第4章 ①大覇星祭開幕
学校の数が尋常ではない学園都市はそれに比例して校長の数も多くなっていく。
そうすると大覇星祭といった合同行事がある場合、いわゆる校長先生のお話の尺がとんでもないことになっていた。
やたらとお話好きの校長が多いため、大覇星祭の開会式はある種の地獄の様を呈していた。
地獄のような開会式を終え、上条は恋人である美琴との集合場所に向かった。
集合場所といっても上条のクラスは初日の第一種目からスタートだったため、
二人が約束した場所は上条のクラスが参加する種目の会場である。
会場に向かうと美琴が先に待っていた。
そうすると大覇星祭といった合同行事がある場合、いわゆる校長先生のお話の尺がとんでもないことになっていた。
やたらとお話好きの校長が多いため、大覇星祭の開会式はある種の地獄の様を呈していた。
地獄のような開会式を終え、上条は恋人である美琴との集合場所に向かった。
集合場所といっても上条のクラスは初日の第一種目からスタートだったため、
二人が約束した場所は上条のクラスが参加する種目の会場である。
会場に向かうと美琴が先に待っていた。
「美琴、熱中症とかになってないか?」
上条はあの開会式を終え、恋人である美琴が体調に異変を起こしてないか心配するように尋ねる。
「私は平気。
当麻こそ大丈夫だった?」
当麻こそ大丈夫だった?」
「ああ、心配してくれてサンキューな」
「うん」//
頭に右手を置いてお礼を言う上条に、美琴は照れながら返事をする。
何となく子供扱いされているようだが、美琴は上条の右手で頭を撫でられるのが大好きだった。
自分を救ってくれた右手に触れられていると心がとても安らぐのだ。
見ている周りが熱中症になりそうな雰囲気を放ちながら、二人は炎天下であるにも拘らず手を繋いで歩き始める。
何となく子供扱いされているようだが、美琴は上条の右手で頭を撫でられるのが大好きだった。
自分を救ってくれた右手に触れられていると心がとても安らぐのだ。
見ている周りが熱中症になりそうな雰囲気を放ちながら、二人は炎天下であるにも拘らず手を繋いで歩き始める。
「でも当麻と同じ赤組で良かった。
これなら堂々と当麻のことを応援できるもん」
これなら堂々と当麻のことを応援できるもん」
上条と美琴の頭には同じ赤色のはちまきが巻かれている。
大覇星祭はとにかく参加する学校の数が多い。
そして学校対学校、赤組対白組、二つのトータルを加算して最終的に学校の順位が決められる。
基本的に学校が違う場合はライバルということになるのだが、それでも同じ組の場合は仲間意識のようなものが生まれる。
中には同じ組で協力し合う合同の競技もあったりする。
美琴は上条とこういった競技に出たがったが、上条は身の危険を感知して辞退していた。
男の嫉妬は見苦しいと共に意外と怖いものなのだ。
そう思いつつも恋人と日中から堂々といちゃいちゃする辺りが上条らしいのだが…
そして男の嫉妬がこの第一種目で上条に降りかかることになる。
上条のクラスの対戦校はいわゆるエリート校と呼ばれる学校だった。
そしてエリートというのは変なところでプライドが高いものである。
無名の底辺校のあまりパッとしない男子が可愛い女の子、
それもレベル5の第三位である超電磁砲と仲良くしてれば面白くないことこの上ない。
大覇星祭はとにかく参加する学校の数が多い。
そして学校対学校、赤組対白組、二つのトータルを加算して最終的に学校の順位が決められる。
基本的に学校が違う場合はライバルということになるのだが、それでも同じ組の場合は仲間意識のようなものが生まれる。
中には同じ組で協力し合う合同の競技もあったりする。
美琴は上条とこういった競技に出たがったが、上条は身の危険を感知して辞退していた。
男の嫉妬は見苦しいと共に意外と怖いものなのだ。
そう思いつつも恋人と日中から堂々といちゃいちゃする辺りが上条らしいのだが…
そして男の嫉妬がこの第一種目で上条に降りかかることになる。
上条のクラスの対戦校はいわゆるエリート校と呼ばれる学校だった。
そしてエリートというのは変なところでプライドが高いものである。
無名の底辺校のあまりパッとしない男子が可愛い女の子、
それもレベル5の第三位である超電磁砲と仲良くしてれば面白くないことこの上ない。
「じゃあ当麻、頑張ってね!!」
「相手はエリート校だからあまり期待されてもな…」
自分が格下だと自覚はあるらしい。
「大丈夫、当麻だったら○○高校になんて負けないわよ!!」
美琴のその一言がエリート達の闘志に火を点けた。
(目の前で彼氏をボコボコにして、その幻想をぶち殺す!!)
