とある魔術の禁書目録 自作ss保管庫

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小ネタ とある美琴のいたずら




「Trick or treat!」

流暢な英語で上条に話しかけたのは、常磐台の制服を着た美琴だ。
今日は10月31日。日本ではあまり馴染みが無いがハロウィンというものおである。
一説には先祖の魂が還ってくる日であるらしい。西欧のお盆のようなものか。

「お菓子をくれなきゃいたずらするわよ!」
「あー、はいはい。お菓子ねお菓子」

そう言って上条はポケットからチョコレートを取り出す。どうせインデックスがお菓子をくれないと噛み付くぞとでも言うだろうから買っておいたのだ。インデックスの分は後でコンビニで買っておけばいい。
しかし、美琴は呆然とチョコレートを眺めている。

「どうしたんだよ。これが目的だろ?」

っは!と美琴は視線を上条に戻したかと思えば、何も言わずにチョコレートを取って走り去った。

「・・・・・・何だったんだ?一体」

美琴が見えなくなり、インデックスの分のお菓子を買いに歩き出した。
お菓子の代わりに喰われたくはないのだ。





それから5分くらいしてまた美琴がこちらへ走ってきた。

「トリックオアトリート!!」
「またかよ!!」

お菓子をくれなきゃいたずらするわよ!と喚く美琴。
チョコレートは先ほどあげたし、と上条はポケットの中を漁ると、あるものが出てきた。

「しょーがねーな。ほら」

ポケットから取り出したのは飴。土御門からもらったものである。
美琴は有り得ない、というような顔をして固まっている。

「・・・・・・どうしたんだよ」

再び、っは!と意識を上条へと戻した美琴は飴を掴んで何処かへ走り去った。

「だから何なんだよ・・・・・・」

「とっりく、おあ・・・・・・とりーと」

さすがに疲れたのか、息も絶え絶えである。

(本当に何がしたいんだよこいつは)
「ほら、おかし・・・・・・いたずら、するわよ」

さすがに3連続で襲撃されるとは思ってもいない。というか未だコンビニに到達していないのでポケットの中には何もないのだ。

「あー、さすがにもうねーよ」

その言葉を聞くと、美琴は、不敵な笑みを浮かべ始めた。

「お菓子がないんだったら、しょうがないわよね」

その瞬間、ギュッ、と美琴は上条の腕にしがみついた。

「な、何をしておられるのですか美琴さん!?」
「こ、これがいたずらよ!今日一日こうしてるからね!!」

まさかこの為にこりずに3回目の奇襲をかけたのか。
しかし、その事を聞くことなどできるはずがない。
しょうがないので美琴がしがみついたままコンビニに行くことも出来ず、家路へと向かう。
決してその顔を美琴には見せないように。








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