ある日の放課後
『プルルル…プルルル…プルルル…』
『プルルル…プルルル…プルルル…』
「…また出ない…電源は切ってないっぽいんだけど気づいてないのかしらあの馬鹿は」
先月、美琴は罰ゲームで上条当麻の電話番号と、彼との通話料がタダになるサービスに登録したのだが…
彼が電話でない。それもたまにではない。
「全く…アイツはどこで油うってんのよ…」
トラブルに巻き込まれているのか、単に気づかないだけなのか。
携帯が電波の届かない場所にあるということはまずないだろうし、
かといって留守電につながらないあたり、電源を切っているわけでもないだろう。
それが逆に美琴をイラつかせていた
「もう、なんなのよアイツはぁぁ!」
髪の毛からパチパチと電気が漏電する。
先月、美琴は罰ゲームで上条当麻の電話番号と、彼との通話料がタダになるサービスに登録したのだが…
彼が電話でない。それもたまにではない。
「全く…アイツはどこで油うってんのよ…」
トラブルに巻き込まれているのか、単に気づかないだけなのか。
携帯が電波の届かない場所にあるということはまずないだろうし、
かといって留守電につながらないあたり、電源を切っているわけでもないだろう。
それが逆に美琴をイラつかせていた
「もう、なんなのよアイツはぁぁ!」
髪の毛からパチパチと電気が漏電する。
「にゃー、やぁっと今日の作業は終わりかにゃー…」
「無駄に長引いた…俺の割り当ての班だけ欠席者多数ってどうなってんだよ」
「でもカミやん、また先輩のスカートの中見たんやろ?ええやんかー」
「つっても、そこから何も発展しないし、直後に吹寄に頭突きをくらうし…」
「やっぱりカミやんは不幸なんだにゃー」
「でもでも、一端覧祭の準備期間で、やっぱり皆浮かれてるんやなー
僕もこの勢いで彼女できちゃったりして」
「「ねぇよ」」
「がーーん!…って、ん?カミやん、ポケットの中の携帯光ってない?」
「お、ホントだ。作業してたから全然気づかなかった。ちょっと先行っててくれ」
「わかったにゃー。行くぜぃ、青髪~」
「無駄に長引いた…俺の割り当ての班だけ欠席者多数ってどうなってんだよ」
「でもカミやん、また先輩のスカートの中見たんやろ?ええやんかー」
「つっても、そこから何も発展しないし、直後に吹寄に頭突きをくらうし…」
「やっぱりカミやんは不幸なんだにゃー」
「でもでも、一端覧祭の準備期間で、やっぱり皆浮かれてるんやなー
僕もこの勢いで彼女できちゃったりして」
「「ねぇよ」」
「がーーん!…って、ん?カミやん、ポケットの中の携帯光ってない?」
「お、ホントだ。作業してたから全然気づかなかった。ちょっと先行っててくれ」
「わかったにゃー。行くぜぃ、青髪~」
着信があったことを示すライトがチカチカと光っている。
「御坂か…とりあえずかけてやるか。」
「御坂か…とりあえずかけてやるか。」
ゲコゲコと着信音が鳴る。どうやら上条からのようだ
「やっと電話かけてきたわね…」
携帯を取り、通話ボタンを押す
『あぁ、もしもし御坂?用件はな…
「いきなりそれか!昼2回に放課後3回!計5回もかけて1回もでなかったじゃない!?
どうなってんのよぉ!」
『あぁ、いや、それは色々トラブルに巻き込まれたり一端覧祭の準備がありましてですね
いやあのなんかもうすいませんでしたー!』
「はぁ…まぁいいわ、スルーされるのにもなれてきたかも…」
『でしたら怒らないで欲しいのですが……んで御坂、用件はなんだ?
もしかして一端覧祭で罰ゲームをかけて勝負なんて』
「しないわよ、馬鹿。用件っつーか聞きたいことなんだけどね。アンタ…」
言おうとして言葉が止まる。
今回の用件とは、彼と一端覧祭を一緒に過ごしたいという誘いの電話なのだから。
思いきって言ってしまうか、遠回しに言うか。
両方のパターンをイメージトレーニングしたつもりなのだが、美琴の頭の中は真っ白だった
『…ん?どうした?御坂?』
「な、何でもない…アンタさ、…その、一端覧祭は…なんか予定あるわけ?
その…あれよ。一緒に回る人はいるわけ?」
『それはアレか?この上条さんに「一緒に回ってくれる友達いんのか?」って聞いてるのか?』
「いや、そういうわけじゃなくて、もう誰かと回る約束はしたの?って聞いてるのよ」
『あぁ、そういうことな。いや、まだ予定は立ってないけど。
俺、いまいち一端覧祭がどんなもんかわからんしな』
「あぁ、そっか。アンタはそうだったわね。大覇星祭みたいに忙しくはないと思うわよ
自由に回る時間も結構あるし。」
(い、今ならいけるかも!)
