夢現聖杯儀典:re@ ウィキ

本居小鈴&セイバー

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本居小鈴は、本の虫だ。
幻想郷の人里に存在する貸本屋「鈴奈庵」の娘である小鈴は、本に囲まれて育った。
彼女が特に好む本は二つ。
古の妖怪が記したとされる「妖魔本」。
幻想郷の外から流れ着いた「外来本」。
幻想郷の人間では読めぬ文字で書かれていようと、彼女はそれを『読む』ことが出来る。
書物という形で収められた未知の世界を理解する事が出来る。
故に彼女は、それらの本を好んでいた。

「変わった外来本ね……異国の書物かしら」

それはある日のこと。
両親から「珍しい本を仕入れた」と聞いた小鈴は、その本を自室に持ち出したのだ。
何とも古めかしい装飾に彩られた分厚い書物だ。
表紙の題名は見慣れぬ文字で書かれており、それが幻想郷の書物でない事は見て取れる。
物珍しげな外来本をまじまじと見つめた小鈴は、表紙に手を翳す。
その本を『解読』すべく、能力を行使する。


「――――――『聖杯戦争』?」


その本を読むことが、事の始まりとなるとは知らずに。



◇◇◇◇ ◇◇◇◇ ◇◇◇◇



「私に願いなんてないですよ」


こじんまりとした和風の書斎。
椅子に座り、古書を手に取った少女『本居小鈴』が答える。

「この外来本を読んでいて、気が付いたら此処に来てました。
 本当に何も知らないうちにこの冬木の地に招かれていたんです。
 だから、私には戦う理由も目的も無いというか……」

そう語る小鈴は、手元の分厚い古書を捲る。
――――それは、聖杯戦争について記された書物である。
鈴奈庵に仕入れされたばかりの外来本だ。
内装には摩訶不思議な文字や奇妙な魔術の絵図がずらりと並んでいる。
元々鈴奈庵に外来本として流れ着いたものを、この冬木まで持ち込んでしまったのだ。
小鈴は外国の言語で記された文字に手を翳し、その内容を『解読』する。
彼女の能力は端的に言えば解読だ。
妖怪の文字。異文化の文字。通常ならば読むことが叶わないそれらを解読する能力を持つ。
彼女が手を翳す事で、それを理解することが出来る。
故に彼女は英語で記されたこの書物を何ら問題なく読み漁ることが出来たのだ。

「へぇ、そりゃ災難なこった」

少女の傍に立っていた男は、ぶっきらぼうにそう答える。
ボサボサの黒髪。南国風の装い。背負った刀。
どこか柄の悪そうな風貌をした若い男だ。
この男こそが、少女の従者(サーヴァント)だった。
セイバーのクラスとして召還された英霊――――――――彼はサムライだった。

「あの、セイバーさんは願いがあって此処に来たんですよね?」
「俺ぁ聖杯なんざ興味ねえ。ガキのお守りも出来りゃ御免だが、今はそうも言ってられねぇ」

あっさりとそう答えたセイバーを、小鈴はきょとんとした表情で見つめる。
聖杯戦争は願いを叶える為の戦いである、ということは小鈴も理解していた。
しかし、目の前のセイバーは何の願いもないと言い張る。
態々召還に応じたというのに、そんなことが有り得るのだろうか。
願いが無いという意味だけでは一応小鈴自身もそうなのだが。

「じゃあ、どうして聖杯戦争に?」
「強ェ奴と戦いたかったから、それだけだよ」

男の答えは、至極単純なもの。
戦う為に来た。強い者と死合う為に来た。
そんなシンプルで、余りにも純粋な願望。
小鈴は僅かに面食らった様な表情を浮かべていたが、セイバーは続けて問いを投げかける。

「てめぇこそどうなんだ。願いが無いまま野垂れ死ぬとか言うんじゃねえぞ」
「そりゃ、死にたくないですけど。生きる為には勝たなきゃいけないんですよね?」
「そういうこった。全員ぶっ倒しゃ終わる」

