とある魔術の禁書目録 自作ss保管庫

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小さな恋のうた



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 これはひとりの少女が人生でたった一人の愛する人のために歌った恋の歌。君に捧ぐこの歌は私にしか歌えない。たった一度だけ。
同じような歌はもう二度と書くことはできない。そして、歌うことはない。一度きりの愛の歌。

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「ねえねえ、おばあちゃん。いっつもきれいだね」
「そういってくれるのかい。ありがとうね」
「ところで、おばあちゃんって昔すごかったんでしょ?」
「すごいどころじゃないわよ。話したらお前たちがおもらしするもの」
「ええー?私そんなんじゃおもらししないもん!おばあちゃんの意地悪!」
「私もあなた方と同じ学園都市にいたの。しかも、常盤台中学校というところに」
「へえー。お嬢様だったんだね。んで、何だっけ。超電磁砲(レールガン)て言われてたんでしょ?」
「そうよ。いまでは、なつかしいわね・・・」
「おーい、お前たち!ちょっくら買い物でもいこうか!?」
「「うん!おじいちゃん!まってぇ。」」
「ママー!おじいちゃんとお買いものしてくるー!」
「きをつけてね。おじいちゃんにあまりものねだらないようにね。」

 時は、とある時代からすでに40年くらいたってしまった。学園都市から離れた湘南のとある街。おばあちゃんと呼ばれた女性は今も若々しい。
むしろ、若すぎる。48歳で5歳と3歳の孫を持っているのだから。その結婚相手は2歳離れた男性である。彼女は幸せであった。かつての男らしい性格も今では丸くなっている。
彼女の旦那は、今、孫を連れて近くのショッピングセンターに出かけた。今は帰省中の娘と2人、庭にある椅子に座っている。

「ねぇねぇ、母さん。父さんと結ばれたのってすごく早かったんだって?」
「そうよ。麻美。あんたも私の早婚スキルとアンタのお父さんのフラグ体質をもらってすぐに子供できたじゃない。」
「でも、龍はフラグ体質すら受け継いでないわ。かわいそうに。」
「あんた、フラグ体質の本当の力をわかってないようね。ったく。久々に昔話でも話してやるか。」
「待ってました。美琴ママのスィートラブストーリー!!」

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 御坂美琴14歳。私は、恋をしました。あんな馬鹿にひかれるとは思っていませんでした。でも、あの時確実に私はわかったんです。

「大好きです。アンタがとても大好きなの。」

 でも、その彼が自分に見向きしてくれないからついつい電撃の槍を飛ばしてしまうんです。恥ずかしいからついつい色々やってしまったり。
ほかの女の子と一緒にいると嫉妬しちゃうんです。あいつなんかに・・・そんなこと思われたってなんとも思わないもん。
いつもいつも大げさな彼は「不幸だ」と必ず私の前で言って去ってしまうんです。だから、それも腹立たしかったりもします。
今日もあいつは補習帰りです。私のほうが勉強できるってどういうことですか?私が頭良すぎたのでしょうかね。と言ってるうちにその彼がやってきました。

 「だーーーー。暑い。どうしてくれんだよ。そうだ、ここに自動販売機が・・・あれ?2000円札しかないな。しょうがない。」
彼は自販機に 2000円札を入れました。今更2000円札とかどんだけレアなのでしょうか。かなり面白いです。でも、今となってはそんなところも大好きなんです。
っと、そこで私登場。私が出てきて存在に気づくまで彼は頭を抱えてくねくねしていました。とても面白かったんですよ。んで、そこで私の存在がわかってしまう。

「だーーーーーーーー!ビリビリ!」
「ビリビリじゃない!御坂美琴って名前があるの!」
「あーーーーあいさつ代わりのビリビリはやめてくだせえ・・・上条さんはいま最悪な出来事に巻き込まれました。」
「あれ?もしかして飲まれた?」
「うん。」
「何円?」
「2000円」
「え?もしかして、2000円札とか持ってました?そんなわけ…ってマジですか?すごいすごいすごい!」
「余り、上条さんを傷つけないで下さいよ。」

 とてもじゃないけど、彼と会うときってかなりドキドキしてるんですよ。ほんとですって。彼は、無意識のうちに私を虜にしてるんだから電撃の一発くらい入ってくれればいいのに。
そうすれば私の膝枕直行便が出るのに。なんで?あの右手をふさげばなんとかなると思ったけど、むしろドキドキが増しちゃって自分が嫌になっちゃうくらいです。
この人はバカなんですよ。ほんとに。でも、馬鹿すぎて全力過ぎて、それが私を抱きしめてくれると思うと・・・今は言いたくないです。女子の特権です♪
なんで、私は休みなのに制服なの?ですって?私の通ってる常盤台中学校は日常的に制服着用が義務になっていますから。学園都市以外の方々はわからないですよね。
ちなみに、私の発言で傷を負った彼も制服なんですけど、毎日補習だからです。というわけで、ちょっとしたデートです。彼は、顔がすでにひきつってます。っていうかあわてて逃げて行きました。
私は発電能力者なので、自動販売機を操ることができるのですが、捕まったら大変だというのでしょうかね。というわけで出てきた缶ジュースをかき集めて彼のもとに急ぎます。

