とある魔術の禁書目録 自作ss保管庫

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とあるコンビニ 1



―――舞台は学園都市、第7学区―――
どこにでもある普通の場所、普通の日常。でもその日はちょっと、いや、随分変わった1日だったと感じましたとさ。(完)
 いや、始まって速攻終わるなよ、とかツッコミ入れたい人は心の中にしまっておくれ。
 この話は、あくまでコメディラブを目指したものだ。コメディのほうが多いかもしれないけど、それでもいいか?
 あと、原作の細かい設定と違っててもスルーしてください。

――とあるコンビニ、『近視の極楽(きんしのごくらく)』――
 コンビニ名に特に意味は無い。「禁書目録」は関係してないし、近視の人だけが入店できるぞ、の意味合いも全然含んでない。
 ちなみに今回の地の分を読み上げてるのは、ここのコンビニアルバイト店員(24歳、独身男性)で一人称、俺(おれ)です。ヨロシク。
 たった今、時間は夜11時を回ったところだ。今、店内には俺一人しかいない。まあ学生の割合が多い学園都市のコンビニだから一人でも十分できるんだけどさ。
 ふと思った、彼女欲しいなぁ~~、と。
『ウィーーーン♪♪♪』
 おっと、どなたか客が来たようだ、営業スマイル、営業スマイルっと。

「いらっしゃいませー」(スマイル)
「はあ……不幸だ」
 入ってきて早々、気分暗くなるようなこと言うんじゃねえよ、とツッコんでやりたかった。中肉中背のツンツン頭の高校生みたいだ。
「な、なによアンタ、私と買い物に来たことがそんなに不満なわけ?(////)」
 もう一人いた。女の子だ、しかも服装見る限りあれは常盤台中学っぽいぞ、こんな時間にいいのか、まあいいや。
 とりあえず時間あるし、適当に品出しでもしとこう。
「いやいや、そういう事ではなくてですね……」
「じゃあ、なんなのよ?」
「こんな時間に常盤台中学のお嬢様である御坂センセーと一緒にいる所を土御門や青ピ、(その他大勢)にでも見られようものなら、学校行った際に何をされるか分かったもんじゃありません、というより想像したくもないので上条さんとしては非常に心配なわけですよ」
「想像したくもない、ってアンタ何されるわけ?」
「たぶん、つーか間違いなく男の嫉妬だ。『カミやん、また常盤台のお嬢様とイチャイチャしやがってー』、『カミやん、フラグ立てすぎやでー』とか言って、クラス中から恨み憎しみという名の攻撃を受ける。でもまっ、俺はなんとなく慣れたから良いんだけどさ、お前のほうが嫌だろ?」
「えっ、どうして?」
「だって常盤台が誇る超能力者(レベル5)の第三位、『超電磁砲(レールガン)』の御坂美琴のお相手が俺、なんて噂が広がったらお前が迷惑だろ?」
「なっ、いやあの、その……、わ、わわ私は別に迷惑なんかじゃ、(むしろ噂が広がって欲しいというか、実現してほしいというか、もう将来を誓い合いたいと………か)、ふっ(////)」
「ふっ?」
「ふにゃーーーっ(//////)」ビリビリ
「またかーーー!?」イマジンブレイカー
 ビックリしてしまった。いきなり常盤台の女の子から光が発せられたら誰だって驚くよ。まあ瞬間に隣にいた高校生(カミジョウくんというらしい)が女の子の左手を掴むと、すぐに収まったので店内は無事だ、よかったよかった。俺は品出しをしつつもチラチラと見ながら二人の会話をなんとなく聞いていた(聞こえていた、決して盗み聞きでは無いぞ)。どうやら二人は別に、恋人同士、という関係ではなさそうだ。しかも、女の子はこの学園都市の第三位の超能力者らしい。こんな平凡なコンビニにスゲェお客様が来たもんだ、この店もまだまだ捨てたモンじゃない。まあそれはさておき、女の子の方はカミジョウくんをかなり意識しているようだが、肝心のカミジョウくんはあんまり……。
「わ、悪りぃ、急な事態だったとはいえ、手握っちまったりして、すぐ……(み、御坂の手や、やわらけぇ~、ダメだ意識するな、意識してはイカン)(//////)」
「あっ、ま、待って(/////)」
「……?」
「……その、手、このまま……握ってて…………お願い(/////)」
「あ、ああ……わ、わかった(/////)」
「ま、また電気が垂れ流しになったらいけないから、……し、仕方なくよ、仕方なく(/////)」
「そ、そうだな……仕方ないよな、ははっ(相手は中学生、相手は中学生…)(/////)」
 なんてこった、べらんべい!? カミジョウくんも意識しちまってるじゃねえかよ。俺は別に読心能力なんて無い、だがなんとなく分かる。二人は恋人ではない、が水面下ではたぶん、両想い、だ。どっちかが一歩踏み出せば一気に関係が進むだろう。まあもっと簡単な解釈をすれば、女の子の手を握って緊張してるだけかもしれないが。
「あ、このミルクティー美味しそうね」
「あまり買いすぎるなよ、貧乏学生であるカミジョーさんはそんなにお金なんてありませんよ」
「え、大丈夫よ? ここは私が全部払ってあげるから」
「いやいや、そういう訳にはいかねえよ。可愛い女の子に全額払ってもらうなんて上条さんのプライドが許せません、だからここは俺が払う」(美琴視点、イケメン上条さん)
「か、かかか可愛い……って、ちょっと、そんな急に、ゴニョゴニョ(/////)」
 なんとなく二人の様子を見ていただけだが、俺の心中は荒れている。なんだこのあま~い空間は、付き合い始めたばかりの恋人っぽい雰囲気は。俺自身に恋人がいないから余計にイラッとくるな、おい。コンビニでラブコメかましてんじゃねえよ。おっと、いかん平常心、平常心。

