夢現聖杯儀典:re@ ウィキ

ジョナサン&ランサー

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匿名ユーザー

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聖杯戦争におけるサーヴァント―――英霊。
それは端的に一言で言うならば、生前に多くの逸話や伝説を持った英雄或いは準ずる者が、
後世において人々の強き信仰を得て形を成した存在である。
彼等は聖杯戦争というシステムがなければ、本来人の手に御せる存在では決してない。

その強さは、遥かに人の領域を超えており……



「グハァッ!?」



まともに戦って、人間が勝てる存在ではない。



「……くっ……!!」


全身を駆け巡る激痛に、たまらず苦悶の唸り声を上げる。
壁面へと叩きつけられ半ば埋もれたその背からは、足元のアスファルトまで血がにじみ出ている。
骨にまで届いてないのはせめてもの救いなのだろうが、それにしても大きいダメージだった。
しかもこれは、長時間に及ぶ死闘の末などではなく……開幕からものの1分、万全の状態からたったの一撃を受けただけの結果だ。


「これが……サーヴァントの強さなのか……!!」


目の前に立つ黒い異形のサーヴァントを前に、ジョナサン・ジョースターは心底驚嘆していた。
彼は無謀にも、サーヴァントを相手に生身で戦いを挑んでいたのだ。

何故、この様なことになったのか……事の発端は、十分程前に遡る。




◆◇◆




業火に包まれ沈みゆく客船の中、宿敵ディオの首を抱き抱え、ジョナサンは安らかにその生を終えた。
彼にとって、ディオは憎き父の仇であり許してはならない邪悪そのものだった。
だが、そんな相手に対して彼は死の間際にこう言い残したのだ。


――――ディオ……君のいうように、ぼくらはやはりふたりでひとりだったのかもしれないな。


――――奇妙な友情すら感じるよ……


自らに致命傷を与えた宿敵を尚、ジョナサンは友だと言ったのだ。
お互いに、言葉では容易く言い表せないほどに辛い日々を過ごしてきた。
例えそれが、命を賭けて殺し合うものへと変化していったとしても……
二人で一緒に過ごした時間は、かけがえのない本物だった。
少なくともジョナサンは、そう死の間際に感じていたのだ。

だからこそ……彼は、無意識のうちに願ってしまったのかもしれない。

もしもやり直せるのなら……こんな形ではない、真っ当な友人同士として共にありたいと。

そんな、純粋な願いが……聖杯に届いた。

彼を、この聖杯戦争へと導いたのだ。



「……聖杯戦争、か……」


目覚めた時、その身に刻まれた筈の致命傷は完全に癒えていた。
加えて、令呪を通じこの聖杯戦争の知識と情報を与えられた状態で……
万全そのものと言ってもいい状態で、ジョナサンは冬木の街に一人立っていた。

そう……誰も傍らに立つことなく、一人でだ。
マスターとして聖杯に選ばれたのにも関わらず……側にいる筈のサーヴァントが、どこを見渡してもいないのである。
これはどういう事なのか。
もしや自分には、サーヴァントも何も与えられなかったのではないか。
状況からして、ジョナサンはそう考えずにはいられなかった。

しかし……その直後、彼はふと己が右手に違和感を覚えた。
いつの間にか、自分でも気がつかぬ内に何かをその手で握り締めていたのである。
とっさに持ち上げ、眼前へと掲げると……そこには、見た事もない謎の道具があった。


「このスティックは……?」


それは、光沢を放つ白いスティックだった。
どこか短剣のように見えなくもない、神秘的なデザイン。
そして握りしめている手からは、不思議と温もりを感じる。
まるで自分を優しく包み込もうとするかのような……その印象を言葉で表現するなら、まさに『光』だ。
このスティックは、光が形を持ったかのようなものだと……ジョナサンには、そう思えた。


(……不思議だな。
 不安だった心が、自然と安らいでいる……)


