とある魔術の禁書目録 自作ss保管庫

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一方通行氏の謎



学園都市第3位の超能力者『超電磁砲』こと御坂美琴は長きにわたる女の戦いに勝利し、
上条当麻の彼女となった。当初はツンツンとした態度をとっていたが、日が経つにつれて素直になり、
今では当麻にデレデレである。
休日には必ず2人でデートをして、恋人としての幸せな時間を過ごしていた。
夏休みになって2人はほぼ毎日一緒に過ごしていた。
そんなある日の午前9時頃、2人はファミレスで朝食をとっていた。
「―――ところでさ、今日は映画見に行かない?」
「俺は美琴の行きたい所ならどこだっていいぜ。ただ美琴のことだし、またゲコ太か?」
「もう当麻ったら、確かに最新作が一昨日から始まったけど今回はこれよ」
そういって美琴は一冊のパンフレットを差し出した。
「『ヴェネチアの大船団』?なんか昔を思い出す題名だな…」
「そういえば大覇星祭の罰ゲームのときにイタリアに逃亡したんだっけ?まぁそんな話はまた今度にして、
 これのプレミアム試写会が今日の午前11時に学園都市で開かれるのよ。そこにはね…」
美琴はパンフレットの下のほうにある出演者たちの名前の欄を指差した。
「んどれどれ…って、『一方通行(アクセラレータ)』!?あいつ俳優になったのか!?」
「ちがうわよ!!あんな白モヤシに俳優なんてできるわけないでしょ!
 これは『一方 通行(ヒトカタ ミチユキ)』といって、実力派の中でも期待の新人よ。
 彼が吹き替えをやったゲコ太の映画を見て興味を持って、彼の出演している映画やドラマを全部見たけど、
 すっごいイケメンなのよ!白髪なのに髪型がツンツンしてて、左利きで強烈なパンチを繰り出す時には、
 当麻のようにかっこいい台詞言いながら相手をぶん殴るのよ。超~かっこいいから、今日生で会える思うと、
 夜も寝付けなかったわよ」
「まるで俺とアクセラレータを足して2で割ったようなやつだな。だいたい白髪にツンツン頭ってかっこいいか?
 それに役者だろ?そんなかっこいい台詞普段の生活の中じゃ、言うわけないだろ。俺なんか右利きだけど、
 いろいろと人助けのときには――――」
「あ~ら、当麻ったら珍しく妬いてるの~?」
「ち、ちげーよ!!だいたい『一方通行』なんて名前自体が中二病だろ。実はロリコンなんじゃねーか?
 普段の生活じゃ小さいあ行や『ん』をカタカナにしたりするような滑舌の悪さで、コーヒーばっか飲んでるような―――」
「ほォお、ンじゃあ俺はロリコンで中二でコーヒーしか飲まない白いモヤシってわけか」
「そうそう…ってなんか後ろから殺気が漂っているんですが…」
当麻は恐る恐る振り返ってみると、背中から黒い翼を噴き出している学園都市第1位が座っていた。

「あ、お姉さまおはようございます!奇遇ですねってミサカはミサカは手を振って知らせてみたり」
「お、おはよう打ち止め。朝から元気いっぱいね」
「なァ三下よォ、俺は打ち止めがうるせェから今日飯を食ったらてめェのとこに行って腕切り落としたこと謝ろうと思ってたンだが、
 また半殺しにしねェと気が済まねェなァ。だからいい加減楽になれ!!」
「うわっ、おおおお許しを~。ていうか白もやしは俺が言ったんじゃねーから!た、助けて~~~」
そういって上条とアクセラレータは店を飛び出し、命がけの追いかけっこを始めた。
この2人が和解してから自分の能力を試そうとほぼ1年前に当麻と美琴がしていた追いかけっこをより過激に再現していた。
2人が出て行ったあと美琴は打ち止めと同じテーブルに移ってドリンクバーのジュースを飲んだ。
「あんたね…いくら制限かけられているからって能力は学園都市最強なんだから、手綱をしっかり握ってないとだめよ。
 この前なんか黒い羽で当麻の左腕ぶった切っちゃうんだし」
「でもあのカエル顔の先生のおかげですぐにくっついたんでしょってミサカはミサカは相変わらずの超人っぷりに呆れてみたり。
 それにあの人最近は体鍛えるようになって追いかけるときは能力使ってないんだよってミサカはミサカは結局じゃれあいたいんだよって結論付けてみる」
「はぁ…あの2人はいつまでも子供ねぇ…あんたもあんな高校生にならないでね」
「お姉さまだって1年ぐらい前は人を殺せるような雷撃放っていたくせにってミサカはミサカはいまだに子供っぽい下着を着けておいて
 よく言うわ――って痛い痛いつねらないでってミサカはミサカは唸ってみたり!」
「あんたその減らず口は遺伝しなくていいんだからって美琴は美琴は可愛いほっぺをぐりぐりしてみたり!てかそんな情報どこで知ったの!?」
「ふえ~ん、ミサカの口癖を真似しないでってミサカはミサカは懇願してみたり!
