夢現聖杯儀典:re@ ウィキ

水本ゆかり&アサシン

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匿名ユーザー

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アイドルという夢よりも、綺麗な音を響かせ世界を魅了するよりも。
大切なものができてしまった。

「きっと、初恋でした」

水本ゆかりは【恋をした】。
相手は、自分を輝きの舞台へと引き上げてくれたプロデューサー。
屈託なく笑う彼の笑顔が、好きだった。

「どうしようもなく、私は彼のことが好きだったんです」

彼はゆかりにたくさんの幸せをくれた。
幼少から音楽に携わっていたが、彼のお陰で新たな世界を見出すことが出来た。
光り輝く舞台の上で、人達に笑顔を届ける。
数年前の自分では想像もできない楽しいこともあったし、可愛い衣装をたくさん着ることもできた。
それも全て、彼がいてくれたから。
彼が自分の手を引いて一緒に歩いてくれたから。

「傍にいてくれるだけでよかった。
 アイドルとしてだけではなく、【水本ゆかり】を見てくれたあの人に私は心を奪われていたんです」

季節が変わっても、彼との関係は変わらなかった。
アイドルとプロデューサー。それ以上でもそれ以下でもない。
ゆかり自身、ここから先に進みたいという気持ちもあったが、自制した。
彼はプロデューサー、責任の重い立場だ。
自分が恋慕し、彼を困らせることはあってはならない。
だから、何も言わずにいた。胸に秘めた想いに封をして、そのままを維持しようと決めた。

「ずっと、ずっとずっと一緒にいたかった。この先もあの人は私の手を引いてくれると思っていた」

時間が止まってしまえばいいのに。
この一時が永遠になればいいのにとすら感じた。
あの【事故】さえなければ、幸福な刹那が今もしれない。

「プロデューサーさんが守ってくれなければ、私は今もこうして生きていなかった」

ありふれた話だ。
いつもはタクシーなどを利用して仕事から帰るが、たまには二人で歩いて帰ろうとゆかりが提案したのが間違いだった。
彼もゆかりも、最近面白かった出来事、何処其処の喫茶店のケーキが美味しいといった世間話に花を咲かせていた。
そして、【たまたま】飲酒運転の車が突っ込んで来て――。

「私の過ちをやり直したい」

宙を舞う彼の身体。
飛び散った血飛沫とひしゃげた足。
弱々しく震わせ、徐々に動かなくなっていく恐怖。

――彼は、ゆかりを庇って車に跳ね飛ばされた。

血塗れの手を握り締め、何度も呼びかける。
けれども、彼は握り返してくれなかった。

「護ってくれると言ったあの人を、信頼に報いてくれたあの人を――今度は私が救う」

もう彼を救うには奇跡に縋るしかない。


「だから、力を貸して下さい。アサシン」

ゆかりの視線の先にいるのは、皺くちゃな顔をした老人だった。
何処にでもいる普通の人間に見える彼だが、サーヴァントとして呼ばれたからには当然常人ではない。

「……一つだけ、問いたいことがある」

アサシン――シルベストリ。
彼はそもそも人間ではなかった。
自動人形と呼ばれる機械仕掛けの操り人形は、依然として態度を変えずにただ言葉を続ける。

「【アイドル】という職業は人を笑顔にするものだと記憶しているが、笑顔の成す意味とは何だ」

笑顔を研究し、人間を知りたがった彼は此度の戦で呼ばれたことに不満はない。
仕える主こそ違うが、剣を振るおう。

「ミズモトユカリと言ったな。私を満足させる答えを、君は持っているのか」

弱く浅ましい存在である人間は、どれだけ強くなれるのか。
そして、人々を笑顔にする偶像の職業に就いてる彼女はどれだけ【寄り添う】ことの大切さを感じているのか。
シルベストリは、それが知りたかった。

「笑顔は、大切な人と過ごす時に自然と浮かぶんです。
 好きな人といる時なんかは、蕩けるような感じだったり、ですね」

眼前の彼女は、自分に対して怯えこそすれど退くことはしない。
自分が投げかけた問いかけにも頭を必死にこねくり回して答えようとしている。

「それぐらい、大切なんですよ」

少しはにかむように答えた彼女の横顔は、いつの日かみたスズランの少女のように見えて。

「…………そうか」

満足のいく解答とは言えなかったが、何故か脳裏に強く刻まれたのだ。



【クラス】
アサシン

【真名】
シルベストリ@からくりサーカス

【パラメーター】
筋力B 耐久D 敏捷B 魔力E 幸運C 宝具E

【属性】
秩序・悪

【クラススキル】

気配遮断:C
サーヴァントとしての気配を断つ。隠密行動に適している。
完全に気配を断てば発見する事は難しい。

【保有スキル】
単独行動:C
マスターからの魔力供給を断ってもしばらくは自立できる能力。
ランクCならば、マスターを失ってから一日間現界可能。

戦闘続行:A+
自動人形は身体を壊されようとも、最後まで戦い続ける。
シルベストリは答えを得るまでは止まれない。

心眼(真):B
 自動人形でありながらも得ている戦闘論理。窮地において活路を導きだす。
 また、視覚に頼らずとも空間の把握がある程度は可能となる。

【宝具】

『Empty Blade』
ランク:E 種別:対人宝具 レンジ:1 最大捕捉:1人

体内に内蔵された超絶技巧の剣技に耐え抜く剣の数々。

【weapon】
左手及び、身体に内蔵された剣。

【人物背景】
老人の姿をした自動人形。居合を得意とし、自動人形の中では伝説となる程の剣の使い手。
人間社会の中で「笑い」を研究し、考察している。
彼は常に答えを求めている。人間とは、笑顔とは、寄り添い生きる意味とは。
総ての答えを得た時、彼は心から【笑える】のかもしれない。

【サーヴァントの願い】
答えを得る。ゆかりを見届けることで、何かが理解できるかもしれない。


【マスター】
水本ゆかり@アイドルマスターシンデレラガールズ

【マスターとしての願い】
大切な人との日常をやり直す。

【能力・技能】
なし。強いて言えば、フルートが弾ける。

【人物背景】
彼女はアイドルとして輝きの向こう側へと踏み込んだが、あくまで【普通】の少女だ。
これはもしも、彼女が大切に想っているプロデューサーを無くしたらというIFである。
絆を取り戻す為ならば、彼女は前へ進むだろう。
例え、清純なる輝きが穢れても、ただ一人――大切な人の笑顔をもう一度見れるなら。

【方針】
やり直す、日常を。

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