とある魔術の禁書目録 自作ss保管庫

Part15

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大覇星祭こぼれ話 Ⅰ



上条「あー……完っっっっっっ全に開き直ってんな……『Ⅰ』て……」
美琴「まぁ、全何話になるか想像できないもんね」
上条「本編【禁書目録】と外伝【超電磁砲】足して……だもんなぁ……」
美琴「そんじゃま、さくさく行きますか。今回はゲストもたくさんいるのよ。まあ、基本はアンタと私、んでゲスト二人で、ゲストは入れ替わり立ち替わりって形だけど」
上条「ふーん。で、今回は?」
??「はぁい、ぼ・う・や・♪ お姉さんのこと覚えてる? オリアナ=トムソン。職業は運び屋、よ」
上条「……」
美琴「……」
上条「……とりあえずもう一人に入ってもらえばいいよな?」
美琴「……そうね。ツッコミどころは満載だけど話は進めないといけないもんね。で、もう一人は?」
??「私なら最初からここにいるんだよ」
上条「は? その声だともう一人はインデックスなのか? でもどこに?」
オリアナ「坊や、鈍いのは対異性の気持ちに対してだけにしておきなさい。坊やの頭のう・え・♪」
美琴「ちっちゃ!? 何でアンタ【インデックス】、ちっちゃくなってんの!? と言うか気付けよアンタ【上条】も!!」
上条「いやー頭が何か重いとは思ってたけどまさかインデックスが乗ってるとは思わなかった。つか、普通、頭の上って見えないんだから声が聞こえなきゃ気付くわけねーだろ!! むしろ御坂が気付けよ! 正面から俺を見てるんだから!!」
美琴「む……確かに言われてみればそんな気が……」

天の声:ちなみに美琴は上条の顔しか見ていないので頭の上までは注意が行っていない、が真相。おや? 誰か来たようで……

上条「納得してくれたところで、さて、インデックス、事情を説明してくれ」
禁書「決まってるんだよ! なんだか今後、体長15cmでほぼ全裸の隻眼魔神女がとうまの周りをうろちょろしそうだし、だったら私も小さくなってこの場所を誰にも譲らない決意を示した方が良いかも!!」
オリアナ「俗に言う、インデックスたん、というわけね。でもいいのかしら? 小さいままだと坊やと(自主規制)や(自主規制)ができなくなるわよ?」
禁書「はぅっ!! 盲点だったかも!!」
美琴「……っ! ほっほ~う? やっぱアンタはこのちっこいのとイロイロナニかしてるわけ、ね?」
上条「してねーよ! というか、何でお前はナニがカタカナなんだよ!? あとオリアナさん、言葉は選ぼうよ!! そんなんだから歩く18禁って言われんのよ!?」
オリアナ「まあ……私がそんな噂になってたなんて知らなかったわ……普段、日本にいないから……」
禁書「その割には喜んでいるみたいな顔してるかも」
美琴「今回は、どんな風になるかまったく想像できないわ……」


「おおっ、母さん母さん。やはり何度来ても圧倒されるなあ、学園都市っていうのは。子供の頃にクレヨンで描いた世界がそのまま広がっているような気がするよ。これでチューブの中を走る列車とか、空飛ぶスケボーなんかがあると完璧なんだが……」
 そう言ったのは上条刀夜。
「あらあら。私の思い描く近未来には、まだ届いていない気がするのだけど。だって巨大宇宙戦艦や人型兵器が連合とか帝国に分かれて戦ったり赤や青のカラフルなビームが飛んだり宇宙空間なのにピキュンピキュン音が鳴ったりしないでしょう? あと蛍光灯みたいなサーベルも見てみたいのに」
 答えたのは、上条詩菜。


