とある魔術の禁書目録 自作ss保管庫

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匿名ユーザー

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小ネタ




美琴(はぁ、どうして私がこっちの図書館まで)

ウワッ! ズテーン ドサドサ

美琴(騒がしいわね。まったく読書のマナーも守れないなんて……。ん?)

フコウダ...

美琴「何やってんのアンタ。こんなところで」

上条「御坂か? 転んだ拍子に棚の本が崩れて、う、動けねぇ」 

美琴「相変わらずね。手を貸してあげるから、ほら立てる?」



上条「ありがとな、御坂。本の山を戻すのも手伝ってくれて」

美琴「べ、別にいいわよこのくらい。それにしてもアンタが読書ねぇ」

上条「お前こそ、学舎の園の方が近いし蔵書も多いんじゃねぇか」

美琴「ちょっと天敵が居てね。ま、お陰でアンタと会えたしゴニョゴニョ」

上条「? 急にどもってどうしたんだ、聞こえねぇよ」

美琴「な、何でもないっ。それよりどんな本を読んでたの?」



上条「最初は漫画。意外と置いてあるんだよな」

美琴「ああ、手塚○虫とか?」

上条「近頃は肌寒くなってきたけど、空調も効いてて快適だし」

美琴「つまりはただの暇潰しってわけね」

上条「はは、まあ勉強しようって気にはならねぇな。でもそれじゃ勿体無ぇからさ」

美琴「さっき選んだのがこの図鑑? 『四季の山菜』?」



上条「その辺にも食える草が生えてんじゃねぇかなって」

美琴「アンタは……」

上条「無能力者の奨学金は雀の涙で、カミジョーさんには色々事情もあるんですよ」

美琴「いっそ家庭菜園でも作ってみたら?」

上条「それもいいかもな。河川敷とかでこっそり育てて」

美琴「まずはベランダから始めなさいよ」



上条「そっちは何だか危険な気がする。あとやっぱ不足してるのは動物性たんぱく質だな」

美琴「何よ、今度は釣りとか言い出すつもり?」

上条「趣味としてはフツーじゃないですかね。ただ実益を伴うだけで」

美琴「学園都市だったら川釣りかしら。第21学区の方」

上条「海には面してないからな。あそこは学園の水源だっけ?」

美琴「環境保全の一環で放流もされてたはずよ。釣りが解禁されてるかは知らないけど」



上条「ふーん。そんじゃ少し調べて、来週末にでも乗り込んでみますかね」

美琴「本気だったの? てっきり冗談だと思ってた」

上条「まあ半分な。別に釣れなくても、たまにはのんびりするのも悪くないだろ」

美琴「あ、そ、それなら」

上条「ん?」

美琴「私も着いてっちゃダメ、かな。なんて」 モジモジ


上条「別にいいぜ。そうだな、インデックスや土御門も誘って」

美琴「……」 ジッ

上条「……騒ぎ過ぎて釣りにならねぇか。お前も素が出せないだろうし、だったら御坂妹とか」

美琴「……」 ジッ

上条「……ひょっとして、俺と2人きりがいいのか?」

美琴「!」



美琴「えっと、違うっていうか、違わなくもないんだけど」

上条「わかってるって。超能力者はいつも注目されてるもんな。気疲れしない時間が欲しいんだろ」

美琴「……もういいわよ、それで」 ハア

上条「だけどビリビリはやめてくださいね。電気で魚を気絶させる漁法は禁止されてた、はず……?」

美琴「お望みなら、いますぐアンタを水揚げしてあげよっか?」 ビリビリ

上条「ちょっ、御坂さん!? ここ図書館! いつものパターンは……!」



上条「……結局、追い出されちまった。本も借りれてねぇし」 フコウダ

美琴「何よ、アンタが悪いんでしょ!」

上条「はいはい、全部カミジョーさんのせいです」

美琴「またそうやってばかにして……!」

上条「そんなつもりはねぇって。ただの軽口だろ、御坂だってそういう関係を望んでんじゃねーのか」

美琴「……私が?」



上条「冗談言って笑い合える間柄ってやつ。気の置けない友人とか、腐れ縁の悪友みたいな」

美琴(そうだけど、そうじゃない。私の望みは……)

上条「それなのに、いちいちキレられたら、カミジョーさんにも遠慮が入ってしまいますよ」

美琴(むきになるのはアンタが私を……。女の子として意識してくれないから、で)

上条「俺には他意がないって信じてくれよ。御坂のことは頼りにしてるし、頼りにされてると思ってるんだからさ」

美琴(悪意がない代わりに好意もない。素直になれない私も悪いんだけど……)



上条「あの、御坂さん? ちょっと言い過ぎたか。いや別に説教でもなくてだな」

美琴「……何でもない。ところでさっきの約束、まだ有効よね?」

上条「ん? ああ、釣りの話か。俺は行くけど」

美琴「待ち合わせの時間と場所を決めてメールして。お弁当、作ってく」

上条「お、おう」

美琴「恋って結構、辛いのねボソッ」



上条「鯉? 俺は食ったことねぇな。川魚って言ったら鮎とか岩魚だろ」

美琴「ええ、アンタはそうよね」 ハァ

上条「?」

美琴「隠さなくてもバレる心配なんてないんじゃないの。それはそれで問題なんだけど」

上条「なあ、おい」

美琴「だから何でもないっ。ニブい大魚を釣り上げてやるんだから、すっぽかすんじゃないわよ!」

終わり









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