心が穏やかになる。
この神秘的なスティックのおかげだろうか。
何も分からぬままにただ呼び出されどうすればいいのかも分からなかった胸中に、いつのまにか落ち着きが取り戻せていた。
そしてそうなると、今後に向けてどうすべきかという思考が働いてくる。
この聖杯戦争で、自分はどうすればいいのか。
聖杯を得るために、ここで戦わなければならないのか。
生き残り願いを叶えるために、他者を倒さなければならないのか。



(……聖杯があれば、どんな願いでも叶う。
 ディオも生き方を狂わせることなく、父さん達も無事に生きていられる世界が……)


もし聖杯が手に入ったなら、自身にとって理想とも言える世界が訪れるだろう。
エリナも、父も、スピードワゴンも、ツェペリも、そしてディオも。
誰もが幸せに生きていられる理想の世界で、皆と共に己もあれるだろう。

だが……それを望んで、本当にいいのだろうか。



―――――ガッシャァァァァァァッ!!!



「なんだ……!?」


そんな考えが脳裏に浮かんだ、その刹那。
後方より聞こえてきた巨大な轟音に、ジョナサンは驚き振り返った。
何か硬い物―――例えるなら石や岩がハンマーで破壊されたかのような、明らかな破砕音だった。
少なくとも、自然に起こる物音ではない。
そして、それを裏付けるかのように……発生源であろう場所から白い煙が立ち上っているのが見て取れる。
嫌な予感がする。
何が起きているかはわからないが、兎に角ただ事ではない。
思考を中断させ、ジョナサンはその直感の命ずるままに駆け出した。


そして、その当たって欲しくない予感は当たってしまった。



「これは……!!」


ジョナサンが駆けつけた轟音の発生源。
それは、小さな一軒のアパートだった。
見るとある部屋の外壁が粉々に吹き飛んでおり、無残な姿を晒している。
そして、その内部には……黒い異形の化け物がいた。
2メートルを超える巨躯に、極めて太い四肢。
かろうじて人と分かる二足歩行の様相はしているが、全身を漆黒の靄で包まれており容姿がまるでわからない。
恐らく……いや、間違いなく破砕音の原因はこの怪物だ。
ならば、こいつは一体何者なのか。


(……あれは!?)


注意深く観察して、ジョナサンはそれを発見した。
怪物の足元で倒れ伏している男がいる。
その手には、赤い三角の印が……自身と同じく令呪が宿っているではないか。
つまりあの異形は、この男が召喚したサーヴァントなのだ。
飛び散った破片からしてアパートが内部から破壊された事は明らかであり、他の主従が仕掛けてきたわけではなさそうなのがその証拠だ。
恐らくは本人も意図せぬ偶発的な召喚だったのだろう。
狭いアパートの一室でサーヴァントを召喚してしまい……そして御する事叶わず、暴走させてしまった。
男は酷く出血しており、ピクリとも動いていない……既に事切れているようだ。
それにも関わらずサーヴァントが現界し続けていることからすると、単独行動スキルかそれに準ずる何かを持っているのだろうか。


「な……なんだ……?」


その時だった。
アパートの各部屋から、爆音と衝撃に驚いた住民達が次々に出てきたのだ。
暴走したサーヴァントが間近にいる中で、彼等は現れてしまった。
最悪のタイミングだ。
そんな事になれば当然、このサーヴァントは……


「ぐ……グオオォォォォッ!!」


獲物と見定め、襲いかかる。





――――――ブシャァァァッ!!!



