所変わって、『歩く教会』チーム控え室。
絹旗が後半の準備として軽くストレッチを始めようとすると、控え室のドアの近くに遠慮がちに立っている初春と佐天を発見する。
絹旗が後半の準備として軽くストレッチを始めようとすると、控え室のドアの近くに遠慮がちに立っている初春と佐天を発見する。
「来てくれて超嬉しいですよ飾利、涙子♪ お姉ちゃんと神裂さんは?」
「美琴姉さんは当麻兄さんの所、神裂さんは飾利の事情で観客席だよ」
「飾利の事情、ですか?」
「美琴姉さんは当麻兄さんの所、神裂さんは飾利の事情で観客席だよ」
「飾利の事情、ですか?」
佐天から初春の事情で神裂を連れて来ていないと言われて不思議に思ってる絹旗に初春からロンドンへの短期留学のことを聞かされる。
初春は絹旗なら笑顔で送り出してくれると思っていたのだが、おもむろに肩に手を置かれて真剣かつ寂しそうな表情で尋ねられた。
初春は絹旗なら笑顔で送り出してくれると思っていたのだが、おもむろに肩に手を置かれて真剣かつ寂しそうな表情で尋ねられた。
「……ってきますよね?」
「は、はい?」
「ちゃんとここに超帰ってきますよね? 私は超嫌ですよ! あっちに飾利が超永住するなんて!」
「あ、あの最愛さん? 2週間の短期留学ですからちゃんと帰ってきますよ」
「そんなの超当てにならないです! ヴィリアンさんならまだしもキャーリサさんが居るんですよ! 無理矢理飾利を超手元に置きたがって」
「その心配は無用だよ絹旗。闇咲と対馬、出発は違えども僕も一緒なんだ。それにキャーリサ様でも公私混同で下手な真似はしないはずさ」
「は、はい?」
「ちゃんとここに超帰ってきますよね? 私は超嫌ですよ! あっちに飾利が超永住するなんて!」
「あ、あの最愛さん? 2週間の短期留学ですからちゃんと帰ってきますよ」
「そんなの超当てにならないです! ヴィリアンさんならまだしもキャーリサさんが居るんですよ! 無理矢理飾利を超手元に置きたがって」
「その心配は無用だよ絹旗。闇咲と対馬、出発は違えども僕も一緒なんだ。それにキャーリサ様でも公私混同で下手な真似はしないはずさ」
絹旗にここまで心配されるとは思っていなかった初春が嬉しさを感じつつも困っていると、ステイルが現れて助け舟を出してくれた。
ステイルの言葉に絹旗は何とか納得し、ステイルに初春を絶対に学園都市に帰すように約束するとようやく笑顔を初春に向けた。
ステイルの言葉に絹旗は何とか納得し、ステイルに初春を絶対に学園都市に帰すように約束するとようやく笑顔を初春に向けた。
「飾利、GWに超遊べないのは残念ですけど頑張って下さい。その分、帰ってから超思いっきり遊びましょう♪」
「はい♪ あ、それと麦野さんに言伝をお願いします。私はもう怒ってないから安心して下さいって。最愛さんは試合頑張って下さい」
「飾利、そろそろ行こう。スタジアムの外で対馬さんと闇咲さんが待ってるんだよね?」
「はい♪ あ、それと麦野さんに言伝をお願いします。私はもう怒ってないから安心して下さいって。最愛さんは試合頑張って下さい」
「飾利、そろそろ行こう。スタジアムの外で対馬さんと闇咲さんが待ってるんだよね?」
そして初春は佐天と一緒に控え室を後にした、絹旗とステイルに見送られながら。
絹旗は初春からの言伝を麦野に伝えると麦野の調子がいつものものに戻ったことに驚いた、心理掌握と一緒に。
絹旗は初春からの言伝を麦野に伝えると麦野の調子がいつものものに戻ったことに驚いた、心理掌握と一緒に。
「ま、まさかあんな伝言1つで復活するなんて……。人間というものはますますもって不思議ですわね。では次は結標さん、こちらへ」
「私が? 何で?」
「前半での失態、忘れたとは言わせませんわよ。後半でもあの調子なら私たちの勝利も危ういものになります。なので少し気持ちを試合中だけ変えさせて頂きますわ」
「気持ちを変える? もしかして翔太への愛を憎悪に変えるとか?」
「しませんわよ、というか私へのイメージが悪すぎませんか? 優先順位を変えるだけです、恋人さんへの愛情よりも私たちチームの友情と勝利を優先させるだけですわ」
「私が? 何で?」
「前半での失態、忘れたとは言わせませんわよ。後半でもあの調子なら私たちの勝利も危ういものになります。なので少し気持ちを試合中だけ変えさせて頂きますわ」
「気持ちを変える? もしかして翔太への愛を憎悪に変えるとか?」
「しませんわよ、というか私へのイメージが悪すぎませんか? 優先順位を変えるだけです、恋人さんへの愛情よりも私たちチームの友情と勝利を優先させるだけですわ」
翔太への愛情を操作されるかと焦った結標だが、心理掌握の提案が比較的優しいものだったので受け入れることに。
【歩く教会】チーム、後半への準備はほぼ万全、後は後半戦における作戦会議のみである。
【歩く教会】チーム、後半への準備はほぼ万全、後は後半戦における作戦会議のみである。
――――――――――
一方の上条チーム、土御門からこんな提案が出される。
「後半はオレらのボールから始まる。そこでまずは奇襲だ。井ノ原弟、始まったら全力でシュートを撃て」
