とある魔術の禁書目録 自作ss保管庫

Part2

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一端覧祭前日
「やっと終わったな…」
「そうだにゃー疲れたにゃー」
「明日が楽しみやな~!一体どんな美少女が来るんやろか!?」
「そりゃやっぱりロリコンゴスロリに決まっているにゃー」
「またそういう話かよ…ツンデレ系奉仕型美少女に一票!!」
「カミやん、…ツンデレ言うのは…
この間の常盤台中学の子みたいな子のことを言うんやで?」
「は?御坂が?」
「にゃー…ツンデレっつーのは、
実際にいると気付きにくいもんなんだにゃー。わかったかいカミやん?」
「ふーん、そっ」
そんなわけないだろ…と言うように上条は吐き捨てる
「こういう外部との接触のある行事はジャッジメントの仕事が増えることが多いんですのよね…
ですから、黒子はお姉さまとともに祭を楽しむ時間があまりありませんの…
せっかくの私とお姉さまの愛の一端覧祭ですが…仕方ありませんの」
「ふにゅ~…別に大丈夫よ~黒子~…ジャッジメントの仕事頑張ってね~」
ベッドの上で枕を抱きながら答える美琴だが、
頭の中は明日の段取りと妄想で一杯だ。
「…心ここにあらずとはこのことですの」
「へっ?何か言った?って黒子!?」
「いいですわ、
あの類人猿に汚される前に私が優しく包み込んであげますの!」
「ちょ、何すんのよ~!!」
「お姉さま~~!!」

一端覧祭初日
初日の挨拶は大覇星祭初日のように長く、
学生達の精神を削っていくが終わってしまえばそれと同時に学生達のテンションは回復する。
「ホント長い挨拶よねぇ。ウチの美琴ちゃんはどこかしら…?」
御坂美琴の母美鈴が娘を探していると、どこからか男女の会話が聞こえる。
『ほら!行くわよ!』
『あぅ、御坂さん、お手柔らかに頼みますよ!?』
『わ、わかったってば!』「あぁいたいた♪」
会話の相手はツンツン頭の少年、上条当麻だ。
「あら!美琴ちゃんたら初日から大胆ね♪うまくやるかしらね、むっふふふふ」
適当に独り言を言いつつ娘を追う。


初日にも関わらず、学園都市は学生と父兄等の外部関係者で溢れていた。
「スゲー人だな…」
「大覇星祭と違って、一般の人も祭に参加できるからね。
 人の波にのまれると時間喰っちゃうから、気をつけないと」
「人の熱気で暑苦しいな…」
そんな会話をしながら上条当麻と御坂美琴は第七学区を歩いている。
(ちゃ、ちゃんと話せてるかな…思わず早口になってないかしら…?顔赤いかも…)
美琴が何か横でぶつぶつ呟いているが、
上条はとくに気にせず祭の雰囲気を楽しんでいるようだ。
「どうした御坂、顔赤いぞ?まさか開会式で体調悪くしたか?」
「え?ち、違うわよ、そんなわけないでしょ!?」
「な、なんで怒りぎみなんでせう!?」
「怒ってなんかないわよ!」
(嘘つけ!なんか機嫌悪くないか?また俺なんかやっちまったか?)
そう思うが、言葉には出さない。こんな所で雷撃を出されては困りものだ。
「と、とりあえず、なんか食おうぜ…?」
「そ、そうね…」
「今日はお前が色々案内してくれるんだよな?頼んだぞ…美琴?」
「まかせなさい…って、今、名前で…?」
「ん?どうかしたのか?」
「…ふにゃ~…」
「な、なんでー!?あぁぁ!漏電してる…!?
 ここじゃまずいだろぉぉぉ!」
上条は能力を抑え切れていない美琴の手をとり、暴発を抑えながらとりあえず
人気の少ないところまで走り出す。



