大日本帝國の陸軍。
昭和18年初頭の兵力 100万人
師団51個(現役26個+予備役25個)
混成旅団58個(現役28個+予備役30個)
転移前の部隊の半分が予備役に回った。
ただし、航空・重砲部隊は全部隊現役のまま。
昭和18年初頭、転移時に230万人を誇った兵力は100万人まで削減され、51個師団・58個旅団の戦力も26個師団・28個旅団のみ現役に留まり他は予備役に回されている。だがそこまでしても100万人の現有兵力に対して部隊数が多すぎ、完全充足は僅か10個師団という有様だった。
今回遂に陸軍は実質的な部隊削減を決意せざるを得なくなる。独立混成旅団を全廃し、51個師団・58個旅団体制を51個師団体制に削減する事を決定したのだ。内訳は現役師団26個に予備役師団(充足率5%以下、司令部と装備管理要員のみ)25個、現役師団のうち完全充足師団は13個で他の現役師団は充足率40~50%の平時編制師団である。
これにより資源地帯防衛に4個、北東ガルムに5~6個師団を配備しても手元に3~4個師団が残る事になり、戦力に余裕が出来る。これは小競り合い程度には十分な手持ち兵力であろう(少なくとも参謀本部はそう判断した)。
師団そのものも強化され、独立混成旅団の廃止により浮いた装備を回して師団火力を向上する。従来の計画である①歩兵大隊に速射砲小隊を配備し歩兵砲小隊と合わせて大隊砲中隊を新設、②歩兵連隊の速射砲中隊と連隊砲中隊の保有火砲を50%(つまり2門)増加、③師団速射砲隊・師団機関砲隊の新設、の達成目処もつき、更に④師団砲兵を野山砲大隊3個と榴弾砲大隊1個に増強、まで行われる事となった。これらの計画が全て達成された暁には、帝國陸軍師団の火力は従来より大幅に上昇するだろう。
『これでようやくドイツやソ連に匹敵する歩兵師団を手に入れる事ができる!』
この計画は中堅の将校達にそう歓迎された。
もっとも弊害が無い訳ではない。例えば各師団には新たに副師団長職が設けられ、中将1に少将3(副師団長・参謀長・歩兵団長)の4人もの将軍が存在することになり、少将間の序列・指揮系統に問題がでる可能性がある。また師団の肥大化・装備の増大による師団輜重に対する負荷の増大、戦略機動性の低下等、様々な問題も指摘されている。特に戦略機動性の低下は、海外展開を宿命とする陸軍にとっては見逃せない問題と言えるだろう。だがそれでもなお、陸軍はこの火力重視の新型師団で今後を戦う事としたのである。
機甲戦力でもようやく
一式中戦車や一式砲戦車の生産が決定され、今後中戦車中隊には一式中戦車、機動砲兵中隊は砲戦車中隊に改編されて一式砲戦車が配備される事になった。また
九五式軽戦車に代わり
九八式軽戦車の生産も開始され、帝國の戦車戦力も師団近代化に合わせて新時代に入る事になる。恐らく今後10年程はこの機甲戦力で戦う事になるだろう(従来の戦車は新型と入れ替えに、増設される師団戦車隊に回される)。
最終更新:2006年05月21日 08:40