力強く振る割れた豪腕が、もっとも近くにいた男の頭部をいとも容易く砕いた。
鮮血の噴水が降り注ぎ、周囲の人々を朱に染めていく。
何が起きたのか理解できず、誰もがその悲惨な光景を前にただ呆然として立ち尽くしていた。


「う……うわああぁぁぁぁぁっ!!??」


そして一秒にも満たない僅かな時間を経て、一人の男が悲鳴を上げた。
目の前で人が死んだ、無惨に殺された。
その事実に恐怖し、心の底から絶叫した。
それを皮切りに周囲の者達もまた同様の反応を示す。
このままでは確実に、この化け物に殺されてしまう……そう誰もが感じ、一斉に駆け出し始めた。
死にたくないと一心に、我先にと逃げ出し始めたのだ。


「あっ……!?」


だが……そんな住民の一人に、不幸が訪れた。
恐怖のあまり足がもつれ、その場に膝から倒れ込んでしまったのだ。
焦りの声を上げ、急ぎ震える手で体を起こそうとする。
しかし……遅かった。
既に怪物は、その目の前まで迫ってきていた。
その豪腕を振り上げていたのだ。


「い……いやぁぁぁぁぁぁっ!!」


嫌だ。
こんなところで死にたくない。
彼女は涙と鼻水で顔を歪ませ、迫り来る死の恐怖に声を荒らげた。

そして、無情にも豪腕は振り下ろされ、彼女の命を……



「波紋……!!」



奪うことは、なかった。



「疾走ッ!!」



青白い閃光が迸り、怪物の腕を打つ。
振り下ろされるはずだった一撃は、その衝撃に静止をやむなくされたのだった。
これぞ、修行と壮絶な戦いの末にジョナサン・ジョースターが身につけた、太陽の力。
特殊な呼吸法により肉体から生み出された、サーヴァントにも通じうる神秘の生命エネルギー……その名を、波紋!


「逃げるんだ!!
 この怪物は、僕が引き付ける!!」


ジョナサンは怪物から女性を庇い、両者の間に割って入った。
そう、彼は立ちはだかったのだ。
人間の身では決して勝てぬ超常の存在たるサーヴァントの前に。
目の前で命が失われるのを、防ぐために。


「あ……は、はい……!!」


助けられた女性は、困惑しつつも立ち上がり、言われたとおりにその場から離れていった。
ジョナサンはそれを見届けると、安堵のため息をついた。
周囲にも逃げ遅れている者は誰もいない。
残っているのは、自分とこの怪物だけだ……ならば、やるべき事は一つ。


「こいつを、このまま野放しにはできない……いくぞ!!」


この怪物を倒すことだ。

勢いよく地を蹴り、怪物へと全力の蹴りを繰り出す。
無論ただの飛び蹴りではない、波紋を纏わせてある。
さらにそこへ、全身を捻り錐揉み状に回転を与える。

亡き師も用いた、必殺の一撃……!!


「波紋乱渦疾走!!」


トルネーディ・オーバードライブ。
渾身の錐揉みキックに波紋を組み合わせたその一撃は、一直線に怪物の胴体へと突き刺さった。
常人は言うまでもなく、人を超えた吸血鬼ですらも受ければただではすまないその威力。
それがまともに直撃したのだから、当然相応のダメージは通っているはずだ。
そう、今の一撃にジョナサンは確かな手応えを感じていた。


「グオオオオオオォォォォッ!!」

「なっ!?」


しかし……この尋常ならざる怪物相手には、決定打にはなりえていなかった。
僅かに怯む様子こそあれど、唸りを上げて真っ直ぐに拳を突き出してきたではないか。
ジョナサンは咄嗟に両腕を交差させ、その一撃が無防備な胴体に直撃するのを防ぐ。


「グハァッ!?」


だが、防御越しの一撃ですら威力は想像を絶していた。
凄まじい勢いで体が吹き飛ばされ、アパートの敷地を覆うコンクリートの外壁へと背より叩きつけられた。
今まで体験してきた中でも、最大級の一撃だった。
タルカスやブラフォード、そしてディオですらも上回るほどの、恐るべき豪撃だった。