 あ、そうださっき一方さんの話してなかったってミサカはミサカは話題を振ってみたり」
「ん?あんたも一方さんのこと知ってんの?実は最近はまっててさ~今日はプレミアム試写会に行こうと思って…
 て、当麻いなくなっちゃたじゃない!?も~ど~すんのよ~。あいつら2、3時間くらい追いかけっこしてるわよ!」
「その事なんだけど、実はミサカも一方さんのファンで今回の映画も見に行きたいんだって
 ミサカはミサカは暗に連れてってほしいなとねだってみたり」
「うーん、でも今日のデートのためにやっとの思いで手に入れたモノだし、当麻に聞いてみないと…」
「ううう、ねぇお姉さま…ダメ?…ってミサカはミサカは定番のポーズでねだってみる」
美琴はロリコンではないが、見た目10歳ほどの女の子の涙目上目遣いには『YES』以外の選択肢はなかった。
「……もう!なんて可愛いのあんたは!!じゃあ女2人でデートしましょって美琴は美琴は抱きつきながら頬づりしてみる!!」
「え~ん、だからミサカの真似しないでってミサカはミサカはしてやったりと思いながら――――」
というわけで御坂美琴と打ち止めは2人でプレミアム試写会に行くことになったのだが、
女2人だけで向かって行ったことが後で大きな事件になるとはこのとき誰も思わなかった。

~~~♪~~♪
街中を激走している上条当麻のポケットの中から大好きな着メロが聞こえた。
「はぁはぁ、ちょタイムタイム!!美琴からのメールだ。あいつら置いてきたんだし確認しないと…」
「ぜェぜェ、わ、わかった。三分間待ってやンよ」
「なんだその台詞…おまえはラピュタ王か」
つっこみを入れながら、ケータイを開けて確認すると、

『当麻がどっか行っちゃうから、打ち止めと映画見に行っちゃうよ!アクセラレータも心配するだろうから伝えといてね!