美琴「外から見ると、やっぱこう見えるのかしら?」
上条「まあ、外の世界よりも科学技術が二、三十年進んでいるのが学園都市だしな」
オリアナ「この辺りは私が小さい頃に思い描いた未来世界と違うわね。私が子供の頃、クレヨンで描いたのは、魔法使いの絵がほとんどだったから」
上条(……オリアナにもそんな可愛らしい時代があったんだな……)
オリアナ「坊や、今、私にもそんな可愛らしい時代があったんだ、って考えなかった?」
上条「い、いえ! 決してそんなことは!! オリアナさんは今でも充分可愛いですから! ハイ!!」
オリアナ「あら嬉しいこと言ってくれるじゃない? でも大人の女性に対して『可愛い』はあまり良くないわね……そこは『綺麗』って言ってあげた方が悦ばれるのよ……」
上条「オリアナさん!? 何か字面が違いませんこと!?」
禁書「……短髪、今日は共同戦線を張りたいんだけど?」
美琴「……いいわね。私も今日はそんな気分だから」
上条「!!!!!!!!!!!?!」


「あー、あー。メイド弁当、学園都市名物メイド弁当はいらんかねー」


禁書「とうまとうま! メイド弁当食べたいんだよ! 買って買って買って!!!」
上条「そんな子供みたいに駄々こねるんじゃありません! つーか、買ってったってこれ、過去の映像だし!」
禁書「だって食べたいんだもん! おなかすいたおなかすいた!」
上条「すっぱい焼きそばパンでも食べてなさい!」
美琴「にしても土御門も大変ねー。繚乱家政女学校って、こんな事もするんだ」
上条「ああ、あそこは『真のメイドさんには休息はいらない』って校則があるらしいからな」
オリアナ「でも日本のメイドって、男の性欲を刺激するようにミニスカートとニーソックスの間の太もも…確か専門用語で『絶対領域』と言ったかしら。を強調したデザインで、しかも夜のご奉仕もするんでしょう? 見たところ、この彼女は中学生ぐらいだと思うのだけれど…そんな歳の子にそこまでレベルの高いプレイをさせるなんて、流石はHENTAIの国ね。お姉さんもゾクゾクしてきちゃう」
上条「長々と何言ってんのこの人!? 何でそんなに偏った知識なんだよ!」
美琴「ア、アンタも土御門のお兄さんみたいに、メイド萌えってヤツなの?」
上条「どっからそうなった…いやまぁ、好きか嫌いかなら好きだけど」
美琴「って事は、前回のこぼれ話で見せた私のメイド姿は効果大だった!? これはもう、通販で堕天使エロメイドを買うしか! ……けど私の胸でサイズが合うのはあるかしら……?」
上条「あれあれ!? 何だか急に御坂さんが真剣な顔でくだらない事言い始めたけど、どうした!?」
禁書「とうま! メイド弁当は!?」
上条「メロンパンでも食べてなさい!!!」


「――――っと、うわっ!?」
 集中力を欠いていた刀夜は、うっかり誰かと激突した。
「きゃっ! って、すみませんぶつかっちゃって」
 告げたのは、見た目大学生ぐらいの女性だった。淡い灰色のワイシャツに、薄い生地でできた漆黒の細長いパンツ。デザインはシンプルだが、一目で高級ブランドのにおいを感じさせる一品で――――


上条「前回、使い古された方法とか言ってたけど案外あるんだな」
禁書「何の話なのかな?」
上条「んー? 出会いの話だよ。ほら、食パン咥えて走ってると曲がり角でぶつかる感じのやつ」
禁書「え!? とうま、走りながらでも食パンは食べててもいいの!? 前に食事する時はきちんと座って、って言ってたかも!!」
美琴「ツッコミどころそこ!?」
オリアナ「まぁ、私たちには馴染みのない文化だしね――」


「とき、とき……ないなぁ。常盤台中学というのは、名前がリストに載っていませんね。正式なパンフレットに紹介文が全くないという事は、もしかして一般開放されていないのでは?」
「うわっ! ホントですか。じゃあ美琴のヤツはどこにいるのよーっ! せっかく大学に休学届け出してここまで来たっていうのに!」
 みこと、というのは妹の名前だろうか? と刀夜はガイドブックを適当に考えていたが、不意に女性がズズイと接近してきた。刀夜に肩をぶつけるように、彼の広げているページを覗き込む。
「と、と、と、とき、とき、とき――――うわっ! ホントにないよギャーどうしよう!!」
 ――――無防備な彼女のほっぺが、刀夜の無精ヒゲの生えた頬とぶつかりそうになった。女性の柔らかい髪の毛がわずかに刀夜の耳をくすぐる。その柔らかな髪から、ほのかに甘い匂いがした。


