みこ雪姫
なんやかんやありまして、科学魔術の線引きを取っ払った面子で演劇を行うことになりました。お題目は白雪姫。演劇の定番中の定番です。
そして肝心の配役は…
主役、白雪姫を御坂美琴
そして王子役は上条当麻
王妃役、一方通行。
魔法の鏡役を番外個体
配達員、白井黒子
そして小人役を雷神トール
最後に脚本、語り、進行役を土御門元春が担当する。
それでは、白雪姫ならぬ、みこ雪姫始まり始まりー…
『むかーしむかーしあるところにそれはそれは美しく、心の優しい、まな板のように真っ直ぐな性格と体型をした少女がいたのにゃー』
「なに?進行役喧嘩うってんの!?これでもちゃんと成長してるわよ!」
『ゴホンッ…名前をみこ雪姫。みこ雪姫は森のなかで小人と貧しいながらも幸せな生活を送っていたにゃー。』
「無視か!…ええい、しょうがないわね、演じればいいんでしょ演じれば!!やってやるわよ! …あー、あー、ゴホン…、い、いやー今日もいい天気だわー」
『一方、所変わって遠く離れたお城に、それはそれは女性らしい真っ白な肌をした女装の似合いそうな王妃様がいたにゃー』
「おい…だからお前喧嘩売ってンだろ、つーかよォ、女装の似合いそうな王妃って色々おかしくねェか…?」
『王妃は自分の美しさに自信をもっており、度々魔法の鏡にある問いかけをしていたにゃー』
「てかよォ、何で俺様がこンなことしなくちゃなんねェン…」
「あなた!!頑張って!!ってミサカはミサカは周囲の目も憚らず一方通行を応援してみる」
「…はァ、いいぜェ、やってやらァ、学園都市第一位なめンじゃねェ」
『いやー、一方通行も扱いやすくなったにゃー、流石は保護者さんぜよ。子供の前でだらしない姿は見せらんないだろうにゃー』
「うるせェ!テメェは後で愉快なオブジェに変えてやらァ、首洗って待っとけ」
『…ゴホン、度々ある問いかけをしていたにゃー!!』
「…くそが…
か、鏡よ鏡よ鏡さン!?世界で一番美しいのは、この、俺様だなァ!?」
「ギャハハww何言ってんの第一位wバッカじゃねぇ!?マジ受けるんですけどォww」
「…いいから答えやがれ…」prpr…
「ギャハ、なぁに自信持ってたか知らないけどぉ、ざぁんねんでしたぁ!!世界一美しいのはこのミサカ!のオリジナルであるみこ雪姫でしたぁ!!どー?思惑外れた?悔しい?ザマァw」
「テメェ…これは演技だってわかってンだろうが!テメェも愉快なオブジェ決定だ、三下がァ!」
『はいはいそこまでにゃー。話を続けるぜよ? 世界一はみこ雪、そのことに自信家の王妃はそれはそれは激怒したにゃー』
「…やッてられッか!俺は降りる」
『打ち止めさーん』
「憎らしい!!こうなったらたまたまここにある毒リンゴでオリジナルをぶち殺してやらァ!!」
『と、王妃が不穏なことを計画しているなか何も知らないみこ雪姫は森で変わらない日常を過ごしていたにゃー』
「じゃー今日も頑張って働いてくるぜ、御坂ちゃん」
「はーい行ってらっしゃい。今日も頑張ってねー」
『どうやら小人が出かける所みたいだにゃー。と、そこに、これまたまな板の配達員白井黒子が登場にゃー』
「ほんとにこの進行役は人をイライラさせるのがお上手ですわね…」
『お褒めに預かり光栄にゃー』
「だれも誉めてないですの!
