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2025年総評案3 大賞:蠢牝 ~仄ちやう滴り~

【2025】 クソゲーオブザイヤーinエロゲー板 総評審議所
https://jbbs.shitaraba.net/bbs/read.cgi/game/58649/1770560107/
52:選評3:2026/04/01(水) 02:54:06 HOST:p3223015-ipoe.ipoe.ocn.ne.jp
「地獄への道は善意で舗装されている」
2024年は16本という様々なエントリーを果たした中、その中で大賞に選ばれた『GEARS of DRAGOON 3』はダンジョン探索RPGとして風呂敷を広げたストーリー、等、プレーヤーを楽しめる努力を行ったのにもかかわらず、劣悪なゲームデザイン、粗悪なバランス、不愉快なGUI、かつての『スベリオン』を彷彿とさせる風呂敷だけ広げた薄っぺらいストーリー等、あらゆる思慮配慮が足らず、プレーヤーに最大限の苦痛を与え、結果として2024年の最大の苦痛と化した『GEARS of DRAGOON 3』を大賞に選定し、KOTYe2024は幕を閉じた。

斜陽業界なエロゲ業界が衰退し、かつてのスタジオが潰れていく中、そんな激しい向かい風が吹く中、どんなに過酷な地でもKOTYe民はそれでも過酷な荒野の中をさまよい、豚やシカ、バイソンを狩り、その死体を解剖、検証し、そして巨大なハイイログマと対峙する瞬間のため、闇の奥へと足を進めていく。そうしてクソゲーオブザイヤー2025、エロゲ板が始まるのであった。

年が明けて間もない2月、密室という名の修練場が姿を現した。
Tilyの『ヤっても出られない部屋に閉じ込められたので引き続きもっとヤる話』である。

本作は、ヒロインと閉鎖空間で延々と行為を繰り返すという、極めて純度の高いコンセプトを掲げた作品である。
CGの質もよく、最初のうちは「抜きゲー」だからとして、セックス以外何もないことにはまず受け入れられるが、ゲームを進むに連れその実態は、「物語を削ぎ落とした」のではなく、「ゲーム性を放棄した」結果であった。

4つの扉を開けてはイベント、また扉を開けてはイベント。その回数は実に39回。対して用意されたCGは19枚。すなわちこの反復は、明確な水増しによって成立している。
またすべてのシーンがHシーンではなく、中にはエッチじゃないけどエッチに聞こえる言葉バトルや、乳首当てゲーム、道具について学ぶなど水増しされたようなものもある。

一部のシーンは回想への登録がされず、機能すら不完全であり、そのシーンを気に入った際には手動セーブを強いられる始末。
そしてタイトル通り、最後まで「出られない」。日常会話で外に出た時の事を散々話した挙げ句、エンディングが脱出できる見込みはないけど告白して恋人になりましたという、アンチクライマックスなエンディングには納得しづらいものがある。

コンセプトへの忠実さが、体験としての閉塞感へと転化した本作は、「削ぎ落とす美学」と「手抜き」の境界線を示す一例となった。

続いて、Waffleの『巨乳ファンタジー5 王子リーン』。シリーズの看板を背負った本作は、CGのクオリティ自体は高水準でありながら、
「ファンタジー」のはずが、壁画にはへのへのもへじが書かれ、ストーリーにおいては両親の借金を肩代わりしたソニアがひたすら悲惨な目にあい、主人公が彼女の弱みをつかい、ただただ彼女と肉体関係を築くシナリオにおいてプレイヤーの感情をカタルシスとは真逆のフラストレーションへと叩き落とし、謳い文句である「爽快なサクセスストーリー」という看板と致命的に乖離している。

さらに追い打ちをかけるのが、突如として全裸を晒すザマス王妃。ババアの乳房が踊る、一瞬の全裸である。
一瞬のギャグのつもりが演出ではなく、単なるモザイク不備という技術的事故であったために、とても抜くものではないとんでもないものを見せられたプレーヤーはもう抜けられるだろうか?

