とある魔術の禁書目録 自作ss保管庫

Part04

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匿名ユーザー

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The_secret_meeting. 2


 10月も3週目となり、気温も大分下がってきた頃。
 先週と同じファーストフード店に、応援隊の面々が集合していた。

「というわけで、結局『黒猫ロリメイド』を購入したんですよー」
「素晴らしいですわ! 佐天さんと土御門さんのお2人にお任せして正解でしたわね」
「御坂様の黒猫姿、きっとお似合いなのでしょうね」
「御坂様、猫がお好きですものね」
「ボクもその場にいたかったわぁ。つっちー、今度パンぐらい奢ってやー?」
「来週になったら生で拝めるんだから、そんなケチケチするもんじゃないぜい?」
「黒猫になったお姉様を拝める日が来ようとは……フフフフフフ……」
「白井さん、写真はいいですけど襲っちゃダメですからね?」
 今日は先週と違い、応援隊8人全員が揃っている。
 上条はスーパーの特売日、美琴はゲコ太の限定グッズ発売日ということで、今日はそれぞれ忙しいらしい。

「それで? 次は何するんや?」
「そうですわね。そろそろパーティの内容も考えなければいけませんし」
 青髪ピアスと婚后が揃って首を傾げる。
「パーティはお菓子とかを持ち寄って騒ぐだけでいいんじゃないですか?」
「ちなみに個室サロンにはカラオケやボードゲームが用意されてるぜい。それを使って楽しめばいいんだにゃー」
「じゃあ、今日はお菓子の担当決めちゃいましょうか」
 佐天がそう提案すると、青髪ピアスが不意に手を挙げた。
「はいはーい! 佐天センセー、ボク質問があるんやけど?」
「うむ。青ピくん、どうしたのかね?」
「お菓子は女のコの手作りやないんですかー?」
「手作りがいいんですか?」
 答えたのは佐天先生ではなく初春だったが、青髪ピアスは気に留めることなく言葉を続ける。
「お菓子と言えば、女のコの手作りがベスト! それが世界の常識ってもんやで? ボクらのロマンやね」
「手作りですかぁ。まぁ、私や初春は自炊で慣れてますからいいですけど、婚后さんたちは確か……」
「ええ。私は苦手なので……」
 家庭でもシェフの料理を食べる環境にあった婚后、湾内、泡浮の3人が、少し恥ずかしそうに顔を見合わせる。
「そうなん!? じゃあ、白井さんもアカンの?」
「いえ、私は一応出来ますが……。しかし、正直に申しますと買う方が楽ですわ。ちなみにお姉様は料理もお上手ですの」
「そうなん? 御坂さん、ホンマになんでも出来るんやね」


 少女たちの料理スキルが一通り分かったところで、今度は婚后が少年2人に質問した。
「そういうあなた方はどうなんですの? やはり今の時代、殿方も料理はお得意なのかしら?」
「いやー俺は舞夏任せだから全然ダメなんだにゃー」
「ボクぁ下宿やから、料理はおばさんがやってくれるんよ。美味しいんやでー」
 何故か得意げな土御門と、ニコニコ笑顔で答える青髪ピアス。
 そんな2人を見て、湾内と泡浮が新たな疑問を投げ掛ける
「上条さんは? 上条さんの分も舞夏さんが作っていらっしゃるのですか?」
「土御門さんと上条さんはお隣さんだと仰ってましたものね」
「まさかそんなわけないぜよ」
 即答したのは土御門である。
「舞夏の手料理は俺だけのものなんだにゃー。たまに差し入れしてやることもあるがたまにだぜい」
「カミやんは自炊派やで。学校にも弁当持って来とるんよ」
「それでは料理が出来るのは、御坂さんと上条さんを入れて4人ということですね」
 初春が事実をまとめる。
 それを聞いていた佐天が、アッと声を上げた。
「あら? 佐天さん、どうかなさいましたの?」
「それですよ! それ」
「それ、と申されても理解しかねますの。説明して下さいな」
「だから、次の作戦を思いついたんですよ!」
 白井のジト目に気後れすることなく、ハイテンションで言い放つ佐天。
「まぁ、 是非お聞かせ下さい!」
「今度の作戦はどういったものですの?」
 湾内と泡浮の期待に満ちた視線を受けて、佐天は声高らかに発表する。
「ずばり、『胃袋ガッシリつかんじゃおうZE☆』作戦です!」

「胃袋ガッシリ……何ですの?」
「男性のハートは胃袋で掴む! ……ってお母さんに言われたことありません?」
「ああ! 私も言われたことあります」
「ありませんの」
「同じくありませんわね」
「噂で耳にしたことはありますが……」
「私もですわ。母からは何も……」
 様々な反応を見せる6人の少女たち。
 これが庶民とお嬢様の差なのか!? と佐天と初春は内心驚いたものの、どちらも顔には表さなかった。
 まぁ『主夫』という言葉も生まれた現在、その考え方自体が古いのかもしれない。
「とにかく! これを機会に、御坂さんには上条さんの胃袋を掴んでいただこうと思います」
「つまり、御坂さんの手料理で上条さんを虜にするという作戦ですのね?」
「その通りです!」
 自分の意図を正しく解釈した婚后に、佐天が嬉しそうな笑みを向けた。
「でも一体どうするんですか佐天さん?」
「お主もまだまだじゃのぉ、初春。まぁまぁ、とくとご覧あれ!」
 そう言うやいなや、携帯電話を取り出して何かを打ち出した佐天。
 そして、操作を終えた佐天が携帯電話をポケットに戻した瞬間、その場にいた佐天以外の携帯全てがメールの受信を知らせた。
「さぁーて、みなさん。これが次の作戦ですよっ♪」

 そのメールを読み終わった時、得心がいった8人は顔を見合わせて微笑んだ。
 学園都市のどこかで同じくメールを受け取ったであろう、とある少年と少女のことを考えて。



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