上条「もう伏せる意味が無いから言うけど、俺の親父に寄り添ったのってお前の母親だよな。さすが親子だな」
美琴「まあそうだけど。で、どういう意味?」
上条「お前も、夏休み最後の日に俺の宿題を覗き込んだ時がこんな感じだった」
オリアナ「つ、ま、り、そこのお嬢ちゃんが坊やに思いっきり寄り添ったってことね?」
禁書「!!!!!!!?!」
美琴「ち、違うわよ! 私が興味があったのはコイツのやってた宿題なだけで、コイツに寄り添うとかそういうんじゃないから!!///」
オリアナ「あら残念。ちゃんと自覚していれば坊やとあんなことやこんなことになったかもしれないのに」
上条&美琴「「ならないから!!」」
禁書「と~~~~う~~~~ま~~~~」
上条「はっ! おおおおお落ち着けインデックス!! 本当に疾しいことはなかった――――って、そういや、前の前の前のこぼれ話でこいつは真相を知っているんだったあああああああ!!」
禁書「天誅なんだよ! とうまぁぁぁぁああああああああああ!!」


「あらあら刀夜さん。またですか?」
「か、母さん? ま、またとは何かな?」
 刀夜は慎重に聞き返すと、詩菜は片手を頬に当てて、心の底から悲しそうなため息をついた。しかもその顔からやたら陰影が強調され始めているような気がする。
「もう、刀夜さんったら。道端で女性とぶつかってお知り合いになり、その後の無自覚な言動で良い雰囲気になるだなんて。これで何度目かしら。数える方が馬鹿らしいのかしら。あらあら、あらいやだ。そんなに私を怒らせて、刀夜さんったらマゾなのかしら?」


美琴「さすが親子ね」
上条「どういう意味!?」
禁書「とうまのお母さんのセリフがすべてを物語っているんだよ。天然ジゴロの血脈は余すところなくとうまに受け継がれているかも」
オリアナ「さて、将来、坊やのお母さんと同じ思いをする女性ってどこのどちらさんなのかしら」
美琴「……歴史は繰り返すってわけか……」
禁書「……あり得ない話じゃないかも……」
上条「え!? なんで二人とも陰影が強調されて千円札や五千円札に描かれた肖像画もびっくりの迫力を見せてんの!?」
オリアナ「……どうやら本当に将来同じことが起こりそうね……」


 ――――人混みの向こうに、見知った我が子のツンツン頭が見える。彼は大覇星祭の参加者であるため、当然ながら半袖短パンの体操服だ。その隣には、彼とは違ってランニングに短パンの、本格的な陸上競技用ユニフォームを着た女の子がいた。


オリアナ「ねえ坊や。ちょっと教えてほしいんだけど」
上条「何ですか?」
オリアナ「この二人って坊やとそこのお嬢ちゃんだけど、お嬢ちゃんと坊やって学校は違うし、高校と中学の違いもあるわよね?」
上条「まあそうですね」
オリアナ「だったら、どうしてこの場で二人で歩いていたのかしら? その経緯にお姉さん、興味が湧いちゃう」
上条「ええっと……ええっと……何でだっけ?」
美琴「んーと、んーと……さあ? 気付いたら一緒にいた、みたいな?」
オリアナ「…………とりあえず、ある意味、鈍感で無自覚なのは坊やだけじゃないってことだけは分かったわ」
禁書「…………これは安心材料なのかな? 不安材料なのかな?」
上条&美琴「「?」」


