5日目 前編 おまけ
男子のいなくなった教室。
取り残された女子達は、今、何を思うのか。
取り残された女子達は、今、何を思うのか。
姫神は、二人が恋人同士でないことを知っている。
少なくとも昨日、御坂本人に会ったときは、そんな素振りは見られなかった。
彼女は自分と同じ、片思いする側の人間だったはずだ。
少なくとも昨日、御坂本人に会ったときは、そんな素振りは見られなかった。
彼女は自分と同じ、片思いする側の人間だったはずだ。
つまり、上条があそこで、とっさに嘘をついたということになる。
たとえ嘘だと分かっていても、上条の口から「彼女がいる」と聞かされたのは、さすがにショックだった。
そして何より辛いのは、そんな嘘を上条につかせてしまったことだ。
あの状況で嘘をつく理由。 それはもちろん、告白してきた相手を、なるべく傷つけずに断る為だろう。
上条のことを、日頃からよく見ている姫神だからこそ分かることだ。
自分なんかよりも、他人のことを優先する。 彼はそんな性格なのだ。
だからこそ辛い。
ストレートに断っては姫神【じぶん】が傷つく。
だから自分【かみじょう】は恋人がいると言ったのだ。
傷つけず、そして諦めさせる為に――
たとえ嘘だと分かっていても、上条の口から「彼女がいる」と聞かされたのは、さすがにショックだった。
そして何より辛いのは、そんな嘘を上条につかせてしまったことだ。
あの状況で嘘をつく理由。 それはもちろん、告白してきた相手を、なるべく傷つけずに断る為だろう。
上条のことを、日頃からよく見ている姫神だからこそ分かることだ。
自分なんかよりも、他人のことを優先する。 彼はそんな性格なのだ。
だからこそ辛い。
ストレートに断っては姫神【じぶん】が傷つく。
だから自分【かみじょう】は恋人がいると言ったのだ。
傷つけず、そして諦めさせる為に――
(……私。は…フラれ…た…んだ………)
……いやいやいや、シリアスな雰囲気のところ水をさすようで悪いがね、違うからな姫神さん。
お互いに思ってることがすれ違って、なんかアンジャッシュのコントみたいになってるだけだ。
まったく、姫神のこの純粋な想いを、なんとかしてあのウニ頭のアホンダラに伝えてやりたいものである。
お互いに思ってることがすれ違って、なんかアンジャッシュのコントみたいになってるだけだ。
まったく、姫神のこの純粋な想いを、なんとかしてあのウニ頭のアホンダラに伝えてやりたいものである。
ここ第23学区に、イギリス発の旅客機が着陸した。
降りてきたのは、聖人を含む8人の魔術師。
神裂、オルソラ、シェリー、アニェーゼ、五和、
こっそりついてきたレッサー、面白半分でやってきた建宮、そして、
降りてきたのは、聖人を含む8人の魔術師。
神裂、オルソラ、シェリー、アニェーゼ、五和、
こっそりついてきたレッサー、面白半分でやってきた建宮、そして、
「まったく……なぜ僕が、こんなくだらない事につき合わされなくちゃならないんだい?」
2mを超える身長と、右目の下のバーコード。
必要悪の教会に所属する、ヘビースモーカーな神父。 ステイル=マグヌスだ。
彼はタバコを片手に、ある人物と電話をしている。
必要悪の教会に所属する、ヘビースモーカーな神父。 ステイル=マグヌスだ。
彼はタバコを片手に、ある人物と電話をしている。
『まぁまぁ、そう言うなよステイル。 これはお前さんの為でもあるんだぜい?』
「ふざけるな。 緊急事態だというから、あの子【インデックス】に何かあったのかと来てみれば、
上条当麻に熱愛発覚? 世の中にこれ以上無いくらいの、どうでもいいゴシップだ。」
『だから最後まで聞けって! もし本当に、カミやんに彼女ができたらどうなると思う?』
「知らないし、興味も無いね。」
『インデックスは悲しむだろうにゃー。 けどそこでお前の出番だぜい。
カミやんにフラれて、空いた彼女の心のスキマを埋めてやれば……後は言わなくても分かるだろう?』
「ぅぶっ!!? ゴホッ! ガハッ!」
「ふざけるな。 緊急事態だというから、あの子【インデックス】に何かあったのかと来てみれば、
上条当麻に熱愛発覚? 世の中にこれ以上無いくらいの、どうでもいいゴシップだ。」
『だから最後まで聞けって! もし本当に、カミやんに彼女ができたらどうなると思う?』
「知らないし、興味も無いね。」
『インデックスは悲しむだろうにゃー。 けどそこでお前の出番だぜい。
カミやんにフラれて、空いた彼女の心のスキマを埋めてやれば……後は言わなくても分かるだろう?』
「ぅぶっ!!? ゴホッ! ガハッ!」
ステイルは盛大にむせた。
「な、何を言っているんだい!? 僕は彼女をそういった目で見てはいないわけでだね!!」
『いいからいいから、隠すな隠すな。』
「……コホン。 それはいいとして、ひとつ質問がある。」
『おっ? 都合が悪くなって、話題を変えやがったにゃー?』
「うるさい! いいから黙って聞け!
……なぜ僕達は、こんな簡単に学園都市に入りこめたんだい?
大戦が終結して厳戒態勢が解かれたとはいえ、この警備のユルさはなんなんだ。
10人弱もの魔術師があっさり入れるなんて、本来ならあり得ないだろ?」
『にゃはははは! 俺を誰だと思ってやがる?
色々と裏で手を回すのは、オレの専売特許だぜい!!』
「…分からないな。 そこまでして君に何のメリットがある? 君の目的はなんだ、土御門。」
『愚問だぜい、ステイル。 そんなの……面白いからに決まってるにゃー!!!』
「……………」
『いいからいいから、隠すな隠すな。』
「……コホン。 それはいいとして、ひとつ質問がある。」
『おっ? 都合が悪くなって、話題を変えやがったにゃー?』
「うるさい! いいから黙って聞け!
……なぜ僕達は、こんな簡単に学園都市に入りこめたんだい?
大戦が終結して厳戒態勢が解かれたとはいえ、この警備のユルさはなんなんだ。
10人弱もの魔術師があっさり入れるなんて、本来ならあり得ないだろ?」
『にゃはははは! 俺を誰だと思ってやがる?
色々と裏で手を回すのは、オレの専売特許だぜい!!』
「…分からないな。 そこまでして君に何のメリットがある? 君の目的はなんだ、土御門。」
『愚問だぜい、ステイル。 そんなの……面白いからに決まってるにゃー!!!』
「……………」
聞いて損した。と、ステイルは後悔した。