 じゃ、男2人で体鍛えてなさーい(^_-)-☆』

当麻はまるで死刑宣告をウィンクしながら笑顔で告げる美琴の顔を思い浮かべた。
(うぅ、このことを後ろの白い人に知らせたら『じゃァ、思う存分楽しもうぜ三下ァ♪』とか言いながら殺戮を再開するだろうな…
 よし、ここは嘘のことを教えよう)
「あ、あのさアクセラレータ?今美琴から連絡あって、すぐに戻れって―――――」
振り返ってアクセラレータの顔を見ると、彼はケータイの液晶画面を見ていた。
そして、ケータイをパタンと閉めてポケットにしまうと、

「今打ち止めから連絡あった。あいつら映画見るらしいなァ。打ち止めの面倒は超電磁砲が見るだろうし、俺は午前中暇になっちまったなァ。
 じゃァ、三分ぐらいたったし思う存分楽しもうぜ三下ァ♪」

と言って追いかけっこは再開された。当麻は涙を流しながら、
「御坂姉妹はサディストなのかああああ!!!もう、不幸だああああああ!!!!」
と言って全速力で逃げ出した。


第7学区のとある劇場
美琴と打ち止めは開演15分前に席に着いた。2人ともオフィシャル本を買って、熟読していた。
すると黒服の男が美琴の肩を叩いた。
「失礼ですが御坂美琴さんですか?」
「はい、そうですけど…あなたは?」
「私、『一方 通行』のマネージャーの者です」
そういうと美琴に芸能事務所のロゴの入った名刺を差し出した。どうやら本物のようだ。
「実は一方自身有名なあなたが抽選でここに来ることは知っていたのですが大変忙しいので私が伺いに参りました」
「はぁ…で、わたしに何か用ですか?」
「はい、一方氏の依頼で映画が終わった後、一緒に来てほしいのです。あなたのような聡明で美人な方にしてほしいことがあるのです。
 できれば上映後にスクリーンの前の舞台に来ていただければ、舞台挨拶のときのスペシャルゲストとして舞台に上がって、一方氏と握手してもらいたいのですが?」
ミーハーな美琴にとってこんな美味い話を断るはずがない。湧き上がる気持ちを抑えながら、
「はい!!是非、やらせてください!!!わたしにできることなら何でもします!!!」
「そうですか。では映画を見終わったら、前に出てきてください。それとそちらのお連れ様は妹さんですか?」
「!え、えーと…同じ能力を使う後輩ですよ。名前を…麻琴ちゃんていう子でして」
「え!ミサカの名前はモガッ!!」
(話を合わせなさい。公共の場じゃあんたの存在をばらすといろいろと面倒なんだから!)
コクリと『麻琴ちゃん』は頷くと美琴の手を振りほどいて、
「う、うん!いつもお姉ちゃんから能力の使い方を教わっているんだー!!」
「そうですか。では一緒に来てください。そろそろはじまりますので、ケータイの電源を切っておいてください」
そういうと男はいそいそと前のほうに戻って行った。きっと一番前に一方氏と一緒にいるのだろう。
「ねぇ、なんで『麻琴ちゃん』なのってミサカはミサカは疑問に思ってみたり」
「……(言えない…当麻と2人で考えた子供の名前だなんて…)」
美琴はもじもじしながら打ち止めの質問に答えられずにいた。

午後3時
上条当麻とアクセラレータは公園のベンチに座ってのびていた。さすがに6時間近く走り回っていると疲れ果ててしまい、停戦していた。
当麻は近くのコンビニで買ったサンドイッチを頬ばりながら、
「ったく、はぁはぁ、結局美琴とのデートがおじゃんだぜ。もう不幸だ…」
「ぜェぜェ、俺の癪に触れたンだから文句言ってンじゃねェよ…だいたいお前が逃げずにそのまま突っ立ていれば、病院でデートできたンじゃねェのか?」
「美琴がナース服姿だったらいいけど、どうせ悲しい顔するだろうからやめとくよ…」
そういって空を見上げると液晶画面のついた飛行船が浮かんでいた。ちょうど芸能ニュースをやっていた。

『―――それでは速報です。第7学区の劇場にて今日公開初日を迎えた「ヴェネチアの大船団」の舞台挨拶に主演の一方通行氏と
