いじめ「極めて悪質」 県警「犯罪、厳格に適用」 神戸の高3自殺、逮捕3人【大阪】2007/09/25,
朝日新聞夕刊, 13ページ
新たに同級生の少年2人が逮捕された。県警は極めて悪質と判断。犯罪行為の域に達していたとみられるいじめの実態解
明を進める。
身柄を拘束して調べる強い姿勢で臨むことについて、県警幹部は「犯罪に当たるかどうかを検討し、当たる部分については
厳格に適用する。世の中の子どもたちには、いじめをすれば逮捕されるかもしれない、ということを知ってほしい」と話す。
捜査の発端は、生徒が残した遺書だった。「パチを言ったら1万円と約束し、数十万円の借金がたまったが、とても
払えない」との内容が記されていた。
県警は生徒が自殺した7月3日以降、同級生3人から任意で事情聴取したが、全員が「遊びのつもりで、金を取る意図はなか
った」と容疑を否認。だが、自殺した生徒らの携帯電話メールの送受信記録を調べたところ、最初に逮捕された少年から再三、
現金を要求するメールが送られていたことが判明した。
さらに、少年がほかの2人らと「警察の調べにうそをついてもばれない。なまっちょろいもんや」などとの内容のメールを回覧し、
口裏合わせをしていた疑いも浮上。県警は当初、不拘束で調べる方針だったが、こうした行為を「極めて悪質」と判断、証拠
隠滅の恐れもあるとして、今月17日、少年の逮捕に踏み切った。
少年のメールには「ほかのメンバーにも3万円ずつ払え」とあった。県警は、少年が「現金要求メールに、ほかの2人から自分の
名前も入れてほしいと頼まれた」と供述したことや、2人が学校の調査に現金要求に関与したと認めたため、恐喝未遂容疑の共
犯に問えると判断した。
高校の校長と3年の学年主任らが、自殺した生徒の両親と面会し、学内調査の結果と、いじめがあった事実を初めて報告したことが、わかった。
報告は23日で、マスコミへの発表より2日遅れた。校長は「電話で伝えるようなことではなく、混乱を避けたかった」と謝罪した
という。校長は「ご理解していただいたと思っている」と話した。
最終更新:2008年01月06日 09:04