暴発を抑えながら美琴を連れてたどり着いたのは、いつもの自販機の前。
「はぁ…はぁ…ここまでくりゃ大丈夫だろ…ちょっと休もうぜ…」
つかんでいた手を離し、ベンチに座る。
何故か人が少ないが、穴場なのだろうと上条は適当に解釈する。
だが、美琴は俯いたまま動かない。
「ん?どうした?まだ暴発しそうか?」
軽く肩を触った瞬間ビクゥ!と美琴の体が反応する。
「だ、だだだ大丈夫よ!」
「…そっか?まだ顔赤くなってるみたいだけどな」
「そ、そう…?…じゃなくて、とにかく!もう大丈夫よ!」
「わかったよ。なんだか今日の御坂は変だな。」
「そ、そんなことないわよ…」
「はいはい…。んじゃ、回ろうぜ。
 初日だから話題の学区とか注目の屋台とかは避けて行ったほうがいいのか?
 こむだろうし。」
「い、いきなり話題そらすな!」
「はぁ?」
「あ、いや、なんでもない…でも逆にちょっと並んででも行った方がいいかしらね。」
美琴のしたたかな計算が始まっていた。
美琴としても出店にならんだり、学校ごとのイベントの待ち時間まで待つのは退屈で、
上条の言うとおりに穴場スポットを回ってしまうという方法もある。
だが、あえて人通りの多いところで一緒に仲良く待っているところをアピールし、
多くの人に見せ付けることによって2人は恋人同士である。と認識させるのだ。
「いやぁ、逆に今注目店とか回っておいたほうがいいんじゃないかしら…?」
「へ?なんで」
「だってほら、日が立つにつれて注目度が上がったりするとそのほうが嫌じゃない?」
「…それもそうだな…御坂が行きたいところでいいぜ。」
「任せなさいっ♪」
(ふふふ…捕まえた♪)

「んで、どこに行くんだ?」
ピタリ、と美琴の動きが止まる。
「ゲ、ゲコ太のイベントショー…」
「…はいぃ!?注目度ってそりゃお前のなかの注目度かよ!」
「う、うるさい!」
美琴は肝心なところがアホだった。
「じゃ、じゃあいいわよ!明日もやるっていうみたいだし…」
「ふぅ…やれやれ…」
(危ない危ない…あやうく小学低学年達と一緒にステージを囲むところだった…)
「じゃあ、第十二学区周辺のスイーツ専門のとこでも行きましょうか」
「おぅそうだな。」
「よし、そうと決まれば行くわよ!」
「あっ、ちょっと待てよ!あんま走ると迷惑になるだろ!?」

「しっかりエンジョイしてるみたいね…」
そう独り言を呟いたのは、御坂美鈴。
「このまま一気に攻め落としちゃえぇ~がんばれ~美琴ちゃんっ」
ニヤニヤとしながらブツブツと喋る。
彼女はサングラスをかけ、帽子をかぶり、控えめな服を着ていた。
そう。今日のデートを見守るためにわざわざバレない衣装をチョイスしたのだ。
(ばれてないばれてない…うふふ♪)
そして彼女は歩き出す。

「ふぅ、今年は一日も当麻と回れないのが残念だなぁ、母さん。」
「あらあら、でも母さん的に残念なのは、
 さっきも知らない女性とぶつかっておかしなフラグを立てた刀夜さんなんですけど…」
「うぇ、あぁいや、そのなんだ、あっちは余所見してたみたいだし、そのすいませんでした!」
「相変わらずだねぇ、おじさんは…」
「乙姫ちゃんまで…」
「あらあら…でも当麻さん、今年は皆と遊んで楽しむみたいだし、いいんじゃないかしら」
上条の両親といとこの乙姫は学園都市の雰囲気を楽しみながら歩いていた。

「やっぱ並ぶわね…」
「お前がいいだしたことだろ」
二人は第十二学区のスイーツ専門街に来ていた。
「おぉ、カミやんやないの!」
「にゃー、やっぱカミやんだったかにゃー」
振り返ると、そこには土御門と青髪ピアスが立っている。
「土御門に青髪!?」
「まったく、けしからんぜよ、常盤台中学の子を連れまわすなんてにゃー」
「は、はは…いや、これは色々と事情がありまして…」
「こんなとこクラスの女子に見られたら、後が大変やで~♪」
「はぁ?なんでだよ?」
「何をおっしゃいますカミやん。クラスの女子全てと一定のフラグを立てておきながら…」
「はぁ?アンタまさかそんなにいっぱい…」
「し、知らねぇよ!てかなんでそこに御坂が反応するんだ?」
「にゃー、カミやん。残念だにゃー。そこまで鈍感とは…」
「は…?お前ら何言って…」
「おっと、人が多くなって来ましたねぇ。じゃあカミやん。楽しんでや~」
2人とすれ違う間に土御門がこんなことをこっそりと言った
「カミやん。後方からインデックスが来てるぜい。気をつけるにゃー。」
「あぁ?わかったけど、何をだ?」
「何でもないにゃー♪どうせ理解できんだろうしぃ~」