戦わなければ生き残れない。
この世界における掟を確認した小鈴は、顔を俯かせる。
そして、僅かな沈黙の後に小鈴が口を開いた。

「その…セイバーさん。何の願いもない私が、生きる為に戦うなんていいのかなって」
「生きてぇなら、好きに足掻きゃいいだろ」

小鈴の疑問に対し、きっぱりとセイバーは断じる。
顔を俯かせていた小鈴が、ふっとセイバーを見つめた。



「てめぇの為に戦うことの何が悪ィんだよ。
 てめぇが生きてえ、だから戦う。それで十分だろうが」



セイバーは、さも当たり前の如く言い切る。
生きる為に戦う。己の為に戦う。それの何が悪い。
侍として数多の死線を潜り抜けてきた男は、そう断じる。
戦いに御託や理屈はいらない。
自分はただ強い奴と戦いたいから。理由なんてそれだけで十分だ。
故に、小鈴に対してもそう答える。
生きることを目標とすることを、是とする。

「……ですよね」

セイバーの言葉に対し、小鈴は小さく呟く。
相手から返ってきたのは、先程と動揺に余りにも単純明快な答え。
自分はこの戦いに巻き込まれた。
そして、聖杯戦争には数多くのマスターが参加している。
彼らと違って、自分は願いを持たない。
しかし、願いを持つマスターの為に自分を犠牲にしろと言われて納得できるだろうか。
できる訳が無い。自分にだって命があるし、生きたいという意思だってある。

「で、マスターさんよ。どうすんだ」
「それは……」

真っ直ぐにこちらを見据えてくるセイバーの問いに、小鈴は口籠る。
自分はこれから、どうするのか。
願いを持たない自分は、生き残りの席を別の誰かに譲るのか。

そんなこと、出来る筈が無い。
私だって死にたくないのだから。
願いはただ、生きたいということだけ。

小鈴の脳裏に過るのは幻想郷での記憶。
まだ読んでいない数々の本。
私の力になってくれる、あの常連のお客様。
私の店に度々顔を出してくれる霊夢さん、魔理沙さん。
気の置けない親友である阿求。
そして、私の肉親。
思い残していることは沢山ある。
あの日常を簡単に捨てて、割り切って死ぬことなんて出来ない。
故に小鈴は、真っ直ぐにセイバーの顔を見つめて答える。


「……勿論、生きて帰りたいです!まだまだやり残したことも沢山ありますし…」


そして、僅かに口籠らせた後。
小鈴は再び、言葉を発した。


「だけど、それ以前にこの聖杯戦争が何なのかも気になるんですよ!
 きっと私は、あの外来本を手にしたことが此処に召還されるきっかけになった。
 聖杯とは何なのか、この戦いにどんな意味があるのか、私はそれが知りたいです!」


彼女が選んだのは、ただ生きる為の戦いだけではない。
外来本が発端となって誘われた、聖杯戦争の真相を知ること。
願いの為に犠牲を強いる戦いの意味を調査すること。
何故自分のような願いの無い参加者が存在するのか――――――それらの真実を知ること。
それが小鈴の選んだ道だった。

「へぇ……ま、いいんじゃねえの?だがよ、先に一つ言っとくぜ。
 何があっても、俺に『戦うな』とは命令するんじゃねえぞ」
「大丈夫です!だって―――――――」

念を押す様に言うセイバーに対し、小鈴はあっさりと答える
そのまま、にこりと顔を綻ばせた。



「もしもの時は、セイバーさんに守って頂きますから!」



天真爛漫な笑顔と共に、きっぱりとそう言った。
まるで向日葵のような、そんなにこやかな笑顔。
そんな表情のまま見つめられるセイバーは、僅かに口をぽかんと開く。
暫しの沈黙の後、何ともやりづらそうに顔を背け。


「……あいよ」


やれやれと言わんばかりに溜め息を吐いた。

―――――――女子供のお守りをするのは、いつぶりだろうか。

セイバーのサーヴァント、『ムゲン』はふと生前の旅を思い返していた。
たった三人で長崎まで向かったあの旅のことを。
ごく短い間の出来事、しかし鮮烈に記憶に焼き付けられている長旅のことを。



