とある魔術の禁書目録 自作ss保管庫

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黒子の災難



とある日の放課後
「なんか面白い事って無いかな」
「お姉さまの面白い事とは一体なんですの」
「何でもいいの銀行強盗があったりテロが起きたりとか」
「お姉さまそれは面白い事とは言わず事件ですの」
そう会話しながら常磐台中学の二人御坂美琴とその後輩白井黒子が学校からの帰り道を歩いていた

会話の途中で急に美琴が立ち止まった。
「あっアイツは」
「あれお姉さまどうしたんですの?」
「黒子先に帰っていて、私用事ができたから」
美琴の視界の先にはツンツン頭の高校生上条当麻が歩いていた
「またあの殿方ですの。お姉さまも程々になさったらどうですの」
「まだ私はアイツに参ったを言わせていないの、それを言わせるまでは」
「今日は早目に帰るようお願いします。寮監に言い訳を言うのは大変ですので」
「わかった。ちょっと行ってくる」

「ちょっとアンタ」
「げっビリビリ」
「アンタね、私には御坂美琴って名前があるのよ。なんでビリビリって呼ぶのよ」
「だってビリビリしているからビリビリじゃん」
「それをやめろって言ってんじゃゴルァァァァ」
「おわっ」

「アンタね、たまには私の電撃喰らいなさい」
「それって確実に死にますけど」
「アンタはその位じゃ死なないのはわかってんだからいい加減往生せいや」
「ぬはー」
上条は電撃の槍を消しつつ逃げ出した

「ちょっと逃げるなっ!待ちなさい」
「逃げていて待つのはおかしいと思うのですが」
二人のいさかいを遠くで見ていた黒子は
「はぁまた深夜帰宅ですね寮監へなんと言い訳をすればいいのですの」
黒子の愚痴も関係なしに美琴は上条を追いかけ回し始めた

「待ちなさい今日こそカエルみたいにヒクヒクさせてやるんだからあっ」ズシャー
美琴は上条を追いかけるのに気が回り足下の段差で躓き転んでしまった
「御坂大丈夫か?」
上条の言葉で黒子も美琴が転んだ事に気付き
「お姉さま」
動揺したのか走って美琴に近づこうとした
美琴に先に着いた上条は
「御坂大丈夫か」
「アンタのせいで転んじゃったじゃない痛たたた」
「文句言うな自業自得だろちょっと傷見せろよ」
「アンタなにすんのよ」
「たいした傷じゃないな唾つけときゃ治るだろ」ペロッ
そう言って上条は美琴の手の傷を舐めた
「ふぇっ?舐められた」
「あれ御坂?」
「ふにゃー」
「だぁー不幸だ」
しかし…今回はそれで終わらなかった。美琴と上条のやり取りを見ていた黒子は

「あの類人猿。お姉さまを転ばせただけではなく、手に接吻を許すまじ」
傷を舐めたのをキスと勘違いし上条に襲いかかった
「おわっ白井」
「死ねー類人猿」
「うぎゃ~~!」

上条と黒子のやり取りを見て少し落ちついた美琴は
「黒子程々にしなさい。私は大丈夫だからもう帰ろう」
美琴は上条を見るとまたおかしくなると思い上条を見ないようにして黒子に話しかけた
「お姉さまいけません早く帰ってその手を消毒しなければ」
そう言う黒子の足元には、美琴が出来なかったボロボロになった上条がカエルみたいにヒクヒクしていた
「お姉さま、ささ早く黒子のテレポートで」
黒子がテレポートしようと美琴に触れるとき
「あれ?黒子手擦りむいているよ」
「あらいけませんわ、あの類人猿をしめている時についたんでしょう」
「たくしょうがないねペロッ」
「おお姉さま
「あれ黒子どうしたの
「お姉さまの舌が黒子の手に…お姉さまの舌が…唾が…唾液が…体液が……はうっ」ドサッ
黒子は美琴の行動に混乱し気を失った
「黒子?黒子?」
結局、黒子はさっきまでヒクヒクしていた上条に背負われて寮に戻った

夜常磐台中学寮では
一人浴室で黒子は愚痴っていた
「いけませんですの…折角お姉さまが黒子の為に傷口を癒してくれたのに」
そう言って黒子は治療をされた手をじっと見た
「お姉さまの癒してくれたこの手、黒子が気を失っている間に治療されてしまい黒子一生の不覚ですの」
もしあの時黒子が気を失わなければ美琴が舐めた箇所を舐め尽くしていたであろう
黒子は考えた
「またあのような場面になって怪我をすればまたお姉さまに舐めて貰えると」
(…ぐふ…ぐふ…ぐふふふふ…)
黒子の頭の中では上条をしめて自分が怪我をすればまた美琴に舐めてもらえるという図式が出来上がりにやけていた
「では明日からあの類人猿がお姉さまの前に現れたら実行ですの」
そう呟き浴室から出た

