とある魔術の禁書目録 自作ss保管庫

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恋する乙女の報告書




12月6日
常盤台中学寮

「ただいま帰りましたの。まったく今日も馬鹿な輩が騒ぎを起こしさえしなければ、お姉さまと愛を語り合えたものを…」

中年のサラリーマンみたく帰宅してから愚痴をもらす白井黒子は、机に向かっている愛しのお姉さまの姿を見るなり飛び込んでいった。

「お姉さまー♪」
「…」

おかしい。いつもなら拳なり電撃が飛んでくるはずだ。まさか具合が良くないとか…?
と、ここでようやく美琴は白井の存在に気づいたようだ。

「ん?ああ黒子。おかえり」
「お姉さま、どうなされたんです?体の調子がよろしくないのですか?」
「そんなことないわよ。今も心配してる言葉をかけながら、胸を揉んでくるどっかの変態な後輩に電撃を食らわせられるくらい元気よ!!」
「お姉さまの愛の鞭いいですあわああああああああああああ」

はい、人間の丸焼きの完成。以上、御坂美琴による1分間クッキングでした。

「ったく、いい加減学習しなさいよ」
「黒子はこの程度ではめげませんわ。いつかお姉さまが想いを受け入れてくれるその日まで黒子は戦い続けますわ」
「そのことは後でゆっくり尋問するとして、あんたどうしたのよ」
「いえ、お姉さまがいつもと様子が違うようでしたので…?お、おおお姉さま!?どうなされたのですか!」
「え?この眼鏡?あーイメチェンかな?」

とここで美琴は怪しげな笑みを浮かべている黒子に気づいた。

「ウヘヘ、そういうことでしたのねお姉さま。それは黒子を誘っているのですね。なら黒子は喜んでお姉さまをおそw…ぎゃああああああ」
「またかああああ。いい加減懲りろ!!」
「あんたのせいでレポートが全然進まないじゃない!」


12月20日 17:00
常盤台中学寮

「よし、やっと完成した!んじゃ提出しに行こうかな」

何か忘れてないかチェックする。
レポートOK。
携帯OK。
財布OK。
後輩を消し炭にした、OK。

よし、出かけよう。



12月20日 17:00
とある高校

「不幸だあああ」

そう嘆くは今から行われようとしている裁判の被告人である上条当麻。
今の体育館の現状を説明しよう。
裁判官は吹寄。
検察官は姫神、小萌先生。
弁護人は青ピ、土御門。

「いや待て。おかしいだろこれ!」
「何がだ。ちゃんと被告人の人権も考慮して弁護人がいるではないか。」
「その弁護人、明らかに役に立たないだろ!さっきからニヤニヤしながらお前は死刑って言ってくるんだぞ!弁護人変えてくれ!」
「却下。時間だそろそろ始めるぞ」

その宣言にさっきまでざわついていた教室は静かになった。
おかしい点がもう一つ。

「なんで傍聴人こんなにいるの!?500人はいるよな!つか制服違う奴とかOLっぽい人もいるし!」
「被告人の発言は認めてないぞ。それに細かいことは気にするな。全員貴様にフラグを立てられた人達ばかりだ」
「冤罪だあああああ」

いや、冤罪ではないぞ、上条君。

「検察官何かありますか」
「うん、検察は一致で死刑を要求する」
「姫神!いきなりすぎるだろ!」
「では弁護側、何か反論は?」
「特にないでー」
「発言してもいいか、吹寄」
「どうぞ」
「死刑にした後で、カミやんを逆さ吊りにしようぜい」
「なんで検察よりも刑」が重いんだよ!
「検察側、なにか反論は?」
「土御門君弁護人の意見に賛成」
「先生も賛成なのですよー」
「上条当麻、判決を言い渡す。」
「吹寄ぇ」

こうなったら吹寄の優しさに賭けるしかない。

「死刑&逆さづり」

その判決を合図に500人超がワッと群がってきた。

「捕まってたまるかあああああ」

高校の正門を駆ける一人の少年。
それを追いかける500人の人達。
翌日の新聞の一面記事を飾ることになるとは誰も知る由もない。

12月20日 17:30
公園 自販機前

「不幸だ…」
「ったく何が裁判だ。あれじゃあまるで中世の魔女裁判じゃねーか」
「ちょっとアンタ。何辛気臭い顔してんのよ」
「ああ?なんだ御坂か。別になんでもねーよ…って御坂!?お前どうしたんだそれ?」
「へ?ああ!はずすの忘れてた…。やっぱ変かな?」
「いやいやそんなことないと思うぞ。似合ってるんじゃないか?」
「本当!?」
「ああ、なんつーか新しい御坂を見れてよかったわ。可愛いと思うぞ。」
「!!!」//////

アイツは顔を真っ赤にしたかと思うとどこかへ走っていってしまった。

「こりゃ怒ってるかなー…」

さすが上条。どこぞの第2位ではないが常識が通用しない。

「あれ?あいつなんか落としていったぞ」
「なんだこのファイル?つかなんか飛び出してきたぞ」

御坂にも悪いし、中は見ないでおこうと思ったのだが、拾ったレポート(?)に何やら見て見ぬふりはできない単語があった。
御坂に心の中で謝りながら、レポート(?)を読むことにした。



      ”IB”について

 学園都市にはご存じのように都市伝説がいくつか存在する。例えば”脱ぎ女”、”虚数学区五行機関”が有名である。
そのなかで一際目を引くものがある。それが”どんな能力も効かない能力を持つ男”である。多くの都市伝説は根拠もなく、
噂の域を出ることはなかった。だが実はこの都市伝説、事実なのである。というのも、この都市伝説のモデルとなった男が
私の知人であるからなのだ。名前と能力名は本人のプライバシー保護のため公表できないが、ここでは名前をTとし、
能力名をGSとする。

(俺、いつのまに都市伝説になってたのか?)
 