重苦しい展開と意図しないギャグが同居する様は、シリアスを志したがゆえに崩壊した典型例と言えるだろう。

3月にはTinkerBellから『蠢牝(うごめ) ~仄ちやう滴り~ 』がエントリー。2022年にクソゲーオブザイヤーを受賞した『悪魔と夜と異世界と』を送り出したWendyBellのサブブランドからの作品だ。
「SM・折檻・監禁・キメセク系ハードADV」を称して、スカトロ、SM、といったハードコアな層に売り出したゲームであったが・・・
まず、CGの質は全体を通して低質だ。絵柄は古臭く、紫を入れた瞳の書き込みは違和感を与え、特に反射が顕著である雑な髪の塗りやHIKAKINにみえる表情には妙な違和感を抱かざるを得ず、同時にCG数も少なく1cjkを下回る25枚、差分を除けば23枚。
ストーリーの抱える問題点も見逃せない。
自己紹介をしている中、途中でピンクローターを仕込まれても、突っ込まない主人公の美月。そこから奴隷契約を交わし、処女を喪失するEND。
もう一つのルートでは留学に行ったと思えば、突然娼館に売られ、家が陥没し、因習村に売られ、苗孕巫女として村人の性欲処理の道具にされ、脱糞してENDといったように話が飛躍しすぎている。
アヤネの方では2つのルートの分岐のしかたからHシーンがラスト以外は共通であり不満感が残り、サキのルートだが、こちらは1つしかない。 とつぜんコンセルの男に侵され、太彭との関係は不明なまま、意味不明なまま話が終わる。

発売からすぐ強化DLCが発表されたが、5月2日に「強化DLC」パッチが配信されたが、手始めとしてセーブデータの互換性がなくなり、一からのスタートを余儀なくされる。
一応CG数は25枚から48枚に増えたものの、途中で終わっていた美月の穴まみれのストーリーには多少の改善が見られるが、1シーンのみヒロインが目覚めて竿役の男を殺害したりする展開や、ふざけてるのかわからないNPCからのオナラコールにより、最低限保てていたシリアスな作風すら悪化する様は、雰囲気を殺す夢オチエンディングで大不評を食らったDLC、『The Callisto Protocol: Final Transmission』に通づるところがある。

結果として、『蠢牝』は、未完成のまま販売され、DLC込で考えてもニッチなフェチを求めるプレーヤーからは満足できるものではなく、かといって題材が題材であるがために他のプレーヤーには受け付けられず、シナリオ面でも落第点という、残念極まりない悲惨な一作として終わってしまった。

4月、春の嵐が三方向から吹き荒れる。

続いて現れたのは、虚無そのもの。新ブランドであるアトリエショコラの贈る『異世界ヒロインと同棲生活』である。

プレイ時間約1時間、CG9枚、そのうち7枚は事前公開済み。そしてゲーム内で最も印象に残るのは、

「ーーーーーーーパンッパンッーーーーーーーパンッパンッパンッ。
ーーーーーーーパンッパンッーーーーーーーパンッパンッパンッ。」

という甲子園の声援のような擬音であった。

単調な描写、使い回されるテキスト、クリックのたびに反復される同一文。それらが積み重なった結果、プレイヤーの脳内には謎のリズムと幻聴が刻み込まれることとなる。

内容の薄さを誤魔化すでもなく、ただ露呈させた本作は、低価格帯作品の限界を体現した存在であり、7月にはFANZAの販売ページが削除され、異世界から来たヒロインは購入不可となり幻となって、異世界へと消えてしまった。

5月には『巨乳ファンタジー5』のアペンド、
『温泉パイズリファンタジー~母乳篇~』が登場。

「10Pハーレム」という大きく掲げた触れ込みとは裏腹に、実態はそんなシーンはなく2~4人ずつまとまって順番にこなしていくだけの、分割された少人数プレイの集合体に過ぎない。

さらにCG配分の偏りが酷く、ヒロインの一人がベルベル・ゾナ・ニケがCGの半分を占め、「ごきゅ、ごきゅ」と「んちゅ~」と「んぐぅ」か繰り返し表示される、単調でチープなテキスト、繰り返される反応。期待された“豪華さ”はどこにも存在しなかった。

後に「10Pハーレム」キャッチコピーが修正され、偽りの豪華さで終わり、それがすべてを物語っているとも言えよう。

夏、空気の読めない恐怖が紛れ込む。
OONSTONE Cherryの『ホめられて伸びるSR少女たち』である。

抜きゲーなラブコメを標榜しながら、抜きゲーの醍醐味を引っ掻き回すかのような、約15分にわたる非常に長いイントロ、カルト宗教の教祖にされていた音遠、や連続少女殺人事件の犯人に誘拐された月子といった重すぎる設定、無駄に気合入れて用意された連続殺人鬼の唐突なホラー、そして死んだ友人を思い浮かべるノスタルジー。