「じゃ、じゃあ私が色々案内してあげようか…?
べ、別に友達と行くってんならいいけど…」
(さ、最後で弱気になっちゃダメじゃない私!)
『おぉ、ホントか?なら頼むよ美琴せんせー。
クラスの奴らとの予定が決まってからまた連絡するよ。明日でいいか?』
「へっ?あ、ああうん。そ、そしたらね」
『じゃあまたな御坂』
通話を切り、携帯を閉じる。
美琴は勝った。何かに。
テンションが上がりすぎたのか、それとも脱力したのか
妙ににやけた顔で寮へ戻って行く。
「やっと電話かけてきたわね…」
携帯を取り、通話ボタンを押す
『あぁ、もしもし御坂?用件はな…
「いきなりそれか!昼2回に放課後3回!計5回もかけて1回もでなかったじゃない!?
どうなってんのよぉ!」
『あぁ、いや、それは色々トラブルに巻き込まれたり一端覧祭の準備がありましてですね
いやあのなんかもうすいませんでしたー!』
「はぁ…まぁいいわ、スルーされるのにもなれてきたかも…」
『でしたら怒らないで欲しいのですが……んで御坂、用件はなんだ?
もしかして一端覧祭で罰ゲームをかけて勝負なんて』
「しないわよ、馬鹿。用件っつーか聞きたいことなんだけどね。アンタ…」
言おうとして言葉が止まる。
今回の用件とは、彼と一端覧祭を一緒に過ごしたいという誘いの電話なのだから。
思いきって言ってしまうか、遠回しに言うか。
両方のパターンをイメージトレーニングしたつもりなのだが、美琴の頭の中は真っ白だった
『…ん?どうした?御坂?』
「な、何でもない…アンタさ、…その、一端覧祭は…なんか予定あるわけ?
その…あれよ。一緒に回る人はいるわけ?」
『それはアレか?この上条さんに「一緒に回ってくれる友達いんのか?」って聞いてるのか?』
「いや、そういうわけじゃなくて、もう誰かと回る約束はしたの?って聞いてるのよ」
『あぁ、そういうことな。いや、まだ予定は立ってないけど。
俺、いまいち一端覧祭がどんなもんかわからんしな』
「あぁ、そっか。アンタはそうだったわね。大覇星祭みたいに忙しくはないと思うわよ
自由に回る時間も結構あるし。」
(い、今ならいけるかも!)
「じゃ、じゃあ私が色々案内してあげようか…?
べ、別に友達と行くってんならいいけど…」
(さ、最後で弱気になっちゃダメじゃない私!)
『おぉ、ホントか?なら頼むよ美琴せんせー。
クラスの奴らとの予定が決まってからまた連絡するよ。明日でいいか?』
「へっ?あ、ああうん。そ、そしたらね」
『じゃあまたな御坂』
通話を切り、携帯を閉じる。
美琴は勝った。何かに。
テンションが上がりすぎたのか、それとも脱力したのか
妙ににやけた顔で寮へ戻って行く。
その日の夜
「はぁ~ホントにアイツと回れるのよね」
そう考えただけで期待で胸がふくらみ顔に朱がさす。
無自覚のうちに枕をだいてベッドの上を転がっていた
黒子がこの状態を見ていたら発狂は確実だっただろう
それほど今の美琴は舞い上がっている。
と、そこに、ゲコゲコと着信音。
「…誰かしら?」
電話の主は御坂美鈴。美琴の母親だ。
「…もしもし?」
「あぁ~美琴ちゃ~ん。晩御飯はもう食べた?お母さんだよ~」
「…どうしたのよ」
「も~ぅ冷たいなぁ~。あの子にふられちゃったの?」
「は?あの子って誰よ!?」
「上条当麻君だっけ?あのツンツンした子だよ~」
「アイツが私の彼氏に見えんのか!つーかふられてもいないわよ!」
「素直じゃないな~ちょっとおちょくっただけじゃない?そんなに怒らないの
でさぁ、美琴ちゃん。一端覧祭の日はお母さん大学休みもらったから美琴ちゃんに会いにいけるわよ~」
「ふぅん。わかったわ。」
「色々と案内してね~それじゃ~」
電話が終わってからぽつりと呟く
「アイツも母みたいに来てくれたらよかったのに」
「お…お姉さま…そのアイツとはまさかあの殿方ですの?