「ねぇねぇ、結局アンタって赤組と白組のどっちなの?」
「あん? 赤だけど。なに、もしかして御坂も赤組か」
「そ、そうよ」
「おおっ、そっかー赤組か。ならお互い頑張らないとなー」
「じゃあ、あ、赤組のメンバーで合同の競技とかあったら―――」


美琴「そんなふうに考えていた時期が私にもありました」
オリアナ「あら? どうして遠い目をしているのかしら?」
美琴「この後のこの馬鹿の台詞で分かりますよ……」
禁書「あっ…何となく察したんだよ」


「なんつってな! 実は白組でしたーっ!!」


禁書「あー…やっぱり……」
オリアナ「焦らしプレイ…に見えなくもないけど」
上条「いやぁ。幻想を殺すのが上条さんのお仕事でして」
美琴「この幻想は殺さなくてもいいヤツでしょ!?」
上条「けど、もし本当に俺も赤組だったら、御坂あの後何て言うつもりだったんだ?」
美琴「ふぁえっ!!? そ、そんなのもう忘れたわよ!」
オリアナ「きっとこうね。『合同の競技とかあったらそのまま夜の大覇星祭で貴方の「赤」黒い肉棒から特濃の「ホワイト」ソースを―――』」
美琴「言うかあああああああ!!!!! そんな事おおおおおお!!!///」
禁書「お肉の棒!? 濃いホワイトソース!? とうま、その美味しそうな食べ物はなんなのかな!?」
上条「ナ…ナンデショウネ…?」
オリアナ「そうね……禁書目録は『美味しい』と感じるかもね……ちなみに特濃の『ホワイト』ソースは飲み干すことはできるわ。でも、お肉の棒は口に含んで味わう事はできるけど、食べられないからね」
禁書「えええええええええええ!? 何その『がむ』みたいなの!? お肉も食べたいんだよ!?」
オリアナ「だ、そうだけど――坊や、どうする?」
上条「食べさせねーよ!! そもそも、オリアナとインデックスの会話はかみ合ってないからな! つか、オリアナさん! 何、舌舐めずりしながら説明してんのさ!?」
オリアナ「ところで、お嬢ちゃんは禁書目録と違って私の言っている意味が分かったみたいね? うふ。案外物知りじゃない?」
美琴「――――っ!!(気付かれた!?)」



「――――もしお前に負けるような事があったら罰ゲーム喰らっても良いし! 何でも言う事聞いてやるよ!」
「い、言ったわね。ようし乗った。……何でも、ね。ようし」
「――――その代わり、お前も負けたらちゃんと罰ゲームだからな」
「なっ。そ、それって、つまり、な、何でも言う事を……


禁書「ん? 今、何でもするって言ったよね?」
上条「……誰かが言うネタだとは思ったが、まさかインデックスの口から出てくるとはな」
禁書「…? 何の事?」
上条(あ、元ネタを知らずに、ナチュラルに言ったのか)
禁書「まぁいいや。それよりとうま! 何でもとか、どういう意味なのかな!?」
上条「『どういう意味』って、どういう意味よ?」
オリアナ「つまり彼女は、『坊やが勝ったら何をしてもらうつもりだったのか』って事が聞きたいんじゃないかしら?」
美琴(っ! そ、それは私も知りたい!)
上条「あー…別にこれと言って決めてなかったなぁ……メシ奢ってくれとか、そんな所じゃないか? まぁ、結局負けちまった訳だけど」
美琴「え…そ、その程度…?」
オリアナ「な~んだ。お姉さんガッカリ。もっとこう、お前の身体で俺の―――」
上条「いや、もういいから! アンタ、口を開けば猥談しか無ぇのかよ!」
禁書「…ちょっとホッとしたかも。やっぱりとうまはとうまなんだね」
上条「何だい何だい皆して! じゃあアレかい!? ご褒美のチュウでも要求した方が良かったってのかい!?」
美琴「チュ、チュチュチュチュウウウウウゥゥゥゥ!!!?///」
上条「ホラ! ミコっちゃんだって、真っ赤になって嫌がってるじゃないですか! ちくしょう、ちょっとショックだよ!」
オリアナ「お姉さんには、嫌がっているようには見えないんだけど…」
禁書「……やっぱりとうまはとうまなんだね…」