このTの持つ”どんな能力も効かない能力”は”IB”と呼ばれ、都市伝説の通りあらゆる異能を打ち消す。それは
の私の10億ボルトの電撃や超電磁砲でさえも例外ではない。しかしながら、この”IB”には弱点が存在する。
この能力は右手それも手首より先にしか備わってないのだ。つまり、上腕部に当たった能力は無効化できず、
ダメージを負うこととなる。その他にも、多方向からの攻撃にも弱いことや、異能が絡まない銃弾などには効果がない
などといった弱点もあるようだ。本人曰く生まれつきあった能力らしく、この能力が引き起こす”不幸”に苛まされている。

(よく研究してるな御坂のやつ。そんなに俺に勝ちたいのか)

 次にこの能力を持ったTについて話していきたいと思う。外見こそは、ちょっと薄幸そうな雰囲気を醸し出すどこにでもいる学生だが、
実は、非常に正義感がある人なのだ。困っている人を見るなり、自分のことは省みずその人を助けるために一生懸命な格好いい人なのだ。
今年の8月も絶望の淵にあった私を頼んでもいないのに救ってくれた。相手が相手なだけに彼も瀕死の重傷を負った。全く馬鹿じゃないの!?
10月、アイツは死にそうになっていた。明らかに病院から脱出してきたと分かるくらいにボロボロだったのに、それでも自分の信念に従って
いった。11月、なぜかアイツは第3次世界大戦の中心地の上空数千mで何かと戦ってるし、学園都市に戻ったと思ったら、すぐにハワイに行くわ、
人を置いてどっかに行っちゃうし、また学園都市に戻ってきたと思ったら、銃で撃たれてるわ、金髪幼女に介抱されてるわで、人の気も知らないで…
だいたいなんでアイツの周りにはいつもいつも女の子がいんのよ。昔は巨乳ばっかだったけど、最近は幼女が増えてるし… どんだけ守備範囲
広いのよアンタはあああ!

(いやいや、別に上条さんはそんな変態じゃないからね!守備範囲が広いのは青ピだからな!)
(それにしても御坂、俺のこと良く見てるな…)

 つまり、結論を言うと、私は上条当麻が好きなの!いい!?アンタが私のこと女の子として見てないのは重々承知だけど、これからはそうは
いかないんだからね!絶対いつかアンタに私のこと好きだって言わせてやるんだから!覚悟してなさいよ!

(おかしくないかこのレポート!?全然文脈つながってないし、つか途中から愚痴になってないか!)
(それにレポートってことは学校に提出するんだよな。こんなもん出すつもりだったのか御坂は!?)
(いや、そんなことより御坂が俺のこと好き?嘘だろ、そんなの。いつもいつもビリビリしてるやつが…)
(ああ、くそっ。こんなの見ちまったら嫌でも意識しちまうだろうが…)



「ちょっとアンタ、何してんのかしら…」

振り返ると、やけに禍々しいオーラを放つ御坂が立っていた。

「な、なんでもないぞ。」
「そう、じゃあその手にあるもの出せよオラァ」
「これは違うぞ!御坂のレポートじゃないぞ!あっ…」
「ふ~ん。なんでアンタは私のレポートのこと知ってんのかしら…。もしかしてもう読んだ…?」
「読んでないぞ。決して読んでないぞ。ただ…御坂が俺のことあんなに想ってくれたとはな~…上条さん的には嬉しかったりするんだけどな~」
「!!なんでアンタがそのこと知ってんのよ!」
「はぁ?御坂がレポートに書いたんだろうが。ホレ」

(確かに私は原石という課題の一環でイマジンブレイカーについて書いた。だけどそんなことまでは書いてないはず!)
(な、何よこれ!? …!!そう言えばコイツのこと考えていたらだんだん腹が立ってきて、そのままストレートに書いちゃった気がする…!!)

「……!!!!」/////
「み、御坂さん…?」
「忘れろおおおおおおおおおお!!!!!!」

御坂の放つ電撃を合図に上琴の上琴による上琴のための一晩耐久追いかけっこが幕を開ける。

「おま、想い人に対してなんてことするんだ!つかお前も無意識の内に書いたのかよ!」
「うるさいうるさい!!逃げるなあ!全て忘れろ!!」
「それ、俺が言わなかったら、学校で恥かいてたんだぞ、お前!」
「もういっぺん記憶喪失になれえええええええ!!!!!!!」
「やめろおおおお!やっぱり不幸だああああ!!!」








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