―ビリビリチョコレートアタック― 2
PM 3:53
「だ~か~ら~離せって言ってんだろ!!」
「い~や、離さないにゃ~」
「は~な~せ~」
「いやや~絶対に離さないんよ」
(えと…あれは確か…アイツの友達?だっけ?)
美琴が見たのは上条が青髪&土御門に拘束されている姿だった。
「だからなぁカミやん…質問に答えてくれさえすればいいんよ。」
「い・や・だー!!またそうやって聞いた変な質問の答えを吹寄に言ったりするんだ~!」
「そんな事しないにゃ~」
「くっ(絶対に言いそうだ…)」
「はいはい質問!カミやん、カミやんはチョコ貰う予定あるん?」
「は?」
「とぼけても無駄だぜい、カミやん。もう裏はとれてるんだぜよ。」
「そうそう、どうせまた、たくさんの女性から貰うんやろ?」
「いや、何の話?」
「「これだからカミやんは…」」
「?」
「カミやん、わいが聞いた情報やと姫神はんと吹寄はんは用意してるらしいで?」
「?」
「くっ(殺してやりたいわ~)」
「にゃ~カミやん。嘘はいかんぜよ。俺が聞いた話によると五和やねーちんも用意してるらしいぜい。」
「?」
「にゃ~(殺したいにゃ~)」
「だから何の話?」
「「バレンタインのチョコに決まってる(にゃ~)だろ!!」」
「は?俺が?あはははははははははははは。貰えるわけないだろ。吹寄や姫神だって義理だろうし。」
(プチッ)
何かが切れる音がした…
「「殺す…」」
「!?」
「「カミやぁぁぁぁぁぁぁぁぁぁぁぁん!!」」
「おおおおおおおお!?」
上条が逃げる。青髪、土御門が追う。
「不幸だああああああああああああ!!」
(何やってんのよ。あのバカ…)
またも上条に聞く事が出来なかった美琴は帰路に着いた。
PM 9:26
「はぁ…(またアイツに聞けなかったなぁ。どうしよう…
14日には渡すから、あと3日かぁ…)」
「なんですの?お姉さま…その溜息は?」
「えっ、いや、な、何でもないわよ!」
「ならよろしいんですが…(何でしょうこの悪寒は…)」
(黒子にはバレれないようにしないと…)
「(ゲコゲコゲコゲコ)」
(あれ?メールだ。誰からだろう?まさかアイツから!?ないない!でも今日アイツと会ってないし…アイツが気になってメールしてくれた…とか?な、なにを考えてるのよ、私は!?え、でもアイツだったらどうしよう。わ、私の事がき、気になるとか!?ないない!)
顔を真っ赤にしつつ黒子に顔が赤いのを気づかれぬよう、意を決して携帯を開く…
2/10/21:30
Flom 土御門 舞夏
件名 やっほ~
(・・・・・・だよね。アイツが私にメールくれるはずないか。)
土御門には悪いがテンションが下がった状態で内容を確認する。
2/10/21:30
Flom 土御門 舞夏
件名 やっほ~
――――――――
なあなあ、みさか。
みさかはチョコあげるヤ
ツに手作りがいいのか、
市販品がいいのかちゃん
と聞いたのか~?
(ビクッ!?)
美琴が肩を震わせる。
(な、何故そのことを舞夏が!?と、とと、とりあえず返信、返信しないと!?)
2/10/21:35
Flom 御坂 美琴
件名 Reやっほ~
――――――――
何の事?
「(ゲコゲコゲコゲコ)」
(き、きた…)
2/10/21:36
Flom 土御門 舞夏
件名 Re2やっほ~
――――――――
とぼけるなよ~
みさかは気づいてないか
も知れないけど、今日の
16時ちょっと前くらいに
声かけたんだぞ~
みさか気づいてくれなか
ったけどブツブツ言って
たのは聞こえたぞ~
※添付ファイル有り
(ん?添付ファイル?なんだろ?)
とメールの内容も気になったが、とりあえず添付ファイルを開いてみることにした。
『マナーモードですが再生しますか』
『はい』『いいえ』
と表示がでたが迷わず『はい』を選択する。
『ザ…てづく…ザザ…アイツ手作りの方がいいのかな。それとも市販品のも買ってどっちが美味しいか聞こうかな。そ、それでアイツが【お前のヤツの方が美味しい】って言ってくれたりし』
「(!?)」
ファイルの危険性に気付いた美琴は慌てて再生を止めた。
(き、気がつかなかった!てか録音10分弱って何!?まだあるの!?)
