夢現聖杯儀典:re@ ウィキ

海馬瀬人&セイバー

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匿名ユーザー

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 乾いた風が頬を撫でる。
 熱を帯びた日差しが注ぐ。
 青空と白い大地を跨ぐ、水平線の前に立ち、もうもうと立ち込める砂煙を見る。

 砂漠の大地に現れたのは、いくつかの少年少女の影だ。
 その中でひときわ背の低い、1人の少年に目が留まった。
 遠くに見えるその横顔は、見知った男のそれではない。
 戦場で幾度となく相対した、宿敵の鋭さはそこにはない。
 しかしそこには確かな強さと、ひとかけらだけの寂しさが、宿されているようにも見えた。

 そうか。
 全て、終わったのかと。
 既に少年は答えを出し、全てに決着をつけたのだと。

 遠くから彼を見据えた男――海馬瀬人という少年は、静かにそう納得した。



 少し前からこの状況に、微かな違和感は感じていた。
 街の中心にビルを構える、巨大企業海馬コーポレーション。
 いつものようにその頂の、社長の椅子に腰を下ろし、街を見下ろしながら仕事に追われる。
 それは変わらないはずだった。だがそれ以外が異なっていた。
 街の風景は慣れ親しんだ、童実野町のそれではない。
 会社の書類のいずれにも、マジック&ウィザーズの名前がない。
 常に隣に並び立つはずの、海馬モクバという弟がいない。
 足りないパーツやないはずのパーツが、絶えず違和感を訴えていた。
「貴様か、オレに戦争をしろなどとほざく輩は」
 そしてそれらが確信となった時、海馬瀬人の目の前に、姿を現した者がいた。
 明かりの落ちた部屋の奥に、ひっそりと立っている女に対して、海馬は鋭く言い放った。
「いかにも。私はセイバーのサーヴァント……聖杯の導きに従い、マスター・海馬瀬人の駒として現界した」
 歳は海馬よりも少し上――それでも成人はしていないだろう。
 そんな容姿にもかかわらず、闇の向こうに現れた女は、随分と大人びた様子で、静かに語りかけてきた。
 色素の薄い髪に、全身をすっぽりと覆うコート。端正な顔立ちではあったが、飾りっけがないという印象を受けた。
「それでオレに貴様を使って、聖杯戦争とやらを戦えと?」
「然り。マスターが戦いを勝ち残り、聖杯をその手に掴んだならば、あらゆる願いを叶える力が、共に授けられるだろう」
「古代エジプトの次は英国神話か」
 頼みもしないオカルトばかりと、海馬はため息と共に肩を竦めた。
「真実だ。万能の願望器たる聖杯は、確かに現実として存在する」
 セイバーは言う。
 聖杯には叶えられない願いなどないと。
 巨万の富を手にすることも。
 世界を支配することも。
 理を捻じ曲げることすらも。
「時の流れをさかのぼり、過去をやり直すことすらも――聖杯は可能とするだろう」
 一瞬、ぴくり、と指先が動いた。
 過去という2文字の言葉に対し、海馬は僅かに反応を示した。
「何か心当たることでも?」
 そしてその僅かな心の動きを、剣騎士の英霊は見逃さなかった。
 傲然としていた態度の中で、初めて揺らぎを見せた海馬に対し、セイバーは静かに問いかけた。
「オレは過ぎ去った道に興味などない」
 事実だ。
 過去を変えるつもりはないと、そう言い切った海馬の声には、今度は一切の揺らぎはなかった。
 彼にも暗い過去くらいはある。
 本当の両親と死に別れ、施設に送られていた頃のこと。
 海馬剛三郎に引き取られ、地獄の教育を施され、屈辱と苦痛に喘いだこと。
 その剛三郎との決着を果たせず、新たな敵をさまよい求め、心を暗く歪ませたこと。
 全てやり直せるというなら、それに越したことのない記憶だ。
 しかし、それらは乗り越えた。
 痛みも憎しみも何もかも、海馬は瓦礫の塔と共に、海の深くへと沈め捨て去った。