ストーリーを進行する行為中に差し込まれる過去回想は、没入どころかプレイヤーを現実へと引き戻す装置として機能した。

さらに常に付きまとう悪霊の存在は、「見られているかもしれない」というノイズを生み続け、ここまでエッチシーンに異物を混入させておいてストーリーの最後はあっさりしている。
異世界からやってきた日乃魅は、SRを伸ばしても結局もとの世界への門を開く事なくこちらの世界に残る事を決める。月子はずっと憑いていた生霊が遊園地で楽しそうにしているのが我慢できずに襲いかかってきて数行で自滅。深果梨は自分のファンの女の子の父親についていたアクマを数行で払う。
良かれと思って風呂敷を広げたはいいものの、収集がつかず結果としてストーリーもエロもどちらも台無しになる最悪の結果となってしまい、プレーヤーのソレを褒めて伸ばすはずの作品は、結果としてソレと正気を削り取ることとなった。

同時期、異物混入の極致が現れる。monoceros+の贈る『Vanilla Android』である。

5年ぶりの野々原幹原画の作品でもあり、キャラも可愛く、シナリオも一定水準を満たしていた。ただし、問題が一点。

主人公のそれが、あまりにも黒すぎた。
その結果、視覚的な違和感は瞬く間に全CGへと波及し、あらゆるシーンが別の何かへと変質する。
それは「ち◯ぽ」ではない。「う◯こ」である。一応、シナリオ内で「オ◯ニー」のしすぎと説明されてはあるが、それにしたって、黒すぎる。

亀頭が見えればまだかろうじてち◯こと認識できるが、フェラのシーンは食糞となり、アナルへといれるCGに切り替わった途端、それは完全なる脱糞となる。
ただ一点の表現が作品全体を侵食し、スカトロと思わず買ったプレーヤーを絶望のどん底へと転がす様は、まさに今年を象徴する「異物混入」の完成形であった。

秋にはkelp『レイブン・ブラック・ラック・ライフ ~廃宿の主になってワケアリ姫とシスターと過ごす宿屋ライフ~ 』が登場。

経営ADVを名乗りながら、個別ルートに必須のクエストの出現条件が一定以上の資金を持っていることであり、「稼いで支払って・・・」を繰り返し、手持ちを残さないようにするとノーマルエンドになってしまい、攻略として金を稼ぐだけ稼いで一切支払わないという、シナリオ面で最適解は「経営しないこと」という、根本のジャンルを無視した豪快な構成であった。

さらにテキスト自体は悪くないものの、フルプライスのストーリーをカットして無理やり縮めたかのようなプロットには「説明不足かつ何も解決していない」という重大な問題点があり、「宿屋の地下に謎のダンジョンが広がって、明らかに魔法世界と異なる文明のものがあった。」といった伏線を張るだけ張り、何一つ回収されることなく終わる。
さまざまな謎は謎のまま放置され、世界観は解体されないまま幕を閉じる。

その語ることも遊ばせることもを放棄した姿は、放棄された宿そのものであった。

つづいて、前年の『異世界娘と秘密のコンカフェえっち』のCalciteから『悪役令嬢をわからせる!?』は相変わらずのAI生成の問題を露呈。

ストーリー自体は異世界転生の悪役令嬢モノではあるが、AI生成で作られたグラフィックのゆえかキャラの立ち絵の雑な切り抜きや、異世界なのにもかかわらずバックグラウンドのキャラクターにサラリーマンが登場する。不自然なビジュアルに加え、シナリオはキャラの言動も言動も首尾一貫せず人格を掴ませず、またAIが生成できないシーンを生成しないためなのか、全ルートは「弱みを握られた主人公に町中で公開セックス→イチャラブ→豚小屋墓手柄セックス」をヒロインごとに繰り返すほぼ同一構造。

なによりも主人公の人格が崩壊しており、「不意打ちでナイフを突きつけられただけで主人公は屈服」、「セックス中は調教ものの定型句を喋りながらも感嘆符はまったく使わない」、そして全般に渡って公開セックスで痴態を曝け出すといった奇行を前編に渡って行い、感情移入が出来ないようなものとなっていた。
結局「わからせる」はずのゲームは、ヒロインはただ犯され、一方のプレイヤーは困惑するのみで、だれもわからされていない結果になり、技術の使用が目的化したとき、作品は明後日の方向に向かってしまうのだ。という事を示した一例であった。

