とある魔術の禁書目録 自作ss保管庫

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匿名ユーザー

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通い妻宣言




 とある教室の一角
上条当麻を含むクラスの三バカは、毎度のごとく意味のない議論で盛り上がっていた。

「にゃー。やっぱり耳掻きは義妹に膝枕でやってもらうのが、一番だにゃー」
「けっ! 義妹に痒いときに掻いてもらっとるお前には聞いとらんわい!」
「なぁ カミやん。実際どう思う? この広告」

そう言って青髪ピアスは雑誌をぺらりとめくり、上条に見せた。
「あん? 自分で出来る癒しと爽快感 耳スコープG?」
「気になんこれ。自分で耳掻きしていても、全部取れたかどうかわからんし、この耳スコープGを使うと自分で耳の中を見ながら奥まで掃除出来るやん。絶対気持ちええんと思うよ!!」

青髪ピアスが上条に同意を求めるように身を乗り出したところで土御門が、
「この耳スコープGのテストメンバーは全員気持ち良いと答えましたが、人によっては違うかもしれませんってオチじゃねーのかにゃー?」
「けっ! 義妹に耳掻きしてもらっているお前には聞いとらんわい!」
何の脈絡で耳掻きの話になったかはわからないが、話の収拾がつかなくなってきたところで上条は、
「だったら、実際に使っていそうな、こういう通販グッズに目がない人間を、俺は一人知っているぞ」

そう言って、上条はクラスメイトの吹寄制理をチラッと見て、姫神秋沙と世間話をしているのを確認し
「じゃあ、いくぞ」
そう言って二人を引き連れ吹寄の前に立った。

吹寄は姫神と世間話をしている時に、急にクラスの三バカでもある三人が目の前に現れたことにより、
9月末日にあった「一生のお願いだから揉ませて吹寄!!」を思い出し、臨戦態勢をとろうとしたら
「吹寄。この記事をどう思う」
そう言って上条はおもむろに耳スコープGの広告を見せようとしたが、上条たる所以なのか見せたのはアダルト記事であった。

吹寄の頭の中でビキリ、変な音が聞こえた瞬間、すでに取っていた臨戦態勢もあり、クラスの三バカは一瞬で9月末日と同じ惨状に見舞われた。



そして放課後

上条は(何故こうなったんだろう)と、吹寄と雑誌の広告の関連性を考えながら帰宅していると
「ちょっとアンタ!!」
遠くから聞こえるいつものセリフ。しかし考え事をしている上条にはまったく耳に入らず雑誌の広告とにらめっこしたまま歩いていく。
いつものごとくスルーされる、名門常盤台中学のエース御坂美琴は
「あんにゃろう…」
そう言って、いつもなら雷撃の槍一つや二つを放つ美琴ではあるが、真剣に雑誌を読みながら歩く上条が気になり
「何を読んでいるんだろう?」
そう言って後ろから近づき、上条から雑誌を奪い取った。

「おわっ! 何すんだよ、ビリビリ」
「ビリビリ言うな。ってアンタこんな記事で何真剣に見ているの?」

そう言って記事を見せながら聞いていた。
上条はクラスメイトが雑誌の広告を見て暴走して打ちのめされたとは言えるはずもなく、答えに困っていると。
「ははぁ~。アンタのスルースキルは耳詰りが原因でそれを解消しようとこの記事を見ていたんだ」
声を掛けてもいつも無視され続けている美琴なりの考えで答えてみると

「上条さんは、耳詰りなんかしていませんよ。勝手にビリビリの答えを出すな!」
「毎回毎回、私が声かけてもスルーしているんだから、アンタの耳の中詰まっているしか思いつかないの!」
「はぁ?上条さんがいつ無視したって言うんだ」
「さっきも無視したじゃない。アンタの耳どうなってんのよっ!」

そう言って美琴は上条の耳をつまみ覗き込んだ。
「おがっ……アンタ……耳の中どうなってんのよ」
いつもと違う美琴の反応に上条は
「あの…御坂さん? 上条さんの耳の中はいったいどうなっているのですか?」

美琴が驚くのも無理はない。上条の耳の中は耳垢で汚れているだけではなく、数ある出血などで固まり黒い塊として耳の中でふさいでいる状態であった。
美琴が上条のそんな耳の中の状態を話すと、急に上条は
「あぁ…御坂にそんな話を聞いたら耳を痒くなってきた」
上条はそう呟いて耳かきをすべく寮へ走り出していた。




「あっ!?ちょっとアンタ」
美琴は、急に走り出していく上条を追いかけたが、尋常じゃない速さで走り抜ける上条に追いつけもせず、いつも立ち読みしているコンビニの前で上条を見失ってしまった。

「はぁはぁ……何なのアイツは」
そう言って美琴は、上条を追いかけていたこともあり喉の渇きを感じ飲み物を買うべくコンビニに立ち寄った。
お目当ての飲み物を手に取りレジに向かおうとしたその時、美琴にあるものが目に入った。
「耳掻きか………」
そう言って、耳かきを手にして上条を膝枕して耳掻きしている自分の姿を想像したその瞬間。

