とある魔術の禁書目録 自作ss保管庫

Part13

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最終話『すべての真相』後編 2

 ♢ ♦ ♢ ♦ ♢


「―――と、まあ昨日はこういうことがあったわけなんですよ。」

 場面は現在に戻る。
 昨日の真相を全て話し終わった上条だが、流石に恥ずかしいのか顔をほんのり赤く染めている。
 上条でさえ顔が赤くなる出来事、それでは美琴はどうなのかというと

「………」

 一言も話せないほど顔が紅潮していた、例えるならまるでゆであがったタコのようだ。
 それだけではなく、ソファに座ったままの美琴は両手を自分の膝の上に置き、俯きながらぷるぷると震えていた。

「ウソ……よね?」
「は?」

 美琴は顔を上げ、同じソファに座っている右隣の上条を見た。

「だ、だからそんな酔っぱらってアンタとあんなことやこんなことしてたなんて全部作り話なんでしょ!?わ、私は騙されないわよ!?」

 思わず大声を出す美琴、もし上条が話したことが全て本当ならあまりにも恥ずかし過ぎる。
 対して上条は

「あのな…俺の話がウソなら今のこの状況をどうやって説明するんだよ。」
「そ、それは……」
「だいたい会場では舞夏がビデオ撮ってたんだからそれ見りゃ一発でわかるぞ?なんなら今から会場に戻って―――」
「いやいい!!アンタの話した通りってことがわかったから行かないでっ!!」

 美琴は顔を上げ、立ち上がろうとする上条の腕を掴みかなり必死に引き止める。半分涙目だ。
 必死過ぎる美琴に上条はじゃあいいやとか言ってソファの隣に座り直した。

「はぁ…やっぱり酔ってる時のこと何も思い出せないのか?」
「………うん…ていうかちょっと頭の中整理させて…」

 そして5分が過ぎた。
 その間2人の間には沈黙が続き、かつてないほど場の空気は重くなっていた。
 上条はかなり気まずいようで美琴と目を合わさないようにして、部屋の中を意味もなくきょろきょろと見回している。

 で、真相を打ち明けられた美琴は美琴で大変だった。なんたって大勢の前で大好きな相手に告白してキスまでしてしまっていたのだから。
 頭では上条が言ったことを受け止めようとしているものの、あまりに予想外すぎたので情報処理が全くと言っていいほど追いつかない。
 上条が言ったことを1つ1つ思い出してはにやけ、思い出しては落ち込み、思い出しては顔を真っ赤にする、といったことを繰り返していた。
 そんな状態がしばらく続き、最終的に

(う、嬉しいけど全く記憶がないのは悲しいし…普段の私ができないことを酔った私が簡単にやっちゃうってのはなんか悔しい……告白…しよっかなー…)

 美琴はなんだか自分が情けないような気がしてならなかった。
 そのため告白しようかとも考えたが、

「……そういやさ。」
「うん?」
「アンタ私のこと抱……ぃたって言ったけどそんなことなかったじゃない。」

 少し落ち着いたことで美琴はまだ解決していないことがあることに気づいていた。
 尋ねられた上条は

「え?いやだから抱いたじゃん。ほらお姫様だっこしたって何度も言っただろ。」
「え?だ、抱いたってそういうこと!?」
「そういうことだけど?」

 何当たり前のこと言ってんの?みたいなかんじでこちらを見てくる上条。
 美琴は微妙にイラッとしたがここでキレるわけにはいかない。
 電撃を浴びせたい気持ちを抑え、次の質問に移る。

「じゃあ……なんで今日のアンタの態度はいつもと違ったのよ。」

 ピクッ、とわずかだが上条の体が動いた。
 薄々築いていたが、やはりまだ何か隠しているようだ。
 美琴は追求を止めない。

「真相を聞く前にも聞いたけど、最初寝てた時私の頭なでたこととか、今まで言わないようなこと行言ったり、
 抱きしめようとしたり、なんであんなことしたの?思わず偽物と思っちゃったじゃない。」