そうして上条は自身の預かり知らぬところで、エリート達の恨みを買うことになるのだった。
「…なあ、カミやん。
相手のチームの男子、とんでもない目付きでカミやんのこと睨みつけてるんやけど」
相手のチームの男子、とんでもない目付きでカミやんのこと睨みつけてるんやけど」
「…言うな、青ピ。
俺も妙な殺気をヒシヒシと感じてる」
俺も妙な殺気をヒシヒシと感じてる」
上条はあまりの殺気に不幸な予感しかしていなかった。
別に彼らに恨みを買うことをした覚えは上条にはない。
いわゆるリア充への逆恨みという奴なのだが、上条がそのことを知る由もなかった。
別に彼らに恨みを買うことをした覚えは上条にはない。
いわゆるリア充への逆恨みという奴なのだが、上条がそのことを知る由もなかった。
「しかしこれは却ってチャンスなんだにゃー」
「そうね、これで相手に付け入る隙が出来たわ」
しかしそんな状況を僥倖だと言わんばかりに土御門と吹寄は周りの人間を集めて作戦会議を始める。
上条は悪寒を感じながらも自軍の作戦会議に加わる。
どうやら敵は敵のチームだけではないようだ。
上条は悪寒を感じながらも自軍の作戦会議に加わる。
どうやら敵は敵のチームだけではないようだ。
上条が参加するのは棒倒し。
自軍の陣地内に長さ7mほどの棒を一本立て、自軍の棒を守りながら敵軍の棒を倒すというスタンダードなものだ。
しかしそこに火の玉や念動力の槍が飛んでくるという点が通常の棒倒しと大きく異なる。
そして上条の所属するチームにとっては必勝の、上条にとっては悪夢の作戦が実行されようとしていた。
自軍の陣地内に長さ7mほどの棒を一本立て、自軍の棒を守りながら敵軍の棒を倒すというスタンダードなものだ。
しかしそこに火の玉や念動力の槍が飛んでくるという点が通常の棒倒しと大きく異なる。
そして上条の所属するチームにとっては必勝の、上条にとっては悪夢の作戦が実行されようとしていた。
競技開始のホイッスルが鳴り響く。
そしてホイッスルの音と共に上条は自軍に向かって左手の方向に一人で飛び出す。
それは明らかな陽動なのだが、陽動にしてもお粗末過ぎる。
ある程度の人数で動かなければ、陽動に釣られる馬鹿はいない。
しかし自分達から見れば学力でも能力でも足元に及ばない底辺校が相手だ。
これで陽動になると勘違いしてるのかもしれない。
それに加えて陽動に動いたのはあの忌々しいリア充だった。
見せしめに血祭りにあげるのも悪くない。
走り続ける上条に能力による攻撃の嵐が降り注ぐ。
上条を包み込むように激しい砂埃が巻き起こり、上条の姿は一時的に見えなくなる。
砂埃が消え去る頃には落ちこぼれが一人地面に伏しているはずだった。
そしてホイッスルの音と共に上条は自軍に向かって左手の方向に一人で飛び出す。
それは明らかな陽動なのだが、陽動にしてもお粗末過ぎる。
ある程度の人数で動かなければ、陽動に釣られる馬鹿はいない。
しかし自分達から見れば学力でも能力でも足元に及ばない底辺校が相手だ。
これで陽動になると勘違いしてるのかもしれない。
それに加えて陽動に動いたのはあの忌々しいリア充だった。
見せしめに血祭りにあげるのも悪くない。
走り続ける上条に能力による攻撃の嵐が降り注ぐ。
上条を包み込むように激しい砂埃が巻き起こり、上条の姿は一時的に見えなくなる。
砂埃が消え去る頃には落ちこぼれが一人地面に伏しているはずだった。
あまりに一方的な攻撃に会場は静まり返る。
対戦校にも少しやり過ぎたことを後悔する空気が漂い始める中、砂埃の中から一つの影が飛び出した。
飛び出した影の正体は上条だった。
服は所々汚れが目立っているものの、特に大きな外傷がある様子はない。
そして自軍に一人で向かってくる上条の放つ迫力に相手チームは思わず上条を迎撃しようと陣営を崩してしまう。
本来なら一人で突っ込んできたところで相手になるはずがない。
しかし能力を喰らってもまるで堪えた様子がない上条に相手チームは冷静な判断を失っていた。
そして崩れた陣営の一角に上条の所属するチームが一気に雪崩れ込んだ。
結果として勝敗は上条のチームの圧勝だった。
対戦校にも少しやり過ぎたことを後悔する空気が漂い始める中、砂埃の中から一つの影が飛び出した。
飛び出した影の正体は上条だった。
服は所々汚れが目立っているものの、特に大きな外傷がある様子はない。
そして自軍に一人で向かってくる上条の放つ迫力に相手チームは思わず上条を迎撃しようと陣営を崩してしまう。
本来なら一人で突っ込んできたところで相手になるはずがない。
しかし能力を喰らってもまるで堪えた様子がない上条に相手チームは冷静な判断を失っていた。
そして崩れた陣営の一角に上条の所属するチームが一気に雪崩れ込んだ。
結果として勝敗は上条のチームの圧勝だった。
そして勝負の決着がついた後もちょっとした騒動があった。
競技が終わって上条のクラスが競技場から退場しようとした時、上条の身を心配した美琴が上条のところに駆け寄ってきた。
上条にあの陽動作戦を強いた土御門と吹寄は少し罰が悪そうな顔をするが、美琴の目には上条しか写っていない。
競技が終わって上条のクラスが競技場から退場しようとした時、上条の身を心配した美琴が上条のところに駆け寄ってきた。
上条にあの陽動作戦を強いた土御門と吹寄は少し罰が悪そうな顔をするが、美琴の目には上条しか写っていない。
「当麻、大丈夫?
