とある魔術の禁書目録 自作ss保管庫

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小ネタ the first mother's day




「母さんたち、喜んでくれてよかったな」

日差しがソファーにやさしく降り注ぐ。
温もりに癒されながら、わたくし上条当麻は絶妙な話題をふった。
本日は5月第2日曜日。
母の日だ。
プレゼントは昨日の夜に到着するように、早めに送っている。

「ホント、ママも喜んでたわよ」

微笑むのは、新婚【できたて】ホヤホヤ2年目の愛しの妻、上条美琴だ。
彼女の母である、御坂美鈴さんにも送っている。
とはいえ、内容は美琴がほぼ選んでくれた。
記憶喪失がバレないよう、気を使ってくれたらしい。
大変気のきく自慢の良妻なのだが、
現状ちょっと困っている。

「で、今日の記念日がなにかわかった?」

「わかりません」

「じゃ、まだ抱きしめててねんっ!!」

朝からこれだ。
「今日は記念日ですが、それはなんでしょう!!」
と聞かれ、正直にわからないと答えた。
正解を求めても、「わかるまで秘密」の一点ばりである。
さらに、わかるまで甘えさせろときたもんだ。

「…………あぁ、それは毎日だったな、うん」

「なにが?」

「いやぁ、別に…………で、今日はなんなのさ?」

「秘密ったら秘密、頭なでて」

「はいはい。うーん、ゴーヤの日?」

「わたしたちが祝ってどうする。今日は当麻のご飯が食べたい」

「おし、任せろ…………甘えてくるのも記念日関係あるの?」

「あるのです。今日はわたしをいたわる日なのよん♪」

「だとすると…………松の日?」

「だからなんでわたしたちが祝うんだ!! どこら辺をだとしたのよ!! キスしなさい!!」

「了解です。んっ」

「ん~♥」

「……はい。んでもって降参です」

おでこをコツンとぶつけて敗北の意を伝える。
えへへ、と笑っていた美琴はニヤニヤした顔から、してやったりの顔に変わる。

どちらもかわいい。
めちゃんこかわいい。
すんごくかわいい。
とてつもなくかわいい。

彼女は自分の膝の上から、ソファーの隣に移った。
なぜか正座である。

「正解はねぇ……」

ドラムロールを口で行う妻。
ずっと美琴の顔を見つめる。
幸せである。
ドラムロールが終わった。

「なんと!! 今日は、母の日なのよ!!」

「は?」

そんなことはわかっている。
先週末、一緒に母の日のプレゼントを選んだばかりである。
というか、冒頭でもいっている。
なんでそれを俺たちが祝わないと…………。

「……………………まて…………」

ここにきて、ようやく気づいた。
つい、美琴の二の腕を両側からつかんでしまう。
驚きでもなく、喜びでもなく、

衝撃。

「ほ、ホントか!!?」

「うんっ」

「いつ!!?」

「3日前に。1ヶ月だって」

「…………」

ようやく、感動が全身を駆け巡った。

「で、でね、その、最初の母の日を、い、祝ってもらっても、よよろしいでしょうか?」

いままで隠していた不安な表情を、ようやく見せる美琴。
とりあえず、返事の代わりに全力で抱き締めたあと、長時間キスした。

























「お腹は絶対冷やすなよ!!」

「はーい」

「お酒はしばらく禁止!!」

「それはホント辛いのよね」

「喫煙もダメ!!」

「したとこ見たことある?」

「外出時はオレが絶対付いていく」

「アンタ海外で働いてるでしょーが」

「ダメ!! できるだけうちにいるようにするから!!」

「いやいや、全部はムリでしょ」

「麻琴になにかあったらどうすんだ!!」

「名前がもう決まってるだと!!?」











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