 スペシャルゲストとして学園都市第3位にして常盤台中学のエースといわれる「超電磁砲」こと御坂美琴さんが1時間ほど前に
 舞台に現われ挨拶いたしました。』

思わず当麻とアクセラレータはテレビを見ると、そこには笑顔で花束を白髪のツンツン頭の男性に渡している美琴と打ち止めの映像が流れた。
その男は笑顔で握手すると美琴と打ち止めの頬にそれぞれキスをした。

「「はああああァァァァ」」

当麻とアクセラレータは絶叫してしまった。あまりに驚愕してしまったので当麻も語尾がカタカナになってしまった。
「あいつ俺の美琴に汚い唇つけてなんてことするんだ!!!」
「…学園都市第1位の俺の面前でよくも打ち止めを…」
2人は急いでケータイを取り出して美琴と打ち止めに電話をかけると両方とつながらなかった。
さらに映像には美琴の肩を抱いて一緒に退場する男の笑みを捉えていた。
「くっそ~、どうすればいいんだ!あいつホテルに連れ込んで俺の美琴に…!!」
「落ち着けよヒーロー…こういうときはアンチスキルのところに行って調べるぞ」
「ってお前、アンチスキルに顔利くのか?」
「こーゆーとき、ジャージ姿のずぼら教師が役に立つだろが!!」
そういうとケータイで連絡を取るとすぐに目的地がわかり、2人は駈け出した。

同じ頃第3学区
第3学区は学園都市の最先端技術を紹介する国際展示場が数多く並んでいる学区であり、外部からの客を多く招く為にホテルのランクは学園都市最高である。
美琴と打ち止めはハイヤーで一方氏と共に宿泊している高級ホテルに到着した。
そのホテルの30階のスイートルームに一方氏は宿泊していた。
スーパースターでもあるため警備もかなり厳重だ。上下の階には宿泊者を排除して、その階段は警備員がしっかりガードしている。
2人はエレベーターで30階まで行き、一方氏と共に部屋に入った。

「「うわー、すっごいきれい!!!!」」

おもわず2人はホテルではないのではと疑うほどのスイートルームにそんな感想を漏らした。
「ハハッ、やっぱり学園都市は違うよ。外のホテルのスイートじゃここの2つランク下のより劣るんじゃないかな?」
一方氏はドアを閉めながら、2人に行った。
「そそそ、そうですね、外じゃここまでいいサービスはありませんし」
「ミサ…麻琴も外の世界にあまり出たことないけど、ここが1番だとミ…麻琴は比べてみます」
2人ともスーパースターを前にだいぶ緊張していた。そんな2人に一方氏は、
「まあ、落ち着いて。いまお茶を出すから、ソファに座っていてくれ」
といってキッチンの方へ向かった。
すると隣に座っている打ち止めから眠たそうな声で、
「お姉さま…ミサ、麻琴眠くなっちゃたって麻琴は…麻琴は昨日夜10時には寝ればよかったって後悔してみたり…」
「あんた何時に寝たのよ?もう、なんでこんな時に…まぁ緊張して疲れてもしょうがないか…」
そう呟くと一方氏に向かってこう言った
「すいません、麻琴ちゃん疲れちゃったみたいなんでベッドに寝かせてもいいですか?ベッドメイクした後で申し訳ないんですけど…」
「いいですよ、ベッドも2つありますし」
そう言われて美琴は打ち止めを抱えてベッドルームに行き大きなベッドにちょこんと寝かせた。
「そろそろ用件に入ってもかまいませんか?」
一方氏はコーヒーとケーキを持って現われた。
「そうですね。私にできることなら何でもします」
「まぁ今回の依頼はあなたにしかできないことですから」
そういうとふかふかの椅子に腰かけながらこう言った。

「あなたの体で私の体を癒してほしいんですよ」

◆         ◇         ◆         ◇         ◆


当麻とアクセラレータは途中でタクシーに乗り込んでホテルへと急いでいた。
「悪いな、俺金がねーからお前持ちになっちまって」