 上条は黙って美琴の話を聞いていた。
 そしてしばらく何か考えた後、上条は口を開いた。

「なあ御坂。お前イヤだったか?」
「へ?何が?」
「だから……今日俺がお前にしたことだよ。」
「ッ!!」

 上条の口から飛び出したのは予想外のもの。
 一瞬からかっているのかと美琴は思ったが上条の表情から真剣だということが伝わって来た。

 改めて今日のことを思い出してみても美琴としては

(そ、そんなの嬉しかったに決まってるじゃない……でもそんなこと言えるわけないし…)


 なぜ上条がそんなことを聞いてきたのかはわからないが、聞かれた以上は答えなければならない。
 だが素直に答えることなどできない美琴はどうやって答えるべきか悩んでいた。
 すると上条が少し寂しそうな表情で

「で、どうなんだ?やっぱり……イヤだった?」
「う、ううん全然イヤじゃない!むしろ嬉し……あ」

 思わず本音が出てしまった。
 当然上条にも聞こえたようで、少し驚いており、美琴は思わず顔をそらした。

(し、しまったー!!ってその表情は反則よ反則!!そんな寂しそうな表情されちゃったら本音も出るわよ!!)

 若干理不尽なことを考える美琴。
 なんて弁解しようかと焦っていると上条が

「ホントか?ホントにイヤじゃないんだな?」
「ええ!?あ、と……その…まあ…別に、イヤじゃ…ない、かな?」

 最後の方はほとんど聞こえないくらい小さな声になってしまった。
 だが隣の上条にはちゃんと全部聞こえたようで、なぜか少し嬉しそうにも見える。

「そうか……じゃあ今度は俺が御坂の質問に答えるよ。なんであんな態度とったのかって質問だったけど…」
「だったけど?」

 上条はここで一呼吸入れてから

「………御坂に酔ってる間のことを思い出してほしかったからなんだ。」
「え?な、なんで?」
「えーとそれはだな………昨日1日でお前を抱きしめたり、いつもの違う一面を見たり、キ、キスされたりして……
 そんで酔ってたときに言ってたことや行動が本心なのかどうか確かめてくて……。」
「そ、それはつまり…?」

 美琴に尋ねられた上条はまた一呼吸入れた。
 さっきよりもほんの少し長い時間空け

「ぶっちゃけると御坂のことが大好きになりました。俺と本気で付き合ってくれないか?」

 上条のその台詞の後、室内は静寂に包まれた。
 美琴は(多少予想はしていたが)突然の告白に固まってしまい、上条は真剣な表情で美琴を見つめ返事を待っている。

 次に室内に声が聞こえたのは数分後、美琴の声だった。

「…アンタ、私のこと…好き、なの?」
「ああ。」

 美琴は震えるような声で尋ね、上条はたった一言で返事をする。

「ほ、本気?嘘とかじゃないの?」
「本気だ。昨日1日で一気に好きになった。ぶっちゃけると好きすぎて今すぐ抱きしめたい。」
「抱きしめ……」

 上条はさっきから結構ぶっちゃけていた。
 美琴としてはこれだけ言われれば返事をしないわけにはいかない。

「わ、私も……好き…」
「え」
「だから……私も…アンタのこと…上条当麻が…好き、です。」

 とぎれとぎれだが、美琴はしっかりと上条に返事をした……のはよかったが恥ずかしさのあまり俯いて目をギュッと閉じた。

(い、い、言っちゃった……ついに…ていうか絶対顔真っ赤になってる…変に思われたりして…あ、それで一気に冷められたりする…?)