「あっつ!」
「あ!あんたさ、自分の取り分なんだから自分で何とかしなさいよね。人が助けてやったってのにさ。」
「ああ。ありがと。」
「私の取り分としてヤシの実サイダー頂戴?それで今回のはチャラってことで」
「ほらよ」
「ありがと」
「でも、なんでこんなに俺とつるんでるんだ?そっちだって忙しいんだろ?」
「ああ!こっちなんか宿題なんてないのよ。」
「じゃあ、暇か。でも、上条さんは宿題が大量に出されているからコレをなんとかしなければ。というわけでじゃあな!」
「あーあ。行っちゃった。」

 なんで私ってこういうときになると勇気が出ないんでしょうかね。だれかおしえてくれませんか?あの人を振り向かせる勇気を誰かっ!自分のプライドが許せないとか、情けないです。
いつもだと笑ってごまかせることがあいつの目の前だと恥ずかしすぎて…。

――――だれか!お願い!あの馬鹿をこの私に!お願いします!あの馬鹿が大好きなんです。あの馬鹿が私の生きている理由なんです。お願いだから。――――

 そう思ってたら、いつの間にか走っていました。必死でした。全力で走って追いかけっこ。夜通しやった日もあったけど、今は、意味が違うんです。今は、あの馬鹿に気付いてほしくて。
私はすでにあいつの存在がないと生きていけないのです。誰にも言ってないけど。黒子にも、初春さんにも、佐天さんにも、まして、あの馬鹿にも。はずかしいよぉ。だけど伝えたいんです。
「私はあんたが好き」だということを。「あんたがいないと生きていけない」ということも。だけど、不安もあるんです。あいつには、いつもビリビリしているし、あった時にはいつも迷惑かけてるし。
でも、あんたが私を受け止めてくれるなら、私はあんたの言うこと聞くから。ビリビリもいらない!だから!
 私は最近あいつの家に行ったことがあったので、その記憶を頼りに走りました。信号はちゃんと赤では止まってますから。気付いたらあいつの学生寮の前の公園にたどり着いてました。
人生の一大決心です!あんたの家まであともう少し!少しずつだけど、緊張してきたぁぁぁぁ。一歩ずつ一歩ずつ、近づいてますよ。ヤバい!インターホン押せない!どうしよう。
やば!なんであいつに会うだけなのにこんなにドキドキしなきゃいけないのよ。手が震えてきました。てか、泣けてきました。これは重症ですよね。目を瞑って思い切ってボタンを押しました。

「おー!びりびり!何か用か?って、おい!どうしたんだよ」
「…」
「まあ、いいや、今はインデックスいないから入ってくれ」
「…いいの?」
「とりあえず、入れよ。そこにずっといられるのも上条さんとしては避けたいのですよ」

 彼の部屋は意外にもさっぱりしていました。もう少しきたなかったら掃除しに来たとか理由つけれたのに。でも、あいつの匂いで埋め尽くされたこの部屋から出て行きたくありません。
そのつもりです。とりあえず、心の準備すらできていません。何も言えない私をやさしく包んでくれます。あいつはやさしすぎるんです。どんな奴にも。だから私が独り占めしたい。
そんなこと言えないのに。そんなことできないのに。でも、彼はさりげなくやってくるので私はどうにもならなくなって漏電しちゃったり。今だって、抱きしめてくれてる。彼氏でもなく、友達でもなく、彼の「天敵」に。

「お前がそんな顔してたら妹たちに失礼だろ?ただでさえ、かわいい顔が台無しだろうがよ」
「え?・・・私ってそんな風に?」
「だからさ、ここで泣きたいだけ泣けよ。おれは何も言わないから。」
「・・・・うわあああああああああああああああん!」

 とても恥ずかしいんですけど隣の部屋の人の耳までこの声が聞こえていたらしいです。後日言ってました。あいつ曰く、1時間は泣いていたらしいです。あんなに目が赤くなってたんじゃそれもそうよね。
んで、泣きやんだからそのお返しにこいつに晩御飯でも作ってやろうと思って。美琴センセーに任せなさい。とか言っちゃって、キッチン借りちゃった。あいつの愛用ボロボロエプロンも借りて。
思ったんです。あいつの笑顔が見れるのってめったに来ない幸せな時が来るときだって。その時を私が作ってやろうって思ってしまってこんなことになりました。

