに渡せばいいじゃない!!」
輝きを失いかけていた美琴の目は一気に輝きを取り戻した。
◇ ◇ ◇
上条「ありがとな風斬、わざわざ俺のために。」
風斬「ううん、別に大した物じゃないし……」
場面は変わってこちらは舞台上、王冠を頭につけた上条は友人である風斬氷華からメガネをもらっていた。俗にいう“おしゃれメガネ”というやつだ。
舞夏から帰還記念品を渡すと聞いたインデックスに誘われセブンスミストで買ってきたのだ。
舞夏から帰還記念品を渡すと聞いたインデックスに誘われセブンスミストで買ってきたのだ。
上条(なんとか壊さないようにしないと……)
上条はまれに見ぬ不幸体質である、そのためいつ不幸な出来事にあって壊れるかわからない。
そしてそのメガネがスクリーンに映し出された後、風斬は律儀にお辞儀をして舞台上から降りて行った。
そしてそのメガネがスクリーンに映し出された後、風斬は律儀にお辞儀をして舞台上から降りて行った。
上条「へーこれは結構いいな。後でかけてみよ。」
もう1度メガネを手に取りゆっくり見た後、横に設置してある台に置いた。
この台には今までプレゼントされた数々の品が置かれている。
この台には今までプレゼントされた数々の品が置かれている。
上条としては最初はプレゼントを受け取るのを断ろうかと思っていた。
だが断ると土御門に言われた通り空気を読めないやつ、俗にいう『KY』になりそうだったので今のところ貰えるものは全て受け取っている。
しかしまともな物などほとんどない。
だが断ると土御門に言われた通り空気を読めないやつ、俗にいう『KY』になりそうだったので今のところ貰えるものは全て受け取っている。
しかしまともな物などほとんどない。
ステイルからもらったタバコ、アニェーゼからは聖書、一方通行からは彼がいつも着ているような柄の服、アックアからは騎士が持ってそうな槍、騎士団長からは西洋の甲冑をもらった。
もらっとおいてなんだが正直なところ需要がない。
もらっとおいてなんだが正直なところ需要がない。
上条「くれるのはありがたいけどどうしよ……タバコは論外として槍とか甲冑っていつどこで使うんだよ。使ったら捕まるわ。」
正論である。もし槍を持ち甲冑を着て街中を歩いてたら確実に捕まること間違いない。
だがもらって嬉しかった物ももちろんあるわけで姫神からもらったマック無料券、インデックスがくれた西洋風のお守り、神裂からはよく切れそうな包丁、それらは嬉しかった。
また雲川から『学園都市内でのみ使える30万円分の金券』をもらった時は泣いて喜んだ。
彼女達のプレゼントは成功したと言えるだろう。
また雲川から『学園都市内でのみ使える30万円分の金券』をもらった時は泣いて喜んだ。
彼女達のプレゼントは成功したと言えるだろう。
土御門「では次の方がラストとなるぜよ!ではこちらへどうぞだにゃー!!」
あまり時間の感覚を空けずに舞台袖から最後の人を呼ぶ。
上条「最後は誰だろ……ん?…あ!み、御坂……」
風斬の次に舞台袖から現れたのは御坂美琴、『妹達』は今日私服を着ているので常盤台の制服を着ているこの少女は美琴に間違いない。
さっき手を握られたせいか上条は少しドキッとした。
さっき手を握られたせいか上条は少しドキッとした。
上条「お、おう御坂、お前まで悪いな。」
そのせいか少しびびった様子で上条は美琴の様子をうかがう。
そんな上条に返事もせず美琴は俯いたまま側に歩み寄ってきた。
上条の近くまで来たところで顔をあげ
そんな上条に返事もせず美琴は俯いたまま側に歩み寄ってきた。
上条の近くまで来たところで顔をあげ
美琴「話したいことはいっぱいあるけど今はプレゼントタイムみたいだしこれを渡すだけにしとくわ。はい。」
なぜか美琴は早口だった。
そして上条はあるモノを手渡された。
そして上条はあるモノを手渡された。
上条「これ……?あ…ストラップか。」
上条が美琴から手渡された物、それは以前携帯のペア契約をした際にもらったゲコ太ストラップだった。
美琴「ロシアの海に浮いてるのをたまたま見つけたのよ。それで今日返そうと思ってさ。もうなくすんじゃないわよ?わかった?」
上条「あ、ああ……」
美琴「よし!じゃまた。」