来るとはどういうことですの?お姉さまぁぁ!」
「げ、黒子?聞かれてた!?いや、違うのよこれは!」
「独り言がウソなわけありませんわ!お姉さまはあの殿方と何か過ちをおかそうというのですのね…!?」
「ち、ちち違うわよぉ!あぁ~もう離れろ~!」
「はぁ~ホントにアイツと回れるのよね」
そう考えただけで期待で胸がふくらみ顔に朱がさす。
無自覚のうちに枕をだいてベッドの上を転がっていた
黒子がこの状態を見ていたら発狂は確実だっただろう
それほど今の美琴は舞い上がっている。
と、そこに、ゲコゲコと着信音。
「…誰かしら?」
電話の主は御坂美鈴。美琴の母親だ。
「…もしもし?」
「あぁ~美琴ちゃ~ん。晩御飯はもう食べた?お母さんだよ~」
「…どうしたのよ」
「も~ぅ冷たいなぁ~。あの子にふられちゃったの?」
「は?あの子って誰よ!?」
「上条当麻君だっけ?あのツンツンした子だよ~」
「アイツが私の彼氏に見えんのか!つーかふられてもいないわよ!」
「素直じゃないな~ちょっとおちょくっただけじゃない?そんなに怒らないの
でさぁ、美琴ちゃん。一端覧祭の日はお母さん大学休みもらったから美琴ちゃんに会いにいけるわよ~」
「ふぅん。わかったわ。」
「色々と案内してね~それじゃ~」
電話が終わってからぽつりと呟く
「アイツも母みたいに来てくれたらよかったのに」
「お…お姉さま…そのアイツとはまさかあの殿方ですの?
来るとはどういうことですの?お姉さまぁぁ!」
「げ、黒子?聞かれてた!?いや、違うのよこれは!」
「独り言がウソなわけありませんわ!お姉さまはあの殿方と何か過ちをおかそうというのですのね…!?」
「ち、ちち違うわよぉ!あぁ~もう離れろ~!」
翌日 放課後
「んー…と…一日目が予定なし
二日目は土御門達と回る予定だし、三日目はインデックスと小萌先生と姫神と回る
四日目は前半土御門達と回って後半は俺らの学校の出し物だし
五日目後半はインデックスを連れて回る。六日目は忙しくて回れないだろうし
最終日目は予定なし。か…そうだ、美琴に電話しなきゃ」
上条は携帯電話に手をのばす。
「んー…と…一日目が予定なし
二日目は土御門達と回る予定だし、三日目はインデックスと小萌先生と姫神と回る
四日目は前半土御門達と回って後半は俺らの学校の出し物だし
五日目後半はインデックスを連れて回る。六日目は忙しくて回れないだろうし
最終日目は予定なし。か…そうだ、美琴に電話しなきゃ」
上条は携帯電話に手をのばす。
ゲコゲコ…ゲコゲコ…ゲコピッ
「もしもし?」
『よぉ御坂。遅くなっちまったな。
一端覧祭のことなんだけど』
「うん!どうなった?」
『一日目と最終日が予定なし。どうする?』
「ど、どうするって…じゃ、じゃあ両方回っちゃいましょうか…?」
(落ち着け、落ち着け私っ!)
『あぁそうだな。予定がないんだから今作っちまえばいいしな。
じゃあ、案内頼むぜ美琴せんせー』
「ま、任せときなさい!」
携帯を閉じ、何故かにやけ
「へへ…へへへ…ふにゃ~…」
気味のわるいにやけかただが、本人は気づいていない
「もしもし?」
『よぉ御坂。遅くなっちまったな。
一端覧祭のことなんだけど』
「うん!どうなった?」
『一日目と最終日が予定なし。どうする?』
「ど、どうするって…じゃ、じゃあ両方回っちゃいましょうか…?」
(落ち着け、落ち着け私っ!)