上条詩菜はほっぺに片手を当てて、
「あらあら。……言葉を巧みに操り、年端もいかない女の子にあんな無茶な要求を通させてしまうとは、一体どこのどなたに似てしまったのかしら。あらいやだ、母さん学生時代を思い出しちゃいそう」
 上条刀夜はズドーン、とショックを受けた顔で、
「そ、そんな女子中学生に対して勝ったら罰ゲームで何でも言う事を聞かせるだなんて、一体どんなご命令を飛ばす気なんだ当麻ーっ!!」
 彼の隣にいた女性(御坂美鈴)は、
『こいつらの影響なのか。ま、後で美琴には話を聞くとして、若いっていうか青いわねー……』という顔でため息をつくと、片手をおでこに当てた。


禁書「どう考えてもとうまは完全無欠にお父さん似なんだよ」
美琴「異議なし」
上条「お前らが俺をどういう目で見ているのか、よーく分かった」
オリアナ「ところで坊や。もう一度話を戻すけど、これってもし、坊やが勝ってたらお嬢ちゃんにナニを要求するつもりだったの? やっぱり(自主規制)とか(自主規制)とか?」
美琴「!!!!!!?!///」
禁書「!!!!!?!!///」
上条「直球だと字面で表現できないから自主規制がかかった単語を何でさらっと言いやがりますかこの人は!! しかもナニがカタカナだし!!」


 御坂美琴は学生用応援席にいた。
 ――――上条達の競技を最後まで観ているのは割と危険なのだが、どうも気になって、美琴は気がつけばここにいた。


上条「ここからは俺の学校の棒倒しのシーンだな。(吹寄の濡れ透け事件が飛ばされて良かった。本当に良かった)」
オリアナ「棒は倒すモノじゃなくて、むしろ勃たせるモノじゃない?」
上条「お願いあなたもう喋らないで!!!」
美琴(な、慣れないわぁ……この人の下ネタ……///)
上条「ったく……あー、つーか御坂、俺のクラスの試合観に来てたんだな。ありがとな」
美琴「っ! べべべ、別にアンタの応援とか、そんなんじゃないからっ! た、ただその…罰ゲームの約束した手前、負ける訳にはいかないから敵情視察しただけだし!!?」
禁書「短髪…目が泳いでるんだよ……」
オリアナ「ふふっ。可愛らしい反応ね。お姉さん思わず、食べたくなってきちゃうじゃない。性的な意味で」
美琴「ちょ、や、止めてよ! そういうのは黒子だけで手一杯なんだから!」
オリアナ「あらそう? 残念。じゃあお嬢ちゃんを(性的に)食べるのは、坊やに譲るわ」
美琴「えええええええっ!!!? 何言ってんの!!? ねぇ何言ってんのおおおおおおっ!!!?///」
禁書「むー…いくらお腹がすいても、私は短髪を(物理的に)食べようとは思わないんだよ」
上条「さてと、どこからツッコんだものか……」
オリアナ「ほら、坊やも『突っ込む』気満々みたいだし」
美琴「ええええええええええええっ!!!? い、いいい、今ここでっ!!!?///」
上条「ああもう、次から次へと!!」


(ウチの学校に勝てるはずはないと思うんだけどねー……)
 美琴はこっそりと息を吐く。――――(常盤台中学は)去年の大覇星祭では屈辱の二位だったが、その時の優勝校は、やはり常盤台中学と同じ五本指の一つ、「長点上機学園」だ。結局、本当の意味での首位争いは、例年この『五本指』の中で行われる。
 ――――学園都市の人間なら誰もが知っていそうな事だが、どうしてこんな無謀な勝負をけしかけてきたんだろう? と美琴は今でも首をひねる。ひねってから、あの馬鹿なら意図なんて何もなさそうだ、と思考が続く。


