神戸・高3自殺:「払わんかったら退学」 メール送り恐喝未遂容疑、同級生2人も逮捕2007/09/26,
毎日新聞 大阪朝刊, 30ページ
自殺した神戸市須磨区の私立高校3年生(当時18歳)に対する恐喝未遂事件で、兵庫県警少年捜査課と須磨署は25日、既に逮捕している男子生徒(17)と共謀して被害生徒に現金を要求したとして、新たに同級生の男子生徒2人(17歳と18歳)を恐喝未遂容疑で逮捕した。
2人は「遊びだった。本当に金を取るつもりはなかった」と容疑を否認しているという。
調べでは、2人は今年6月、最初に逮捕された生徒と共謀し、被害生徒に「金払わなかったら何されるか分からんぞ」などと携帯電話にメールを送り、最初に逮捕された生徒に5万円、2人に3万円を支払うよう要求した疑い。
「もし払わんかったら、倍の金額を2学期中に払わすか、リアル退学にするか、それが無理なら登校拒否にさせるくらいまで、メンバー勢ぞろいさせて毎時間……みたいな選択肢になっている」などと脅すメールも送っていた。
メールは最初に逮捕された生徒が送っていたが、内容は3人で相談したと供述したことから、県警は2人についても逮捕が不可欠と判断した。
一方、被害生徒は、逮捕された3人とは別の同級生にブレスレットの偽ブランド品を売りつけられ、4万円の支払いを要求されていたことも判明しており、県警はこの同級生についても捜査している。【武内彩】
◇「大変なことした」--学校調査にうなだれ
「たとえ冗談だったとしても、大変なことをしてしまった」。
恐喝未遂容疑で25日に新たに逮捕された男子生徒2人は、事件後の教師との面談で、そう話してうなだれていたという。
学校側はこの日、午後の授業を打ち切って1、2年生を帰宅させ、校長らが急きょ記者会見。「覚悟はしていたが、まさか逮捕されるとは……。
ご迷惑をおかけして申し訳ない」と謝罪した。
今月17日に男子生徒(17)が逮捕された翌日から、学校側は被害生徒のクラスメートらから聞き取り調査。
学校によると、今回逮捕された2人はその際に「自分たちも逮捕されるのでは……」と漏らしたという。
2人はこの間、授業に出ずに学校側の調査を受けており、ふさぎ込んで昼食ものどを通らない状態。
教師が「『うそをついたら罰金1万円』という取り決めが被害生徒を追い込んだなら、いたずらでは済まされない」などと諭すと、「大変なことをした」と話したという。
しかし調査に対し、1人は逮捕容疑となった
恐喝メールの送信を依頼したことは認めたが、もう1人は関与を否定。
2人とも「金を取るつもりはなかった」と話したという。校長は「警察がどういう判断で逮捕したのか分からない」と述べ、生徒指導部長は「調査が甘かった」として、調査をやり直す考えを示した。
学校側は23日に被害生徒の遺族に直接謝罪し、25日も2人の逮捕を連絡したという。被害生徒の母親は取材に対し「分かっていないことがあるので、何も言えません」とだけ話した。【津島史人】
最終更新:2008年06月16日 21:55