「……強いて言うならば、失われた未来」
 だからこそ、願うものがあるとすれば。
 それは取り返せない過去ではなく、手にすることができなかった未来だ。
「もう一度戦いたかった男がいる……奴を再び呼び戻し、決着をつけたいという願いならある」
 最強の決闘者(デュエリスト)・武藤遊戯。
 その魂の奥底に潜む、古代エジプトの王の魂――アテム。
 海馬は無二の宿敵の死に目に、立ち会うことができなかった。
 彼がエジプトを訪れた時には、既に全ての戦いが終わり、戦友は在るべき場所へと還っていた。
 幾度となくカードという剣を重ね、そして勝てなかった男に対して、いつかリベンジを果たすという願いは、永劫叶わなくなったのだ。
 そのことに対する後悔は、僅かばかり存在している。
 願いが叶えられるのならば、あるいは果たせなかった再戦を、聖杯に望むかもしれないと、そう考えている自分がいる。
 静かに、しかし微かに熱を帯びた声音で、海馬はそう語っていた。
「悲しいな」
 それに対するセイバーの感想が、これだ。
 海馬の込めた想いを察し、そんな言葉を口にしたのだ。
 同情か、あるいは憐憫か――たった一言の言葉が、どちらを意味していたのかは分からない。
「オレを哀れむのはよせ……!」
 それでも、たとえどちらだとしても、彼女の一言は海馬の心を、随分と逆撫たようだった。
 瞳はこれまでにない光を放ち、声は唸るように響く。
 怒気を放った海馬の姿は、まさしく逆鱗に触れられた竜だ。
「すまない」
 それでもセイバーの対応は、どこ吹く風といった様子の、極めて涼やかなものだった。
 それでかえって白けたのか、ふんと鼻を鳴らした海馬は、腕を組んで椅子に座った。
「言っておくが、オレは聖杯戦争とやらに対して、乗ると決めたわけではない」
 しばしの沈黙があった後、海馬は再び口を開く。
 他人に強いられた戦争に、喜んで食いつく間抜けではないと、すっかり元の口調に戻って言う。
「だがどうやら、オレが貴様を呼び寄せた以上、命を狙われるという事実は覆せんらしい」
「その通りだ」
「ならばむざむざと殺られる気はない。敵が立ちはだかるというのなら、貴様の力、使わせてもらうぞ」
「心得た」
 静かに了承したセイバーを認めると、海馬は視線をデスクへと移し、広い引き出しを開いた。
 そこに入っていたものは、つい数分前に見つけたもの――自分のマジック&ウィザーズのデッキだ。
 何よりも信頼する最強のしもべを、その奥へと宿したプライドの結晶だ。
(これはゲームではない)
 これまでに戦ってきたように、カードでどうこうできる問題ではない。
 これから海馬が立ち向かうべきは、何よりも忌み嫌った戦争だ。
 憎き海馬剛三郎が食い物にしてきた、血生臭い殺し合いの舞台だ。
 そしてそこに携えるべきは、ゲームで戦うためのカードではない。
(くだらんな)
 青眼の白龍(ブルーアイズ・ホワイト・ドラゴン)。
 己のしもべに比べると、英霊サーヴァントとやらの、何とも心躍らぬことか。
 連れ添うべき相棒の姿を――ラクウェル・アップルゲイトの姿を見直し、海馬は内心でため息をついた。


【クラス】
セイバー

【真名】
ラクウェル・アップルゲイト@ワイルドアームズ the 4th Detonator

【パラメータ】
筋力B+ 耐久C 敏捷C 魔力C 幸運E 宝具C

【属性】
中立・善

【クラス別スキル】
対魔力:E
魔力に対する守り。無効化はせず、ダメージ数値を多少軽減する。

騎乗:C
騎乗の才能。大抵の乗り物、動物なら人並み以上に乗りこなせるが、
野獣ランクの獣は乗りこなせない。

【保有スキル】
勇猛:A
威圧・混乱・幻惑といった精神干渉を無効化する能力。
また、格闘ダメージを向上させる効果もある。

直感:C
戦闘時、つねに自身にとって最適な展開を”感じ取る”能力。
敵の攻撃を初見でもある程度は予見することができる。

火除けの加護:D
炎属性のダメージを軽減する。

【宝具】
『刹那にて二天を舞う(イントルード)』
ランク:D 種別:対人宝具(自身) レンジ:- 最大捕捉:-
精神を統一し、直後に倍速での行動を可能とする技能が宝具化したもの。いわゆる「2回行動」である。
性質上、最初の発動までにワンテンポ置く必要があるが、行動速度・反応速度共に向上するため、接近戦を優位に戦うことが可能。
更にマスターへの負担は大きくなるが、連続使用することによって、ある程度効果を継続させることもできる。

『剣閃六絶鉄をも断つ(アポカリプス・ゼロ)』
ランク:C 種別:対人宝具 レンジ:1~10 最大捕捉:20人
ラクウェルの誇る最大奥義が宝具化したもの。
巨岩を生じて対象を包囲し、諸共に断ち切る技である。

371 :海馬瀬人&セイバー ◆aWSXUOcrjU:2015/03/01(日) 23:09:01 ID:aeUV3yFk0
【weapon】
  • バスタードソード
両手持ちの大剣。柄の部分を伸縮させ、槍のようにして操ることもできる。

【人物背景】
戦争で疲弊した大地・ファルガイアを歩き、世界に残された美しい物を見るために旅をしていた渡り鳥。
剣の腕前は超一流であり、特務局ブリューナクのコマンダー相手にも互角に立ち回ることができる。
大人しく達観した性格であり、仲間達からは実力的にも精神的にも頼りにされていた。

実は8歳の頃に、新型兵器グラウスヴァインの暴走事故「フェルクレルングの白日夢」に巻き込まれており、身内の一切を喪っている。
またこの時本人も被曝しており、余命いくばくもない身体となってしまった。
上述した性格はそうした経緯によって形成されたものだが、時折己の命の短さに恐怖し、震えることもあったという。
一応騎乗スキルは保有しているものの、機械の扱いそのものは苦手。

