大法典
- 穂篠 智子(ほしのともこ)

司書。悠織とは同時期に大法典に加わり、同じくらいの地位にいる。
出世することにしか興味の無い(ように彼女には見えている)悠織を目の敵にし、衝突することも少なくない。
情報の収集と分析の腕は確かで、悠織も認めざるを得ないほどである。
魔法名「宇宙攻略本(コスモ・バイブル)」
彼女の魔道書は、少し未来に訪れるであろう出来事と、その確率、そして対抗するための最適解を網羅した辞書である。
物事の起こりうる可能性や、最悪のケースを示唆することはできるのだが、全通りの未来に対応した策を構築するのは不可能といってもよい。
そのため、予言書としては万能性に欠ける。
表示される未来の量は彼女の演算能力に反比例し、能力が上がれば上がるほど、正確かつシンプルに未来を絞りこむことができるようになる。
大法典の彼女の今後の成長に対する期待は、かなり大きいだろう。
- 藪石あかり(やぶいし)
大法典所属の魔法使い兄妹。八文儀支部を視察するため、円卓から派遣された。
兄の朱里と妹の亜加梨、腹部結合双生児である。
数年前、大法典に捕らえられた森かよにギアスをかけたのは、彼らである。
彼らは禁書を所持しているが、自身の能力で巧みに隠している。
若くして円卓の一員に抜擢されたのも、その力によるものが大きいだろう。
魔法名は不明。知っている者は大法典内にもあまりいないようだ。
噂によると、彼らの魔法名を知った者は必ず死ぬという。
兄の朱里と妹の亜加梨、腹部結合双生児である。
数年前、大法典に捕らえられた森かよにギアスをかけたのは、彼らである。
彼らは禁書を所持しているが、自身の能力で巧みに隠している。
若くして円卓の一員に抜擢されたのも、その力によるものが大きいだろう。
魔法名は不明。知っている者は大法典内にもあまりいないようだ。
噂によると、彼らの魔法名を知った者は必ず死ぬという。
市立羅針盤中学・高等学校
- 草薙 理人(くさなぎりひと)

羅針盤高校一年生。化学研究部の部員にして、超化学オカルト研究会の会長である。
超常現象に目が無く、怪しげな事件が起こる度に首をつっこみたがる。
魔術信仰にも若干被れている節がある。
バイセクシャル。あわよくば月雄を…と思っていたが、結局(半ば強引に)衛と付き合うことになった。
- 糀谷 月雄(こうじやつきお)

羅針盤中学校三年生。化学研究部の部員である。
元は大法典所属の魔法使いで、麻生木那由太と分科会を組んでいた。
那由太の死後、世界の修正力の影響で、魔法使いとしての記憶を無くしてしまっていた。
現在は衛の語りかけによって全てを思い出している。元の力を取り戻すのも時間の問題であろう。
魔法名「月詠(ル・プティ・プランス)」
彼の魔道書は、月の満ち欠けが記された方位磁石である。
月の光の加護を受け、あらゆる者に安らぎと癒やしを与える。
また、心の底まで照らす淡い光によって、敵の意識を奪うこともできる。攻守に優れた魔法使いである。
- 櫛田 麗(くしだうらら)

羅針盤高校二年生。櫛田蓮の従兄妹。
四肢を動かすことのできない蓮に、手厚い介護を施している。
生前の刹那と仲が良かったらしく、彼女に対する尊敬と感謝は並々ならぬものを感じる。
- 椹木七夕子(さわらぎなゆこ)