美琴は上条の返事を聞くとそそくさと薄暗い舞台裏へと戻って行った。
上条「フィアンマとの戦いでなくしたと思ってたのに……御坂が見つけてくれてたのか……ってまたロシアのお礼言い損ねた…」
上条はストラップを右手でギュッと握りしめ美琴が去って行ったほうを見ていた。
上条「にしても海に浮いてるのを偶然見つけるなんてすげーな、もう絶対見つからないと思ってたのに……あ、なんか嬉しいかも。」
土御門「おーい上やん?スクリーンに映したいから貰った物をいい加減見せてくれだにゃー。」
◇ ◇ ◇
またまた場面は変わってここはパーティ会場の舞台裏、上条に無事ストラップを渡すことに成功した美琴は全身の力が抜け落ちるかのように側に置いてあるイスに座り込んだ。
美琴「き、緊張した……何か変なところなかったかな…」
美琴なりには素直に渡すことができたつもりだ。
しかし結構テンパっていたし上条に不快な思いをさせなかったか少し不安になる。
しかし結構テンパっていたし上条に不快な思いをさせなかったか少し不安になる。
美琴(大丈夫よね!だって前みたいに電撃使ってないし、口も悪くなかったし。………あれ?これって普通?……う…なんかダメだったような気がしてきた……)
美琴から急激に自信がなくなった。
1つ悪く考えるとどんどん悪い方向に考えてしまう。
1つ悪く考えるとどんどん悪い方向に考えてしまう。
美琴(ていうかあのストラップじゃプレゼントっていうよりただ返しただけだし……それに手握ったことが恥ずかしくてまともに話せなかったし……やっぱり王冠とかキスを上回るなんて無理よね……)
はぁー、と大きなため息をつく。
しかし過ぎてしまったことはしょうがない。
立ち上がりそのまま自分の席に戻ろうとしたがやはり上条の反応がものすごく気になる。
しかし過ぎてしまったことはしょうがない。
立ち上がりそのまま自分の席に戻ろうとしたがやはり上条の反応がものすごく気になる。
美琴(………ちょっと見てみよ…)
嬉しくなさそうな反応をされているのではないか、と思うと少し怖かったがそれ以上に上条の反応のほうが気になった。
心拍数は上がり口が少し乾く。
そして舞台裏から少し顔を出して彼の様子をうかがってみると
心拍数は上がり口が少し乾く。
そして舞台裏から少し顔を出して彼の様子をうかがってみると
美琴「え!?ウソ!!」
思わず声がでてしまい美琴は慌てて舞台裏に引っ込んだ。だが声が出るのも慌てて舞台裏に引っ込むのも無理はない。
美琴がそんな行動と取った理由はもちろん上条当麻。
美琴がそんな行動と取った理由はもちろん上条当麻。
美琴(あ、アイツ……すっごい笑顔だったじゃん!!しかもこっち向いて笑いかけてくれるとか……ストラップ嬉しかったのかなー……)
ただ笑顔なのではなく偶然かもしれないが上条もこちらを見てくれていて目が合い笑顔を見せてくれた。それが美琴にはたまらなく嬉しい。
上条の笑顔で美琴は元気100倍になった。
上条の笑顔で美琴は元気100倍になった。
美琴「よーし!!王冠だろうがキスだろうが負けないわよ!勝負はここからここから♪」
そのまま上機嫌で自分の席へ戻るため舞台裏から出ようとすると
???「あなたは上条当麻に何を渡したのですか?」
美琴「へ!?誰!?」
舞台裏の薄暗いところから声をかけられた。誰かいる、数秒経って目が慣れた美琴の目には1人の少女が映っていた。
美琴「ん……?えーと誰だっけ?」
レッサー「私は『新たなる光』の一人、レッサーです!」
美琴「レッサー……あ!パーティが始まった時アイツに飛びついてた子ね。……って『新たなる光』って何?」
『新たなる光』とはレッサーやフロリスなどが所属する英国の結社予備軍だ。
だが今はそんなことはどうでもいいわけで
だが今はそんなことはどうでもいいわけで
レッサー「そんなことはどうでもいいです!それよりもう一度聞きますが何を渡したのですか?上条当麻はものすごく喜んでいるようでし「ストラップでございます。」たが……ストラップ?」
その声と共に奥からまた1人少女が現れた。
その少女は建物の入り口で会場がどこかを尋ねてきた人だった。
その少女は建物の入り口で会場がどこかを尋ねてきた人だった。