一撃の重さに特化したパワー型ファイター。
竜脈の力を得て攻撃と傷の治癒を同時に行う「竜刃」、剣に毒気を纏い斬りつける「毒咬」といった技や、
味方に魔力ブースト効果を与える「月光」という技などを持つ。
反面速度はそれほど高くなく、宝具『刹那にて二天を舞う(イントルード)』による補強が肝要である。

19歳の時にファルガイアを守るための戦いに参加し、ARM・ディバインウェポンの暴走を阻止。
その後は旅の仲間である、アルノー・G・ヴァスケスと共に、身体の治療法を探すための旅に出た。
病気の治療法は見つからなかったが、世界に残された、本当に美しいものは見つけられたという。
生まれて間もない娘の小さな手を握り、そのあたたかさに安らいだまま、彼女は旅を終えた。

子供が産まれる歳までは生きた彼女だったが、サーヴァントとしての容姿は、後世に語られている、19歳当時のものになっている。
当然被曝による病の影響は消失している。

【サーヴァントとしての願い】
既に本当に美しいものは得られた。過去への悔いや願いはない。

【基本戦術、方針、運用法】
本人の腕力は高いが、広範囲を攻撃するような派手な宝具は持たない。
そのため『刹那にて二天を舞う(イントルード)』を主軸とした、白兵戦闘がメインになる。
セイバーとしてはさほどパラメーターが高い方ではないので、マスターの戦略で補う必要がある。


【マスター】
海馬瀬人@遊戯王

【マスターとしての願い】
強いて言うなら、ただ一度きりの友(ライバル)との再戦

【weapon】
  • カードデッキ
本来は武器ではない。
カードゲーム「マジック&ウィザーズ」の、40枚+融合デッキで構成されるカードデッキ。
高攻撃力のモンスターと、デッキを破壊するウィルスカードを組み合わせ、相手を完膚なきまでに殲滅することに特化したパワーデッキである。
もちろんただのカードであるため、殺傷能力はないのだが、時々手裏剣のように敵に投げつけ、不意を打つことがある。

  • 青眼の白龍(ブルーアイズ・ホワイト・ドラゴン)
本来は武器ではない。
前述したカードデッキに投入されている、3枚のモンスターカード。レベル8・攻撃力3000・守備力2500のドラゴン族。
孤高の天才である海馬が、唯一絶対の信頼を寄せる他者であり、己のプライドと魂の全てを賭したと豪語する最強のしもべである。
その凄まじい能力値から、初期段階で生産が中止されているレアカードであり、デッキに3枚フル投入している決闘者は、海馬以外には存在しない。
後にこのカードを上回る性能を持つモンスターは、何体か登場しているのだが、
それでもなおその逸話と海馬自身の実力から、数多の決闘者に畏れられているカードである。
「攻撃・守備が最高の、なかなか手に入らない超レアカード」。

  • デュエルディスク
本来は武器ではない。
マジック&ウィザーズをプレイするための立体映像(ソリッドビジョン)投影機であり、左腕に装着することで使用する。
金属製だが見た目以上に軽いらしく、これを付けたまま日常生活を送ることも問題なく可能。

【能力・技能】
  • ゲーマー
バーチャル・アナログを問わず、ありとあらゆるゲームに精通した知識と技術。
特にマジック&ウィザーズにおいては、世界レベルの実力を有しており、「カードの貴公子」という2つ名と共に畏れられている。

  • 会社経営
ゲーム産業企業「海馬コーポレーション」の社長として、会社を経営するためのスキル。
類稀なる経営手腕は、幼少期の過酷な教育によって培われたものであり、16歳の時点で父親を凌ぐほどの力を獲得している。

  • 騎乗
乗り物を乗りこなすスキル。
どういった経緯で学んだのかは不明だが、ヘリコプターや戦闘機を操縦できる。アニメ版ではバイクを運転しており、他の乗り物にも乗れるかもしれない。

【人物背景】
童実野高校に在籍する高校2年生の少年で、大企業・海馬コーポレーションの社長でもある。
傲岸不遜な性格で、プライドが高く気難しい。しかし弟のモクバに対してのみ、愛情を見せる場面もある。

元は孤児だったが、海馬コーポレーション前社長・剛三郎にチェスで勝利し、彼の養子となっている。
その後は剛三郎と対決し、会社を乗っ取ることに成功したものの、敗北を悟った剛三郎はその場で投身自殺。
この後味の悪い結末は、長らく彼の心に影を落とすことになった。

上記の経験から性格が歪み、現在の姿が想像もできないほどの卑劣漢に変貌したものの、
宿敵・武藤遊戯との戦いと敗北によって変化が生じ、現在の人となりが形成された。
心の闇を打ち砕かれ、過去の憎しみをも振り切った現在は、幼い頃に夢に描いた「世界海馬ランド計画」のため邁進している。

無法者のグールズをタコ殴りにし海に捨てるなど、喧嘩の実力もそれなりに高い。
また、前世は古代エジプトの神官・セトではないかという説もあり、その頃から「青眼の白龍」のと宿命は続いている。

【方針】
気乗りはしないが向かってくる敵には容赦しない。

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