小ネタ 6048523秒
上条はただただ耐えていた!!
ローマ正教とかグレムリンとかで忙しかった去年。
問題は今年も絶えずやってきたが、それもなんとか乗り越えてきた。
そんな上条が、いま、耐えるしかない状況にあった。
敵は……
「み、御坂……そろ、そろか、んべんしてくれ……」
最近できた彼女、御坂美琴である。
「なにを~?」
いろいろと困難をともにし、
美琴の感情にようやく気づいた鈍感大魔王。
今年の不幸は、半分くらい折ったフラグが原因だったりする。
「な、なにをって、なんで背中にずっと抱きついてるんです?」
住み慣れた寮で胡座をかく上条に、
美琴は後ろから抱きついていた。
まるで猿である。
「抱きつきたいからよ」
インデックスとオティヌスは、
「このままじゃ糖尿病になる!!」
といって外出した。
今頃白井と愚痴の言い合いになってるに違いない。
実はこの3人が一番上条と美琴の幸せを喜んでいたりする。
最大の障害だった数ヵ月前には、本人たちも予想だにしていなかった。
「あ、あの……当たっているんですが?」
おかげさまで休日の昼間から、イチャイチャできる。
「……実はあててたりして」//////
「お、お前、キャラ崩れすぎだろ!!」
「手を出すのはわたしが高校に入ってからなんでしょー? 我慢我慢」
中学卒業までは手をつなぐまで!!
なんて時代錯誤の上条。
彼の悩みは、
「責任を取るならいつでもOK!!」
とおっしゃる彼女のご両親だったりする。
「ほらほらー、彼女の感触を楽しみなさいよー」
「や、やめろぉぉぉぉぉぉぉ」
イケイケに見える美琴だが、
顔面真赤である。
もともとツンデレ分野で著名な美琴先生。
攻めは専門外だ。
しかし、せっかく付き合い始めたのに、彼氏が堅物すぎるのであった。
もっとイチャイチャしたい!!!!
そんなこんなで1週間に1回は積極的になる。
背後に黒髪ロングの後輩の影響力があったりなかったり。
「な、無いように見えるかもしれないけど、わ、わたしだって女の子なんだから……」
因みに、ちゃんと彼氏の右手を握っている。
この脈は自分のなのか、彼氏のなのか。
「じ、重々承知しています……」
後ろの2つの柔らかい感触とかで。
「……手、出しちゃえば?」
オフコースアイキャン!!
なんて叫びそうになるがまてい。
「ま、まだダメ」
耐えれて良かった。
と、思うのは上条だけでなかったりする。
「い、意気地無し………あむっ」
「!!!!????」
首筋をあまがみする美琴。
理性の素材が少しずつガラスに変えられていく。
「……あむ」
「み、みこ……とぉ」
ずいぶん積極的だが、
美琴にとっても想定外。
抱きついてたら首筋が視界にはいった。
そしたら、噛みつきたいと思ってしまったのだ。
本人も理由はわからないのである。
想定外ってなんだっけ??
「……ぷふぁ……き、今日はこのくらいで勘弁しといてやるわ」
そういってようやく離れた美琴。
真赤な顔をどや顔にして堂々と退出した。
出た瞬間その場にしゃがみこんだけども。
「……や、なんとか、しのげた……」
テーブルに突っ伏す上条。
日に日に防御力が低下している。
「……中学卒業まで、あと3ヵ月か……」
そろそろ本能を閉じ込める檻が限界である。
上条が美琴にキスするまで、
あと
6048523秒。