オルソラ「ええ、今土御門様がマイクでそうおっしゃってございました。スクリーンにも映されたのでございますよ。」
美琴「え?他にも人が……って多っ!!」
美琴がさらに奥を覗いて見るとたくさんの女子、女性がところせましといる。
先ほどプレゼントを渡すため舞台に出るときも何か声が聞こえると思ったが緊張していたせいか気がつかなかった。
先ほどプレゼントを渡すため舞台に出るときも何か声が聞こえると思ったが緊張していたせいか気がつかなかった。
そして彼女らの様子はというと様々で元気な子から落ちこんでいる子、顔を真っ赤にした子などいろいろだ。
アニェーゼ「やっぱりプレゼントに聖書はダメでしたか……アガターめ、もうちょっといいアドバイスを……」
五和「キスしちゃった……上条さんに……キス……」
姫神「うん。私のプレゼントは成功。これは好感度アップ間違いない。」
フロリス「なんにも持ってきてないし……大失敗だわ…」
雲川「さて…次はどんな作戦でいこうか。」
と、まあこんなかんじで上条に気がありすでにプレゼントを渡し終わった人々が集まっていた。
まあ一部今日上条を好きになって何も用意できていなかった人もいるのだが。
まあ一部今日上条を好きになって何も用意できていなかった人もいるのだが。
美琴「なんでここにこんなに人が……?」
インデックス「そんなの簡単なんだよ。みんなとうまともっとしゃべりたいんだよ。」
美琴「わっ!アンタもいたの!?」
ふいに現れたのは白い修道服に身を包んだ少女インデックスだ。
つまりインデックスの言うことがどういうことかというと、このプレゼントタイムが終われば多分上条は一度舞台裏に戻ってくる。
だからここにとどまって少しでも多く彼と会話をしようという魂胆だ。
つまりインデックスの言うことがどういうことかというと、このプレゼントタイムが終われば多分上条は一度舞台裏に戻ってくる。
だからここにとどまって少しでも多く彼と会話をしようという魂胆だ。
レッサー「そ・れ・で!ですね!アナタ上条当麻に気があるのですよね?」
美琴「は、はぁ!?べ、べ、べ別に私はあのバカのことなんてなんとも思ってないわよ!!」
オルソラ「でもこちらの方が教えてくれたのでございますが……」
美琴「こちらの方?……な!!」
こちらの方とやらがいる方向を見てみるとなんとそこには
結標「はぁ~い♪」
にやにやと笑みを浮かべながらイスに座り、こちらに手を振っている結標の姿があった。
そうやら結標がお手洗いでの出来事を言いふらしてしまっているようだ。
そうやら結標がお手洗いでの出来事を言いふらしてしまっているようだ。
美琴「結標!!あれほど言うなって言ったでしょうが!!」
結標「いや~みんなに言いふらしたほうが面白いと思って。それにしても上条当麻ってこんなにももてるのね。アンタに言ったときは冗談だったけど私も本気で参戦しようかしら。」
レッサー&美琴「「え!?」」
これはレッサーも予想外だったようで驚いている。
レッサー「ちょ、ちょっと待ってください!アナタも上条当麻に気があったのですか!?」
結標「まあ『残骸』の事件では救急車呼んでくれたってこともあるしね。」
美琴「や、止めといたほうがいいわよ!?それにあのバカのこと好きになってもいいことなんてないわ!もう一回よく見て……え?」
これ以上ライバルが増えてはたまったもんじゃない。
なんとしてでも結標の想いを諦めさせようと舞台裏から上条を指差したのだが……
なんとしてでも結標の想いを諦めさせようと舞台裏から上条を指差したのだが……
女子一同「あ」
上条の顔が巨乳に埋まっていた。上条は頭を手で抑えられていて胸から脱出できないようで腕だけが空中を動いている。
御坂妹「だ、誰ですかあの凶悪な武器(胸)を持った女性は!とミサカは少々声を荒げます。」
神裂「あれは…オリアナ=トムソンですね……」
美琴がラストだと思ったらもう1人いたようだ。
上条が女性の胸に突っ込むというのはパーティ開始時にも同じようなことがあったがまたしてもオリアナだった。
しかし今回はラッキースケベではなくオリアナが上条へのプレゼントということで強引に行ったことだがそんなことを女子陣は知らない。