美琴「ですよねー。いくらアンタが記憶喪失でも、『知識』は残ってたんだし、知ってたはずなんだけどねー」
上条「ぐ……記憶喪失の所為にするのを先に防がれてしまうとは……」
オリアナ「なるほど。実は坊やは真正のMだったってことね」
上条「は?」
オリアナ「つまり、最初から勝ち目のない勝負を挑んで、そこのお嬢ちゃんに『何でも命令されること』が目的だったてこと。うふん。なんだかお姉さん、このお嬢ちゃんと立場代わってあげたくなってきちゃった」
上条「んなわけねえだろ!! てか、オリアナさん! 俺に何したいわけ!?」
オリアナ「何、って……ナニ、でしょ……? 大丈夫、お姉さんがリードしてあげるから……」
上条「そ、それは是非!! って、はっ!!」
美琴&禁書「「死ねええええええええええええええええええ!! このスケコマシいいいいいいいいいいいいいいいいいい!!」」


彼女のために、何度でも歯を食いしばって立ち上がってくれた、あの姿を見せて。
(……、)
 美琴はほんの少しだけ思考を空白にした後、
(ああ、やだやだ! 何を唐突に照れてんのよ私!!)


美琴「にゃあああああ!!! 見るな見るな見るなあああああ!!!///」
オリアナ「本当に可愛い反応するのね。ウブな子っていうのも、悪くないわ」
上条「まぁ…確かに可愛いな」
美琴「えっ!!?///」
禁書「っ!!? と、とうま!?」
上条(けど、何で美琴は照れだしたんだ? しかも俺の事を思い出して……)


「……お、お腹、減った……」
「今ここで弁当食った直後じゃないのアンタ!?」


美琴「アンタ、お腹いっぱいな時って無いの!?」
上条「いいぞミコっちゃん! もっと言ったれ!」
禁書「とうまも短髪も何を言っているのかな? 人は…ううん、この世に生きとし生けるもの全て、何かを食べる事で生かされているんだよ?」
上条「何も食うなとは言ってねーよ! 食いすぎるなっつってんだよ!」
禁書「じゃあとうまは、私が餓死してもいいのかな!?」
上条「いや、だからさぁ! 栄養摂取は適度にだなぁっ!」
禁書「うるちゃいうるちゃいうるちゃい!」
上条「今更そのネタぶっ込んできた!?」
オリアナ「先に進んでもいいのかしら?」
美琴「……いいんじゃないですか?」


『おうおう姉ちゃん。ウチのもんが手ぇ焼かせたな。ん? ……なんか変な感じがするぞ?』


上条「スフィンクス…普段こんな事思ってんのか…?」
オリアナ「何だかとっても、オジサマくさいネコちゃんね」
禁書「私はスフィンクスの考えが聞けて、嬉しいかも♪」
美琴「可愛い…」
上条「……可愛いか?」
???「やれやれ。こんなところにシ○○セ○みたいな猫がいるとはな……」
??「そう」
???「びっくりですぅ」
??「しかも、同じオスの三毛猫ですよ。これはまた珍しい偶然ですね。ひょっとして世界中のオスの三毛猫は喋ることができるようになったのでしょうか。○宮さんの力で」
上条「……………………あんたたち誰?」


「ねぇアンタ。今日アイツと会った? 何か様子とか変わってなかった?」
「ん? アイツって、とうまの事? とうまは別にいつも通りだったけど……」
 いつも一緒にいんのかよ、と美琴は思わずツッコミかけたが――――


美琴「……実際、どれくらいの頻度で一緒にいるの…?」
上条「俺とインデックスか? 頻度って言われても、そもそも一緒に住んでるからなぁ…」
美琴「…あっそ」
上条「…美琴さん? 何だか不機嫌?」
美琴「べーつーにー!?」
禁書「ふふん♪」
美琴「あー、くそ! そのドヤ顔、ムカつく!」
オリアナ「でも、一緒に暮らしていて何も『事故』が起きないの? それって女性として見られていないんじゃないかしら」
禁書「ガガントス!!!」
美琴「ふふん♪」
禁書「むぅ! その勝ち誇ったような顔が腹立つんだよ!」
上条「…何の話? まぁ、美琴の機嫌が直ったから、とりあえずはいいけど」


