Running the way
第三章 「Running the way」
透き通るような青い空。
見渡す限りの草原。
少女の右手を少年は左手で握りしめる。
二人は地平線に向かって走っていた
全力で。
「はぁ、はぁ、ちょろっとー。聞きたいんだけどー」
ダーリン大好きだっちゃ、
を地で行くビリビリ美少女である。
名を御坂美琴といった。
「はぁ、はぁ、なんだ? 美琴」
彼の名は上条当麻。
上条当麻は世界中の誰よりも御坂美琴を愛しています、
と野球してないのに言える生粋の主人公である。
「私たちデートしようとしてたのよね?」
「そうだぞ、珍しくオレから誘って、お前めちゃくちゃ喜んでたじゃん」
「///////――そ、それであんたの財布が」
「自販機前で猫にひったくられました、はぁ」
「それを裏路地で見つけて」
「そしたら、たまたま近くで」
「原石の女の子が車に連れ込まれる現場で」
「そうそう」
「その子は巨乳で」
「……関係ないだろ、それ」
その時、二人の後方から電撃が襲いかかる。
しかし、急に上に軌道を変え飛んで行った。
美琴の能力だろうか。
「それを追いかけて」
「浜面たちがいて助かったよな」
「増援も軽くやっつけて」
「麦野さん怖かったな」
「……ラッキースケベが発動して」
「わざとじゃないんです、ごめんなさい」
今度は氷の塊が飛んできた。
しかし、上条がいとも簡単に打ち消す。
「空港に着いたのよね」
「空に逃げるなんてなー」
「連中の飛行機に忍び込んで」
「一方通行達の陽動のおかげだよな」
「ふんっ、まあ、それでも出発しちゃって」
「でも、あの子は助けられたな」
「ステイルさんやインデックス達のおかげね、その後に親玉が出てきて」
「強かったよな」
「でもやっつけて」
「あいつもきっとやり直せるさ」
お次は炎の柱だが、砂鉄の壁が阻む。
「そしたら、飛行機が落ち始めて」
「怖かった」
「不時着させて」
「よく出来たよな、流石美琴たん」
「一度見ればわかるでしょ? アンタも一緒にハワイで見たじゃん。あとたん言うな」
後方から虹色の光線、上空から真っ黒な物質が襲いかかってくる。
だがいつものように、右手で後ろの光線の向きを変え、上空の物質と相殺する。
「そんな……まあ、不時着したら、なんかの儀式場を壊してたんだよな」
「そうそう、今追いかけてきてるやつらが、女の子を生贄にささげてどーたらこーたらだったわよね」
「まあ、結果オーライ」
「巨乳の……」
「だから、関係ないでしょ、それ」
「でさぁ」
「ん?」
「デートは?」
「……きっと上条さんとだと、これがデフォです」
「……不幸ね」
「あー美琴、約束を……って今だ!! 美琴!!」
二人は後ろを振り返る。
目の前の紫色の何かを上条が打ち消した瞬間、
美琴の電撃が敵の意識をなぎ払う。一瞬で全滅だった。
が、敵の魔術師たちも意地があるようで、
倒れる前に全員で、なんかわけのわからない巨大な力の塊を放ってきた。
上条と美琴は見つめ合う。
次の瞬間には全力で走り始めた。
「なんで!? どうして!? もう不幸よ~!!」
「オレはそうでもないぞ」
「ふぇ!!? デートが潰れたのよ??」
「それはそうだけど、隣に、美琴がいる!!」
「ふにゃっ……」
「オレに足りないところを、美琴が修正してくれる。
そうすれば、オレたちの距離はもっと近くなれる!!
二人で一緒に成長していける!!!」
「……ぅぅ……」
「それに約束だぞ、『不幸』の代わりに違う言葉をってなっただろ?」
「……ぇぅ……ぁぅ」
「オレも叫ぶから」
「……わかったわよ!! 叫ぶわよ!! やったるわよ!!」
その瞬間二人は走り幅跳びの要領で跳躍する。
被害がギリギリ届かないところに魔力の塊が落ち、大爆発が起こった。
それを背景に、爆音にも負けない声量で二人は叫ぶ。
「美琴!!」 「当麻!!」
「「大好きだー!!!!!!」」