「う!」
「もしかして、・・・・まずい?」
「いや、・・・そんな上目づかいで見られたら何も言えねえ」
「何もいえねえってどういうことよ。」
「お前は俺がいないと会話すらできないのかよ」ポフッ
「うん。・・・バカ当麻」
「お前はそのほうがいいな。それでこそ俺が生きてる実感わいてくるんだよな」
「え?今のって、告白?」
「いや、・・・今のは何でしょうね。天の声だな。天の声。」
「ごまかしたって無駄。・・・」

少しだけ二人ともだまっちゃいました。どうしよう・・・。

「「お前(アンタ)いいたいことあんだろ(でしょ)?先に言えよ(ってよ)」」
「んじゃ、私からでいい?あとからじゃ何も言えなくなるかもしれないから。」
「いいぞ。」

 今から、目の前のこいつに小さな歌を贈ります。だけど、受け取ってくれますかね。本心は泣きたいくなるくらいなんですよ。でも、言わないといけないから言ってしまおう。
あなたがいてくれたから私はこんなに幸せになれたんだよ。私だってふつーの女の子だって言ってくれたのも、わがまま聞いてくれるのも、全てを受け止めてくれたのも、
全部、全部、あなたでした。だから、もう苦しい想いなんかしたくない。彼の苦しそうな顔も見たくない。だから想いは伝えます。何度もシミュレーションはしたんだから。

「あのさ、私はあんたが大好きなの。だから、お願い。」

 その彼は無言で私を抱きしめてくれました。そして、静かに優しく、囁いてくれました。私はとてもドキドキしています。こんな私でもいいんでしょうか。私の片思いだけだったら何もなく済んだはずなのに。
私だけが傷ついて終わらせようとも思ってたのに。何でよ。いつもの逆。あんたの返事はいつも心に残っているから・・・・・・あんたにはウソってものがないの?涙腺崩壊しそう。さっき決壊したのに。

「やれやれ・・・悪いな。まだまだ、俺の理性が許さないんだ。今の俺たちじゃなんとなく釣りあわねーしさ。あと、御坂の事もっと知りたいし…な。…今度は俺の番だな。」
「あれ?私、きらわれてない…。」
「こんなことで嫌いになったら上条さんはすでに御坂さんに縁を切られてますよ。・・・はは」
「私、あんたのためだったら何でもやれるの。アンタ好みの女の子にだってなれるの」
「・・・御坂は御坂でいいと思うんだ。俺を追いかけまわして、話しかけたら怒りだすし、勉強は俺よりできるし、倒れた時看病してくれるし、あと・・・」
「あと・・・は?」
「以外に泣き虫なとこ・・・とかな。そんなところ含めてお前って感じが好きなんだよ。」
「・・・そしたら、明日、デートしよっか?」
「・・・そうだな。明日は・・・確か・・・補習ですよ。朝から晩まで。だからそれ以降ならいいぞ?」
「ありがとう。・・・ぐすっ!・・・それじゃ、また明日ね。当麻!」

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「これが、最初の告白だったかな?どうだったかな。忘れちゃったわよ。」
「でも、お父さんって若い時すごかったって言うけど、この話は娘の私でもビックリだわ。」
「そんなお父さんも今じゃ、50歳でバリバリのサラリーマンだもんね。仕事人間って感じじゃなくてよかったわ。」
「確かに、あんたもいろいろと見てるもんね。麻美。スイカ割りの時もお父さんの頭叩いちゃったりね。あんときは面白かったわよ?」

 やっと、孫二人と買い物から帰ってきた旦那は、今も私の中では最高です。学園都市から離れてもこの人がいるから元気にやれる。
今日は、家族勢ぞろいでバーベキューパーティーをしようかと思っています。

「美琴ぉー!!冷蔵庫に入ってるもの出してきていいかぁ?っていうか、よくわからんから見に来てくれ。」
「いいわよ?まってて」

 私の名前は上条美琴。旦那は上条当麻。
もちろん、娘の名前は二人の名前から取った麻美。このこの14歳の時は、私より背は小さかったけど胸は在ったような・・・。
14歳だった私があのうたを聞かせた唯一の相手、当麻と一緒になれたこと。何よりも、それが幸せの歌のイントロでした。

Endless Love Song ・・・死ぬまで一緒なんだから。いいでしょ?とーまぁ♪
Everlasting Lovers ・・・いいぜ!おまえと一緒ならどこまでも・・・な?


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