が、美琴は背後に不穏な気配を感じて後ろを振り向く…
そこには鬼の形相をしている黒子の姿があった…
その後、土御門に返信が来ることはなかった。
2月11日
AM6:47
あの後、黒子による尋問が行われたが
突如、寮監による制裁を加えられ戦闘不能に陥った黒子…
その恐怖で美琴はメールを返信する事などすっかり忘れていた。
「ん。ん~~」
「お目覚めですか?お姉様?」
「あふ。あ、おはよう黒子…」
「おはようございます、お姉様…お目覚めのところ突然なんですが昨日の事覚えてらっしゃいます?」
「昨日の事?……(ビクッ!?)」
と言われ記憶が戻った美琴…
(昨日…ヤバい、電撃食らわして逃げるか?いや黒子の事だからどうせ瞬間移動するだろうし…)
「やはり…覚えてらっしゃるのですね?」
(まずい…これはまずい…どうやって説明しよう…とりあえず電撃を手を繋いで直接流すしか…よし!)
「黒子!ゴメン!」
と言いながら電撃を流そうと手を繋ごうとする…
「あ~いいんですの。やっぱりお姉様はわたくしを守ってくれてたんですのね…」
「へ?」
「いや~実は昨日の夜の記憶が一切ないんですの…唯一、覚えてるのが誰かの腕がわたくしの首に掛けられている感覚と目の前にお姉様がいる場面なんですの。」
白井黒子は寮監の攻撃で記憶の一部を失っていた。
(覚えてない…?昨日の夜の事を…)
「え~と?昨日の夜の事を全部?」
「ええ、お姉様…キレイさっぱり覚えてないんですの…でもお姉様がゴメンというからにはあれは寮監様の腕でしたのね…」
(よっしゃーーーーー!!これで昨日の事は解決…してない!?土御門にメールしないと!!)
AM7:37
2/11/7:37
Flom 御坂 美琴
件名 ゴメン
――――――――
昨日はゴメン!
あの後、色々あって返信
するの忘れちゃって…
送信っと…
「(ゲコゲコゲコ)」
(早っ!?もう返事返ってきた…)
2/11/7:38
Flom 土御門 舞夏
件名 Reゴメン
――――――――
ん~別に気にしてないか
らいいぞ~
それよりみさか。どうな
ったんだ~チョコ?
(…どうしよう。ていうより、どう返信しようかな…」
「(ゲコゲコゲコ)」
(あれ?またメール?誰からだろう?)
2/11/7:40
Flom 土御門 舞夏
件名 さぷらいず
――――――――
どうせ、みさかには無理
だと思うから、
代わりに私が聞いておい
てやったぞ~
感謝しろ~
手作りがいいそうだぞ~
(・・・・・・・)
2/11/7:45
Flom 御坂 美琴
件名 Reさぷらいず
――――――――
あ、ありがとう
2/11/7:40
Flom 土御門 舞夏
件名 Re2さぷらいず
――――――――
困ってる人を助けるのが
メイドの仕事だからな~
ま~がんばれよ~
携帯を閉じて少し落ち着く。
(手作り…か。)
PM4:37
(とりあえずチョコ買わないと…作ろうにも作れないし…)
と学校帰りに黒子をまいて近所のスーパーへ向かう。
(こういう時になんかアイツに会う気がする…)
「よう!ビっ…いや御坂!」
「(ドキッ!!)」
とりあえず予想通りに遭遇した。
(ホントに会うとは…)
「なんでアンタがここにいるのよ!」
「それはこっちのセリフだよ。なんでお嬢様がこんなスーパーにいるんでせう?」
「ぐ(正論かも…)あ、あれよ、黒子に頼まれてチョコ買いに来たのよ!」
「へ~お嬢様も甘いものには目が無い女の子ってか?」
「そ、そんなところよ!(コイツにはバレンタインチョコっていう発想はないのか!?)で、あんたはなんでここにいるの?」
「え?俺?だって今日特売日だし。」
「あ…そう。」
(そういえばなんか人が多い…かな?)
いつも来てる訳ではないのでわからない美琴さん。
「お前、場所わかるか?」
「へ?」
「だから、チョコの場所だよ。」
「え、いや、わかんない…」
「お前こんなところ来てなさそうだもんな。こっちだぞ。」
「え?え!?」
手を引っ張られお菓子売り場へと連れて行かれる。
(手!?繋がれてる!!私アイツと手繋いでるよ~)
「とりあえず、チョコ買うならここだな。あっちの新商品コーナーには近づかないように…意味がわからない【これで彼氏もイチコロ!媚薬入りチョコ】なんて物が売ってるので…ってあれ?御坂?おーい?」
「ふぁ!?はい…」
「お前、一昨日といい今日といい本格的に風邪か?」
「大丈夫…」
「そうか…ならいいんだが。」
正直、顔が会わせられないくらい顔が紅潮していた。
「あ、ありがと…」
「おう!じゃ、またな。」
と顔を赤くさせた本人はそそくさと他の売り場へ行ってしまった。
「ばか…」