「見て見て、この漫画のこのシーン結構面白いわよ」
「ん、どれのことだ?」(美琴に近づいて覗き込む)
「ほら、ここよ、このシー………(か、顔が、ち、ちち近っ/////)」
「お、ほんとだ確かにおもしれえな」(漫画でニコッ)
「……………(/////////////////)」
 俺は最近、とある電○文庫を読んだがその物語の主人公の決め台詞が好きだ。「その幻想をぶち殺す」。使ってみたい、今すぐに、幻想(店内の二人が醸し出す甘い空間)をぶち殺してやりたい。これは嫉妬ではないと思いたい。せめて女の子だけが片想い中なら恋のキューピット役にでもなってやろうかと考えたが、今は(恋の)切り裂きジャックにでもなりたい気分だ。かといって、タイムスリップしてイギリスに行こうとか考えているわけじゃない。
 というか、もう誰でも良い。俺にこの空気は耐えられん、もう無理、お客さんカモーーーン!!
『ウィーーーン♪♪♪』
 おお、俺の願いが通じた、よっしゃーーー!
「いらっしゃいま………」
「まったく、もう少しタバコを買い溜めしとけばよかったな、やれやれ」
「………せ」
 で、デカイ、190cmは超えてるぞ。ってか、なんだ黒服の神父が赤毛で目元にバーコード、咥えタバコってどこの変人だ、………ちょーまて、タバコって!?
「あ、あのーお客様申し訳ございませんが店内では禁煙となっていますので、タバコは控えていただけますか」
「ん、ああ、そうか、そうだったね。ついクセでね、悪かった、すぐ捨てるよ」
 普段からタバコ吸いながら店利用してんのかよ、この野郎。と、文句は心に。営業スマイルな俺。
「じゃあキミ、え~と、タバコのセブ○スター、マ○ボロ、ラ○ク、マイルド○ブン、ケン○、を売ってくれないか、ああもちろん全部カートン(10箱入り)で」
「か、かしこまりました……」
 なに、どんだけヘビースモーカーなの、コイツ買いすぎだろ!と文句は心に。
「げっ、ステイル。どうしてここに!?」
「やあイマジンブレイカー、その台詞そっくりそのまま返すよ」
 知り合いかよお前ら!?
「ねえアンタ、この人知り合い?」
「わたくし上条当麻としては、できれば知り合いたくなかったが。詳しく詮索しないでくれるとこっちも助かる」
「奇遇だね、僕もキミみたいなのと知り合いたくはなかったよ、……ところで」(チラッ)
「どうした?」
「仲良く手なんか繋いで、デートでもしているのかい?」
「なぁっ、で、ででデートなんて、そん、そんにゃ……(/////)」
「お、おい誤解を招くような事言うんじゃねえよ、御坂が困ってるだろうが!?」
 むしろ、喜んでるよカミジョウくん。
「その誤解を招くような真似をしてるのはキミ達だろう」
「う、うるせえぞ、この腐れエセ神父!」
 おっ、いいぞ二人を茶化したおかげで店内の空気が和らいだ。ナイス、エセ神父。そのままいけーーっ!
 よし、この間にタバコの準備完了っと。
「まあ僕としてはあの子に危険が及ばなければ、キミがどうなろうと別にいいんだけどね」
「いちいちムカつく野郎だな、……まあいいや、で、なんでこんな所にいるんだ? …まさか」
「安心しろ、別にキミが考えているようなことじゃない本当にただの野暮用だよ」
「野暮用ってなんだよ?」
「ただタバコを買いに来ただけさ」
「待てよ、待ちな、つーか待ちやがれこの野郎、の三段活用。お前14歳だよな、なに普通にコンビニでタバコ買おうとしてんだよ!?」
「えっ、14歳、これで!?」
 ぶっ、と俺も吹きそうになった。マジで、アレ14歳、190cm以上もありますよ、けど俺より10歳も年下。つまりタバコ売れねえじゃん。その前に店入ったとき吸ってたよな。あれぇ~?

