とある魔術の禁書目録 自作ss保管庫

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匿名ユーザー

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小ネタ 上条麻琴の夜




その日、麻琴はおしっこがしたくなり、真夜中に起きてしまったのだが、
そこで彼女は妙な違和感を覚えた。
いつも自分の左隣に当麻【パパ】、右隣に美琴【ママ】がいて、川の字に寝ているのだが、
目が覚めると右隣にママがいなかったのだ。

「……あれ…ママ…?」

寝惚け眼を擦りながら、不思議そうにママを呼ぶ。
すると何故か、パパが寝ている左隣の布団から、「ビクゥッ!!!」という擬音が聞こえてきた。
そして更に、パパが寝ているはずの左隣の布団から、ピョコッとママの顔が飛び出てくる。

「ど、どど、どうしたのかな麻琴ちゃん!?」

ママは冷や汗やら『何かしらの汗』やらをかきながら、麻琴に声をかける。
見ればパパの布団はこんもりと盛り上がっており、ママ一人ではなく、パパもそこにいる事が窺える。
パパの布団なのだからパパが寝ている事は当たり前なのだが、では何故ママまでそこにいるのか。
その理由はきっと、ママが寂しくてパパの布団に潜り込んだからだろう。
純粋な麻琴はそう推理したのだが、同時に、この状況に麻琴はぷくっと頬を膨らませる。

「ママばっかりずるい! まこともパパとママといっしょにねたい!」
「ちょ~~~っ!!! ままま待って麻琴ちゃん! ちょっと待って! ちょっとでいいからっ!」

言いながら、パパの布団に近づく麻琴。しかしこれを、ママが慌てて止めた。
何か、『とんでもなく後ろめたい事』でもあるのだろうか。

「ま、ま、麻琴ちゃんおしっこしたくて起きたんじゃないのっ!!?
 ほら、早くおトイレ行かないと、ねっ!? 朝おもらししちゃったらイヤでしょ!?」
「う~っ…そうだった」

ママの一言により、自分がもよおしている事を思い出す麻琴。
そのまま部屋を出ようとする麻琴に、ママはホッと胸を撫で下した…のだが。

「……くらくてこわいから、ママもきて…?」
「え゛っ!」

まさかの連れション【おさそい】。

「い、いや…今はちょろ~っと無理かな~…?」
「なんでー!? もれちゃうよー!」
「そ、そうね…漏れちゃうのは大変よね……う、うん分かった。じゃあすぐに服着ちゃうから…」
「…? ママ、パジャマ着てないの?」
「はぇっ!!? あっ、いやその…う、薄着健康法っていうのがあってね!?」

よく分からない健康法を披露しているママに、布団に中にいるもう一人の人物が話しかける。

「あの…ママ? こんな生殺し状態で止まってるのって非常にツラいんですが…」
「ちょ、い、今はそれどころじゃないでしょ!? 続きは後で!」
「そんな事言ったって…もう出そうだし…」
「き、気合で止めなさいよっ!」
「無理…我慢できない」
「だから今はそれどころぁん♡ ちょっ!? 動かないでぇんっく♡
 んぁっ、らめ♡ ダメ、らろにぃ♡ あとで、って、んんっ♡ 言っへりゅろ、りぃ♡」

何だかママが変な声を出し始めた。しかも布団はゴソゴソと揺れている。
麻琴が緊急事態だというのに、両輪はプロレスごっこでも始めたと言うのだろうか。
麻琴は内股になり、体はプルプルと震え、必死に尿意を我慢する。

「ママァ…もう、もれちゃうよぉ…!」
「ママも漏れちゃうぅうううっ!!!♡」

大の大人が、布団の中で一体何を漏らすのか。それは今の麻琴には、まだ分からない事だった。










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