想い 4
「目が覚めたじゃん?」
「・・・黄泉川先生?」
目が覚めてまず目に入ったのは警備員の装備で身を固めた黄泉川愛穂だった。
「器物破損と傷害の容疑、また今度事情徴収させてもらうじゃん」
その後もやれ痴話喧嘩で暴走するな、やれ自動販売機を壊すんじゃないと。
5分ほどたんまりと説教をもらった。
「―――しっかし、、焼かせるじゃんよ。通報があったから駆けつけたらあのガキ、お前を倒れないように抱えながら気絶してたじゃんよ」
(あいつ、最後の最後までそんな・・・・・・ん?)
倒れそうな自分を抱えてくれたと知って美琴は嬉しかった。
しかし、黄泉川が見ていたということは他にもそれを見ていた人がいたのではないか。
だが実際に聞いてしまったら恥かしくて黄泉川の目の前でベッドでジタバタしかねない。
「あいつなら隣の病室にいるから、後で行ってやるといいんじゃんよ」
そう言いながら、黄泉川は不思議そうに美琴を見ていた。
「にしてもあの子らに似すぎじゃん」
「黄泉川先生?」
「いや、こっちの話。それじゃあ私は帰るじゃん。御大事に」
そう言って黄泉川は病室から出て行った。
それから少ししてから美琴も動き出した。
「行こう」
なんて言葉をかけたらいいかわからなかったが、とりあえず会おうと、隣の、上条のいる病室へと美琴は入った。
「あ、あの・・・」
上条は起きていた。
体に包帯を巻いていた。
「御坂!」