店内に目が血走った上条が息を切らせながら入ってきた。
いつもなら「ちょっとアンタ! 何走り出しているの」と怒り任せに声を掛けている美琴ではあるが
上条との事で、妄想をしていたこともありフリーズを起こしていた。

上条はそんなフリーズしている美琴を無視するかのように、一目散に美琴のいるコーナーに向かい棚を物色するとともに目当てのものがないことを知り崩れるように呟いた。
「ここにもない。不幸だ」
聞きなれたセリフを聞くなり美琴は現実世界に戻り次の店に向かおうと動き出そうとしている上条を捕まえ
「アンタ…急に走り出したと思えば、今度は世界の終わりのような絶望感襲われているの?」

上条は声を掛けてきた美琴を見るなり、手に持っている耳掻きに気が付いた。
「御坂…否、御坂様。どうかこの上条にその耳掻きを譲ってくれませんでしょうか?」
「えっ?」
急に普段上条から見られない低姿勢のお願いに美琴は戸惑っていると
「何でも言うことを聞きます。だからその耳掻きを…」
さらに低姿勢の上条を見て
「何でも言うことを聞くの?」
そう言って美琴は耳掻きをちらつかせると
「約束手形を書きます。だからお願いします」
そう言って美琴の目の前まで顔を近づける上条に、美琴は動揺とともにさっき妄想したことを思い出してしまい
「じゃあ…」
そう言って素直に耳かきを渡してしまったのである。
「サンキュー御坂」
そう言うなり上条はレジで精算を済ませ目にもとまらぬ速さで走り出してしまった。

走り去る上条を見て美琴は、
「何やっているのっ!」
そう言って、動揺してしまい素直に耳掻きを渡してしまった自分に猛烈に後悔しながらも、
「まぁ、何でも言うこと聞く権利を手に入れたことだし」
そう言って手に取っていた飲み物をレジで精算済ませ、コンビニの入り口で喉の渇きを癒すべく飲み始めた。

美琴はジュースを飲み終えたペットボトルをゴミ箱に捨て、寮に戻ろうとしたその時、視線の先に先ほどよりさらに絶望感と焦燥感を滲ませつつこちらに向かって走ってくる上条を見てしまった。
美琴はただ事ではないと思い、上条の進行方向に立ちふさがり走り抜けようとした上条を呼び止めた。
「アンタ。今度は何?」
美琴が上条にそう声を掛けるなり、泣きそうな顔で上条は
「御坂…さっき買った耳掻きだと固まった耳かすをつつくだけで耳かすが取れない。だから…」
「えっ?だから…」
「だから、今からしっかり取れるように耳スコープGを買ってくる」
そう言って美琴の横を駆け出そうとした瞬間、逃がさないといわんばかりに美琴は上条の襟首を掴み

「私がアンタの耳掃除してあげるからアンタの家に連れて行きなさい!」
自分が言ったことがとんでもないことだと気づき顔を赤く染める美琴。
「えっ?……御坂さんが耳掻き?」
美琴の言動を確かめるべく、再度恐る恐る問いかけてみると、
「あーっ。もうっ! アンタがどうしようもない状態に陥ったのも私が原因だし、それにアンタは私の言うことは何でも聞くって言ったよね」

キレ気味に美琴が答えだした。
通常の上条なら、ここで断るなり、うまくごまかして話をそらすことが出来るが、状態が状態でもあり素直に
「お願いします。御坂さん」
そう答えてしまった。




そして寮へ向かうべく上条の後ろについてきながら美琴は、
(どうしよう……とっさに凄い事言っちゃった。でもアイツの住所ゲット出来るし)
恥ずかしがる、落ち込む、にやけるのの繰り返しで心あらずであった。