「こンぐらいで財布にダメージあると思うンですかー。レベル5の財布舐めンじゃねェぞ。
 そんなことより早くあのロリコン白髪ツンツン頭をとっちめねェとなァ」
「あぁ…ただお前は能力セーブしろよ。ただでさえチートなんだからさ」
そんな風に言い合っていると車は第3学区のホテルに到着した。当麻はふたたび美琴に電話をかけるが、
「くそ、ぜんぜんつながんねぇ。どうやら電源を切られてるようだ」
「ヨミカワの情報だと30階にいるそうだ。上下の階には客を入れないほどの警備だそうだから、一気に突破すンぞ」
そういうと当麻と共にエレベーターホールに着いた。アクセラレータはエレベーターの制御盤に手を突っ込むと電気回路に触れ『操作』し始めた。
「……よし、31階に止めてっと。三下、右手で触れずに首にしがみつけよ」
「ま、待て!アクセラレータ!!お前何をする気だ!!」
当麻はアクセラレータの言われた通り左手を首にまわしながらそう言うと、

「決まってンだろ!一気に飛ぶゾ!!」

そういってエレベーターの扉を蹴破ると、重力のベクトルを操作して一気に飛びあがった。


「――――ということでできないでしょうか?」
一方氏は微笑みながら美琴に語った。
(どどどどうしよう、確かに望んだ状況だけれども当麻以外の男の人の体を触るだなんて…
 でもさっきなんでもやるって言っちゃったし今さら断るだなんて)
美琴はとても悩んだ。今までしたことがない上、その相手が当麻でなくスクリーンの中でアクションをしている俳優なのだ。
こんなチャンスはレベル5の自分であっても滅多にない。だんだん頭の中がクラクラしてきた。
(初めての相手は当麻でしたかったけど…でも手慣れてないと当麻も満足しないだろうな…
 この人ならヤリ方教えてくれるって言うし、お金も出してくれるし今度当麻にもやってあげよう。当麻には初めてだって誤魔化せば満足してくれるよね…)
美琴は覚悟を決めた。
「……わかりました。やらせてください!」
美琴の返事を聞くと一方氏はニッコリと笑ってみせた。
「よかった!!いや~私もあなたみたいな人に気持ち良くさせてもらうだなんて夢のようです。指導については安心して僕に任せてください。
 手とり足とり教えますよ♪今から支度しますのでここで待っててください。音楽とか聞いて落ち着いてください」
そういうと一方氏はバスルームへと入って行った。

残された美琴は深呼吸しながらコーヒーに手を伸ばした。コーヒーの水面は小刻みに震えていた。
(いやいやいやいや、確かに当麻には罪悪感があるけど、一度決めたことだもん。いい加減覚悟しなさい美琴!!)
美琴はコーヒーを少し飲むと、音楽を聴いて落ち着こうと大きなオーディオプレイヤーに近づいた。
プレイヤーの中のハードディスクに入っていた曲を選び、聞いたことのある曲を見つけると再生ボタンを押した。
すると大きなスピーカーからキイイィィィィンと不快な音が聞こえた
(!?なに…これ……まさか…キャパシティ…ダウン……とう…ま…)
美琴は思いの届かない彼氏の顔を思いながらクラクラと倒れこんでしまった。

アクセラレータが30階のエレベーターの扉を蹴破り、当麻と共にフロアに降りた。
「!?だ、誰だ!!」
「うっせェぞ、黙れおっさン」
近くに飾ってあった花瓶に手を触れると勢いよく飛んでいき警備員の頭に当たった。
倒れこんだ警備員を当麻とアクセラレータが飛び越えて部屋に急いだ。
黄泉川から聞いた情報によると西側のスイートルームに一方氏は泊まっているそうだ。
「この階のスイートルームは西と東の2部屋しかないから、ここだな」
試しにドアを叩いてみたが反応がない。ドアノブに手をかけても自動ロックで開かない。
「どけ、三下!!」
アクセラレータがドアに手をかけるとドアがベコンッと歪んだ。ドアねじも外れ、部屋のほうへドアが倒れた。
すると階段のほうから大勢の足音が聞こえた。