「ねぇ、あの人なんて?」
「さぁ…」
適当にはぐらかしておくことにした。

「季節のわりに暑いわねぇ…」
「そうだな…だんだんつらくなってきた」
土御門が言ったことが本当ならインデックスが後ろにいるはずだ。
ちらり、と後ろを見てみると、担任の小萌先生と姫神とインデックスが後列にならんでいた。
「あ、とうまだぁ!こもえ、ちょっと抜けるからまっててほしいかも!」
列を離れ、上条のほうに近づいてくる。
「とうまもここにいたんだねー♪…って何!?またとうまは短髪と一緒なのかな!?」
「な、アンタねぇ、いきなり人のこと邪魔者扱いすんじゃないわよ!」
であった瞬間、彼女たちの目から火花がほとばしる。
「ちょっと待ったインデックス!確か3日目にお前とまわる約束しただろ!」
「は?アンタほんとに言ってるの?」
「違うよとうま!3日目と5日目の後半だよ!何ちゃっかり一個すっとばしてるのかな!」
「あれ、そうだっけ。まぁ、いいや。今日は御坂と回るし、お前は先生と姫神と回ってるんだろ・?」
「むぅ、そういえばそうなんだよ。じゃあまたねとうま。」
「ちょっとアタシはスルーかぁ!」
ビリビリと怒る美琴をなだめつつ、上条は左手で手を振る。
「はぁ…不幸だ…」
「何がよ…」
「お前ら、もうちょっと仲良くできないのかよ」
恋敵(+生意気)と仲良くするほうが難しいと思うのだが、と美琴は思う。
「はぁ…アンタらしい悩みね。そろそろ順番じゃない?」
「おう、そうだな。」

アイスクリームとクレープをそれぞれ手にした2人は、
その後、生徒による超能力を使用した本格的なSF演劇や、学園都市ならではの催し物を見て楽しんだ。
「疲れたわね…」
そういう美琴に上条はげっそりとした顔で答える。
「あぁ…まさか一挙手一投足ごとにトラブルに巻き込まれるなんてな…」
ベンチで休む美琴と上条だが、美琴は「ゲッ」と、声をもらした。
そこにいたのは、純白のシスターだった。
「あぅぅ、はぐれちゃったかも…」
キョロキョロと辺りを見回してこちらに気づく。
「げっ、まだとうまが短髪といるんだよ!」
全く気づいていなかった上条は「え?」と顔を上げる。
「どうしたんだよ、インデックス。1人か?」
「こもえ達とはぐれちゃったんだよ。」
「あぁ、そうなのか。」
「で、とうまはなんでまだ短髪と一緒なのかな…」
「いや、それはさっきもいったから覚えてるだろ?今日は御坂と回る約束をしててだな
 つーか、先生たち、どこにいるんだろうな。一緒に探すか?」
「ちょっと待ちなさいよっ」
嫉妬の念を無意識に増大させた美琴が割り込む
「ん?どうした?」
「どうしたじゃなくて、私はスルーで2人で人探しってわけ?」
「え、いや、ちょっと探すだけだしさ」
「そうじゃなくて!」
「悪い御坂、ちょっと遅くなるかもしれないけど、待っててくれるか?」
「…あぁ…もういい!今日はもう寮に帰るわ!勝手に探してればいいじゃない!」
叫ぶと、美琴は振り向かず去ってしまった。
「どうしたんだ?御坂の奴…」
鈍感すぎる上条には何故彼女が怒っているのかさえわからない
とうま、こっちだよ、と言われて、上条も歩き出す。


(何よ…結局アイツは私のことなんてこれっぽっちも考えてないじゃないの…
 これじゃ浮かれてた私が馬鹿みたい…)
部屋に戻るなり、ベッドにバタンと倒れこむ。気づけば大粒の涙が溢れている。
「ぅ…あの馬鹿……なんで気づいて…くれないのよ…」


「あーあ…まずいもの見ちゃったわね…
 どうやってフォローしてあげようかしら…」
寮の外で美琴の部屋を眺めながら、美鈴は呟く




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