とある男女の三角関係
12月20日
(もうこんな時期かぁ・・・)
街はクリスマスのイルミネーションに彩られていた。
夕暮れの学園都市、上条当麻は街のイルミネーションを見てそうつぶやいた。
記憶を失った上条当麻にしてみれば、初めてのクリスマスになる。
(クリスマスくらい何かいいことあればなぁ・・・っといっても不幸の化身である上条さんにはクリスマスなんて
素敵イベントが起こるはずも無いなんてわかってるんですけどね・・・)
「とりあえずスーパーに向かうか・・・ん?あれは?」
上条はふと路地裏に目をやった。
「やめ、てください」
「お嬢ちゃんオレ達とちょっと遊ばない?」
「な?どっか行こうぜ?」
(女の子が不良に絡まれてる・・・ここはいつものように)
「悪い待たせちまったー」
「えっ?」
上条当麻は不良の中を割って入り女の子の腕をつかみその場から連れ去ろうとする。
「なんだぁお前は?」
「あーこの子連れですよー、さっ行こうぜ」
「は、はい!」
が、スキルアウトはそんなに甘くない。
「連れとか関係ねーよ。野朗はすっこんでな!!」
「はぁ・・・、そんな簡単に済むはず無いか・・・不幸だ」
「あぁん?文句あるのか?」
「あぁそうだよ!女の子1人に男4人で囲んでナンパとかお前ら恥ずかしくないのかよ!」
「何だとこのガキが」
上条は挑発して女の子からスキルアウトを遠ざけた。
「君は早く逃げろ」
「でも・・・」
「俺のことはいいから!早く!!」
「は・・・はいっ」ポッ
(あの子を逃がすことは出来たな・・・、後は俺がこいつ等から逃げるだけか・・・)
「あ!後ろにアンチスキルが!」
「何!?」
上条が叫び、スキルアウト達は一斉に後ろを振り向く・・・が
「誰もイネェじゃねぇか・・・って!」
上条は一瞬の隙に猛ダッシュで逃げていた・・・・
「あのヤロウ・・・なめやがって・・・」ピクピク
スキルアウトの怒りが限界を超えた。
「待ちやがれ!!テメェぶっ殺す!」
「待てと言われて待つ奴がいるかー! あぁー不幸だー!!」
叫びながら上条は全力で逃げる。
女の子に小さなフラグを立てて・・・
御坂美琴は悩んでいた・・・
もうすぐクリスマスなのに未だ上条を誘えていない。
一端覧祭もなんだかんだとうやむやになってしまって後悔したのに。
(アイツをどうやって誘おう・・・)
電話をすればいいのだが、アイツと話すと素直になれない。メールをするにも指が震えてボタンが押せないし、なぜかアイツには届かない。
いつもの公園で偶然を装って出会えたとしても、緊張して伝えたいことが伝えられない。今までいろいろアプローチしてきたのだが鈍感上条には伝わらない。
(電話して・・・、でも断られたら・・・でも・・・素直に・・・)
かれこれ2時間ベットの上で携帯の画面も見て悩んでいる美琴を見て血の涙を流す一人の少女もいる。
(キーッまたお姉さまはあの類人猿のことをーーー)
そんな白井黒子の様子を知らず御坂美琴は一人悩み続けた。
(決めた!電話しよう!)
美琴は意を決して上条当麻の番号に電話をかける。
コール1回・・・2回・・・3回・・・6回・・・・『ただいま電話に出ることが出来ません、ピーっと言う発信音の後にご用件をお話ください』ピー
(なんで電話に出ないのよ!)
上条はスキルアウトに追われていて全力で逃げている途中だが、そんなことを知らない美琴はベットの上で更に落ち込んでいく・・・
スキルアウトから逃げ切った上条は公園にいた。
「ハァハァ・・・、やっと諦めたか・・・」
「ちくしょー、スーパーに行く途中だってのに店からかなり離れちまった・・・特売にも間に合わないし、不幸だ・・・」
「ま、あの女の子を救えたし良しとするか」
「今何時だ・・・」
上条は時間を知ろうとしたが辺りには時計が見当たらない。
「携帯っと・・・あれ?御坂から着信か、何の用だ?」
「何でアイツは電話をかけてこないのよ・・・」
御坂美琴はベットで落ち込んでいた、上条の携帯には御坂からの着信履歴があるはずなので、気づいたら電話をかけてきてもいいはずだと思う。
(アイツの声聞きたいな・・・)
ゲコゲコゲコゲコ・・・
突然携帯が鳴り出した。
「アイツから!?ちょっとまだ覚悟が出来てないわよ!」
自分から電話をかける覚悟が出来ていても、上条からの電話を受ける覚悟が出来ていない。
早く電話を取らないと切れてしまう、覚悟を決めて電話を取る。
「も、もしもし?」
『もしもし、御坂か?電話してきたみたいだけど何か用か?』
「あ・・・えっと・・・その・・・」
(素直に・・・素直に・・・)
『もしもーし、御坂さんー?』
「何でも無いわよっ!黒子に電話しようとして間違えてアンタにかけただけなんだからっ!」
(違う!私が言いたいのはこんなことじゃない・・・)
『えーと、つまり間違い電話ってことですか、そうですか。』
「ちがっ」
『上条さんはこれから夕飯の買出しなのでまたなー』
ツーツーツー
(何やってるんだろ私・・・)
「ただの間違い電話か・・・、って何を期待してたんだ俺?」
上条はスーパーで売れ残りの食材を買い帰宅する。