 軽いパニック状態に陥った美琴はわけのわからないことを考えていた。
 上条がなかなか次の一言を言ってくれないので余計思考はわけのわからない方向へいってしまう。
 すると美琴の返事を聞いてから30秒ほど黙っていた上条が突然

「み、美琴!」
「ひゃ!」


 美琴は名前を呼ばれ、同時に両手をガッチリ握られた。
 手を握られたことで目を開き、上条が自分を真剣な表情で見つめていることに気づいた。
 さらにソファに座っているため2人の顔は数センチしか離れていない。
 この状況で上条は

「昨日の記憶ないってことはキスの記憶もないんだよな?」
「う、うん……あ、あの、ち、ちか、近い……」
「わかってる。だから、な。」

 そう言って上条は手を離したかと思うと、今度は美琴の両肩に手を置き距離をさらに縮めてくる。 
 もう2人の距離は10センチもない。
 それはつまり

(わわわっ!ちょ、待って…嬉しいけど、いきなりキスってまだ心の準備が……)

 だが上条の両手によってしっかりと両肩を持たれているので逃げ場などない。まあ別に逃げたくないけど。
 そしてついに

「ん―――」

 『今の』美琴にとってはファーストキスだ。
 もうここまできたら心の準備も何も関係ない。
 美琴は目を閉じ、腕を上条の背中に回し、じっくりと幸せを感じ取る―――――

「バ、バカ!押さないでわわわわわっ!!」

 すぐ近くで声が聞こえた、しかも美琴にはその声にすっごく聞き覚えがある。

 美琴と上条は慌てて離れ、声と音のした方を見てみると

「あ、あはは……お、おめでとうございます…」
「あ……確か御坂の友達の……」
「さ、佐天さん!?」

 なんとそこには美琴の友人の一人、佐天涙子がいたのだ。
 するとさらに

「ちょっと何やってるんですか佐天さん!あ、2人とも気にしないで続けてくださいね!」
「やったわね御坂さん!ラブラブじゃない。」
「応援はしてましたけどいざこうなると少し悔しいですわね…」
「「御坂様おめでとうございます!」」
「なぁ…」

 美琴は思わず変な声を出してしまった。
 それもそのはず、2人きりだと思っていた部屋に友人sが現れたのだ。
 部屋にあったクローゼットから出て来たのは順番に佐天、初春、固法、婚后、泡浮、湾内だ。

「な、なんで!?なんでみんなここに!?」
「なんでって……2人がどうなったのか気になって昨日の夜に…」

 そう言ったのは初春。

 すると上条がふと思い出したようで

「あー…昨日の『止めなきゃ』とかいう声は御坂の友達だったのか。」

 上条は昨日の声の正体がわかりうんうんと独りでにうなずいていた。 

「そうですよ!で、私たちはお二人が寝ちゃったので倒れていた人を洗面所に運んで、一晩この部屋で様子を伺ってたわけなんです。」
「佐天さん、それマジ?全部見てたの?」
「はい全部見てました。2人がこっちの部屋に移って来た時は少し慌てましたけどね。」

 全部見られていた、それがはっきりわかり美琴は大きなため息をついた。
 そんな美琴を初春がなだめる。 

「そんなに落ち込まないでくださいよー。確かに覗いてたのは悪かったですけど……」
「ていうかなんで見に来ようなんて思ったのよ……」
「それは舞夏さんが見に行こうって言い出して。」

 舞夏…だと?と、美琴は思った。
 そう思った瞬間

「おーみさかーばっちり撮らせてもらったぞー!大胆だなー!」
「上やん…ついにフラグを回収したのか……」

 別のクローゼットから土御門兄妹が登場。
 土御門元春のほうは別にどうでもいいが問題は舞夏。彼女の手にはバッチリとビデオカメラ握られていた。
 ということはつまり……

「……まさか…撮ってた?」
「もちろんだともー!!2人でベッドで抱き合って寝てるところからキスまで全部撮っておいたからなー。」
「ふ、ふにゃ…」

 予想外の展開で美琴が気絶しかけたところへ

「あーもうくっついてくんな!!あ、お姉様!どう既成事実は作れた!?」
「いいじゃありませんの~♪ってお姉様!?」

 目を覚ました番外個体と黒子が部屋に入って来た。
 さらに

「うぅ…頭痛い…浜面なんとかしろ…」
「無茶言うな!全く……飲み過ぎなんだよ麦野。あ、上条。」
「私も頭痛いです…記憶も曖昧で…え?上条当麻?」
「……なんで2人仲良くソファに座ってやがるんですか?」
「ま、まさかお姉様!この方と既成事実を作ってしまったのでは!?とミサカは最悪のパターンを想像して恐怖に震えます。」