寒さが冷え込む冬になる12月、ま~まれぇどから『バカップル・サプリメント』が投下される。

しかしゲームを起動した時、そこにいたのはバカなバカップルではなく、バカなプログラムであった。
起動不能、表示崩壊、演出破綻。あらゆる要素が制御を失い、ゲームは“成立しているかどうか”すら怪しい状態に陥る。

バグの存在で見逃されがちだが、脚本もなかなか香ばしいものである。エロゲの不満を妹に泣きつくシーンで「尺稼ぎで男子生徒ABが延々と喋りまくるクソ日常シーン」を挙げているのであるのだが、皮肉もなしに延々と喋るシーンで溢れており
もしもそれが駄目と分かっているのなら、なぜそんなことをする?と叫ばざるをえない、恥ずかしがるべきはこんなものを読まされるプレーヤー側の方である。
脚本の問題はそれだけでなく、ボテ腹のはずなのに普通な状態にあるセックスシーンなど、基本の破綻も見逃せない。

テキストとCGの不一致、音量バランスの崩壊、そして恥ずかしいシナリオ、細部に至るまで破綻は徹底していた。まさに「バグの総合芸術」と呼ぶにふさわしい一作である。

そして年末、PULLTOP LATTEから『キミと恋するハッピーサマー』が投下される。

関係性の積み重ねを放棄したシナリオは、気づけば三股が成立しているという異様な結末へと至り、ヒロインの三人から「もちろん、わたしだよね?」とトラウマになりかねないエンディングを描いた。恋愛を描くはずの作品は、最終的にホラーへと変貌した。

グラフィックから1枚の差分で乳揉み、パイズリ、正常位、ハグといったプレイを表現。 CGの激しい使いまわし、
だが、本作の最大の敵は、内容ではない。“視認性”である。

薄い文字の色に同系色のテキストウィンドウが重なった結果信じられないほどの見づらさを実現する読めないテキスト。ストライプによるシーン転換による目に負担をかける演出による錯視による物理的ダメージで、ヴィジュアルノベルの基本となる「文字を読む」という基本的な行為を身体的な苦痛に変えている。


そして年の瀬、申し開きとして最後の滑り込みとして現れたのが、3月にリリースされたアトリエさくら『学生会長・紫藤喜那の淫鬱 ―学生会長兼恋人の寝取られ議事録―』である。

NTRの老舗として数多の作品を送り出してきた同ブランドの、一時的な最終作。
近年「これはNTRではない」と評されることも増えていた中、汚名返上が期待された一作でもあり、最後のチャンスでもあった。

しかし結論から言えば、本作は「NTRというジャンルそのものの理解不足」を露呈する結果となった。

まず問題となるのは、物語の駆動役である校長・鮎川五郎の存在である。徹底したクズとして描かれているものの、その言動は嫌悪を通り越して単なる不快感の塊と化しており、プレイヤーの感情は「奪われる恐怖」ではなく「ただ見たくない」という拒絶へと傾いていく。

加えて致命的なのは、主人公とヒロインの異様なまでの受動性である。理不尽な要求に対してほとんど抵抗せず、状況は常に校長の思惑通りに進行する。本来NTRにおいて重要であるはずの「抗い」「葛藤」はほぼ存在せず、結果としてドラマではなく作業的な転落が描かれるに留まっており、プレーヤーからは登場人物に不満ばかりを抱き、感情移入は不可能なものとなる。

そして極めつけはエンディングである。本作は複数の結末を用意しているが、そのいずれもが「寝取られ」ではなく「寝取らせ」や「関係継続」に収束する。
ヒロインは完全に失われることなく、主人公もまた喪失ではなく歪んだ満足へと至る。

ここにおいて、NTRの本質である「取り返しのつかない喪失」と「そこから生じるカタルシス」は完全に欠落している。
悲劇としての構造を持たず、かといって倒錯的快楽にも昇華されない。

残るのは、ただ不快感と困惑のみである。老舗ブランドが最後に示したのは、積み重ねてきた様式の深化ではなく、その表層だけをなぞり続けた末の空洞であった。

以上で、今回の全エントリー作品の紹介を終え、KOTYe2025のエントリー作品となる。

次点は
『Vanilla Android -シコ猿DT大学生の俺と美少女アンドロイドがいろんなプレイでハメパコミッション!-』
『ホめられて伸びるSR少女たち』
『バカップル・サプリメント』

