とある魔術の禁書目録 自作ss保管庫

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匿名ユーザー

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 スタジアム内の大歓声を初春と佐天はスタジアム出口付近で聞いていた。

「わぁ、すごく盛り上がってますね。涙子さんもお見送りはここまでで大丈夫ですので観客席に戻って下さい」
「分かった。けど飾利、美琴姉さんや当麻兄さんや最愛や神裂さんにはしてくれてあたしだけ無しって不公平じゃない?」
「もちろん分かってます。涙子さん、皆さんのことを宜しくお願いします。えいっ♪」

 別れのハグをされた佐天、意外と初春のハグが心地良かったのか予想以上の満足を得ていた。
 佐天から離れた初春が対馬たちとの待ち合わせ場所に向かおうとしたのだが、

「あーっ! 佐天お前さん、姫からの熱い抱擁を受けるとは何と羨ましい! 飾利姫、この建宮斎字にもお情ごふっ!」
「建宮のくせに飾利のハグを要求するなんて生意気!」

 魔術師達の得物を預かっていた建宮に偶然見つかってしまい阻止されてしまう。
 初春は佐天の金属バット攻撃には目をつぶり、建宮への対処をすることにした。

「建宮さん、どうしてここに居るんですか?」
「実は魔術師達の危険とみなされた得物を預かるという仕事を任されたのよ。飾利姫はこれからどちらへ?」
「ここ(学園都市)を離れなくてはいけない用事があるんです。でもご心配なく、私はちゃんと建宮さんの居るここ(学園都市)に帰って来ますから」
「成程、ここ(スタジアム)を離れなくてはいけない用事でしたか。ならばこの建宮斎字もお供……にっ!」

 建宮も神裂同様に自分に付いて行くと言うと思った初春は、神裂と同じ方法で大人しくさせる、つまり建宮にハグをしたのだ。
 これにはハグをされた建宮、その様子を見ていた佐天も呆然するしか出来なかった。
 ハグの実行者の初春は建宮から離れると愛らしい笑顔で建宮に言った。

「じゃあ行ってきます♪」

 そんな初春を佐天と建宮は彼女が見えなくなるまで手を振り続けて見送った。
 佐天は初春のハグでデレデレしてる建宮に心の底からイラッとすると、思いっきり脇腹を肘で小突く。

「はうっ! さ、佐天、い、いきなり何をしやがるのよ……ゲホッゲホッ」
「うっさい調子に乗るな! 言っとくけどさっきのハグ、建宮とあたしだけされたわけじゃないからね。美琴姉さんも当麻兄さんも神裂さんも最愛もされたんだから!」
「お、俺は別に調子に、の、乗ってるわけではないのよな。いや、勿論至福の時間だったとは理解してるわけだが」
「大体ね、飾利はあんたのことはお父さんのような人って認識しかしてないの! 恋人になれるかもとか考えないでよね! お父さんは一生お父さん止まりなんだから!」

 佐天の容赦無い物言いに建宮が凹むのを見て溜飲が下がった佐天は建宮と一緒にスタジアムの中へと戻って行った。
 一方、佐天達と別れた初春を出迎えたのは対馬と闇咲、そして初めて出会う一人の魔術師だった。

「えっと、オリアナさんでいいんですよね?」
「あら、お姉さんのことを知ってるなんて噂通りの勤勉屋なのね。では改めて自己紹介するわ。私はオリアナ=トムソン、ロンドンまで無事にあなた達を送り届けるのが今回の仕事よ」
「こ、これはどうもご丁寧に。私は初春飾利でイギリス清教のサポートをさせてもらってます」
「よろしくね初春♪ 今回は特に危険も無さそうだから楽しみながらロンドンに向かいましょう」

 訳あってイギリスの為に働いてる運び屋のオルソラと共に初春、対馬、闇咲は彼女がレンタルしたワゴンに乗って第二三学区へと向かうのだった。

(行きはあの2人が騒々しくて大変だったけど帰りは安心できる旅路になりそうね。それにしてもこの初春、確かに可愛いけど王女2人が熱を上げるほどかしら?)

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 一方のグラウンドでは各チームが後半前の準備運動に勤しんでいた。
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