近位型のミオパチーで幹部が特定出来ずに進行と完治を繰り返すと言う、難病に罹っている。
現在は病の発症を抑えつつ普通の学生として過ごしている。
兄の不可解な行動に常々疑念を感じていたが、全てを知らされることでひとまず和解した。
八分儀警察署
- 草薙 万里(くさなぎばんり)
八文儀署の警視総監。草薙理人の父親である。優秀なキャリアを持ち、組織を動かす手腕も右に出る者がいない。
それ故に独善的な考えをしがちで、署内には僅かに彼に反発している者もいる。
奔放な理人のことを突き放すように振る舞い、別居状態であったが、衛の説得により心を動かされる。
久留島との賭けに負け、警視総監の座を失ってからは、理人と心から向き合うことを決意したようだ。
それ故に独善的な考えをしがちで、署内には僅かに彼に反発している者もいる。
奔放な理人のことを突き放すように振る舞い、別居状態であったが、衛の説得により心を動かされる。
久留島との賭けに負け、警視総監の座を失ってからは、理人と心から向き合うことを決意したようだ。
- 蔵橋警部補(くらはし)
八文儀署の特命係所属。
元は刑事課にいたのだが、プレリュードを巡る事件において単独行動に走りすぎ、降格・異動させられた。
人情家で涙もろい。仕事は背中で語るタイプ。女に滅法弱い。
元は刑事課にいたのだが、プレリュードを巡る事件において単独行動に走りすぎ、降格・異動させられた。
人情家で涙もろい。仕事は背中で語るタイプ。女に滅法弱い。
- 拠沢巡査(よりさわ)
八文儀署の刑事課所属。
元は蔵橋とコンビを組んでいたのだが、蔵橋が異動させられたことにより解消。
彼の刑事課への復帰を望んでいる。
自称・尾行のスペシャリスト。相手には気付かれるが、絶対に逃がさない。
元は蔵橋とコンビを組んでいたのだが、蔵橋が異動させられたことにより解消。
彼の刑事課への復帰を望んでいる。
自称・尾行のスペシャリスト。相手には気付かれるが、絶対に逃がさない。
- 橋尾警部(はしお)
八文儀署の特命係所属。
キャリア・実力ともに申し分ないのだが、その変人ぶりが祟って窓際部署に追いやられてしまった。
好き勝手に動き回り、難事件を次々と解決しては、刑事課の手柄をことごとく横取りをしている。
蔵橋警部補とはかつての同僚であり、彼が部下になってしまったことを複雑に思っている。
キャリア・実力ともに申し分ないのだが、その変人ぶりが祟って窓際部署に追いやられてしまった。
好き勝手に動き回り、難事件を次々と解決しては、刑事課の手柄をことごとく横取りをしている。
蔵橋警部補とはかつての同僚であり、彼が部下になってしまったことを複雑に思っている。
羅針盤大学医学部附属病院
- 縷々家 融(るるいえとおる)

外科医。羅針盤大学医学部附属病院で働いている。
特に脳手術が得意だが、依頼があればどんな手術でも執刀する。
魔法絡みの事件の被害者を治療すると同時に、証拠の隠滅と機密事項の隠蔽をしてくれる。
色んな意味で、理解のある医者である。
その正体は異界の魔王だが、人間界では力を出し切れず、弱体化している。
プレリュード
- シュヴァルツ
国際テロ組織「プレリュード」のリーダー。
優れたネゴシエーション能力のみでこの地位までのぼりつめたと思われがちだが、実際のところ体術の腕も相当のものである。
母国は内戦中であり、娘が警官隊により誤まって射殺されてしまう。
しかし当の警官は罪に問われることがなく、それが原因で国家を恨み、クーデターを起こすために力を欲している。
それに目をつけた久留島により、彼の欲望は禁書「アルゴ≪箱舟の物語≫」へと形を変えた。
優れたネゴシエーション能力のみでこの地位までのぼりつめたと思われがちだが、実際のところ体術の腕も相当のものである。
母国は内戦中であり、娘が警官隊により誤まって射殺されてしまう。
しかし当の警官は罪に問われることがなく、それが原因で国家を恨み、クーデターを起こすために力を欲している。
それに目をつけた久留島により、彼の欲望は禁書「アルゴ≪箱舟の物語≫」へと形を変えた。
- アレックス
銃火器の扱いに長けており、拳銃一丁でも武装小隊と対等に渡り合えるほどの実力者。
頭に血が上りやすく、組織の仲間でさえその扱いには苦労しているようだ。
とある事件で大量殺人犯の濡れ衣を着せられ、現在は塀の内側にいる。
頭に血が上りやすく、組織の仲間でさえその扱いには苦労しているようだ。
とある事件で大量殺人犯の濡れ衣を着せられ、現在は塀の内側にいる。
- タチアナ
元検事。二年前にシュヴァルツの娘が射殺された事件を担当。
力及ばず、被告を有罪にすることができなかったことで、本当の正義を見失う。
罪の意識から引退し、法廷を去ってからは、彼女の行方を知る者はいなかった。
プレリュードに加担していると思われるのだが、法律に詳しい彼女はなかなか尻尾を出さない。
力及ばず、被告を有罪にすることができなかったことで、本当の正義を見失う。
罪の意識から引退し、法廷を去ってからは、彼女の行方を知る者はいなかった。
プレリュードに加担していると思われるのだが、法律に詳しい彼女はなかなか尻尾を出さない。
- ファビエンヌ
過去のいくつもの作戦で、実行犯を務めている。
特筆すべき能力は無いのだが、何故か捕えることができない。
ファビアスと名乗り、男のフリをしていた。
長らくプレリュードのメンバーと思われていた、「百面相のシーク」の正体は彼女であった。
特筆すべき能力は無いのだが、何故か捕えることができない。
ファビアスと名乗り、男のフリをしていた。
長らくプレリュードのメンバーと思われていた、「百面相のシーク」の正体は彼女であった。
その他
- 久留島(くるしま)