『あぁそうだな。予定がないんだから今作っちまえばいいしな。
じゃあ、案内頼むぜ美琴せんせー』
「ま、任せときなさい!」
携帯を閉じ、何故かにやけ
「へへ…へへへ…ふにゃ~…」
気味のわるいにやけかただが、本人は気づいていない
「ふぅ、とりあえずこれで一端覧祭の予定はうまったな」
携帯のスケジュールに予定を入れていく上条。
その後ろから手刀が降り注ぐ
「ていやぁ!」
「いてっ!何すんだよ青髪!土御門!」
「なんで半分以上も女子との予定なんだよこのやろう!羨ましすぎるんだにゃー!」
「我々人類の絶望やね!男子の敵やよカミやんは…!」
「はぁ…なんだそりゃいみわからねぇぞ!」
ぎゃーぎゃーと騒ぎながら街を歩く男子3人の前にある女子が立ちふさがる。
「げっ、吹寄?」
「貴様らは公道でぎゃーぎゃーうるさいのよ!」
ゴツンッ!と頭突きが上条に繰り出される
「なんで…俺だけ…」
ドサッ!としりもちをついてもう一言
「ふ…不幸だ…」
「何言ってんのよ。あ、それと三日目は私も追加だから」
今の上条に否定の選択肢などない
「は…はい。」
「にゃー!?ずりぃぞカミやん!俺らも追加だぁぁ!」
「僕らも一緒に行くで?せやないと気が収まらん!」
携帯のスケジュールに予定を入れていく上条。
その後ろから手刀が降り注ぐ
「ていやぁ!」
「いてっ!何すんだよ青髪!土御門!」
「なんで半分以上も女子との予定なんだよこのやろう!羨ましすぎるんだにゃー!」
「我々人類の絶望やね!男子の敵やよカミやんは…!」
「はぁ…なんだそりゃいみわからねぇぞ!」
ぎゃーぎゃーと騒ぎながら街を歩く男子3人の前にある女子が立ちふさがる。
「げっ、吹寄?」
「貴様らは公道でぎゃーぎゃーうるさいのよ!」
ゴツンッ!と頭突きが上条に繰り出される
「なんで…俺だけ…」
ドサッ!としりもちをついてもう一言
「ふ…不幸だ…」
「何言ってんのよ。あ、それと三日目は私も追加だから」
今の上条に否定の選択肢などない
「は…はい。」
「にゃー!?ずりぃぞカミやん!俺らも追加だぁぁ!」
「僕らも一緒に行くで?せやないと気が収まらん!」
「騒がしいわね…どうしたのかしら」
「ジャッジメントとして、注意する必要がありますわね」
美琴の隣にいるのは、彼女の後輩の白井黒子だった
さきほど美琴と合流した(追いかけてきた)白井は腕章をとりだす
「いいんじゃない?一端覧祭が近いから舞い上がってるだけでしょ」
舞い上がってるのはどちらですの…と思う白井だがあえて口にはしない。
「でもああいう馬鹿が祭りを盛り上げるのよね…って…あぁっ!」
「どうしましたの…?」
美琴の視界の先、そこでは上条当麻+2名が同級生(?)の女子に土下座をしている最中だった。
「あの馬鹿…またなんかしでかしたのね…なんでこういつもいつも女がらみなのよ…」
表情は笑っているように見えるが声は憤怒の炎で燃えたぎっている。
と、ようやく開放された上条が2人のクラスメイトとともに立ち上がり、こちらに気づく。
「おぉ、御坂…って、だぁぁぁ!どうしていきなりお怒りモードなんでせう!」
「アンタがむかつくからよ!」
バチバチィ!と勢いよく音をたてる御坂美琴を前にデルタフォースの3人はこりゃまずい、と言った表情で笑っている。
バチィ!と襲い来る雷撃の槍を右手で防いだ上条は残りの2人とともに一目散に逃げ出した。
「待ちなさいよぉ!」
「待つわけねぇだろうがぁ!まずはそのビリビリをやめろぉぉ!」
「にゃー!なんで~?」
「僕ら関係ないやないの~!」
「こらぁぁぁ!」
「ジャッジメントとして、注意する必要がありますわね」
美琴の隣にいるのは、彼女の後輩の白井黒子だった
さきほど美琴と合流した(追いかけてきた)白井は腕章をとりだす
「いいんじゃない?一端覧祭が近いから舞い上がってるだけでしょ」
舞い上がってるのはどちらですの…と思う白井だがあえて口にはしない。
「でもああいう馬鹿が祭りを盛り上げるのよね…って…あぁっ!」
「どうしましたの…?」
美琴の視界の先、そこでは上条当麻+2名が同級生(?)の女子に土下座をしている最中だった。
「あの馬鹿…またなんかしでかしたのね…なんでこういつもいつも女がらみなのよ…」
表情は笑っているように見えるが声は憤怒の炎で燃えたぎっている。
と、ようやく開放された上条が2人のクラスメイトとともに立ち上がり、こちらに気づく。
「おぉ、御坂…って、だぁぁぁ!どうしていきなりお怒りモードなんでせう!」
「アンタがむかつくからよ!」
バチバチィ!と勢いよく音をたてる御坂美琴を前にデルタフォースの3人はこりゃまずい、と言った表情で笑っている。
バチィ!と襲い来る雷撃の槍を右手で防いだ上条は残りの2人とともに一目散に逃げ出した。
「待ちなさいよぉ!」
「待つわけねぇだろうがぁ!まずはそのビリビリをやめろぉぉ!」
「にゃー!なんで~?」
「僕ら関係ないやないの~!」
「こらぁぁぁ!」
「お姉さまー!どこに行くんですのー!」
叫ぶ白井だがもはやその声は届いていない
「お姉さまの怒りはただのヤキモチですの…くそ…あのいまいましい類人猿め……」
肩を落とした白井はとぼとぼと寮に向かう
叫ぶ白井だがもはやその声は届いていない
「お姉さまの怒りはただのヤキモチですの…くそ…あのいまいましい類人猿め……」
肩を落とした白井はとぼとぼと寮に向かう