「三下、先に行って白髪変態野郎をぶン殴ってこい。俺は雑魚共を片付けてからいくぜ」
おまえも白髪のロリコン変態野郎じゃねーかと当麻は心の中で思ったが、
「わかった。お前もほどほどにしろよ」
と言って、部屋へと駈け出した。
いくつもある部屋を開けて美琴を探したが見当たらない。すると奥の部屋の方から男の声が聞こえた。
美琴もそこにいると思い、声のする部屋の扉を開けた。

そこにはベッドに横たわって寝ている美琴と打ち止めと、美琴のそばにバスローブを着て立っている白髪の男がいた。

その光景を見た瞬間、当麻の中でブチッと音がした。
「!!君は一体――」
「…いいぜ」
「ちょ、ちょっと待ってくれこれは――」
「てめぇが俺の美琴の体で弄ぼうとするんなら」
「や、やめろ!ご、誤解だ――」
「まずはその幻想をぶち殺す!!」

五分後
アクセラレータは電極のスイッチを切った。
彼の電極は先日、カエル顔の医者から超小型の蓄電池付の改良版が渡されているのでまだまだ余裕があった。
「ったく、面倒かけさせやがって」
駈けつけてきた警備員を全員気絶させたが途中で救援を呼ばれたので後からまた来るだろう。
まァなンとかなるだろとアクセラレータはそう思いながら、当麻の後を追った。
部屋はいくつもあったが、奥の部屋から聞いたことのある女の声が聞こえたので急いで向かった。
「三下ァ!!打ち止めは――――」
アクセラレータは寝室のドアを開け、その光景を見た。それは…

正座している当麻の膝にどっしり座っている打ち止めと、氷のうを左の頬に当てて美琴から腰に電気マッサージを受けている一方氏の姿だった。

「……あァ?こりゃァどォいうことだァ?」
「あ、アクセラレータ!!あなたも共犯なのって麻琴は麻琴は追求してみる」
「はァ?共犯?なンだそりゃ!?超電磁砲!どういうことか説明しやがれ!!」
「……………」
美琴は顔を真っ赤にしうつむきながらマッサージを続けた。
そんな美琴のことを察して当麻が代わりに口を開けた。
「…あーつまりは俺たちの早とちりで勘違いだったってことだ。って痛てててて、たのむ打ちど…麻琴ちゃんそこはやめて、ホントに痛い」
「やー!一方さんの大事な顔をぶん殴ったんだからこれぐらい我慢なさいって麻琴は麻琴は相変わらずなあなたに制裁を加えてみる!」
「痛い痛い!タノム麻琴ちゃん!!上条さんは何時間も走り続けて足があああぁぁぁ!!」
「ううぅ…私は何もしていないのに…不幸だ……」
「……ホントにすいませんでした………」
どうやら当麻のパンチがクリティカルに決まったようで、一方氏は赤くはれ上がった頬をさすりながら嘆いた。
そんな一方氏に美琴は顔を真っ赤にして謝った。
「あァ~つまり、これは――――」
「どういうことじゃん?アクセラレータ?」
後から応援に駆け付けた黄泉川愛穂はこの部屋の状況を見て唖然としていた。


アンチスキルの取り調べによると、一方氏はただ美琴に電気マッサージを頼んだだけであった。
映画やドラマでスタントなしで激しいアクションをしている一方氏は最近腰の痛みに苦しんでいた。
学園都市に試写会に来たついでに最新の医療技術で完治させようとしたのだが、劇場に最高の電撃使いである美琴が来ていると聞いて、
安上がりだし電気マッサージの技術を持っている知り合いに方法を美琴に教えれば大丈夫だと考え彼女に頼みこんだ。
美琴にしても後で疲れ果てた当麻にしてあげれば喜ぶだろうと思い承諾したのだ。
しかし美琴は当麻以外の男の人の体に触れたことがなくしかも相手が有名な俳優だったので緊張してしまった。
頭がパニクっている美琴は自分を落ち着かせるために聞いたことのある音楽をプレイヤーにかけた。
だが不幸にもその部屋のスピーカーは壊れていた。音楽はガラスを爪でひっかくような音になり美琴はキャパシティダウンと勘違いした。
普段ならなんともない音であったのだが、あわてていた美琴にとってはキャパシティダウンだと思い疲れもあってか倒れてしまったのだ。
