とある魔術の禁書目録 自作ss保管庫

Part44

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匿名ユーザー

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『へ? 好みのタイプ? ……寮の管理人のお姉さん? 』

『うるせーよ、憧れなんですよ。優しい包容力とか母性本能とか!!』

『ん? お前の姉? 確かに優しい包容力と母性本能があるのは認めるし、美人で可愛いと思うよ』

『しかし、お前の姉ちゃん短気で怖いじゃん。もう少し丸くならねーと、嫁の貰い手も見つから……あれ? どちらへ行くのかね、そんな全力疾走で?』

『ハッ!? 後方から殺気!!? お、おう、いつからいたんだい? あぁ、全部聞いてた? じゃあちゃんと褒めたのも……あ、そっちは聞いてなぎゃぶべ!!』




システム復旧率4%


空が少しずつ明るくなるころ、
上条宅に侵入者がいた。
その気配に、上条は目覚める。
はっきりしない視界に入ったのは、見知った人物だった。

「御坂……妹?」

「アナタとお姉さまに、お願いがあります……ミサカと、ミサカの妹達を助けてください、とミサカは2人が同じベッドで寝ていることに衝撃を受けながらも、目的をきちんと果たします」



うぇでぃんぐ




日曜の朝は子供アニメの独壇場だ。

最近、インデックスは物に掴まって立てるようになった。
今もソファーに掴まり立っている。
それだけではない。
テレビに映っているゲコ太が踊るリズムに合わせて、ひょこひょこしゃがんだり、立ったりを繰り返す。
上条達が「インデックスダンス」と呼ぶそれを披露している。

その横で同じタイミングで揺れる頭が2つ。
もちろん美琴と御坂妹だ。
3人とも視線がテレビに釘付け。
上条はため息を吐きながら尋ねる。

「御坂妹、お前は何しにきたんだよ? まさかわざわざゲコ太を見にきたんじゃねーだろうな?」

「違います、とミサカはもうそれでいっかなぁと妥協しつつも否定の姿勢は見せておきます」

「じゃあ、いいかげんなにすればいいか教えてくれませんか?」

テレビから目を離さず、そろそろのはずです、と彼女は呟く。
上条と美琴が疑問を感じたとき、玄関のドアが吹き飛んだ。
直したばかりなのに。
そちらに目を向けると、メチャクチャ動揺している一方通行が立っていた。
が、次の瞬間には上条とともに消えていた。
さすが上条、拉致されるプロである。

「な、なんだったの?」

「だぁ、ぱーぱ、あくーた、たゃぁう?」

「駆け落ちです、とミ「え? そ、そんな、当麻が……で、でもあまりに女性に興味を示さないし、わたしが一緒に住んでもなんにも感じてな」いやいや信じんなよ、とミサカは……マジかコイツ」


少しして上条は困っていた。
公園まで拉致されたと思ったら、
拉致した犯人は無言でうなだれたままだ。
なんなんだよ。

「どうしたんだよ? オレがここにいる理由はなんなんだい?」

どいつもこいつも説明能力が無さすぎる。

「……三下ァ」

「?」

「よ、黄泉川がよォ」

「おう」

「ぷ、プロポーズされたんだ」

「へぇ……おめでとう」

「くかきけこかかきくけききこかかきくここくけけけこきくかくきくこくくけくかきくこけくけくきくきこきかかか――ッ!!!!!」

「ま、まてまてまて!! 黒い翼が出てるって!! 落ち着けって!!」


公園に上条の絶叫が響いたとき、
美琴もまた、ビミョーな顔で固まっていた。
ここは、黄泉川宅である。
美琴はインデックスを抱えてソファーに座っていた。
横では10032号が無表情で紅茶を飲み、作り方が下手くそだと酷評している。
で、3人の前では面倒な展開が繰り広げられていた。

「黄泉川の結婚式はどうなるかなぁ? きっとおとぎ話のような素敵なものになると思うの、ってミサカはミサカはどうやったら新郎に毒を飲ませられるか考えながら微笑んでみる」

ちょっと待て後半。

「えー、そんな結婚式ミサカはつまんなーい。
そうだ!! 2人が式場から出た瞬間、お米を投げつけて、その恥ずかしい姿を激写してやる!!」

悪どい顔でライスシャワーの計画をたてる末の妹。
なんだこれ?

「見てわかるとおり、黄泉川さんのご結婚の話が妹達の司令塔と悪意に大きな混乱を与えています。これが他の妹達にまで派生する可能性があるのです。とミサカは説明責任を果たします」

正直なにが問題なのかわからない。

「このままでは、まったく関係のない私達が式場を戦場にしてしまうかもしれません、とミサカは実はやべぇぞと戦慄します」

あ、それはヤバイ。
美琴が納得したとき、玄関から人影が現れる 。
困った顔した上条と、暗い闇を背負った一方通行だ。
ただしその闇はコメディ色が強い。

とはいえ、こんなの相談されたところでどうすればええんや?

そんなとき、救世主現る。
芳川だ。

「さぁ、アナタたち、支度しなさい」

「へ? どこか行くの? ってミサカはミサカは当然の疑問を提示してみる」

「今、愛穂が下見をしている式場よ。祝うにしろ反対するにしろ、相手の顔は見とくべきでしょ!!」

そこからの行動は早かった。
ドタバタと外出の支度を整えた一同は2台のタクシーで出発した。





冷静になって、なんで自分達も着いてきたのだろうと、今更ながら思う上条達なのだった。










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