ゴホン、お姉さまーお届けものですのー」
「あら黒子じゃない、いつもありがとね、何々…?パソコン部品?何かしら…?」
「あ、間違えましたの!?すいませんお姉さま!それじゃなくてこれが…」
「こ、これ、は…くーろーこー?こうゆうのやめなさいって言ったわよねぇ?」
「こ、これは違いますの、お姉さま…黒子はそんな物しりませんの!黒子は無実ですわ! 」
「送り先あんたになってるけど」
「あ、アハハーソウナンデスノー?黒子ニハ心当タリナイデスワーー」
「お仕置き確定よ!」
「あはッ?!い、いいですわ!!最近ホントにこのビリビリッと来るのが気持ちいいですわ!!」
「このッ…変態がぁぁぁ!!」
「あふぅぅん!?お、お姉ざまぁぁ!!??」
『…あのー、小さい子もいるのでその辺で…』
「あ
…ゴホン、それで本物はどれなのよ。」
「ゼェ、ゼェ、こ、これですの…」
「何、リンゴ?なんかスッゴい危ない色してるんで…
『贈り物はとっても美味しそうなリンゴ!!リンゴはみこ雪姫の大好物、みこ雪姫は四の五の言わず早速それを頂いたのにゃー』
「え、これを食えと?じょ、冗談じゃないわよ!!」
『はぁ、しょうがないにゃーでは白井黒子じゃない黒子の方々お願いしますにゃー』
「え、ちょ、なに!?こら離しなさい!てかあんたら妹達でしょ!!ゴーグル隠せてないわよ!? ちょ、嫌だっ…」
「対象気絶しました。ミッション成功です、とミサカは進行役にサムズアップします。」
『ご苦労にゃー。かくしてみこ雪姫は毒リンゴを食べてしまい、王妃の計画は成功したのにゃー。白雪姫が死んだと報告を受けた王妃はそれはそれは大喜びして、阿波おどりを踊り始めたにゃー』
「…おいなンだ、その目は。やらねェぞ」
「えー第一位やらないのぉ?上位個体がさっきから凄い期待の目でこっち見てるわよ…」
「打ち止めだすと俺がなんでもすると思ッてンのか?」
「チッ、流石に阿波おどりはきついかつまんねェ… ちょ、まって、MNWからなんかスッゴい感情が流れて来るんだけど、こ、これはあのパターン!?や、やだ、嫌だぁぁ!!」
『おおっと何故か王妃じゃなく鏡が踊り始めたぜよ?まあこれはこれで面白いからいっか』
「良くないわぁぁ!!」
「…愉オブは勘弁してやらぁ」
「や、やめて、そんな目でミサカをみないでぇぇぇ!!!」
『その頃森では仕事から帰った小人が変わり果てたみこ雪姫を見つけて悲しみにくれていたにゃー』
「oh…結構エグいことすんなあ、あの子たち。せめて安らかに眠りな御坂ちゃん」
『と、そこに凄く偶然通りかかってしまった不幸な王子が登場するにゃー』
「あーそうですよ。上条さんは不幸ですよ。こうゆう所に遭遇してしまうことも全然ありえる上条さんですよー。
ゴホン、こんにちは小人さん、そちらの美しい女性は誰かな?」
「こいつはみさ…みこ雪姫。何者かに送られた毒リンゴ食べて死んじまったのさ…」
「な、なんだってー。俺のキスで目覚めさせてあげたい!」
「ちょ上条ちゃん、お前キス魔かよ!
まさか俺の敵って奴がキス魔だとわ思わなかったぜ…」
「ちげぇよ!!台本にそう書いてあったんだよ!!」
「…わかった。しゃあねぇ好きにしてくれ」
「お、おう。
で、では、俺のキスで目覚めておくれ、みこ雪姫!!」
『そうして、王子の活躍により奇跡的に目を覚ましたみこ雪姫は王子と幸せに暮らしたとか暮らしていないとか。みこ雪姫が生き返ったと報告を受けた王妃は「くかきくけけこ」と意味のわからない言葉を叫び倒れたらしい。めでたしめでたし』
パチパチパチパチパチパチ
「う、うぅん、あれ、私どうして」
毒リンゴを食べて気絶してしまった美琴は今ようやく目を覚ました。すると目の前には王子様の顔が視界一杯に…
「お、気が付いたか?」
「にゃ!!!!!?????」
「おわぁぁあ!?あ、あぶねぇじゃねぇか!?」
上条はなんとか美琴の頭に触れることで電撃を防ぐことに成功した。
「あ、あんた!なにやって!!てか顔近い!!何、夜這い!?」
「アホか!!夜這いも何も今は劇の最中だろうが!つっても今終わったんだけど。」
「あ、そうか。そういえばそうだったわね…てか終わったんならなんで離れないのよ!!」
「だってまだ拍手がなりやまないだろ?しばらくこうしてるしかないじゃねぇか。ん?どした顔赤いぞ?」
「な、なんでも、にゃいわよ…」
(さっきから聞いてたらなにやってんだよ、上条ちゃん…俺の敵がキス魔でさらには鈍感だったとか…
しゃあない。ここはこの雷神トール様が人肌脱いでやりますか。御坂ちゃんの為にも…ほれ)
「あ」
(え?)
蹴られた。背後から、いきなり。
予想外だったため、体制を保つことが出来ずにそのまま直ぐ下にあった柔らかい物に接触した…
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「いやーよかったにゃー。みんなご苦労様ぜよ。」
「あ、はい…」
「どうしたのーおねえたま、元気ないね?」
「にゃ、にゃんでもないです…」
「…?らしくねェな、おい上条、こいつどうしたんだ?」
「え?さ、さぁなー」
「なンだ?二人して。おいトールつッたな?お前なンかしらねェか?」
「さあ?キスのフリでのぼせでもしたんじゃないか?」
「はァ?その程度でのぼせるなンざ、小学生じゃねェンだからよォ」
「…」チラ
「…」チラ
互いの様子を気にしつつ、目が合うと全力で目を反らす二人。どうみてもあやしい。
「まーまーいいんじゃねぇの?まだ二人とも子供なんだし、そんくらい可愛げあるくらいの方が。」
「そンなもンか?」
「そんなもん、だよ。」
「じゃー皆さんお疲れさん。これで解散ぜよ。でもよかったらこの後、打ち上げでもどうかにゃー」
「お、いいねー」
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とゆうことで演劇は無事?終了した。
余談だが、この日からしばらく上条と美琴の様子がおかしかったそうだ