「いいかステイル、日本には20歳未満の人は『禁酒禁煙』って法律があってだな」
「そんなこと僕には関係ないね」(スタスタ)
 げっ、こっち(レジ)来る。
「キミ、全部でいくらだい?」
「え、え~とお客様、申し訳ありませんが20歳未満の方にタバコの販売は致しておりませんゆえ…(ビクビク)」
「なんだって?」(ギロッ)
「で、ですから………(やめて、睨むのやめて~~!?)」
「やめろよステイル、店員さんも困ってんじゃねえか!」
 おお、カミジョウくん。俺はキミを誤解していた、なんていい奴、まるでどこかの主人公みたいだ。
「……はぁ、まあいいや。じゃあサンドウィッチとコーヒーで」
『ピッ』
「375円になります」(営業スマイル)
「じゃあね上条当麻、僕は帰る。タバコはまた別の場所で買うことにするよ」
「結局買うんかい!?」
 結局買うんかい、ついカミジョウくんとハモってしまった。
「ありがとうございましたー(できればタバコは買わないでね、無理かもしれないけど)」
 エセ神父、赤毛バーコードとか色々疑問に思ったけど、まあまだ良識有りそうな客だったな、とまた次のお客さんが来たよ、営業スマイル。
『ウィーーーン♪♪♪』
「いらっしゃいませー」(スマイル)
「(はぁ、お腹すいた……シャケ弁あるかな?)」
 おっと来られたお客さんはロングヘアの似合う結構綺麗な女の子、いや女性? まあどっちでもいいや。少し見とれてしまいそうだ、いいじゃないか、だって男だもん。まだ本棚のコーナーにいる常盤台の子は『かわいい』でこっちは『美しい』の単語が似合いそうだ。でも何故だろう、このお嬢さんは怒らせたらいけない気がする、なんとなく……、うん、きっとダメだ、俺の本能が告げてる。いや、常盤台の子もダメだけど、こちらはいろんな意味で危険だと思う。
「やっぱり、コンビニじゃあまりいいの置いてないのね」
 コンビニの商品に過度な期待するなよ。どうやら、このお客さんはカミジョウくんたちの知り合いではないらしい。まあ連続で知り合いが来る訳ないか、というかお二人さんさっきよりイイ雰囲気になってますよ。コラコラ、指を絡めて手を握り合うな、顔赤くするんじゃない、同時に目を逸らすな、ああもう初々しいなあコンチクショーーーッ!!
 俺は品出しの最中で掴んでいた手に自然と力が入り、商品を少し握りつぶした。いかんいかん、大事な商品が。
 ん、綺麗なお嬢さんがこっちにやって来る、はてさて?