次の日
「ねぇ黒子、何さっきからキョロキョロしてんの」
「なんでもないですのお姉さまオホホホホ」
「変なの」
そう話していると
「あっアイツは」
美琴が上条を発見し反応した
「黒子今日もあれ」
美琴は昨日と同じように黒子に先に帰るようにしようとしたその瞬間に黒子はすでに上条に襲い掛かっていた

「おわっ白井?何で」
「お姉さまのだえ…もとい死ねー」
「またかー」
上条の叫びを聞き入れて現状を把握した美琴は黒子を止めに入った
「ちょっと黒子なにやってるの!」
美琴の叫びも耳に入れず黒子はファミレスのテーブルの如く上条に頭突きを連発していた
「額に唾液を…額にお姉さまの…」
そう呻きながら攻撃する黒子に美琴はやっとの思いで、黒子を上条から引き離したが引き離した黒子の口からは
「お姉さまのお姉さまのお姉さまのお姉さまの…」
と呪いの如く呻いていた

「アンタ大丈夫?」
黒子に襲われた上条を心配し手をとろうとしたら
「むきー!?」
黒子は上条がまた美琴の手にキスをすると勘違いしまた上条に襲い掛かっていった
上条に襲いかかる黒子に美琴は
「アンタいい加減にしなさい!!」ビッシャーン
と上条に向ける程ではないが黒子に電撃を与えた
「あぁ…お姉さまの…」ガクッ
黒子はそう呟き気を失った

「はぁはぁ何なんだ一体…」
現状を理解できない上条は美琴に
「白井に何があったんだ?俺が何かしたのか?」
上条から問われても美琴も黒子の行動を理解できず
「わかんない」
そう答えることしか出来なかった
結局、黒焦げになって気を失った黒子は、また上条に背負われて寮に戻った

次の日

今日は黒子がジャッジメントの仕事があり美琴は一人で帰宅していたが途中また上条を見つけた
「ちょっとアンタ」
「おう御坂」
「あれっ?今日はビリビリ言わないの」
「何かな、俺なりに考えたんだけど。昨日と一昨日の白井の行動もしかして俺が原因じゃないのかなって」
「ふーん、アンタにしてはいい考えだけど。なんか違うんだよね」
「そうか?」
「ねぇちょっとそこでお茶飲みながら話さない?」
「えっでも上条さんは今お金が…」
「大丈夫、まぁ黒子の件のお詫びとお礼も込めて」
「そうか悪いな」
「んで、何なんだ白井は」
「私もよくわからないけど何か黒子私の事を呻いていたから私が原因かもしれないね」
「でも何で俺が襲われるんだ」
「それがわかれば楽なんだけど」
結局一時間話してみたが結論は出ず

「じゃあ私がアンタをボディーガードをするってのはどうかな」
「何でだ」
「基本的に黒子は私の言うことは聞くから、一緒にいれば大丈夫じゃないの?明日から一緒に下校するとか」
美琴は黒子をだしにして上条と一緒にいられると思い提案した
「そうかそれが一番安全かもな」
上条は美琴の考えに裏があることは理解せず同意した

「じゃあ明日からアンタの学校で待ち合わせでいいかな?」
「いやそれだと白井からは安全だが…クラスの奴等からは安全じゃない」
美琴の提案した一緒に下校は賛同したが上条は学校まで迎えに来られるとクラスメイトに襲われる危機を感じてこう提案した
「いつもの自販機でいいじゃないか」
美琴は一緒にいられる時間が少し減ってしたが
「まぁ…それがアンタにとって一番安全ならいいよ」
不服ながらも同意した

次の日
「お姉さま一緒に帰りましょう。ってあれお姉さまは」
「御坂様は先程用事があるとの事で急いで帰られましたよ」
「あらそうですの…御親切にありがとうございます」
そう言って黒子は美琴の用事とはなんだろう?と考えながらも帰宅した」

「ただいまー」
夜寮に上機嫌な美琴が帰宅した
「あらお姉さま。今日は用事があるとかで急いで出掛けて、何か良いことがあったのですの?」
「んっ…あぁ今日はゲコ太のイベントがあって其処に行っていたんだ」
美琴は上条と一緒にいたとは言えず嘘をついた
「あらそうですの。だから上機嫌で、でもそのかわいい系はそろそろ卒業された方がいいと思うのですが」
「悪かったわね」
そう言いながらも騙せた事に美琴は安堵した
「明日は忙しいので、黒子はお先に失礼しますですの」
「黒子もう寝るんだお休み」

