ツールのパターン


現行の公式棋戦では、5つの棋戦に12組のリーグ戦がある。
これらのプレーオフの有無などの違いや全数試行・乱数発生による試行方式の組合わせに合わせて、ツールのパターンは次の7通りがある。
それぞれの対象となるリーグ戦および違いは次の通りである。
タイプ 棋戦(リーグ) プレーオフ 残留決定戦
全数・王位戦型 王位戦(紅組・白組),女流王位戦(紅組・白組) 有り 有り
全数・王将戦型 王将戦 有り(上位2名) 有り
全数・順位戦A型 順位戦(A級),女流名人位戦(A級) 有り 無し
全数・順位戦B型 順位戦(B1~C2),女流名人位戦(B級) 無し 無し
乱数・王将戦型 王将戦 有り(上位2名) 有り
乱数・順位戦A型 順位戦(A級),女流名人位戦(A級) 有り 無し
乱数・順位戦B型 順位戦(B1~C2),女流名人位戦(B級) 無し 無し

プレーオフの有無及び残留決定戦の有無については、説明を割愛する。(興味のある方はWikipediaなどを参照されたい。)

 試行方式について説明する。
 まず「全数試行」について。(略称:「全数」)
 棋士別成績一覧サイトでのシミュレーションは全て「全数試行」方式で行っている。
これは、例えば残りの対局が12局ならば、2の12乗=4096通りの勝敗パターン全てについて、レート差に基づく期待勝率から計算される発生確率を求め、同時に全棋士の順位を調べるという方式である。
 ここで提供しているツールでは対局数の上限を15局にしている。局数の上限を増やせば増やすほど、ダウンロードや試行の際にかかる時間が増大するため、制約を設けている。
(なお、参考までに、棋士別成績一覧サイトでは、プレーオフが有る場合には21局、無い場合には24局を一応の上限としている)
 ただ、このやり方だけであると、順位戦のように棋士数が多いには、対象局数が多くなり全数試行が困難になるので、昇級可能性のある棋士,降級可能性のある棋士にそれぞれ限定して、これらの棋士の対局のみに絞ることで、多人数の場合でも昇級・降級の発生確率を求めている。
 なお、ユーザインタフェースという点からは、
 ・王位戦型
 ・王将戦型/順位戦A型/順位戦B型(全員対象)
 ・順位戦B型(昇級・降級の可能性のある棋士のみ対象)
の3通りに分かれる。
ほぼ同様の操作で利用できるが、多少の差異があるのでそれぞれに解説を行う。

 次に「乱数発生による試行」について。(略称:「乱数」)
 全数試行の上限が15局であることから、(例えば昇級可能性のある棋士の対局に限定しても)残りが15局を超える場合には、全数試行は行えない。
 そのため、1局ごとに乱数を発生させてシミュレーションを行うのが、「乱数発生による試行」である。
 具体例を示す。例えば、先手棋士の期待勝率が60%、後手棋士の期待勝率が40%である対局ならば、乱数(0~1までの値をランダムに発生させる)が0.6未満ならば先手の勝、0.6以上ならば後手の勝ちとする。これを残りの対局全てについて行い、順位づけを行う。
 この試行をExcelの反復計算の機能を使って繰り返し実行させる。初期設定は100回をセットしてあるが、最大32767回(=2の15乗-1)まで反復計算をすることが可能である。
 こちらもユーザインタフェースという点では、
 ・王将戦型/順位戦A型/順位戦B型(全員対象)
 ・順位戦B型(昇級・降級の可能性のある棋士のみ対象)
の2通りに分けられる。(王位戦は各組15局しかないので全て全数試行可能であるため、乱数発生による試行は提供されない。)
こちらもほぼ同様の操作で利用できるが、多少の差異があるのでそれぞれに解説を行う。


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最終更新:2010年01月04日 10:25