【クラス】
セイバー

【真名】
ムゲン@サムライチャンプルー

【属性】
中立・中庸

【パラメータ】
筋力B+ 耐久D 敏捷B+ 魔力E 幸運C 宝具E++

【クラス別スキル】
対魔力:E-
魔力に対する守り。無効化はせず、ダメージ数値を僅かに軽減する。

騎乗:E-
乗り物を乗りこなす能力。
馬や単車程度なら勘で乗れるかどうかというレベル。

【保有スキル】
心眼(偽):B+
直感による危険回避。天性の才能による危機予知。
敵の攻撃への防御判定・回避判定に有利な補正が掛かる。

我流の心得:A
同じ相手に何度同じ技を使用しても命中精度が下がらない特殊な技法。
変幻自在の軌道によって攻撃を見切られなくなる。

勇猛:B+
威圧・混乱・幻惑などの精神干渉を妨げる。
また、格闘ダメージを向上させる。

直感:B
戦闘時、つねに自身にとって最適な展開を「感じ取る」能力。
また、視覚・聴覚への妨害を半減させる効果を持つ。
戦いの中で培ってきた剣士としての直感。

【宝具】
『無幻滾魂(バトルクライ)』
ランク:E++ 種別:対人宝具 レンジ:- 最大捕捉:-
死闘に魂を燃やす侍としての生き様を具現化した宝具。
戦闘時、敵が強敵であればあるほどセイバーの筋力・耐久・敏捷と保有スキルにプラス補正が掛かる。
セイバーの血潮が滾る度にその剣技は強くなり、その体術は鋭くなり、その感覚は研澄まされる。

『無幻無双(サムライチャンプルー)』
ランク:E 種別:対人宝具 レンジ:- 最大捕捉:-
宝具とはサーヴァントの象徴にして半身。
侍にとって戦う術こそが己の宝具だった。
舞踏の如し動きと共に繰り出される我流の戦闘術。
ブレイクダンスのような体術を取り入れた変幻自在の剣技を繰り出す。
この宝具に特殊な能力はなく、単にセイバーの戦闘スタイルが象徴として宝具に昇華されたもの。
セイバーの肉体に刻み込まれた天性の技術であり、あらゆる宝具・スキルを以てしても無効化することは出来ない。

【Weapon】
『刀』
神秘を帯びた刀。鞘に小刀を仕込んでいる。

【人物背景】
琉球出身の侍。女好きで柄が悪く、傍若無人な言動が目立つ。
しかし剣士としては達人の域に達しており、身体能力と直感に優れている。
相手が強いほど燃える好戦的なタイプ。自分の直感のみを信じ、只管強さを求め続けている。
幼少期、多くの者から迫害と虐待を受け続けた過去を持つ。
因みに元々字が読めなかったのだが、寺子屋での勉強の末に平仮名程度なら拙く読み書き出来る様になった。

【サーヴァントとしての願い】
戦う為に来た。聖杯はどうでもいい。

【基本戦術・運用】
愚直なまでの白兵戦特化型、というよりそれしか出来ない。
その分保有スキルはいずれも実戦向きの有用なものばかり。
更に宝具「無幻滾魂」の効果で格上相手にも食い付ける可能性がある。
彼には剣技と体術しか無い。故にそれらを活かせる正面対決にさえ持ち込ませれば無類の強さを発揮する。
白兵戦が基本であり宝具が補助的なものである為、燃費も軽い部類に入るだろう。
ただし対魔力が最低クラスであり、三騎士の特徴である魔術師へのアドバンテージは希薄。

【方針】
強い奴と戦いたい。ついでにマスターを守る。



【マスター】
本居小鈴@東方鈴奈庵

【マスターとしての願い】
特に無いが、聖杯戦争について気になる。

【道具】
『聖杯戦争の書物』
冬木に召還される際に持ち出してきたもの。
幻想郷で入手した外来本(外の世界から流れ着いた書物)。
恐らく魔術師によって書かれた書物であり、聖杯戦争のルールや概要等が記されている。

【能力・技能】
ページに手を翳す事で本に記された文字を解読する能力を持つ。
基本的には妖魔本(昔の妖怪が記した本)に用いられるが、英語と言った異文化の言語を解読することも可能。
妖魔本の影響か、本の持つ妖気を認識する場面も見られる。
戦闘能力は皆無。

【人物背景】
東方projectの公式コミカライズ作品「東方鈴奈庵」の主人公。
人里で数多くの書物を所有する貸本屋「鈴奈庵」の娘。種族は人間。
天真爛漫で好奇心旺盛、愛想のいい性格。
一方、向こう見ずで危機意識が薄く、時に騒動を引き起こすトラブルメーカーとなることも。
他者には基本的に敬語口調だが、親しい相手との会話や独白の際には砕けた口調になる。
外来本などの本を読むことを好む読書家で、特に妖怪について記された妖魔本に興味を示す。
妖魔本は本来人間には解読出来ない本だが、小鈴は自らの能力で読むことが出来る。

【方針】
とりあえず生きたい。聖杯戦争の真相を知りたい。

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