「これが……サーヴァントの強さなのか……!!」


人の身でサーヴァントに挑む。
それがどれだけ無謀な行いなのか……ジョナサンは、その一撃をもって思い知ることができた。





◆◇◆




怪物が、一歩一歩こちらに迫って来る。
己の命を完全に絶つために、トドメを刺そうとしてきている。
このままでは、まずい。


「くっ……なら!!」


体を壁より起こし、同時に怪物目掛け勢いよく左腕を地面から上空へと振り上げる。
さながらソフトボールのピッチャーの如き、所謂アンダースローの動き。
それに伴って、腕を滴っている鮮血が怪物へと跳ねた。
波紋を纏った血の飛沫を飛ばす、言わば血の散弾だ。
そして血液は高い波紋伝導率を誇る。
まともに直撃すれば、ただではすまない威力だ。


「グウゥゥゥゥッ!!」


だが、またしても通じず。
怪物は両腕を交差させた防御体制のまま、波紋の散弾を浴びながらも突き進んできている。
戦力差がありすぎるが故に、打つ手が尽く通じない。
あまりにも絶望的な状況だ。


「……まだだ、まだ……!」


しかしそれでも、ジョナサンは諦める訳にはいかなかった。
ここで自分が倒れれば、この怪物は街へと解き放たれるのだ。
そうなれば、犠牲者が出てしまう。

いや、この怪物だけではない。
聖杯戦争が始まれば、これ以上の力を持った存在とて現れるかもしれないのだ。
そうなれば……どれだけの人々が巻き込まれるのか。
どれだけの命が失われてしまうのか。
どれだけ、悲しい思いをする人々が出てしまうのか。


「そんなのは……嫌だ……!!」


そうだ、そんな事は望んでなんかいない。
例えこの世界が僅かな時間で閉じる儚きモノであるとしても、そこに生きる人々の命を見殺しにはできない。
まして参加者として招かれた者達相手には尚更だ。
聖杯があれば、どの様な願いだって確かに叶えられるだろう。
だが、それを手にするためだからと言って、人を殺めていい理由には決してならない。
生きる全ての人々の誇りを、汚していい理由にはならない。

「僕は……こんな聖杯戦争を、許すわけにはいかない!!」


聖杯戦争を止める。
こんな間違った儀式は、絶対に止めなければならない。
だからこんなところで諦めてたまるか。

強き思いを、勇気の心を持って、ジョナサンはそう宣言した。





――――――よく言った、ジョナサン。




「え……?」


その時だった。
右手に握り締められていたスティックが、青く光り輝いたのだ。
まるで、彼の誇り高き魂に呼応するかの様に。


「ッ……!?」


その光を前に、怪物も思わず足を止めてしまった。
本能的に感じ取っていたのだ。
これはただの光ではない。
ジョナサンが放った波紋と同質の……そして遥かに強力な神秘性が秘められている光だと。




――――――君のその気高き魂、勇気……しかと受け止めた。



そしてスティックは一際眩い光を放つと、その姿を変化させた。
先端が三叉に開き、柄の文様がスライドする。
その下から顕れたのは、人の顔を模した白き彫刻だ。


「この声……まさかあなたが、僕の……?」


その顔を見て、脳裏に語りかけるその声を聞いて、ジョナサンはその事実に気づいた。
自分にはサーヴァントがいなかったのではない。
この手に握られていたこのスティック。
そこに宿るこの神秘の存在こそが、他ならぬ自身のサーヴァントなのだ……!!



――――――君にならば、私の力を託せる……!



スティックから放たれた光は、ジョナサンの左手に収束され形を成す。
それは、小さな一体の人形だった。
白銀の肉体に真紅のラインを走らせ、輝くクリスタルを体の各部に宿した力強きフォルム。
強い勇気の心を持つ者の前にのみその姿を現す、光のスパークドールズ……!


「……はい!!」


声の導くままに、ジョナサンは動いた。

展開された右手のスティック―――その名をギンガスパーク!―――を、自らの体の前に掲げる。

そして、左手に握られたスパークドールズをその頂きに力強く合わせる……!!




――――――ウルトライブ……!!