そんなこんなで上条の寮に着き、部屋にあがりこんだ美琴は周りをキョロキョロしつつ
(ヤバッ、男の部屋に付いて来ちゃった。どうしよう)
と、いろいろ妄想していると

上条はそっと耳掻きを美琴の前に差し出し
「御坂様。どうかよろしくお願いします」
そう言って耳を見せた。

少し動揺しつつも美琴は、差し出された耳掻きを手に取り上条の耳の中を掻きだしたが、
「あーよく見えない」
そう言って美琴はすっと立ち上がりベットに腰掛けて太腿の上をぽんぽんと叩き、
「アンタ。ここに頭を乗せなさい」
美琴の行動に動揺しつつも上条は
「あの…美琴さん?もしかして膝枕で耳かきをしてくれるのでしょうか?」
「だってこうしなくちゃよく見えないしそれに…初めてじゃないんだからいいじゃない」
恥ずかしながらも話す美琴にむけて
「御坂がいいなら…」
そう言って上条は美琴の太ももの上に頭をおいた。
(現実になっちゃったー)っと、美琴は心躍る気持ちでいたが、
膝枕をして、よく見える状態でで耳掻きを始めてみると、上条の耳垢は血で固まり耳にへばりついた状態で一気に剥がし取る事が難しくなっていた。
取れなくなった耳垢を、苦戦しながらも少しずつ剥がすように細かく耳掻きを動かしていると、太腿の上でもぞもぞと動く上条が気になり
「ちょっと! アンタ。動かないで。取りづらい上にくすぐったい」
「御坂にはわかるか?この生殺しの感覚を」
「アンタの耳垢がこびり付いている上に硬くなっているから難しいのよ。我慢しなさい」
そう言ってくすぐったいのを我慢しつつ続けていると、アイデアが一つ浮かんだ。



美琴は上条の頭を太腿からそっとどかして
「ちょっとティッシュを濡らしてくる」
そう言って台所に向かい
濡らしたティッシュをもって再度上条の頭を太腿に乗せて

ポタッ

濡らしたティッシュの水滴を上条の耳の中にたらした
「ぬおおおおおおおおおお」
痙攣するかのように驚く上条に
「耳垢を柔らかくしているんだから我慢しなさい」
そう言って水がしみこんで少しやわらかくなった耳垢を耳掻きで取り始めた。

カリカリカリ…サクッ

ペリペリペリペリ

軟らかくなった耳垢を美琴は、崩しそして剥がしていくのであった。
上条は、耳の中で起きる、痛み、痒さ、崩れ落ちそして剥がされてくる爽快感と気持ちよさの感覚に身も心も癒されていた。

そして至福の時間を味わっているところに、美琴が一言。
「一気にいくから」
そう言って、少し耳掻きの動く速度が上がり、上条が大物を取り掛かっていると感じたその瞬間

ベリベリベリベリ

今までにない音と共に上条の身体には、爽快感と共に大物が耳の中から抜ける快感が突き抜けた。
そして不覚にも、その快感と共に足を痙攣させてしまいベットから落ちてしまったのであった。

足を痙攣させて動かない上条に美琴は
「ちょっと、大丈夫?」
と聞いてみたが内心では、今まで見たことのない上条の姿を見れて満足感でいっぱいであった。



美琴がそんなことを考えているは知らずに上条は
「大丈夫だ…御坂。驚きすぎて足を痙攣させてしまった」
そう言って反対の耳をお願いしようと反対側に座って耳を差し出したら。

そんな上条を見て美琴は、耳掻きを始めようとしたがさらに上条をいじめるべく策を講じた。
美琴は耳垢を取ろうともせずに、ただ突っついて上条の反応を楽しむようにした。
そんなことをされていれば限界値に達している上条の耳の中は、痒さの限界に達して
「御坂様。遊ばずにどうか上条さんの耳の中を解放していただけないでしょうか?」
そんな言葉を聴いた美琴は、
「お願いするには言葉が足りないんじゃないかな?」
そう言ってさらに小さくそして細かく耳垢をつついた。
そんな状態を続けられると上条の耳は限界を超えて、痒さのお祭り状態になり
「御坂様。何でも言うことを聞きますのでどうか、どうかお願いします」
そんな言葉を聴き、美琴は気分良く
「よろしい」
と答え、先ほどと同じ工程で耳垢を取りにかかった。
そして最後の大物を取りにかかる時、美琴はそっと

「アンタはこれからは、一生私以外の人に耳かきさせないことあと自分もすることも禁止」

そんな美琴の言葉を聞き上条は
「えっ一生…」
戸惑う言葉を聞くなり美琴は
「何でも言うことを聞くって言ったよね。駄目なら、やーめた」
そう言って耳掻きを抜いてしまった。
あと少しのところで止められてしまうもどかしさに上条は
「お願いします。御坂以外に耳掻きさせませんし、もちろん自分でもしません」

「御坂~?」
そんな美琴の言葉に上条はすぐさま
「御坂様…」

そんな他人行儀の言葉に美琴は
「美琴って言いなさい」
美琴の言葉と共に上条は
「美琴様お願いします」
「様はいらないから、ちゃんとさっきの言葉を言いなさい」

「美琴以外に耳掻きさせません。もちろん自分でもしません」
「よろしい」

その言葉と共に上条の耳には、片方の耳以上の快感が襲われた。

どうしようもない開放感に夢うつつになっている上条に美琴は
「じゃあ。そういうことだから耳掻きは持ち帰るね。耳が痒くなったら連絡頂戴。あと1週間連絡なかったら耳掻きしに私がアンタの部屋に来るから」

美琴は通い妻発言を残し上条の部屋を後にした。

その後、耳掻きをしに上条の部屋に足しげく通う美琴を見かけた舞夏のリークにより、土御門そして青髪ピアスに知られ、黒子を筆頭に魔術師とクラスメイトに命を狙われる日々を送るようになったのは言うまでもない。








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