(だとすると、やっぱりウチの学校が勝っちゃうけど……あれ。勝っちゃったらどうしよう?)
 美琴は少し考え、それからブンブンブン!! と勢いよく首を横に振った。


オリアナ「あら? お嬢ちゃんったら、もしかして(禁則事項)してもらうとか(禁則事項)させようとか考えたのかしら?」
美琴「って、何ですかそのツッコミ!?/// ここは『あら? お嬢ちゃんったらどんな命令を考えたのかしら?』ってツッコミが正しいでしょ!? 最初から核心を付いてくるツッコミっておかしくない!?」
オリアナ「あら? ということは、お嬢ちゃんはこの時、本当に(禁則事項)とか(禁則事項)とか考えたってことかしら?」
美琴「はうっ!!///」
禁書「ねーねー、とうま。短髪とオリアナは何を言ってるのかな? どういうわけか私の耳には一連の会話で(禁則事項)部分が聞こえないんだよ」
上条「聞こえなくて結構。(つーか、御坂も案外、ヤラしいことを考えてる時ってあるんだな)」


「短髪はここで何してるの?」
「あん? な、何って、別に私は……」
「とうまの応援?」
「なっ、ば、いきなり何言ってんのよ。何で私があんなヤツの応援なんかしなくちゃならない訳?」


オリアナ「だったら何しに来たのかしら?」
美琴「だっ、だだ、だからさっきも言ったでしょ!? て、敵情視察よ敵情視察! それ以上でも以下でもないんだから!」
上条「え~? ホントに応援じゃないのかよ…」
美琴「……な、何? アンタ、私に応援されたら嬉しいの?」
上条「そりゃそうだろう。可愛い女の子から黄色い声援を受けて、嫌な気持ちになる男なんていな……あれ? 御坂?」
美琴「………ぷしゅー…///」
オリアナ「普段のムチからの、いいタイミングでアメ……坊や、あなた本当に天然なの?」
上条「へ?」
禁書「むー…何だか面白くないんだよ!」


(……一体何なのよあの覚悟!? アイツ、こんなトコでなんて無駄なカリスマ性を発揮してんの! ま、まさかマジで勝ちに行く気な訳!? アンタ私に勝って罰ゲームで何を要求する気なのよーっ!?)


禁書「……と~う~ま~…?」
上条「い、いや違うぞ!? カットされてるから分かりにくいかも知れないが、小萌先生の事とか色々あって、この戦いは絶対に負けられない理由があってだな!」
オリアナ「それを差し引いても気合が入ってるじゃない? お姉さんが思うに、他の理由もあったんじゃないかしら」
上条「な、何だよ他の理由って……いや! やっぱ言わんでいい!」
オリアナ「それは勿論、その子の身体をじっくりねっとりと―――」
上条「言わんでいいっちゅーにっ!!!」
美琴「………///」
オリアナ「…坊や、ウブなのも可愛いけど、男はある程度ガツガツしてないと駄目よ? そんなんだから日本の男子は草食なんて言われちゃうんだから。何だったらお姉さんが教えてあげようか? 確かこの国には48手っていう体位が―――」
上条「いらないよ! てか、アンタが肉食すぎるんだよ!」
禁書「とうま? 48手って何―――」
上条「キン肉マンに出てくる48の殺人技の事だよ! ああ、そうさ! きっとそうさ!」
禁書「キン肉マン………とうま。何だか牛丼が食べたくなってきたかも」
オリアナ「もう…仕方ないわね。じゃあ坊やに寝技(意味深)を教えるのは、お嬢ちゃんに任せるわ」(美琴の肩にポンと手を乗せる)
美琴「黙ってたのに急に話を振られた!!? て、ててててか、わ、わわ、私とこの馬鹿はそんな関係じゃないからっ!!!///」