そして大賞は『蠢牝 ~仄ちやう滴り~』である。

いずれの作品もメカッ娘、近親相姦、スピリチュアル、そしてスカトロ、どれもそれぞれ誰かフェティシズムを満たせそうなものである。
特殊フェチである以上、仮に比較的質が低くとも、クセがあってもある程度そのオーディエンスに受け入れやすいものである、が、それぞれ様々な特殊な理由により満たすことに失敗した作品である。

バグが多い、構成が駄目、シンプルにチ◯コが黒すぎる・・・。

では、なぜその中で『蠢牝 ~仄ちやう滴り~』を大賞へと選出したのか?それは前年大賞の『GoD3』に通ずる「地獄への道は善意で舗装されている」と言った点である。
ジェンダーの多様化により百合やふたなりといったものは受け入れやすくなったものの、スカトロ、キメセク、SMといったものは現代の中では社会内でタブーか人に受け入れられにくいものである。そんな僅かではあるが、確実に需要があるハードコアなニッチなおかずを提供するだけである程度満足させられたはずが、破綻したストーリー、未完全商法、といったプレーヤーを舐めてるかのような商売と、全体にわたるCGと脚本の低クオリティにより、その小さな需要を満たすために作られたゲームが、その需要を潰してしまったのである。

また、『Vanilla Android』はう◯こに見えるチンコを無視できればCGの質は良く、『バカップル・サプリメント』と『ホめられて伸びるSR少女たち』もCGは決して悪くはないため、手間は脚本を修正すれば、またCGだけを単独で見れば使い物にはなるだろう。
だが、『蠢牝』はどうだろう?繰り返すことになるが、ターゲットにしていたニッチな層からは不足を満足させることは出来ず、かと言って題目はドン引きされるようなもので、決して万人向けではない。数少ないCGも質は低く、強化DLCのおかげで脚本は少し補強されたものの、結局無茶苦茶な構成で楽しめるストーリーとは程遠いものであり、煮ても焼いても食えるものではなくクソゲーとはなんたるかをプレーヤーに伝える作品となってしまった。これらを理由に『蠢牝』をKOTYe 2025の大賞とする。

こうして18回目となるKOTYe2025は幕を閉じたのであった。
エントリー数は12本と少なく、例年であればどれも火力不足とも評され、良くて次点止まりの作品であっただろう。だが、決して絶賛するような作品どころか、話題に登るようなものではない作品でも、業界の苦境の中でゲームを作ってくれたことに、拍手を挙げたい。
ここ数年、エロゲに限らずゲーム業界全体でスタジオの閉鎖や解散が相次いでいる。エロゲー業界ではスタジオさくらだけでなく、『Justy×Nasty』や『pieces/渡り鳥のソムニウム』などで知られるWhirlpoolが解散。
全年齢向けであれば、ここ数年『Hi-Fi Rush』のTango Gameworks、『Rollerdrome』のRoll7、『Middle-Earth: Shadow of Mordor/War』のMonolith Production、どれも高い評価、及び売上を記録したタイトルであるにも関わらず、親会社の決断一つによりスタジオを閉鎖される事になった。
我々がどんなに称賛を与えても、どんな罵声を浴びても、それがスタジオの命運を決めるのは限らない。どんな駄作であれ、名作であれ、アーティストやプログラマー、シナリオライターにとって負担も時間もかかる仕事であり、それが天国へと導くか、地獄へと導くかはわからない。

それでも、月日をかけてゲームは生まれてくる。成功もあれば失敗もあり、傑作と評され、だれからも愛されるのもあれば、クソゲーと罵倒されるもの、あるいは、誰の会話にも上がらないものもある。こうしてスレでクソゲーとして批評しても、各地で成功を噛み締めても、スタジオの行く末を決めるわけではない。未来は神のみぞ知る。

ここで、スレ民からの憎しみを噛み締め、けれども同時に今後の成長と健闘を祈り、『蠢牝』、そして2022年の『悪魔』を送り出したTinkerbell、及びWendyBellへ、レオナルド・ディカプリオ主演の2015年の映画『レヴェナント 蘇えりし者』、及びそれを原作とした小説、『蘇った亡霊:ある復讐の物語』を象徴するセリフから、この選評を閉めくくろう。
「復讐は神の手に委ねる。(Revenge is in God's hands.)」
最終更新:2026年05月31日 22:25