小ネタ 即興で書きました。
今は放課後。アイツが寝ている。いつもの自販機のベンチで。
何故わざわざこんなところで寝ているんだろうか?
よくわからないけど会えて嬉しい。
いつからだろうか?会えるだけで嬉しいと感じるようになったのは。
妹達を救ってもらった時から?夏休みの彼氏騒ぎの時から?
その時からのような気もするし、もっと前からのような気もする。
でもこの気持ちはわかる。これは、きっと、恋。
私はコイツが、上条当麻が好きなのだ。きっと。
コイツはどうかな?私のことどう思っているのかな?少しは好きでいてくれてるのかな?
少しの不安。少しの期待。少しの苛立ち。
この行き場のない気持ちを、今もなお気持ちよさそうに寝ているコイツにぶつけてみる。
具体的には、いつも電撃をかき消す忌々しい右手を取って、強く握って、意外な大きさにびっくりして…軽く抓る。
イッ!?っと言いながら跳ね起きた。少し気持ちが落ち着く。いい気味だ。
何でこんなところで寝てるのよ?野宿するにはまだ寒いわよ?と少し呆れて言う。
間抜けな声が返事が返ってくる。あぁ、お前を待ってたんだよ、と。
言われ、焦る。返事を出来ずに黙っていると、何やらもごもごしならが言葉の続きがきた。
また勉強を教えて欲しいと。
なんだ、その程度か。と思いそして呆れる。中学生に教わって恥ずかしくないわけ?と聞いてみる。
背に腹は変えられない。それにお前は教えるのがうまいし気楽だ。という返事。
何やら釈然としない言い草だが、それでも少女に、御坂美琴に是非はない。
せっかく二人っきりになれる時間。もたもたしてる時間が惜しい。すぐに宣言する。
なら、すぐにアンタの家に行きましょ!いいわね?と。
そして二人で並んで同じ目的地に向かって歩く。二人の影は、仲良く手を繋いでいるようだった。
少女は知らない。
この上条当麻という少年が、わざわざ御坂美琴という少女を待っていた本当の理由を。
少年は知らない。
この御坂美琴という少女が、ここまで上条当麻という少年に気にかけてくれる理由を。
二人とも気持ちは一緒なのだが、本当に一緒になるのはまた、先のお話…