次の日
黒子はジャッジメントの仕事があり詰所で待機していた
「あれ?この人御坂さんですよね」
同僚の初春の言葉に俊敏に反応し一緒にモニターを見た黒子は劇画風に固まった
「隣にいる男の人彼氏なんですかね?って…白井さん?」
初春が黒子に話しかけた時には、既に黒子はテレポートで上条の元へ飛んでいた

美琴の願いで二人で買い物に出掛けているところに
「げっ白井」
「わっ黒子」
急に黒子が現れ二人が驚いたその時
「この類人猿がー」
黒子の雄叫びと共に上条に襲いかかったが、美琴の電撃を喰らいまた黒焦げになり上条に背負われて寮に戻った

その夜黒子は美琴から説教を喰らい落ち込んでいた
「これもすべてあの類人猿が許すまじ…殺ってやる…やってやる…ヤッテヤル…」
黒いオーラを出しながらベットに潜り込んだ

「昨日の白井は何だったんだ?やっぱり御坂と一緒にいたからかな」
上条は何故襲われるかを考えながら美琴との待ち合わせ場所の自販機に向かっていた
「あれっ?まだ御坂は来ていないな少し待つか」
上条は待ち合わせに美琴がいないので近くにあるベンチに座ろうとした時に後頭部に衝撃がはしった

「どわっ!…しっ白井」
「類人猿今日こそわたくしとお姉さまの甘い時間の為に死んでいただきます」
「ちょ…白井落ち着け何でお前と御坂の為に」
「問答無用ですの。覚悟!」

上条は黒子のテレポートでの攻撃に備えたが一向に何も起きず
「……あれ?何もないな」
そう言って目の前を見たら、真っ黒に焦げた黒子が倒れていた
「おい!白井大丈夫か?」
「大丈夫だって。いつもの気絶程度にやいといた」
後ろから美琴が現れた
「御坂…さすがにこれはないんじゃないか?」
「別にいいよいつものことだから」
「でも助かった。一瞬入院を覚悟したからな」
「なんか昨日黒子がアンタの事を呪うかの様に寝言で話していたから、もしやと思って隠れていたんだ」
「そうだったんだ。白井には悪いが、まぁ助かったんだからいいか」


「それもそうだけど」
美琴はちらっと黒子を見た
「大丈夫だよ。今日も俺が背負ってやるから」
「ありがと。でもアンタもお人好しだね」
「何でだ?」
「だって毎回襲ってくる奴を寮まで背負って送っていくのよ」
「いえいえ、上条さんはいくら襲ってきたとはいえ、御坂の後輩を真っ黒なままほったらかしには出来ないですから」
「それを平然と言えるアンタは凄いのかどうかわかんないわ」
「上条さんの主成分は不幸と優しさで作られていますから」
(………その優しさをもう少し私にも欲しいんだけど…)
「ん?御坂何か言ったか?」
「何でもない何でもない」

上条と美琴がやり取りしながら寮に向かう間に黒子は上条の背中で目を覚ました
(…んっ何でわたくしが類人猿の背中に)
黒子はすぐに上条に攻撃をしようと思った時に
「なぁ御坂白井の件だけど」
上条から自分の話が出たので思いとどまった

「あぁ今日も夜にきっちり説教しておくから」
(あぁお姉さま黒子はお姉さまの為を思って)

「やられた俺が言うのも何だけどほどほどにしてやってやれよ」
「アンタねそんな目にあってよく言えるね」
「白井にもまぁ理由はお前もわかっていると思うけれど、お前の事を思って攻撃してきたんだから」
上条の思わぬフォローに、
(…あらっ?この殿方はわたくしのことを庇っているのですの?)

「コイツの思うは変態な考えの思うからだからいいの」
(…………お姉さま…黒子は…)
美琴の非情なる一言で、一気に落ち込んだ
「おいおい…おっ寮にそろそろ着くな」
「ゴメンねここからは私が背負うから」
上条は寮に近づくと、いつものように黒子を美琴に預けた

ここ数日間の恒例行事となった黒子受け渡しも終え上条は、最後にこう伝えた
「そうだなまぁ御坂、白井も俺と同じでお前の事が好きだからやった行動だから多目に見てやれよ」
「えっ好き」
「じゃあな明日もよろしくな」
そう言って上条はさっさと寮に戻っていった

上条の好きと言う言葉を聞き、美琴は黒子を背負ったまま立ち止まっていた
(…あの類人猿……あれっ?お姉さま?)

美琴は上条の何気ない一言で夢うつつ状態になりながら呟く
「……私のこと好きって」
「お姉さま?」
美琴が動かない事にどうしたのかと思い声をかけた
「……私のこと好きだって」
「お姉さま?」
「ふにゃ~~~~」
「あああぁぁぁぁぁぁ~おね~さま~~~っ!!」

その日の常磐台の寮の傍にて、いつもより真っ黒こげでソウルな頭になった少女が助けられたのは言うまでもない


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