何処も怪我なんてしてないよね?」
何処も怪我なんてしてないよね?」
「ああ、全然平気だ。
美琴に頑張ってって言われたからな、言われた通りちゃんと勝ったぞ」
美琴に頑張ってって言われたからな、言われた通りちゃんと勝ったぞ」
「ゴメンね、私が無理を言ったせいで…」
「いやいや、上条さんも美琴に少しでも格好いいところが見せられて満足ですよ」
美琴は上条の無事を確認するように上条を抱きしめる。
そして上条も美琴のことを抱きしめ返すのだった。
いつもならクラスメイトからの嫉妬の嵐に晒されるところだが、今の競技で勝利を収められたのは上条のお陰だったので、
二人の邪魔をしようという野暮な人間は上条のクラスメイトにはいなかった。
そして上条も美琴のことを抱きしめ返すのだった。
いつもならクラスメイトからの嫉妬の嵐に晒されるところだが、今の競技で勝利を収められたのは上条のお陰だったので、
二人の邪魔をしようという野暮な人間は上条のクラスメイトにはいなかった。
しかし野暮な人間がいないのはクラスメイトの中の話だけである。
今の劇的勝利の立役者である上条にインタビューしようとしていた学園都市内のテレビ局のカメラに
二人が抱き合う姿がしっかりと収められてしまっていた。
そして姿はライブ映像で学園都市中のスクリーンに映し出されることになった。
その映像を見て常盤台の一人の生徒がその場で気絶したのは割愛。
学園都市に反逆しようとしているカップルは学園都市で一番有名なカップルになってしまった。
今の劇的勝利の立役者である上条にインタビューしようとしていた学園都市内のテレビ局のカメラに
二人が抱き合う姿がしっかりと収められてしまっていた。
そして姿はライブ映像で学園都市中のスクリーンに映し出されることになった。
その映像を見て常盤台の一人の生徒がその場で気絶したのは割愛。
学園都市に反逆しようとしているカップルは学園都市で一番有名なカップルになってしまった。
その後は大変だった。
何処に行くにも二人が一緒に行動する限り、常に後ろ指を指されるようになってしまった。
上条は騒ぎが落ち着くまで別々に行動することを提案したが、別に疚しいことをしていないと美琴が却下した。
その後も美琴が参加した借り物競争のお題が上条にちょうど当てはまるもので二人一緒に学園都市を駆け抜けたり、
借り物競争が終わった後に配られたドリンクを二人で間接キスの要領で分け合ったりと、
何故か上条と美琴のカップルを強調するような出来事ばかりが起こるのであった。
しかし今の上条にとって初めて迎える大覇星祭は恋人である美琴と共に過ごす思い出深いものになるのだった。
何処に行くにも二人が一緒に行動する限り、常に後ろ指を指されるようになってしまった。
上条は騒ぎが落ち着くまで別々に行動することを提案したが、別に疚しいことをしていないと美琴が却下した。
その後も美琴が参加した借り物競争のお題が上条にちょうど当てはまるもので二人一緒に学園都市を駆け抜けたり、
借り物競争が終わった後に配られたドリンクを二人で間接キスの要領で分け合ったりと、
何故か上条と美琴のカップルを強調するような出来事ばかりが起こるのであった。
しかし今の上条にとって初めて迎える大覇星祭は恋人である美琴と共に過ごす思い出深いものになるのだった。