光の奔流が、ギンガスパークより溢れだす。
それはジョナサンの全身を包み、そして彼の中へと流れ込んでゆく……!!


「ウオオオォォォォォォッ!!!」


今、彼は自身のサーヴァントとひとつになる……!!




――――――ウルトラマン……ギンガッ!!




◆◇◆



「…………!!」


目が潰れるかと思わんばかりの光が、ようやく消え去った。
一体、何が起きたというのか。
怪物―――バーサーカーは、瞼を持ち上げ視線を前方へとようやく向ける。
するとそこには、今までいたはずのジョナサンの姿はなく。


「グォォッ!?」


彼に代わり……新たな一人の戦士が静かに佇んでいた。
光輝くクリスタルを身に纏う、白銀の戦士。
それは、ジョナサンが握り締めていたスパークドールズそのものの姿。


「ショウラァッ!!」


ランサーのクラスをもって現界を果たし、そして一体化を果たしたジョナサンのサーヴァント。
その名は、ウルトラマンギンガ……!!



「ハアアァァァッ!!」


ギンガが力強く雄々しい声を上げると共に、その手に蒼く煌く三叉の槍が出現する。
これこそが、彼が槍兵のクラスに選ばれた所以。
宝具『銀河に輝く希望の槍(ギンガスパークランス)』!


「イィヤァッ!!」

「ッ!?」


弓を引くかのごとく力強くランスを引き絞り、疾走するギンガ。
瞬時にして詰まる互いの間合い。
そしてレンジに捉えると同時に、ギンガは勢いよくランスを全力で突き出す。
対するバーサーカーもまた咄嗟に拳を突き出し、その迎撃を図る。
必殺の威力を込めた矛先と拳とが、真正面より激突しあい……!



――――バキィッ!!


「ガァァァッ!?」


バーサーカーの拳が、音を立てて砕け散る!
そして矛先は尚も止まらず……その胴体を正確に、真正面より突き穿つ!


「グギャァァッ!?」

「オオォォォォッ!!」


肉体をぶち抜かれ、苦痛に呻きを上げるバーサーカー。
ギンガはそんな彼の巨体を、ランスを力強く振り上げることで夜空へと投げ上げた。


「これで決める!!」


その手のランスを光の粒子に変えて収め、ギンガは必殺のポーズを取った。
手刀を作った右手を、肘を垂直にして体の前へと縦に構え。
握った左の拳を、Lの字を作るかのように右手の肘に合わせる。
同時に、全身のクリスタルが白く光輝き、その右腕全体には一際強力な光が宿る……!!


「ギンガクロスシュート!!」


そして、叫びと共にその光は解き放たれた。
右腕より溢れ飛び出した光線―――ギンガクロスシュートは、一直線にバーサーカーへと突き進み……
膨大な熱量が、その肉体を飲み込む!!



「グギャアアァァァァァァァァッ!!!」



―――――ドゴォォォンッ!!!



バーサーカーは自らを襲う光に断末魔の悲鳴を上げ、その肉体を爆発四散させた。
不運なマスターの下に召喚され、殺戮の限りを尽くそうとした誰もその名を知らぬ狂戦士は、この瞬間に聖杯戦争より脱落した。

光を体現した英霊……ウルトラマンギンガの手によって。




◆◇◆




(……すまない。
 本当なら、もっとちゃんと弔いたかったんだけど……)


バーサーカーとの死闘を終えた後。
状況的にあまり人目につくのはまずいと判断して、ジョナサンはあの場を離れた。
不幸にもバーサーカーの犠牲となった者達を弔いたい気持ちはあったが、危険を考えればどうしても離れざるをえなかった。
それが、どうしても悔しいが……せめて、冥福だけは祈らせてほしい。
ジョナサンはアパートの方角へと顔を向け、静かに一礼をしたのだった。



