担任、嫌がらせ見過ごす 昨秋、机に紙粘土 神戸・高3自殺 【大阪】2007/09/23,
朝日新聞 朝刊, 33ページ
同校の調査などによると、自殺した生徒は2年生の時の2学期、恐喝未遂容疑で逮捕された少年(17)を含む同級生
計3人から、教室の机やかばんの中などに紙粘土を数回入れられた。生徒が紙粘土を「気持ちが悪い」と避けていたこ
とから、嫌がらせをしたらしい。
担任教諭が、机の上に紙粘土の塊が置かれているのを発見。生徒に声をかけたが、「大丈夫です」と言われたため、
ほかの生徒らに注意しなかったという。教諭は少年の逮捕後、学校長らにこの事実を初めて報告した。学校長は「信頼
関係があれば、(生徒からのいじめの)サインを見落とさずにすんだのかもしれない」と釈明した。
この2回目の調査で、自殺した生徒が服を脱がされる様子などの写真や動画が掲載されたホームページ(HP)を、紙
粘土の嫌がらせや現金の要求をしていた同級生の1人が作っていたことがわかった。この同級生は「生徒に頼まれた」
と釈明。学校側は事実上、同級生がHPを管理・運営していたとみているが、だれが写真などを投稿したかは不明とし
ている。
自殺した生徒の母親が22日、朝日新聞の取材に初めて応じ、「何があったのか、きちんと学校に聞きたい」と話した。
同校は21日、いじめがあったと認める学内の調査結果を公表したが、遺族に対して事前に連絡や説明をしていなかっ
た。遺族は学校に抗議したという。
生徒の母親は22日夕、神戸市内の自宅でインターホン越しに、「調査結果の内容はまだ聞いていない。今日(22日)
の午前中に学校から『説明させてもらいたい』という電話があっただけだ。何があったのかをきちんと知りたい」と
淡々と話した。
同校はこれまで、月命日などに数回、校長や担任教諭が遺族宅を訪れたが、いじめについての言及はなかったという。
少年が逮捕されてから、訪問は途絶えている。学校長は「いま自宅を訪ねると、(マスコミの目に触れ)混乱すると
思った。配慮が欠けて申し訳ない。今後、場所や時期を打ち合わせ、丁寧に説明させて頂きたい」と話している。
最終更新:2008年01月06日 09:03