何事かと思って脱衣所から出てきた一方氏は倒れている美琴をベッドに抱えて行き寝かせた。その時ちょうど当麻が駆けつけてきたのだ。
当麻の怒声と一方氏の悲鳴で起きた美琴と打ち止めはすぐに当麻に説明し一方氏に謝罪した。
さらに打ち止めは当麻が殴り飛ばした光景を見てしまったので憤慨し、当麻に正座をさせ自分でその膝を踏んづけた。
それが真相だったのだ。

午後5時
当麻と美琴、アクセラレータ、打ち止めは一連の事情聴取を終え、ようやくアンチスキルから解放された。
結局今回の事は当麻とアクセラレータの一方的な勘違いであったが一方通行氏はあまり騒ぎにしてほしくないのでお互いに和解した。
また一方氏は、
「元はと言えば僕が君たちの彼女を連れてきちゃたんだし、お詫びに今度のドラマの現場に招待しますよ」
と約束してくれた。

アクセラレータは不服ながら打ち止めを肩車して黄泉川と共に帰って行った。
「ねぇヨミカワ!お姉さまがミサカに『麻琴』って名前付けてくれたんだよってミサ…ちがった、麻琴は麻琴は嬉しさを体いっぱいに表現してみたり!!」
「コラ!!足をバタつかせンなクソガキ!ていうか『誠』って男の名前じゃねェのか?お前ショタか…?」
「む~胸は小さいけど男の子じゃないもんって麻琴は麻琴は前途多難な将来を見据えながらも否定してみたり!!」
「まーいいじゃんか打ち止め。いや麻琴ちゃん。好き嫌いせずにいろんなもん食えば体も胸も大きくなるじゃん」
「……ヨミカワが言うとホントっぽく聞こえンな。なのになンでそンなずぼらなンだよ」
「うっさいじゃん!!今日のハンバーグなしにするじゃん!」
「ふふーん♪ヨミカワの作るハンバーグぐらい麻琴にだって作れるよって麻琴は麻琴は今まで偵察してきた成果を自慢してみる!!」
「なん…だと…くっ、もう炊飯器で作れる料理なんてないじゃんよ!!」
打ち止めの意外な成長に驚きながらアクセラレータたちは笑いながら帰路に着いた。


午後5時半
当麻と美琴は共にスーパーで買い物をしていた。今日は当麻がお詫びの意味を込めて料理を作ることになったのだが、
「ええ!?食事の前に罰ゲームだって!?勘弁してくれよ美琴…お前が映画観ている間中ずぅ~とアクセラレータに追われたんだぜ…」
「だってせっかくの映画デートだったのにすっぽかされて、食事だけで彼女の機嫌とろうだなんて考え甘くない?
 それに私だってそんなに鬼畜じゃないから大丈夫♪」
「う~ん、美琴のその妖しい微笑みは何なんでしょうか?この後のことを考えると…不幸だ」
と当麻は砂鉄の剣で剣道の稽古でもするのかと思いイメージトレーニングしていたが、
美琴は当麻の考えているとは全然違うことでイメージトレーニングしていた。

2人は上条の寮に戻り買ってきた食材を台所に置いていた。
「はい、上条当麻!!そこに起立っ!!」
ビクッ!と当麻は美琴のいきなりの命令に戸惑いながらピンと立った。
「ななんでしょうか美琴お嬢様?私上条当麻に何か御用でしょうか?」
「今から罰ゲームとしてアンタは私の愛玩奴隷となりなさい!いいわね?」
目の据わったお嬢様に見つめられて当麻は蛇に睨まれた蛙のように固まってしまった。
「はははい、お嬢様なんなりとお申し付けを…(ううっ、やっぱりレールガンのキャッチボールかそれとも砂鉄剣で剣道か?不幸だ…)」
「じゃあまずベッドにうつ伏せになって寝なさい」
「??ははい、わかりました?」
当麻はわけもわからないのでとりあえず指示に従ってみた。すると美琴は、
「服を脱いで…ぱぱパンツ一丁になりなさい!!わわ私は準備してくるから!!」
といって風呂場へ向かった。この美琴の発言に当麻は思わず、
(ええええ!?なな何コレ、何コレ!!まさか美琴はSMプレイに目覚めてしまったのか!?てかまだ一回もヤッたことないのにいきなりハードなことを!!