「……ウルトラマンギンガ。
 それが、あなたの名前なんですね」


礼を終えた後、元の形状へと戻ったスパークランスを見つめ、彼は静かにそう呟いた。
先程語りかけてきた声は、今はもう聞こえない。
だが、彼は紛れもなく自身のサーヴァントとして側にいてくれている。
一体化を果たした中で、彼は語りかけてくれた。

自らが必要になった時は、再び力を貸してくれると。
己が勇気を失わない限り、自分の力を貸そうと。
その誇り高き魂に誓い、共に戦おうと。

ジョナサンをマスターとして認め、この聖杯戦争を戦い抜いてくれると。


「ランサー……ウルトラマンギンガ。
 僕はこの聖杯戦争を必ず止める……どうか、力を……!!」



その体漲る勇気に、迷いなき覚悟に喝采を。




【クラス】
ランサー

【真名】
ウルトラマンギンガ@ウルトラマンギンガ

【パラメーター】
筋力:- 耐久:- 敏捷:- 魔力:- 幸運:-  宝具:A++

【属性】
秩序・善

【クラススキル】

対魔力:C
 魔力に対する守り。
 第二節以下の詠唱による魔術を無効化する。
 大魔術、儀礼呪法など大掛かりな魔術は防げない。
 このスキルは、銀河に輝く光が発動した時のみ機能する。

【保有スキル】

仕切り直し: C
 戦闘から離脱する能力。
 また、不利になった戦闘を初期状態へと戻す。
 このスキルは、銀河に輝く光が発動した時のみ機能する。

飛行:A
 空を自在に飛ぶ能力。
 このスキルは、銀河に輝く光が発動した時のみ機能する。

使い魔(スパークドールズ):A
 怪獣や宇宙人、ウルトラマン達の魂が宿ったスパークドールズを使い魔として顕現・自身と一体化させて使役できる。
 ただしこの聖杯戦争においてはギンガが他のスパークドールズを保持していないため、このスキルを使うことはできない。

勇気ある主:B
 ランサーが現界する上で宿したデメリットスキル。
 マスターの心に勇気が満ちていない限り、如何なる状況であろうともランサーは銀河に輝く光を開放できない。
 確かな勇気と希望を持って、諦めず真っ直ぐ前に向かう者にのみランサーはその力を貸す。


【宝具】
『銀河に輝く光(ギンガスパーク)』
ランク:A++ 種別:対界宝具 レンジ:1~300 最大捕捉:200
 ランサーを象徴する宝具にして、またランサーそのものとも言える存在。
 マスターの心に勇気が満ちた時に、真の姿を展開してギンガのスパークドールズを出現させる。
 そのスパークドールに宿る魂をマスターがこの宝具で読み込んだ時、ランサーはマスターと一体化しウルトラマンギンガとして顕現する。
 この時、ランサーのパラメーターは 筋力:A 耐久:B 敏捷:A 魔力:C 幸運: B へと変化し、
 対魔力、飛行、仕切り直しのスキルが機能するようになる。
 この宝具が発動すればマスターは極めて強力な能力を誇る存在となるが、
 その効果に比例して魔力消費も相応に高い上、この宝具は継続して三分間しか使用できない。
 制限時間を越えると自動的に宝具の効果が終了する。
 再度の使用には一定以上の感覚を置く必要があるが、マスターの魔力次第で感覚を短くすることは可能。
 本来この宝具で顕現したウルトラマンギンガは50メートルを超える巨人となるのだが、
 英霊という枠に当てはめた為に性能が落ちており人間大の大きさでしか顕現できない。

『銀河に輝く希望の槍(ギンガスパークランス)』
ランク:A 種別:対人宝具 レンジ:1~50 最大捕捉:100
 ウルトラマンギンガがランサーのサーヴァントとして選定された由縁の宝具。
 蒼く光り輝く三叉の槍で、銀河に輝く光を開帳して顕現した後に使用可能となる。
 ランサーの身の丈程はあるだろう長槍だが、これをランサーは片手で軽々と操る。