「ねえ、シャケ弁ないの?」
「えっと、申し訳ありません。お弁当はこちらに置いてあるので全部で在庫は残っていないんです。あと1時間もすれば新しい商品が納品される予定ですけど」
「私、そんな事聞いてないんだけど、……もう一回聞くわ、シャケ弁はあ・る・の?」
「い、あの、だから………(こえぇ~~~!?)」
「ねえ、店員さん……学園都市の第四位、『原子崩し(メルトダウナー)』って……知ってる?」
 え、なにシャケ弁どうかだよな? あれ第四位、めるとだうなー、ヤンデレ、チョットマッテこれって脅しってやつでは、あっれぇ~~? もしかして、もしかしなくても俺大ピンチ!?『激録!夜のコンビニ店員に迫る危機』の目前ですよ、ぎゃーー!?
「ねえ、あなた」(ガシッ)
「あぁっ? なによ、っつか誰?」(ギロリ)
「私が誰かなんてどうだっていいでしょ、ところで何してんのよ?」
「何してようが、テメェには関係ないよね。邪魔だからどっかいってなー」
「ええ確かに私には関係ないわ。でもね、関係ないからって理由で黙って見過ごせる性格も生憎と持ち合わせてないのよね」
「ハハッ、なに正義の味方気取り? 善人ぶってんじゃねえよクソ野郎」
「別に善人ぶるつもりは無いわ、私はただ、アンタみたいなのがむかつくだけだから」
「……学園都市の超能力者(レベル5)第四位、『原子崩し(メルトダウナー)』の使い手、麦野沈利(むぎのしずり)っていうらしいんだけど………知ってるかしら?」
「聞いたことはあるけど、別にどうだっていいわよ……そんな事」
「「……………………………………………………」」
 俺完全にスルーされてね? そんな事より、うおぁっ、自分の事を「そんな」扱いした自分が情けない。でも落ち着こう、はい深呼吸、スーハー。じゃなくて今まさに学園都市レベル5の第三位と第四位が睨み合ってピリピリしてるんだよね、一触即発ってやつだ、またしても俺ヤバクネ? ここら一帯もヤバイね。………たすけて、かーみー(じょう)さーまー!!!!
「おい、ちょっと待てよ二人とも」
「あぁっ?」
「えーと、ほらこれお前にやるよ」
「ちょっと、どうしてアンタがそんな?」
「シャケ弁……と、お茶? なんで?」(ヤンデレ解除)
「実は最後の1つだけあった戦利品だから、上条さん的には非常にラッキーとか思ったんだけど、まあ目の前で店員さんに喰らい付いてまであんなにシャケ弁食べたがってる綺麗(だった)な女の子がいたら、この紳士たる上条さんの良心が痛んでしまいましてね。……それに、お前それ(シャケ弁)欲しいんだろ、だったらやるよ」(上条スマイル炸裂)
「……………(//////////)」(ドキッ)←麦野
「……………(ブチッ!!??)」←美琴
 あれ、今なんか乙女チックな音となんかが切れる音が聞こえたような、幻聴か?疲れてんのかな俺。
「あ、ついでにそのお茶はこの貧乏学生たる上条さんお勧めの商品だ、安くて・美味い、お弁当のお供に是非どうぞ、ってことで」
『ピッ』
「会計、478円になります」(営業スマイル)
 どんなことがあっても基本は笑顔、ヤンデレだって恐くないぜ、よく頑張った俺、でもお嬢さんはそっけない。
「あの……わたし、麦野沈利。よろしくね(/////)」
「あ、ああ……え~と、上条とぉぉうっつ!?」(美琴に背中つねられた)
「………(ジーーーッ)」
「ありがとうございましたー」
 これからは毎日シャケ弁の在庫は確保しておくように店長に伝えておくよ、麦のん。シャケ弁ないだけで店潰されたら俺も困る。でもまあ、カミジョウくん(たち)と知り合いになれて良かったじゃないか、麦のん。コンビニは色々な人が来るんだから多少のアクシデントが起こるくらいが丁度いい。ところで、あの二人は何話してるんだ?

