「万引公表し退学に」 神戸・高3自殺 少年、メールで脅す 家裁送致2007/10/06,
産経新聞 大阪朝刊, 30ページ
神戸地検は同日、恐喝未遂の非行事実で少年を神戸家裁に送致。家裁は2週間の観護措置処分を決定、神戸少年鑑別所
に収容した。同地検は「事件が終結しておらず、捜査に悪影響を与える」として処遇意見を公表しなかった。
非行事実などによると、少年は別の18歳と17歳の同級生2人=いずれも恐喝未遂容疑で逮捕=と共謀。6月下旬、
男子生徒の携帯電話に「おれは5万くらいでええよ。夏休みまでに払わなければ倍の金額を2学期中に払わせるか、
学校に発覚していない万引の事実を公表して退学にさせるか、クラスのメンバーを勢ぞろいさせてリンチをさせるかの
選択になる」などというメールを送信し、男子生徒から金を脅し取ろうとしたとされる。
関係者によると、男子生徒は同級生らに数回の万引を強要されていたなどと、知人らに打ち明けていたという。
神戸地検が恐喝未遂の非行事実で送致した少年について、クラスメートは男子生徒と仲が良かったと認識し、少年自身
は男子生徒への現金要求を「冗談のつもりだった」と供述している。男子生徒が残した遺書めいたメモに少年の名前が
なく、弁護側は少年の非行事実を否定しており、状況は混沌としている。
「2人はクラスで一番仲が良かった」「少年は男子生徒の良い相談相手だった」-。男子生徒から金品を脅し取ろうと
したとして少年が逮捕された後、クラスメートが書いた作文にはこんな言葉が並んだ。
少年の逮捕後に学校が行った調査でも、同級生の多くが2人は「親友」だったと回答。「男子生徒が落ち込んでいると、
少年が『がんばれよ』とよく励ましていた」「少年は男子生徒の自殺の直前まで相談に乗っていた」という回答もあった。
少年自身も男子生徒の自殺後、作文に〈今は彼を救えなかったことがくやまれてなりません。きっと唯一、私にしか話
せないこともたくさんあったでしょう〉と書いた。
関係者によると、少年は、自分が送信したメールが「いじめ」だったという認識や、男子生徒の自殺につながったとい
う認識はなく、男子生徒に対する謝罪の言葉なども口にしていないという。弁護側は、男子生徒が自分から「うそつい
たら1万円払う」と言い始めたことなどを踏まえ、少年に非行事実はなかったと主張する方針。
これに対し、兵庫県警は、少年は今年春ごろから男子生徒が自殺するまでの間、男子生徒の携帯電話に脅迫メール
を繰り返し送信していることから、金品を脅し取る目的があったとみている。
最終更新:2008年01月10日 19:52