 隣に部屋から目を覚ましたらしい麦野、浜面、神裂、アニェーゼ、御坂妹も順番にやって来た。
 どうやら浜面が声を聞きつけてこっちの部屋に入ってきたらしい。
 これだけでもヤバい状況なのに、今度は入り口のほうから足音がしたかと思うと

「御坂!ここにいるのか!?」
「上条ちゃんやっと見つけましたよ!!」
「上やん!!昨日はつい手助けしてしもたけど間違いは起こしてへんやろな!!」
「おい一体何があったし……ん?王冠はどうした?」
「昨日はよくも蹴ってくれたな上条……」

 寮監、小萌先生、青ピ、キャーリサ、ステイルまでもが入ってきた。
 ちなみになぜ今まで追いかけてこなかったかというと、上条がホテルに入ってから雪がさらに強くなりパーティ会場から出るのが困難になったからだ。
 キャーリサやステイルなら大雪でも大丈夫そうだが2人曰く『雪の中を歩くのはめんどい。』そうだ。

 上条は『普通に入って来たけど半蔵や絹旗は?』とか思ったが、ホテル入り口で激戦を繰り広げていた(らしい)8名は疲れてロビーで眠っている。

「で、何があったんや上やん?場合によっては殺す。」
「こ、殺……」

 美琴から見ても青ピの目はマジだ。
 さらに青ピ以外も皆口々に何がどうなっているのか美琴と上条に尋ねてきた。
 この状況に美琴は内心すごく焦る。

(ま、まずい!ここで付き合うことになったなんて言ったら大変なことに―――)

「上条さんと一緒に寝たのよ、ね?御坂さん。」
「「え」」

 おまっ、それはねーだろ、と言いたくなるくらい空気の読めない一言。それに事実だが言い方が悪い。
 美琴と上条は同時にその声のしたほうに目をやった。
 付き合うとかよりもぶっ飛んだKY発言をしたのはもちろん『あの』人。

「こ、固法先輩何言ってるんですか!!私がコイツと一緒に寝るなんてことあるわけないじゃないですか!」

 美琴は上条を指差しつつ固法に向かって叫んだ。まあ『あるわけない』っていうのは思いっきりウソなのだが。
 だが叫ばれても固法は止まらなかった。

「あるわけないって何言ってるのよ。事実でしょ?それにせっかく上条さんと付き合うことになったのに。」

 再び爆弾発言。室内にいる全員の視線が美琴に突き刺さる。
 あまりの視線の強さに美琴は全身が貫かれるような錯覚を覚えた。

「固法先輩…それは本当のことですの…?」

 そう固法に尋ねたのは黒子。
 昨日は2人の仲を認める、と言っていたはずだが何やら表情が険しい。

「ええもちろん本当よ。それだけじゃなくてキスもしてたわね。あ、舞夏さんのビデオに全て映ってると思うけど。」

 いろいろと殺気立っているこの状況で、固法は何の迷いもなくすべて言ってしまった。
 あまりに普通に言ってしまったので固法の隣にいた初春や佐天でも何も言えなかった。婚后でさえも顔が引きつっている。
 まあこの状況でそんなことを言えばどうなるかは明白なわけで

「上やーん、今からここで二次会な。さあ詳しく話聞かせてもらおか。」
「御坂、寮監命令だ。ここで何があったか嘘偽りなくすべて話せ。な、白井?」
「ええその通りですわ。場合によっては……わかってるでしょうね?」

 こうしてソファに座っている美琴と上条はあっという間に囲まれてしまった。
 全員殺気に包まれており、今にも襲いかかってきそうだ。
 上条は自分を囲んでいる人を見回して

「ふ、不幸だー……」

 お約束の台詞を小さな声で呟いた。
 心無しか上条の顔は青いように見える。


 一方美琴はというと、今から恐ろしい尋問タイムが始まることは十分理解できていたが、全く怖くはなかった。
 なぜならば、隣に上条がいてくれるから。
 それも『今』だけではなく、これからずっとだ。
 それを考えると何も怖くない、むしろどんな困難でもどんとこい!と、いう気分になれる。

(これからいっぱい大変なことがあるだろうけど……まずはこの状況を切り抜けることからね!)