上条「さて、と。今回はここまでか」
美琴「冒頭にも言ったけど、今回は長くする気満々よね」
オリアナ「それだけ坊やとお嬢ちゃんのオイシイシーンがたくさん、ってことでしょ」
美琴「そ、そんなんじゃないから!!///」
禁書「がるるるるるるるるるる!! まったく! とうまはまったく!!」
上条「おおおおおお落ち着け! 落ち着くんだ! 落ち着いてくださいインデックスさん!! あと地団駄踏むな! 髪の毛むしるな!!」
禁書「うるちゃいうるちゃいうるちゃい! いつもと違って噛みつけないから仕方ないんだよ!! とうまの馬鹿馬鹿馬鹿馬鹿馬鹿! 抜いちゃえ! 抜いちゃえ! 禿げちゃえ!! 禿げちゃえ!!」
オリアナ「さて、と。じゃあ私たちは帰るわよ禁書目録」ヒョイ
禁書「って、えええええええ!? 私も退席なの!? 何で!? 今回の話って私も結構出番あるんだよ!?」
オリアナ「心配いらないわ。禁書目録は後からまた呼ばれるってスケジュールに書いてあるから。私は――――さて、どうかしら?」
上条(……意味深だな)
美琴(……また来るのかしら?)
禁書「ううう……じゃあ、とうま! 短髪と変なことしてたら許さないかも!!」
上条「しねーよ! つか、何でトーク番組で変なことになる要素があるんだよ!」
禁書「そんなの分かんないんだよ! とうまはとうまでとうまだもん!!」
オリアナ「それじゃ、坊や、お嬢ちゃん。じゃあねぇ~~~」
美琴「あーうん」
オリアナ「ふふ。結構面白かった」

◆   ◇   ◆   ◇   ◆   ◇   ◆   ◇   ◆   ◇   ◆   ◇

上条「次のゲストが来るまでもうちょっとかかるってか?」
美琴「少しだけ遅れてるみたいね。まあ、もうスタジオには入っているみたいだし、もうすぐ来るでしょ。んじゃ、ちょっとだけ二人だけで次回予告でもどう?」
上条「まあ、いいか。で、次回はどこまでの予定?」
美琴「ん~~~そうね。魔術師絡みの事件はばっさりカットで、私たちの絡みのシーンだから……借り物競走と玉入れ? かしら」
上条「……何か身も蓋もない言い方だな。土御門やステイルが可哀想だ」
??「どうやら、ここのようね」
??「あら? 貴女もこちらのスタジオに用事がおありで?」
??「ん? あなたもなの?」
??「ええ。わたくしもこの時間に呼ばれましたものでして」
上条「…………」
美琴「あ、どうやら着いたみたいね。一人は黒子か。あれ? でも、もう一人は聞き覚えがあるようなないような――――」
上条「………………………この声って……まさか…………!」
白井「ごめん遊ばせ。少々遅れましたわ」
??「お邪魔しまーす」
上条「ふ、吹寄整理さん!? 今度のゲストって白井とお前なの!?」
吹寄「む! 何その言い方! まるであたしが来るのはそんなに困ることなのかしら上条当麻!!」
美琴「……『また』知らない女……ほっほ~う……」
白井「相変わらず節操のないお猿さんですこと。本能の赴くままに生きていらっしゃる証拠でしょうか」
上条「ま、まて! 吹寄は俺のクラスメイトで何かと俺を目の仇にしている奴なんだよ! だから落ち着いてください御坂さん!! 白井も誤解を招くようなこと言うんじゃない!!」
吹寄「……相変わらずのようね、上条当麻……はぁ……」
美琴(あれ? でもこの人、あんまりアイツに興味無さそう……目の仇ってそのままの意味なのかな?)
白井(あら? でもなんだかこの人、妙に親近感を感じますわ。どういうことですの?)
上条(ああ……なんだか次回はこぼれ話史上最悪の不幸が待ってそうな気がする……ヒシヒシする……)









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