 あの一方って奴美琴に変なことふきこんだんじゃ…)
と混乱してしまった。しかし愛玩奴隷となってしまったからには命令は絶対だ。当麻はすばやく服を脱ぎパンツ一丁になった。
3分後、美琴はタオルとお湯、クリームとなんかの説明書のような紙束を持ってきた。だが服装はいつもの制服のままだった。
「じゃ、行くわよ。絶対暴れないでね」
「ははははい、わかりました…(一体何をするんだ美琴!!)」
すると美琴はタオルをお湯につけて絞り上げると当麻の両足を拭き始めた。
「???美琴、一体何をするんで―――」
「奴隷は黙ってなさい。私が何をしても抵抗するんじゃない」
「…はい」
足を拭き終わると今度は腰のあたりを拭き始めた。
「うわあ、だいぶ汗ばんでるわねアンタ。どれだけ動き回ったのよ?」
「はあ、もう慣れてることだし、てかこのくらいならシャワー浴びに行っても―――」
「いいから!黙っていなさい!!この美琴様が体拭いてあげてんだから文句言わない!!」
「…(いや、大変そうだから言ってあげてんのに。何なんだ一体?)」
そして背中全体を拭き終わると腰にパッドみたいなものを乗せた。
美琴は紙束をしきりにブツブツと読み上げているとパッドの上から手を乗せた。
「…失敗しても文句言わないでね」
「えっ?…!!ああぁぁうぅ~、これはどういう―――あうぅ~!!」
「見ての通り電気マッサージよ!!アンタ疲れてたんでしょ?…で、どう気持ちいい?」
「きき気持ちい~!!気持ちいよ美琴!!ああ~イく~イっちゃう~~~」
「ちょ、ちょっと変なこと言わないでよバカ!!私だって初心者なんだから集中しないと危ないんだからね!」
美琴は照れながらも当麻が気持ち良くしているのを見ると幸せな気分になった。
次に当麻のパンパンに腫れた太ももをつかむと電気を流さずに揉み始めた。
「うぅ~気持ちいなぁ美琴。店でも開けんじゃねーのか?」
「はいはいありがとうございます。でもこんなこと当麻にしかしないんだからね」
と足全体にクリームを付けてふくらはぎも揉み始めた。
「ありがとうな。なんか俺が寝たきりになって安心だな、こんな嫁さんがいれば」
「そんなこと言わないでよ。なんかホントに足が丸ごと吹っ飛んじゃそうじゃない」
「いやいや、美琴が気持ち良くしてくれたこの足を失くすわけないでしょう。でもさ、なんで罰ゲームなんだ?」
「そりゃ、ビリビリって電撃流しちゃったときに言い訳できるじゃない。まだ2回目よこれ。一方さんのときも気が気じゃなかったわよ」
「……何気に生と死の間を渡っていたのですね。気持ち良すぎてホントに昇天するかと思ったぞ」
思わず冷や汗をかいた当麻だったが美琴の気遣いに感謝していた。

美琴のマッサージが終わり、美琴は手をもみもみしていた。
「ん~疲れたやっぱり慣れないことは疲れるわねー」
「じゃあ、愛玩奴隷上条当麻からお礼のプレゼントで~す」
「えっ、て何を―――きゃあ!!」
背中から当麻に抱えられるとそのままベッドに投げ出された。
「ちょ、ちょっと服着なさいよ!こんな状況ってにゃんにゃのにょ!?」
「んー、電気マッサージしたから電気の量が足んないだろ?だからじゅーでーんってな☆」
「せめて服着にゃさいよ!それに星つけんにゃっ!これじゃ恥ずかしくてビリビリしちゃう…」
「服ぐらい良いじゃねーか?それにだいじょーぶ、ちゃんと右手で握ってやるからさ。み・こ・と☆」
当麻がウィンクで美琴の不安を吹き飛ばすと急に美琴はデレ始めた。
「んん~、じゃじゃあとうみゃ~、きしゅして、ねっおねがい…」
「まったく甘えんぼーだな美琴ちゃんは」
そういうと当麻は後ろから美琴の顔に近づき唇を重ねた。
さすがに学生である二人はこれ以上の行為は行えないが、愛を確かめるようにベッドの上でいちゃついた。


その後一方氏出演のドラマの見学の際に恋人役のモブキャラとして当麻と美琴が(ついでにアクセラレータと打ち止めが保母さんと幼稚園児役で)出演した。
モブの割に画面に映る時間が割と長かったのですぐに判り、国内外からの1万人以上の女性達からTV局にクレームが来たのはまた別の話。


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