書籍卿。魔道書の収集が目的らしく、大法典所属の魔法使い達にちょっかいを出してくる。
五年前、真咲に魔法使いとしての力を与えた。
魔法名「無限書架(ジリオン・パビリオン)」
人の欲望を具現化し、魔道書として産み出す能力を持つ。
所有している魔道書の数や、一度に操れる魔道書の最大冊数は、大法典でさえ把握しきれていない。
少なくとも、今までに大法典の魔法使い相手に使用した魔道書の数は、のべ千冊を超える。
一度の戦闘で同時に五冊の魔道書を操っている姿も確認されている。
櫛田蓮の欲望から魔道書「真実を手繰る指(アブソリュート)」を作り出し、その力で麻生木那由太を殺害した。
彼自身の魔道書がどういう形状なのかは、未だに知られていない。
- 櫛田 蓮(くしだれん)

科学者。ニュートリノ研究の第一人者である。
五年前にニュートリノの移動速度が光よりも早いことを証明し、一躍時の人となった。
しかし、魔法使いの干渉により因果律が書き変わった世界に於いて、彼の長年の研究結果はデタラメなモノとなってしまった。
彼の主張する理論は異端邪説の類であると批難され、今では完全に落ちぶれてしまった。
元妻・刹那は精神を病み、無理心中を図るが、蓮だけが生き残ってしまう。
正当防衛ではあるのだが、自らの手で妻を殺してしまったことを今でも悔やみ続けている。
その時の怪我と精神的なショックが原因で、四肢が動かせなくなった。
- 浅戸勝利(あさどかつとし)
元ミドル級王者。鍛え上げられた肉体は、服の上からでもよくわかる。
二階級王者殺人事件の重要参考人として追われていたが、しばらくして疑いは晴れた。
断章の力に依存し、力を受け取る代償として、その生命を吸われていた。
適切な処置を施さなかったために、一度はその精神の崩壊を招いたが、森かよの渾身の力により蘇生した。
二階級王者殺人事件の重要参考人として追われていたが、しばらくして疑いは晴れた。
断章の力に依存し、力を受け取る代償として、その生命を吸われていた。
適切な処置を施さなかったために、一度はその精神の崩壊を招いたが、森かよの渾身の力により蘇生した。
- 浅戸裕子(あさどゆうこ)
浅戸勝利の元妻。彼を愛し、その夢を影から支えていた。
二階級王者を巡る事件でちょっとした罪を犯し、執行猶予付きの懲役刑を与えられた。
勝利とは離婚し、お互いに新たな人生を歩む決意をしたらしい。
二階級王者を巡る事件でちょっとした罪を犯し、執行猶予付きの懲役刑を与えられた。
勝利とは離婚し、お互いに新たな人生を歩む決意をしたらしい。
- マウシム
人間の言葉を話すメス猫。リビアヤマネコの純血種である。
麻生木那由太によって力を与えられた、れっきとした魔法使いである。
しかし、現在は魔法使いとしての記憶を全く失ってしまっている上、特に思い出す気も無いらしい。
魔法名「砂塵に浮かぶ陽炎(ストレイ・キャット)」
彼女の魔道書は、その爪に埋め込んだ特殊な樹脂の塊である。
気温、風向き、湿度などを操る。
副産物として光の屈折も自在に操作できるようで、幻影により敵の目を欺く攻撃を得意とする。
麻生木那由太によって力を与えられた、れっきとした魔法使いである。
しかし、現在は魔法使いとしての記憶を全く失ってしまっている上、特に思い出す気も無いらしい。