舞台裏の女子たちは怒りのオーラをまとい始める。
上条が女性の胸に突っ込むというのはパーティ開始時にも同じようなことがあったがまたしてもオリアナだった。
しかし今回はラッキースケベではなくオリアナが上条へのプレゼントということで強引に行ったことだがそんなことを女子陣は知らない。
舞台裏の女子たちは怒りのオーラをまとい始める。
そんなことを知らない上条は数十秒間ずっとオリアナの胸に埋まっていた。
上条「む、ムガ…………ぷはっ!!く、苦しかった……ごほっ…」
上条はようやく生還、ものすごい胸圧だったらしくむせている。
オリアナ「どう?お姉さんの胸に埋まれて嬉しかった?」
上条「まあちょっとは……ってんなわけあるか!!窒息死するかと思ったわ!!」
微妙に本音?なのかどうかはわからないが出てはいけない言葉が出かかる上条、まあそんなことを言えばどうなるかはやはり明白なわけで……
女子一同「くったばれぇぇぇぇぇぇぇぇぇぇぇぇぇぇぇぇぇぇぇぇぇぇぇぇぇええええええええええええええええええええええ!!!!!!!!!!!!!!!!!!」
またしても上条は集中砲火を食らった。ものすごい数の超能力、ものすごい数の魔術、ものすごい数のただの『物』、などが上条めがけて飛ぶ。
当事者(上条)から見れば恐ろしいほど、第三者から見ていればおもしろいくらいいろいろ飛んだ。
今度は悲鳴を挙げる間もなかったようで攻撃が終わった後の舞台上では上条が無惨な姿で倒れていた。
こんなかんじで上条は最後にものすごくほしくないプレゼントをもらった。
当事者(上条)から見れば恐ろしいほど、第三者から見ていればおもしろいくらいいろいろ飛んだ。
今度は悲鳴を挙げる間もなかったようで攻撃が終わった後の舞台上では上条が無惨な姿で倒れていた。
こんなかんじで上条は最後にものすごくほしくないプレゼントをもらった。
ちなみにオリアナは集中砲火を余裕で回避したが土御門は巻き添えをくらって上条動揺倒れている。
土御門「ふ、不幸だにゃー………ぐはっ…」
まことに残念ながら土御門は力尽きた。
そして会場内のとある場所では第二王女キャーリサ、元神の右席後方のアックア(ウィリアム)、騎士派のトップ騎士団長が
アックア「今こそ槍と甲冑の出番だったのではないか?」
騎士団長「確かに。甲冑着て槍でなぎ払えばよかったのにな。これから先もう使い道ないんじゃないか?」
キャーリサ「いや待てお前ら、槍持つのはともかく甲冑を着る暇はどー考えてもなかったし。それより王冠は壊れてないだろーな。」
上条への集中砲火を見ていたらしくそんなことを言いいながらご飯を食べていた。平和だ。
そしてその上条への集中砲火を浴びせた1人である美琴はというと
美琴「全くあのバカは毎回毎回懲りないんだから……」
そんなことをつぶやきながら自分の席へ戻ろうと会場内を歩いていた。
美琴「にしても結標もアイツのことを……ライバル多いなー…。それに五和って子は他の人に協力してもらってるみたいだし私もみんなに協力してもらおうかな……」
実際のところ友人などに上条との距離を縮めるための協力を依頼しているのは五和だけではない。
オルソラはシェリーに、アニェーゼはルチアとアンジェレネを除く自分の部隊のメンバーに、インデックスは風斬に、レッサーは他の『新たなる光』のメンバーに、それぞれ協力を依頼しているのだ。
その協力する人が役に立つかどうかは別として今日単独で上条との距離を縮めようというほうが難しいかもしれない。
まあレッサーの場合は協力してくれるはずのフロリスがあれなことになってしまったのだが……
その協力する人が役に立つかどうかは別として今日単独で上条との距離を縮めようというほうが難しいかもしれない。
まあレッサーの場合は協力してくれるはずのフロリスがあれなことになってしまったのだが……
美琴「どうしよう…あーもう!なんか悩んでばっかね私……」
みんなに協力を依頼すべきか、はまたま自分1人の力でなんとかするべきか、美琴はまたしても悩みに悩んだ。
そして美琴が自分の席に戻った時、出した決断は―――――
そして美琴が自分の席に戻った時、出した決断は―――――