「御坂、お前なんで自分から揉め事に首突っ込んだりするんだよ?」
「なっ、べ、別にいいじゃないああいうのほっとけない性格だし(////)」
「まったく、何にでもすぐ首を突っ込みたがる電撃ビリビリお姫様はいったい誰の影響を受けたんだか?」
「ほんと、……いったい誰の影響を受けたのかしらね?(クスッ)」
「あん、なに笑ってんだよ?」
「私だってなにも最初から厄介事に突入したくなる性分なんてなかったわよ。自分の目の前に置かれたハードルは絶対に飛び越えよう、って努力しようとは思うけどそれとは話が別ってこと……」
「すいません上条さんは、おつむがあまりよろしくないので理解できないんでせうが?」
「要するに、人生において、個人の人格を形成していくのはその人の近くにいる人物の在り方、生き方、考え方が大きく影響される、ってことよ」
「……つまり、お前の場合は家族や後輩の白井による影響が大きい、ってことか?」
「半分正解、――――でもないわね、その答えだと良くても、正解率10~30%、ってとこかしら」
「げっ、それでたったの10~30%かよ、おいおい偉大なる御坂センセーはいったい全体どれだけ多くの人と関わってるんだ。いや、この場合はどんなレベルの能力者たちと、かな? まさか学園都市にとどまることなく、世界中の人々と…、うがー、そんなの上条さんの頭脳では想像もつかねぇええええええ!?」
「ち、違うってば、そんな壮大なスケールじゃないわよ」
「……と、言いますと?」
「世界とか能力者たちとか、全然関係なくて、残り全部の正解率を占めるのはもっと単純な答えだってこと」
「……で、その答えは結局、何なんでせうか?」
「だーかーらー………(スーハー)」←深呼吸
「…………………???????…………………」


「残りの正解率を占める答えはアンタ、上条当麻。わたし、御坂美琴に一番の影響力を与えてくれる、原動力とも呼べる存在が上条当麻、ってことよ!」(とびっきりの笑顔)


「………………………………………………………………」
「………………………………(あれ???)……………」
「………………(///////////)」
「……………(え、ち、ちょちょ、ちょっと待って)(///////)」
「……………(//////)」
「…………(わ、わわ、わた、私なに言っちゃって)(/////)」
「………あー……その(/////)」
「………(い、いい今の実質的に、あ、ああ、愛の告白、なん、にゃんじゃ~)(/////)」
「なんというか、俺としてはすごく嬉しい……けど、こうやって面と向かって言われると、その………正直、恥ずかしい、つーか照れるんだけど(////)」
「ご、ごめん……い、い、今のナシ。…う、うう、ウソよ(////)」
「あのー、今のを冗談と言われると喜んでしまった上条さんとしても結構落ち込むんですが」
「あ、ああ……そ、そそ、そうじゃなくてウソや冗談じゃにゃく、なくてさっきの話は正真正銘、わ、わわた、私の本心であって、………でも、その、あの、えーっと………(/////)」
「御坂、呂律が回ってないぞ。とりあえず落ち着け、いやお願いだから落ち着いてくださいませ美琴お嬢様」
「!?…………ふ、ふにゃ……」
「……これはもしかして?」
「にゃにゃにゃ~~~~(//////)」ビリビリ
「やっぱりかチクショーーーッ!? おまけになんで猫風だーーー!?」イマジンブレイカー
 あー、俺はただのコンビニ店員(24歳、独身)だ。ところで皆様は、空気主人公、空気ヒロイン、空気王などという単語を聞いたことはあるか? 物語に登場はしているものの、ストーリー上においてほとんど関連性がなく、目立った見せ場などのない、いわば影の薄い人物たちのことだ。
 端的に言わせてもらう、俺の今の立場がまさにソレだ。向こうは気づいていない(そもそも、気にする余裕がない)かもしれないが、さっきのカミジョウくんたちのやり取りの一部始終を俺は見ている(だってコンビニエンスストア店内だもん)。ここはコンビニ店員としてではなく俺個人の感想として言ってやりたい。「テメェらいい加減にヤメレ」、さっきの台詞、確かに言った本人と言われた当人はかなり恥ずかしいだろう、けど、目の前でそんなやり取りを目撃してしまった全く赤の他人である俺がいっちばん恥ずかしいんだよ、クソッたれーーーーーッ!!
 まずい、かなりマズイよ。またしても店内に甘い空気が充満しつつある。『私たちの愛しい時間を盗み見てんじゃないわよ』的な雰囲気に耐えられん、もうこの際、通行人A、Bでも酔っ払いオヤジでも誰でもいいから、お客様ヘルプミー!!
『ウィーーーン♪♪♪』
「いらっしゃいませー」(営業スマイル)
 よっしゃきたー、天は俺を見放さなかった。ありがとう神様、ありがとうお客様。さてさて、いったい誰なのやら?


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