とある魔術の禁書目録 自作ss保管庫

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匿名ユーザー

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猫耳美琴のペットな生活 4




しばらくの間お世話になる以上、何か恩返しをしなければならない。
あの馬鹿は「いいよそんなの」とか言いそうだけども、何もしないのは美琴の性に合わない。
時刻は午後6時半。
やることはただ1つ。

「私が夕飯作ってあげるわ!」
「……えー」
「何よ!?」

上条はいかにも大丈夫かー?とでも言いたそうな目をして美琴を見ている。

「だってお前、料理とかしたことあんのかよ」
「ふっふっふ。私をただの箱入り娘だと思ったら大間違いよ!!」

ここで家庭的な一面を見せればこの馬鹿の興味を引いてもらえてムフフのふにゃー。
そんな期待を持って美琴は台所に足を踏み入れた。
まずは冷蔵庫の中身をチェックし、献立を考えることにした。

(ジャガイモに豚肉と人参ともやし)

もやしは除いて、今夜は定番のカレーにしようかなと辺りを見渡すが、カレーのル―らしき物は見つからない。

「ねー、カレールーは?」
「あー、そういや切らしてたな」

これではカレーは作れない。
どうしようかと少し美琴は考えた。
この材料でできる物、且つ家庭的であの馬鹿の気を引けるもの……

(あ、肉じゃが!)

さっそくジャガイモと人参を冷蔵庫から取り出すと、洗ったマナ板に乗せ、包丁で一口サイズに切っていく。

(それから野菜を茹でて……茹でて……)

学園都市に来てからも帰省した時などにママに作ってもらったりしたので肉じゃがを食べたことがないわけではないのだが……。

(………………)
「どうしたんだ御坂?」

動きの止まった美琴に気づいてこの馬鹿も台所に入って来た。
今さら肉じゃがの作り方を知らないなど。
フォアグラのソテーとかならわかるのに。

「……もしかして、作れないのか?」

しょうがないので美琴をコクリと、無言で一度だけ首を縦に振った。
この馬鹿ははぁーっとため息をついて。

「しょうがねーな。教えてやるから一緒に作ろうぜ」
「え、あ……うん」

とりあえず、結果オーライ?




上条が手伝ったとはいえ、美琴の腕前は上々だった。
さすがは美琴。包丁捌きは華麗で人参や玉ねぎも食べやすく、均等のサイズに切り分けられていた。
自分のより美味かった。と上条は素直に思った。
上条が教えた作り方。上条家の肉じゃが。また食べたいなと思う自分がいることに気づいて、首をフルフルと横に振った。

(何考えてんだよ俺は……あーでもなー)

生姜焼きにもやしを使った野菜炒め。まだまだ教えたいことがある。美琴に料理を作ってもらいたい。
そんな思いを拭えきれず、ベッドに置いてある枕を掴み取り、頭を突っ込んで足をバタバタさせる。

「……何やってるの?とうま」
「…………忘れてくれ」

嫌々ながら頭を上げると、インデックスはバスタオルを持っていた。
夕食が終って、今は美琴が風呂に入っているのだ。出てきてバスタオルがなかったら、この寒い季節、すぐに体が冷えてしまう。

「いいよ。俺が持ってく」
「え、それは」

インデックスが何かを言おうとしたが、上条は意にも介さずにタオルを受け取り、洗面所へと向かう。
そして脱衣所の扉を開けた。
この時、上条はすっかり忘れていた。
彼が今まで生きてきて、何も確認もなく扉を開けたらどうなるか。

「「…………」」

彼女を隠す物は何もない。その光景の全てが、上条の目に焼き付いた。
湯上りで火照った彼女の体は、幼児体型と猫耳も相まって、美しいというよりも可愛いと感じた。
体以上に顔が赤くなっている美琴の額から、バチバチと火花が散っている。

「ア・ン・タはぁぁぁ……いつまで見てるんだごらぁぁぁぁぁ!!!」

放たれた紫電は、タオルを消し炭にしてから、上条の右手に吸い込まれるように消えていった。

「し、失礼しましたー!!」

上条は慌てて脱衣所から出て扉を閉める。
その向こう側からはくしゅん!と美琴がくしゃみをしている。

「あ……タオル」

湯ざめをしてしまったのか。この冬の季節、すぐに体を拭かなければ風邪を引いてしまう。
上条はインデックスにタオルを持ってくるように頼んだ。










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