「分かりました。ただ僕のサッカーのポジションはリベロ、DFですからダッシュしてからのシュートになりますけど構いませんか?」
「むしろその方がいい。DFがいきなり攻め上がってシュートって……読まれるかもしれんがお前さんの力なら問題は無いぜよ」
「分かりました。ただ僕のサッカーのポジションはリベロ、DFですからダッシュしてからのシュートになりますけど構いませんか?」
「むしろその方がいい。DFがいきなり攻め上がってシュートって……読まれるかもしれんがお前さんの力なら問題は無いぜよ」
土御門の提案に真夜は頷いて答えた、それを見た土御門が考えたのは一方通行のことだった。
実は一方通行、前半の45分+ロスタイムの1分、ずっと能力使用状態にしており残る能力使用時間は9分だけなのだ。
実は一方通行、前半の45分+ロスタイムの1分、ずっと能力使用状態にしており残る能力使用時間は9分だけなのだ。
(ったくアクセラの奴、動かない時は電極のスイッチオフにしろって言っといたのに張り切りやがって。しゃーない、一旦ベンチに引っ込めるか)
土御門は考えた結果、一方通行をベンチに下げて残り時間9分で再投入することを決意し、その旨を一方通行へと伝える。
しかし打ち止めのチアリーダー姿でテンション上がりまくりの一方通行に反対されることに。
しかし打ち止めのチアリーダー姿でテンション上がりまくりの一方通行に反対されることに。
「なンでだよ!そンなンじゃ打ち止めにかっこいィ姿を見せられねェだろォがァ!!」
「黙ってろ、一方通行!電池切れかけのお前なんかお呼びじゃないにゃー!!」
「そうだぜ、一方通行!電池切れで途中退場になるより、最後に出てきてカッコ良く決めた方が打ち止めも喜ぶぞ!」
「当麻くんの言うとおりです。ここは僕に任せて少し休んでいて下さい」
「黙ってろ、一方通行!電池切れかけのお前なんかお呼びじゃないにゃー!!」
「そうだぜ、一方通行!電池切れで途中退場になるより、最後に出てきてカッコ良く決めた方が打ち止めも喜ぶぞ!」
「当麻くんの言うとおりです。ここは僕に任せて少し休んでいて下さい」
打ち止めにかっこいい姿を見せられないと駄々をこねはじめる一方通行。
しかし土御門、上条、真夜の3人続けての正論意見を浴びて仕方なく一方通行はその作戦にのる事にした。
一方、そんな様子を眺めていた姫神は浜面と半蔵を呼びつけた。
しかし土御門、上条、真夜の3人続けての正論意見を浴びて仕方なく一方通行はその作戦にのる事にした。
一方、そんな様子を眺めていた姫神は浜面と半蔵を呼びつけた。
「浜面。半蔵。こっちに」
「「はい!お呼びでしょうか、姫神様!」」
「最初に。行っておく事がある。なにやられているの」
「「ほっ、本当に申し訳ありません、姫神様!!」」
「まあ。2人じゃ仕方ない。あなた達の力は。私がいて。初めて凄さがわかるもの」
「「まっ……まさか姫神様………アレを!」」
「「はい!お呼びでしょうか、姫神様!」」
「最初に。行っておく事がある。なにやられているの」
「「ほっ、本当に申し訳ありません、姫神様!!」」
「まあ。2人じゃ仕方ない。あなた達の力は。私がいて。初めて凄さがわかるもの」
「「まっ……まさか姫神様………アレを!」」
姫神の浮かべる不吉な笑みに対し何かに気付く2人。
そしてすぐに身構えた2人に対して姫神は自分の作戦を話し出した。
そしてすぐに身構えた2人に対して姫神は自分の作戦を話し出した。
「――浜面。半蔵。私が合図したら……」
「「分かっております、姫神様!」」
「ならいい。解散」
「「分かっております、姫神様!」」
「ならいい。解散」
その言葉を聞いて2人は姫神に一礼してからその場を立ち去った。
そして1人ポツンと残った姫神に白雪は近づきながら話しかけた。
そして1人ポツンと残った姫神に白雪は近づきながら話しかけた。
「姫神さん、ついさっき2人が言ってたアレって一体何なの?」
「私たち。バスケの時に使ってた作戦。ちなみに今までの試合じゃ。一度も見せてない」
「………サッカーでも使える作戦なの?」
「大丈夫。問題ない」
「私たち。バスケの時に使ってた作戦。ちなみに今までの試合じゃ。一度も見せてない」
「………サッカーでも使える作戦なの?」
「大丈夫。問題ない」
そう言うと姫神は控え室の扉を指差した。
「時間。行こう」
「あっ………うん」
「白雪さん」
「えっ……なっ、何、姫神さん?」
「勝ちましょう」
「………うん、そうだね!頑張ろう!」
「あっ………うん」
「白雪さん」
「えっ……なっ、何、姫神さん?」
「勝ちましょう」
「………うん、そうだね!頑張ろう!」
そう言うと白雪は姫神の手を引いて控え室の外に出た。
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両チームとも準備が終わり、遂にグラウンドに出てきた。
スタジアム内の観客達は両チームの姿を見て再び歓声をあげ始めた。
スタジアム内の観客達は両チームの姿を見て再び歓声をあげ始めた。