【weapon】
 銀河に輝く光が発動しなければ戦闘は不可能。
 宝具開帳後はギンガスパークランスをメインに用いる他、徒手空拳でも屈指の実力を持つ。
 そして必殺の威力を持った多彩な光線技を扱える。

【サーヴァントとしての願い】
 勇気ある希望を秘めたマスターと共に戦う。

【人物背景】
 遥か昔に、すべてのウルトラ戦士と怪獣・宇宙人が激しい戦いを繰り広げていた世界にて。
 ある日、何者かによって彼等の大半が人形『スパークドールズ』に姿を変えられ、宇宙中に散り散りになった。
 それから千年の時が経った地球において、悪意を持つ人々がスパークドールズと一体化し、怪獣となって暴れだしていた。
 そこで地球人の少年礼堂ヒカルの下に突如として降り立ち、彼に自らの力を貸し与えた謎のウルトラマン。
 ヒカルと共に数多くの困難を乗り越え、そして宿敵ダークルギエルとの戦いを終えた後に彼から離れ姿を消した。
 その正体は時を越え現れた未来のウルトラマンにして、元はダークルギエルと一つの存在であった。
 『永遠の命=後世へと受け継がれていく命の繋がり』という命題に対して、それを信じた光の側面がギンガとして、
 受け入れられなかった闇の側面がダークルギエルとなったのである。
 故にギンガは、自身の力を与える人物として真っ直ぐに未来を目指す勇気と希望に満ちたヒカルを選んだ。
 本来ならば英霊というカテゴリーに当てはまらない力を持った存在なのだが、
 強引にその枠に当てはめているのに加えて未来の存在である為知名度・信仰が皆無に近いこともあって、
 この聖杯戦争において能力は大幅に制限されている。


【マスター】
ジョナサン・ジョースター@ジョジョの奇妙な冒険

【マスターとしての願い】
 人々の命を奪う聖杯戦争を許せない。
 必ず止めてみせる。

【weapon】
 徒手空拳。
 ただし必要に応じて剣や波紋伝導率の高い武具を使う事もある。

【能力・技能】
 特殊な呼吸法により生み出される神秘の生命エネルギー『波紋』の使い手。
 体術にも優れており、練り合わせた波紋と組み合わせて戦う。

【人物背景】
 イギリスの名門貴族ジョースター家の一人息子。
 性格は極めて真面目な英国紳士で、己の信ずる正義のためならばどのような困難であろうとも怯むことなく、
 それを真正面から受け止め、乗り越えることが出来る、そして自分の正義だけを盲信せず、他人に対する配慮を忘れないで、
 共感する優しさをもっている。
 父親のジョージ・ジョースターが養子として引き取ったディオ・ブランドーとの出会いを切っ掛けに、彼の運命は大きく動き出した。
 ジョースター家の財産乗っ取りを密かに企てていたディオは、執拗なまでに彼へと様々な謀略を仕掛け失墜を狙うが、
 その最中にジョージ・ジョースターの毒殺を企てていたことが彼へとバレてしまう。
 しかし追い詰められたディオは発見していた石仮面の力で吸血鬼となってジョージを殺害し、ジョナサンにも手傷を負わせ逃げ延びた。
 その後、ジョナサンは吸血鬼となったディオを倒すべくウィル・A・ツェペリに師事して波紋法を習得。
 ディオとの決戦に臨み、犠牲を払いながらも勝利を収める。
 決戦後は恋人のエリナと結婚し、仲間達に見送られて新婚旅行に出るのだが、
 その旅路にて生き延びていたディオに客船を襲撃され、致命傷を負ってしまう。
 炎上し沈みゆく船の中、最後の力を振り絞ったジョナサンはエリナを逃し、そして逃げ延びようと足掻くディオを道連れにしてその生を終えた。
 その間際には、ディオにどこか奇妙な友情を感じていた。

【方針】
 聖杯戦争を止めるために出来ることはないか、模索する。
 また、人々の命を平然と奪う悪は許さない。

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