とある魔術の禁書目録 自作ss保管庫

887

最終更新:

NwQ12Pw0Fw

- view
だれでも歓迎! 編集

勉強ネタ



11月下旬―――常盤台学生寮 (夕方)

とある事情により中間テストがなく期末で成績が決まってしまう。
その中…

「そういえばアイツの電話番号手に入れたのにあまり電話しないわね…」
といっても電話の内容が『シャッター開け方』など普通の会話ではない。
「どうしよう…たかが電話だけで緊張する…」
あれこれ30分も悩んでいる訳だがなかなか決断できない。
「落ち着け…まず深呼吸…よし!」
決断し電話をかける。

プルル…
『もしもし?』
『もしもし、御坂か?どうしたんだ?』
『ひゃ…えっと』
声を聞いただけで鼓動が速くなる。
『???特に用がないなら切るぞ―――』
『まって!えっと…今時間ある?できれば一緒に何処か行こうかなと…別に冬休みでもいいんだけど』
『あぁ、そんなことか。―――ごめん、御坂無理だわ』
『え、なんで?まさか他の人と…何処か行くの…?』
『え?いや、別にそういうことじゃないんだけどさ。今度テストあるだろ?
 あれで点数悪かったら冬休みのほとんどが補習になるんだわ。だから勉強しないといけないワケ』
赤点さえ回避できれば問題ないんだけど。と付け加える。
それを聞いて少し安堵する。
『ふぅん…要するに赤点さえ取らなければいいと?なんだ簡単じゃない』
『はぁ?お前にとっては簡単だけど上条さんにとっては地獄ですけど?』
『じゃぁ…今度勉強教えてあげる。それで文句ない?』
後でちゃんと付き合ってもらうからね。と条件を付ける。
中学生に教えてもらって大丈夫なのか?と思ったが夏休みの宿題もスラスラ解けるから問題ないかと考える。
だが中学生に教えてもらうこと自体に抵抗がある。
『え、じゃぁ…お願いします?』
『なんで疑問形なのよ。私がアンタの所に行ったほうが効率いいわね、住所教えなさいよ』
『わかった―――じゃぁ都合いいときに電話くれ』
うん、じゃぁねと言い電話を切る。

「やった!アイツの住所ゲット、これずっと気になってたのよね」
あまりの嬉しさにベッドの上で転がる。
今は同居人がいないので何をしても問題ないと言えば問題ない。
「早く明日にならないかなー」
と言い寝ることにする。
   
数時間後
「ただいまですの」
同居人の白井黒子が帰ってきた。
「お姉さま?…寝てますの?」
「……むにゃ」
思いっきり枕を抱きしめている。心情に何か変化があったのだろうかと考える。
「その枕は誰の変わりですの…まさかあの殿方ですの!?」
うふふと黒い笑みを浮かべる。
しばらく白井の苦悩も続く。

◆         ◇         ◆         ◇         ◆

常盤台学生寮―――朝 Saturday

「うーんよく寝た」
「そうだ、アイツに電話しなきゃ…」
嬉しすぎて昨日の緊張がもうない。

プルルル…
『もしもし』
『ふぁ…もしもし…何ですか御坂さん』
『アンタ寝むそうね…』
『何言ってるですか、今6時半ですよ。特に用がないんですねお休みなさ―――』
『ちょっと待ちなさいって!モ、モーニングコールに決まってるでしょ、この馬鹿!』
大声で言われたので耳が痛い。
『ああそうですか、じゃぁ30分後起こしてくだしゃい…』
プープープー
「あの馬鹿…なんで切るのよ」
冷静に考えれば朝早く電話されるのも迷惑だろう。
そこまで自分は浮かれてたのかと思う。
「まぁ落ち着いて7時に電話しよう…」

―AM7時

とりあえず7時になったので電話をする。
『もしもし…モ、モーニングコールよ、この馬鹿、早く起きなさいってば』
『ああ、ツンデレ風ありがとうございます(棒)』
『何よその反応…私だって好きでやってるんじゃないのよ!』
はいはいと軽く受け流す。
『で?本題だが、朝早くなんの用なんだ御坂』
『えっとアンタ今日時間空いてる?それなら晩今日教えてあげるけど―――』
それだけのことで朝早く起こされたのかと少し呆れる。
『はぁ…まぁいいか…じゃぁ11時ごろ来てくれ』
『うん、わかった。じゃぁね』

「なんだアイツ…まぁ勉強できる環境作るために掃除でもするか…」
とりあえずインデックスを起こす。
「とうま、なんでこんな時間から掃除するの?」
眠たそうに左目を擦る。
「それはお前が部屋を散らかすだろうがぁ!」
ちゃぶ台返しみたいな勢いでインデックスを放りだす。
今日のとうまはドライかもと言ってるが気にしない。
「朝食はもうできてるから適当に食べとけ」
「とうま、今日はシャキシャキしてるね、なにかあったの?」
「ん?勉強教えてもらう。あと御坂来るから、しまいに掃除手伝いたくないなら外出することをオススメする」
「そうじはめんどくさいかも…」