魔法名「砂塵に浮かぶ陽炎(ストレイ・キャット)」
彼女の魔道書は、その爪に埋め込んだ特殊な樹脂の塊である。
気温、風向き、湿度などを操る。
副産物として光の屈折も自在に操作できるようで、幻影により敵の目を欺く攻撃を得意とする。
- 遊馬黎(あすまゆう)
八文儀市内に事務所を構える行政書士。
翻訳家としての仕事も多く請け負い、世界をまたにかけて活躍している。
橋尾警部が元妻と離婚したことについて知る、数少ない人物である。
翻訳家としての仕事も多く請け負い、世界をまたにかけて活躍している。
橋尾警部が元妻と離婚したことについて知る、数少ない人物である。
故人
- 麻生木 那由太(あそうぎなゆた)
元はとある大学院の研究員。
研究中、魔法的な干渉により、偶然にカオスエーテル理論による混沌の振動を発見してしまう。
それを動力にした魔傀儡の開発に成功し、彼は自力で魔法使いになった。
混沌を打ち払う能力を持つ「真実を手繰る指」は彼にとっての天敵。
これを書籍卿である久留島が所持していることに危機を感じた彼は、仲間と共に魔法戦を挑むが、敗北。
この世界から消滅してしまった。
魔法名「超弦の獅子(グルーオン・レグルス)」
魔道書自体が意思を持ち、自発的に行動することのできる魔傀儡である。
高密度の光線を広範囲に放つことができるが、その威力に反して命中精度はイマイチである。
魔法使いならば高精度の演算によって、射出方向をある程度割り出すことができるだろう。
研究中、魔法的な干渉により、偶然にカオスエーテル理論による混沌の振動を発見してしまう。
それを動力にした魔傀儡の開発に成功し、彼は自力で魔法使いになった。
混沌を打ち払う能力を持つ「真実を手繰る指」は彼にとっての天敵。
これを書籍卿である久留島が所持していることに危機を感じた彼は、仲間と共に魔法戦を挑むが、敗北。
この世界から消滅してしまった。
魔法名「超弦の獅子(グルーオン・レグルス)」
魔道書自体が意思を持ち、自発的に行動することのできる魔傀儡である。
高密度の光線を広範囲に放つことができるが、その威力に反して命中精度はイマイチである。
魔法使いならば高精度の演算によって、射出方向をある程度割り出すことができるだろう。
- 荒野 刹那(あらやせつな)
櫛田蓮の元妻。麻生木那由太のアンカーであった。
麻生木那由太が死亡したことによる世界の修正力は例外なく彼女にも及んだ。
しかし、愚者である彼女にとって、脳に対する大きな負担はとても耐え切れるものではなかった。
結果、彼女は精神を病み、狂乱の末に蓮との無理心中を図る。
現在は渾天儀墓地公園に遺骨が埋葬されている。
麻生木那由太が死亡したことによる世界の修正力は例外なく彼女にも及んだ。
しかし、愚者である彼女にとって、脳に対する大きな負担はとても耐え切れるものではなかった。
結果、彼女は精神を病み、狂乱の末に蓮との無理心中を図る。
現在は渾天儀墓地公園に遺骨が埋葬されている。
- トライデント平野(ひらの)
ミドル級・スーパーウェルター級王者。
努力家で才能もある、日本を代表するボクサーだった。
自宅のリビングで不運な死を遂げ、ファン達は深い悲しみに包まれた。
努力家で才能もある、日本を代表するボクサーだった。
自宅のリビングで不運な死を遂げ、ファン達は深い悲しみに包まれた。