とある魔術の禁書目録 自作ss保管庫

Part02

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にっ! とある秋の衣替え


September one day.

もうすぐ秋です。
秋といえば、食欲の秋や読書の秋、スポーツの秋など人それぞれです。
そんな秋ですが、みこにゃんは現在進行形でHappytimeです。
今、まさに大好きなマシュマロに溶かしたチョコレートをつけた極上の一品を口に含むところなのです。

「はー…むっ!」

ついに、スプーンで口の中に放り込みました。たちまちチョコの甘みがほんわりと広がります。
マシュマロの柔らかい食感がたまりません。食べるのがもったいないと思えるくらいです。

「んー…!美味しいっ」

げに一刻も千金もという歌詞があるように、一瞬の時間が金のように価値がある時間を過ごすみこにゃん。
後ろでは宿題に追われる上条さんの「うーん…うがーっ!」といううめき声が聞こえますが、気にもとめていません。
すると、タイミング良く「ピンポーン」とインターホンが鳴りました。

「お、宅配便か?はいはーい、少々お待ちを…っておわぁッ!?」

立ち上がった上条さんは下に落ちていたタオルに足を滑らせて後ろに倒れてしまい、頭を椅子の足にぶつけてしまいました。
いつもならみこにゃんは「何こけてんのよ、相変わらず不幸体質ねー」と突っ込みながら援助に行きますが、今日は見向きもせず
目の前のごちそうに夢中になります。

「うぅ…不幸だ…早く印鑑準備しねぇと、って印鑑どこだ!?」

「はむっ!」

上条さんは必死で印鑑を捜し、ようやく宅配便を受けっ取ったのはそれから5分後でした。


―5分後―

「みこにゃん、美鈴さんから荷物が届いたぞ」

どうやら先ほどの宅配便はママのすずにゃんからのようです。
上条さんはテーブルの上に小包を置くと、はさみでガムテープを切り始めます。
みこにゃんはマシュマロを食べながら中身を眺めていましたが、出てきたものをみて手を止めました。
入っていたのは、秋物のお洋服です。

「わぁ…」

「お、秋物の服じゃねぇか。美鈴さんセンスいいな」

最初に出てきたのは七分袖の淡いピンク色のワンピースにセットのベージュ色のシャツです。過ごしやすい気温のこの時期にはぴったりの綿素材。
見惚れるみこにゃんを見て、上条さんは言いました。

「着てみるか?」

「う、うん…」

上条さんは値札をハサミで切ると、みこにゃんに渡しました。
みこにゃんは受け取ると、ダッシュで洗面所まで駆けて行きました。


―15分後―

「た、ただいま…」

「おかえり。お、似合ってるな」

秋らしくなったみこにゃんの姿に上条さんも賞賛。なんだか照れてしまいそうです。

「みこにゃん、そのワンピースはセットで髪飾り付いてるみたいだぞ」

「え?」

上条さんは箱の底の方にあったピン止めを取り出しました。どうやら耳の付け根に付けるタイプのようです。
可愛いリボンの真ん中に、小さいピンクのバラがくっついています。

「こっち来いよ。付けてやるから」

みこにゃんはタタタっと駆け寄ると、上条さんの膝にぴょんっと飛び乗りました。

「っと、動くなよ」

付いていたお花のピンを外し、新しいピンを再び付けます。
これでみこにゃんも秋モードに突入です。

「ん、できたぞ」

「にゃー…ありがと」

みこにゃんは側にあった手鏡で自分の顔を覗くと、満足そうに鳴きました。
そんなみこにゃんの髪をうしろから上条さんがそっと梳きます。

「夏の間で結構のびたな。明日、トリミングしにいくか」

暑い夏が終わり、だいぶ涼しくなるこの時期に、2人の秋もやってくるようです。


―Fin―





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