 そう考えた美琴は右手で上条の左手をギュッと握った。

「ッ!!み、美琴…?」

 手を握られた上条は驚いたようで、美琴に視線を移した。
 そして美琴は上条にしか聞こえないように小さな声で

「べ、別にいいでしょ?ロシアでは手を掴めなかったからアンタは大変な目に遭ったんだし、アンタを助けるためにまずはこういうことから始めなきゃね。」

 手をつないだことと、この台詞が恥ずかしいことで自分が思っていたよりも小さな声だったが上条には届いた。
 その証拠に上条は軽く微笑み手を握り返してくれた。

(う…握り返されるとなんだか余計恥ずかしいわね……)

 取り囲んでいる人たちはそれぞれ近くの人と、上条と美琴に何を尋ねるか話し合っているので手を握ったことはまだ気づかれていない……
 と思いきや土御門兄妹にはバッチリ見られていた。
 面白いものを見つけた、と言わんばかりに土御門はニヤニヤと不適な笑みを浮かべ

「さあみんないつまでも黙ってないで二次会(尋問)の始まりだにゃー!まずはなんで今手を繋いでいるのか、ってことから聞きたいと思うにゃー!」
「「ッッッ!!!」」

 土御門の声に周りにいた皆が反応し、ようやく二次会と言う名の尋問が始まった。
 それはそれは厳しい尋問だったが、何を言われようと美琴と上条は繋いだ手を離すことはなく、今の2人の仲を象徴する行為だった。

 そして3時を過ぎるころにようやく全メンバーが納得し二次会も終了、こうして長かったような短かったような『上条当麻帰還記念祭』は
 本当に終わりを告げた。

 だが帰還記念祭と違い、美琴と上条の関係は終わらない、終わるわけがない。
 お互い愛し合うこととなった2人の恋人関係は末永く続いていくだろう―――――


  ~The End~


 ここはパーティ会場から少し離れた場所。
 只今の時刻は9時をちょっと過ぎたところ、美琴と上条への尋問が始まるころだ。

「わーい雪だ雪だー!!ってミサカはミサカは知らない間に積もってた雪に喜んでみたり!」
「おいこらそンな走ンじゃねェよ。転けるぞォ。」
「あーまさか車がまだ動かないとは……歩くのめんどくさいわね。」
「まーまー芳川、そう言わずにたまには運動するじゃん!……ん?あそこ誰か倒れてるじゃん?」

 めんどくさそうな芳川を励ましていた黄泉川が、うつぶせで半分くらい雪に埋まっている人を発見した。
 それを聞いた一方通行がめんどくさそうに確認に走る。

「うォ、こいつぼろぼろじゃねェか。まさか死ンでンじゃ……ン?」
「?どうしたの?…ま、まさか本当に死んでるの!?ってミサカはミサカは……」
「大丈夫、知り合いだ。ほっといても絶対死なねェよ。ほらさっさと帰ろうぜェ。」

 そう言って一方通行はこちらへやって来かけていた打ち止めと黄泉川を強引にさっきまで向かっていた方向へと向かせ、自分もそちらへ歩みを進める。

 そして倒れている人物に向かって一言。

「じゃあなァ、海原。王冠似合ってンぞ。」
「で、できれば助けていただきたいんですけど…全身痛くてとても立てない…」
「そりゃ無理な相談ってもンだ…っておいこらクソガキィ!俺に向かって雪玉を投げンじゃねェ!!冷てェだろうがァ!!」
「悔しかったらやり返してみるがいい!!ってミサカはミサカは雪合戦がしたいから思わずアナタを挑発してみたりっ!!」

 こうして一方通行達は海原を放っておいて、雪合戦をしながら黄泉川のマンションへと帰っていった。
 その後海原はショチトルとトリチリによって救出された。しかし救出された時間帯は雪が少し溶けた昼過ぎだったとか。


   ~本当にEND!!~



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