―――常盤台学生寮

「さて、早いけど準備しようかな」
「お姉さま…」
背後からなにやらオーラみたいな気が漂う。
「黒子…どうしたの?」
「お姉さま、そんな朝早くから何方と電話してますの?」
的確に芯を突いてくる。
「何方って…友達よ!友達!」
「その方は男ですのね?しかもお姉さまのツンデレ風モーニングコール…ああ羨ましい…」
枕をギッタンギッタンにしたりベッドの上に暴れまわったりしている。
流石のお姉さまの美琴でもこれには顔が引きつる。
「ちょ、ちょっと黒子落ち着きなさいって―――」
騒がしい日常が再び始まる。

「はぁ疲れた…やっと外出できる…」
あれから長い闘いが続いた。
『お姉さまの貞操を!』『あの腐れ猿がああぁぁぁ!!!』
などもうきりがないので電撃で気絶させた。
「時間遅れたけど…別に問題ない…かな、いや一応電話しなきゃ…」
ただ遅れただけなのだが
美琴にとってはデートに遅れるのと同じくらい重要らしい。
※デートではなくあくまで勉強です。
一応電話をかける。

『もしもし』
『もしもし御坂どうした?急用でも出来たか?』
『えっ、いや別にそうじゃないんだけど…』
『???』
『ちょっと黒子に捕まってね…振り切るだけで時間過ぎちゃったのよ。だから少し遅れるわね』
『ん?そんなことかよ。別に問題ないから、あと焦って怪我すんなよ』
『え(心配してくれてる…?)』
『お前はなんと言うかそそっかしい所があるから―――』
『余計なお世話よ、この馬鹿!』

「あー…やばい、いつもの調子できつく切っちゃった…」
軽くため息をする。
アイツ相手だとなんで素直になれないんだろうと思う。

一方上条は…
「なんでアイツ怒ってんだ???」
乙女心が全然わからない鈍感上条だった。

しばらくして美琴は上条の学生寮前まで来た。
「ええっとここよね…」
一応寮の名前を確認する。
「おーい」
誰かに声をかけられた。
振り返るとメイド服を着た少女が清掃型ロボットの上に正座している。
「な、なんでアンタがここに?」
流石の美琴でもこの展開は予想できなかった。
土御門舞夏は何かあると義兄の寮に泊まりに来る。
「おー御坂、ちょっと用がな、で御坂はどうしたんだ?」
「え、私はえっと…」
(アイツに会いに来たって言えば済むけど…そのあと何言われるかわかったもんじゃないし…)
ニヤリと変な笑みを浮かべる舞夏。
「まさか上条か?」
ビクッと肩が大きく揺れる。
「ち、ち、違うわよ!」
必死に反論するも目が泳ぎ、顔が赤くなったのでまる分かりだ。
「なんだそーなんだ、じゃぁ友達として一言。建戦を祈る。」
「な、何よそれ!べ、別にそういう意味じゃないんだから!」
がんばれ御坂ーと言い何処かへ行ってしまった。
「何よまったく…」

エレベーターに乗り、上条の所まで行きインターフォン前で立ち止まる。
「ここがアイツの…」

「なんだろう、異常に緊張してきた…」
まずは深呼吸をする。そしてインターフォンへ手を伸ばす。
だが手が震えて上手く押せない。
どうにか押すことができた。数秒後ドアが開く。

「よぉ、御坂。遅かったな。まぁ入れよ」
「うん、おじゃまします…」

部屋は1人暮らしにはちょうどいいくらいで中はそれなりに片づいていた。

「へぇ結構いい部屋じゃない」
「そうか?常盤台の寮よりましだろ」
「まぁ寝るだけの寮だからこういうのは新鮮なのよ」
「へぇ、まぁそこらへん寛いでくれ」
取り合えずベッドの上に座る。
「御坂お茶飲むかー?」
キッチンから声が聞こえる。
「あ、うん」

(やばい…アイツと2人きり…2人きり…。そのあと発展して…って何考えてるの私///)
思考が変な風に働くので断ち切るために首をブンブン横に振る。
「はい、お茶…。お前何してんだ…?」
呆れた目で美琴を見る。
「え、あ、べ、別になんでもない、なんでもない!」
コップを上条から奪い一気に飲み干す。
そんなにのど渇いてるのか?と適当に考える。
「お前顔赤いけど熱でもあるのか?のど渇いてるなら俺のお茶やるけど」
自分のコップを美琴に渡す。
「あ、ありがとう…」
一口だけ飲む。

(え、これってアイツがさっき飲んだお茶よね?ってことは…か、か、間接キス!?)
「ふぇ…」
「どうしたんだ、御坂?ってなんかお前バリバリいってるぞ!?」
要するに能力が制御できなくて漏電している。
「ふにゃー」
「ちくしょおおおおおおおおおおおおお!!!」
電撃が炸裂する前に美琴の頭に右手が触れる。
電撃はおさまったが美琴が気絶しているようだ。
「まったく面倒かかる姫だな…」


タグ:

+ タグ編集
  • タグ:

このサイトはreCAPTCHAによって保護されており、Googleの プライバシーポリシー利用規約 が適用されます。

目安箱バナー